監督、選手コメントより
【ヤマザキナビスコカップ】鹿島 vs G大阪:パウロアウトゥオリ監督(鹿島)記者会見コメント [ J's GOAL ]
6月4日(日) 2006 ヤマザキナビスコカップ
鹿島 0 - 0 G大阪 (19:00/カシマ/6,679人)
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●パウロアウトゥオリ監督(鹿島):
Q.一般論として、ホームで0−0で引き分けたということはアドバンテージにはならないと思うんですが、どう受け止めていますか?
「それは見方次第ではないかと思います。まず、引き分けでうちが点を取った場合は、どちらが決勝ラウンドに進出しますか? それは日本のサッカーでは新しいことで、皆さま理解を深めなくてはならないと思います。もしうちが、点を取れば1−1とか2−2というスコアであれば、アウェイゴールが適用されて我々が次に進みます。だからと言って引き分けを狙うのではなく、我々は勝ちにいきますし、点をとって失点しないことを前提に戦いに行きます」
Q.点を取って失点しないということですが、今日の試合は0点には抑えましたけれど中盤でボールをさばききれないくて個人技が多く見られたと思うのですが、それは指示だったのでしょうか? それともそうなってしまったのでしょうか?
「私は逆の見方をしています。『どこで個人技があったのでしょうか?』というのが逆に私の質問になります。個人技というプレーがうちのチームには一番足りない部分だと思います。1対1の守備でも攻撃でも個人技が全く無いというところが、また個人の発想が全く無いというところがこのチームに欠けている部分だと考えています。中盤のゾーンでも個人技があれば、ひとりかわすことができれば相手のマークがずれ、そこで数的有利になる形が生まれるわけです。ですから、逆に私はそういうところを要求しているところです。
あとは0−0というスコアというのは我々にとってはプラスの材料になりますし、私は慣れている方式です。アウェイゴールが適用されるわけですから、まず相手は失点してはいけないというプレッシャーを相手に与えましたし、失点せずに点をとれば決勝ラウンドに進む確率は我々の方が有利に進めることができると思います。失点しないことにあまりに注意が増しますと攻撃の部分が手薄になると考えておりますので、こういう状況が我々には有利な形になっていますので、これをうまく活用しなくてはいけないと思います」
以上
【ヤマザキナビスコカップ】鹿島 vs G大阪:試合終了後の各選手コメント [ J's GOAL ]
●本山雅志選手(鹿島):
「勝って勢い付けたかったんですけど、得点取れそうな場面で入らなかったのが痛かったです。前半の最初、(相手に)押し込まれて徐々に盛り返して行けたんですけど、そこをもうちょっと前半から自分たちのリズムでやれるようにしたいです。次はアウェイですけど、点を取らないと次に進めないんで、しっかり勝っていきたいと思います。まぁホームで0−0だったんですけど、アウェイで先に点取れれば大きいんで、先に点が取れるように頑張りたいと思います。
Q.0点に抑えたことについてはどうですか?
「点を取られてたんですけど、自分たちのミスが多かったので。その辺、集中してやってくれているので大丈夫だと思いますし、1週間でだいぶ修正できる部分もありますので、これからは大丈夫だと思います」
●増田誓志選手(鹿島):
「マグノ・アウベスとフェルナンジーニョが(マークの)間に入ってきたとき、付けきれなかったんで。無失点で終わるということを前提に戦っていたんですが、無得点というのは予想していませんでした。無失点で抑えて勝つというのが最低限の目標だったので、0−0というのは少し残念です。
Q.守備に関しての手応えは?
「ボクに関しては間に(パスを)出されたという課題が残りました。ただ、チーム全体としては無失点に抑えたので自信になったと思うし、1週間練習してきたことが発揮された試合だと思いますし、練習してきて良かったなと思います」
Q.アウェイでの戦いに向けては?
「やっぱりアウェイゴールがあるので、うちが点を取るとガンバは乱れると思いますし、先取点を取りたいです。一番大事なのは無失点ということなんで、失点なしで先取点を取るということが目標だと思います」
●青木剛選手(鹿島):
「結果的に0点で抑えられたことは良かったと思います。自分自身まだ小さなミスがあるのでそこを修正して、次はアウェイですけど今日みたいに集中して絶対に点をやらないという気持ちでやれば良い結果が得られるんじゃないかと思います」
Q.今日はアントラーズの流れがあったと思うんですが?
「良い流れはあったので、そこで(点が)取れれば違う結果になったと思います。でも、0点で抑えたことは収穫だと思いますし、守りだけだったかといえば(そうでもなく)攻撃でも良いところが出せたと思いますし、次に向けて良い試合ができたと思います」
Q.もっと攻撃がしたいですか?
「後半はワンボランチで残れと言われていたし、試合前とかも後ろの方でさばけと言われていたので、そこまで前へ前へということは意識していませんでした。アウェイゴールのルールとか、ホーム&アウェイというやり方があるんで、守りだけになってはいけないですけど失点したら苦しくなると思いますので」
Q.アウェイゴールというのが意識にあった?
「アウェイゴールということが先に来るわけではなくて、ホームで失点したくないという気持ちが強くありました。どんな試合でも失点してはいけないと思うのでそういう意識でいました」
●大岩剛選手(鹿島):
「チームとしてうまく守れていたというのもありますし、逆に(ボールを)取ってからの攻撃もカウンターで良い形ができていた。失点しないことを前提に試合を進めていたんでチームとしてもいい形だったと思います」
Q.この1週間、守備の練習を重点的に行っていたようですが、かなり効果があったということですか?
「意識ですね。選手ひとりひとりがボールに対してきっちり行くという意識が今日の試合でも出ていたので良かったと思います」
Q.木曜日にアウェイの試合が待っていますが?
「今日みたいに良い形で守備をしながら、相手の嫌がる攻撃ができればプレッシャーになると思うし、アウェイということで一つ取れば優位に立てるのでそういう心構えで臨みたいと思います」
●内田篤人選手(鹿島):
「ポゼッションができたのでそれがまた出来れば良いと思います」
Q.家長選手とのマッチアップはいかがでしたか?
「歳も近いし速い。瞬発的な速さで体力もある。3−5−2のサイドって体力的にきついポジションなんですけど、あれだけディフェンスもやって攻めるのは学ぶところがあります。この前の対戦ではクロスを簡単にあげられてたので、今日は左を切って対応したんですけど、後半ちょっとやられたんでまだまだいろいろ考えていきたいです」
●深井正樹選手(鹿島):
「チームのためにということを一番に考えて、守備も攻撃も動きのなかからチームに与えられればと思ってやってました。いまチームは良い方向にも悪い方向にも転がりそうな嫌な雰囲気があったので、それは選手ひとりひとりが気持ちの中で変えて行かなきゃいけないものだし。僕は口でチームを引っ張るというのはあんまり出来ないんで、なるべくそういうのはプレーで表していければと思ってこの1週間やりました。次の試合はきっちり勝って、また修正する時間もできるので、次は結果にこだわっていきたいですね。アウェイゴールについてはあまり気にしないで、自分たちはアウェイですけどまず勝ちに行かなきゃいけないんで。最初から引き分け狙いじゃ負けてしまうので、まず勝ちに行く、勝たなきゃ次は無いという気持ちで行きたい。勝てば自ずと次に行けるわけですから」
トニーニョ・セレーゾ時代に比べて監督への質問に答えを誘導しようとする意図を感じる。
インタビュアーが変わったのだろうか?
しかし、その意図をはぐらかすかのように答えていくアウトゥオリ監督に百戦錬磨の経験を垣間見るのは勘ぐりすぎであろうか。
この監督は実績も十分であるが、それ以上にプロ監督としての仕事意識を感じることが出来る。
少々壁があるが。それも意図したものであろう。
そして、君たち(インタビュアー)にわかるような安易なサッカー観で試合に挑んでいるわけではないよ、という答えが必ず返ってくる。
キャラクターと言ってしまえばそれまでではあるが、非常に参考になる。
人生の師として仰ぐに相応しいのではないか。
彼の言葉を額面通りに受け取るだけでは成長はない、しかしその裏に隠された意図を読みとることが出来れば、大いなる成長が約束されるであろう。
選手にとってはチャンスである。
特にゲームキャプテンに抜擢されている岩政やコンバートでポジションを得た誓志は、近い将来チームを担う器としてこの師から多くを吸収すべきである。
マスコミ対応もサッカー界に身を置く者の仕事の一つであることを認識して欲しい。
ドイツでFKをふかしている場合ではないのだ。
6月4日(日) 2006 ヤマザキナビスコカップ
鹿島 0 - 0 G大阪 (19:00/カシマ/6,679人)
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●パウロアウトゥオリ監督(鹿島):
Q.一般論として、ホームで0−0で引き分けたということはアドバンテージにはならないと思うんですが、どう受け止めていますか?
「それは見方次第ではないかと思います。まず、引き分けでうちが点を取った場合は、どちらが決勝ラウンドに進出しますか? それは日本のサッカーでは新しいことで、皆さま理解を深めなくてはならないと思います。もしうちが、点を取れば1−1とか2−2というスコアであれば、アウェイゴールが適用されて我々が次に進みます。だからと言って引き分けを狙うのではなく、我々は勝ちにいきますし、点をとって失点しないことを前提に戦いに行きます」
Q.点を取って失点しないということですが、今日の試合は0点には抑えましたけれど中盤でボールをさばききれないくて個人技が多く見られたと思うのですが、それは指示だったのでしょうか? それともそうなってしまったのでしょうか?
「私は逆の見方をしています。『どこで個人技があったのでしょうか?』というのが逆に私の質問になります。個人技というプレーがうちのチームには一番足りない部分だと思います。1対1の守備でも攻撃でも個人技が全く無いというところが、また個人の発想が全く無いというところがこのチームに欠けている部分だと考えています。中盤のゾーンでも個人技があれば、ひとりかわすことができれば相手のマークがずれ、そこで数的有利になる形が生まれるわけです。ですから、逆に私はそういうところを要求しているところです。
あとは0−0というスコアというのは我々にとってはプラスの材料になりますし、私は慣れている方式です。アウェイゴールが適用されるわけですから、まず相手は失点してはいけないというプレッシャーを相手に与えましたし、失点せずに点をとれば決勝ラウンドに進む確率は我々の方が有利に進めることができると思います。失点しないことにあまりに注意が増しますと攻撃の部分が手薄になると考えておりますので、こういう状況が我々には有利な形になっていますので、これをうまく活用しなくてはいけないと思います」
以上
【ヤマザキナビスコカップ】鹿島 vs G大阪:試合終了後の各選手コメント [ J's GOAL ]
●本山雅志選手(鹿島):
「勝って勢い付けたかったんですけど、得点取れそうな場面で入らなかったのが痛かったです。前半の最初、(相手に)押し込まれて徐々に盛り返して行けたんですけど、そこをもうちょっと前半から自分たちのリズムでやれるようにしたいです。次はアウェイですけど、点を取らないと次に進めないんで、しっかり勝っていきたいと思います。まぁホームで0−0だったんですけど、アウェイで先に点取れれば大きいんで、先に点が取れるように頑張りたいと思います。
Q.0点に抑えたことについてはどうですか?
「点を取られてたんですけど、自分たちのミスが多かったので。その辺、集中してやってくれているので大丈夫だと思いますし、1週間でだいぶ修正できる部分もありますので、これからは大丈夫だと思います」
●増田誓志選手(鹿島):
「マグノ・アウベスとフェルナンジーニョが(マークの)間に入ってきたとき、付けきれなかったんで。無失点で終わるということを前提に戦っていたんですが、無得点というのは予想していませんでした。無失点で抑えて勝つというのが最低限の目標だったので、0−0というのは少し残念です。
Q.守備に関しての手応えは?
「ボクに関しては間に(パスを)出されたという課題が残りました。ただ、チーム全体としては無失点に抑えたので自信になったと思うし、1週間練習してきたことが発揮された試合だと思いますし、練習してきて良かったなと思います」
Q.アウェイでの戦いに向けては?
「やっぱりアウェイゴールがあるので、うちが点を取るとガンバは乱れると思いますし、先取点を取りたいです。一番大事なのは無失点ということなんで、失点なしで先取点を取るということが目標だと思います」
●青木剛選手(鹿島):
「結果的に0点で抑えられたことは良かったと思います。自分自身まだ小さなミスがあるのでそこを修正して、次はアウェイですけど今日みたいに集中して絶対に点をやらないという気持ちでやれば良い結果が得られるんじゃないかと思います」
Q.今日はアントラーズの流れがあったと思うんですが?
「良い流れはあったので、そこで(点が)取れれば違う結果になったと思います。でも、0点で抑えたことは収穫だと思いますし、守りだけだったかといえば(そうでもなく)攻撃でも良いところが出せたと思いますし、次に向けて良い試合ができたと思います」
Q.もっと攻撃がしたいですか?
「後半はワンボランチで残れと言われていたし、試合前とかも後ろの方でさばけと言われていたので、そこまで前へ前へということは意識していませんでした。アウェイゴールのルールとか、ホーム&アウェイというやり方があるんで、守りだけになってはいけないですけど失点したら苦しくなると思いますので」
Q.アウェイゴールというのが意識にあった?
「アウェイゴールということが先に来るわけではなくて、ホームで失点したくないという気持ちが強くありました。どんな試合でも失点してはいけないと思うのでそういう意識でいました」
●大岩剛選手(鹿島):
「チームとしてうまく守れていたというのもありますし、逆に(ボールを)取ってからの攻撃もカウンターで良い形ができていた。失点しないことを前提に試合を進めていたんでチームとしてもいい形だったと思います」
Q.この1週間、守備の練習を重点的に行っていたようですが、かなり効果があったということですか?
「意識ですね。選手ひとりひとりがボールに対してきっちり行くという意識が今日の試合でも出ていたので良かったと思います」
Q.木曜日にアウェイの試合が待っていますが?
「今日みたいに良い形で守備をしながら、相手の嫌がる攻撃ができればプレッシャーになると思うし、アウェイということで一つ取れば優位に立てるのでそういう心構えで臨みたいと思います」
●内田篤人選手(鹿島):
「ポゼッションができたのでそれがまた出来れば良いと思います」
Q.家長選手とのマッチアップはいかがでしたか?
「歳も近いし速い。瞬発的な速さで体力もある。3−5−2のサイドって体力的にきついポジションなんですけど、あれだけディフェンスもやって攻めるのは学ぶところがあります。この前の対戦ではクロスを簡単にあげられてたので、今日は左を切って対応したんですけど、後半ちょっとやられたんでまだまだいろいろ考えていきたいです」
●深井正樹選手(鹿島):
「チームのためにということを一番に考えて、守備も攻撃も動きのなかからチームに与えられればと思ってやってました。いまチームは良い方向にも悪い方向にも転がりそうな嫌な雰囲気があったので、それは選手ひとりひとりが気持ちの中で変えて行かなきゃいけないものだし。僕は口でチームを引っ張るというのはあんまり出来ないんで、なるべくそういうのはプレーで表していければと思ってこの1週間やりました。次の試合はきっちり勝って、また修正する時間もできるので、次は結果にこだわっていきたいですね。アウェイゴールについてはあまり気にしないで、自分たちはアウェイですけどまず勝ちに行かなきゃいけないんで。最初から引き分け狙いじゃ負けてしまうので、まず勝ちに行く、勝たなきゃ次は無いという気持ちで行きたい。勝てば自ずと次に行けるわけですから」
トニーニョ・セレーゾ時代に比べて監督への質問に答えを誘導しようとする意図を感じる。
インタビュアーが変わったのだろうか?
しかし、その意図をはぐらかすかのように答えていくアウトゥオリ監督に百戦錬磨の経験を垣間見るのは勘ぐりすぎであろうか。
この監督は実績も十分であるが、それ以上にプロ監督としての仕事意識を感じることが出来る。
少々壁があるが。それも意図したものであろう。
そして、君たち(インタビュアー)にわかるような安易なサッカー観で試合に挑んでいるわけではないよ、という答えが必ず返ってくる。
キャラクターと言ってしまえばそれまでではあるが、非常に参考になる。
人生の師として仰ぐに相応しいのではないか。
彼の言葉を額面通りに受け取るだけでは成長はない、しかしその裏に隠された意図を読みとることが出来れば、大いなる成長が約束されるであろう。
選手にとってはチャンスである。
特にゲームキャプテンに抜擢されている岩政やコンバートでポジションを得た誓志は、近い将来チームを担う器としてこの師から多くを吸収すべきである。
マスコミ対応もサッカー界に身を置く者の仕事の一つであることを認識して欲しい。
ドイツでFKをふかしている場合ではないのだ。