新井場の泣ける話
[オ〜レ!オレ、オレ、俺]鹿島DF・新井場徹(30)

大宮ゴールに向かって攻め込んだ鹿島・新井場
◆J1第17節第1日 鹿島2―0大宮(11日・カシマ) 気持ちがこぼれ出てしまいそうだった。試合開始から20秒。DF新井場はドリブルを開始した。大きなストライドでぐいぐい進む。向かってくる相手に目もくれず突進。勢いあまってタッチラインを割ってしまったが、7試合ぶりの先発出場で、その存在を届けるように走り回った。
今年1月、自主トレで初めて鹿児島・徳之島を訪れた。友人から誘いを受け、例年の石垣島キャンプを変更した。そこで耳にした事情。鹿児島県の高校サッカー公式戦は、すべて鹿児島本土で行われるという。徳之島から本土までフェリーで18時間。その後に試合に臨み、勝った場合も授業があるため一度戻り、再びフェリーで出直す。
「経済的に恵まれていれば飛行機でも移動できるけど、大変みたい。何とかしたいけど、1人の力ではどうにも…」。金銭的な援助ができない代わりに子どもたち、果物を差し入れてくれたおばあちゃんたちに「絶対、3連覇してくるから、応援してや」と誓った。
そして友へ。G大阪でともにプレーしていた崎本晋輔さんが洋菓子店を開業し、10日に自慢のロールケーキが送られてきた。開業1年目では異例という、大阪のデパ地下にも並ぶほどの味と人気がある。第二の人生をたくましく生きる親友に触れ、「オレも刺激になるわ。やらなあかんな」と奮い立った。
3月15日のリーグ新潟戦後、スタメンから外れた。「集中力」(オリヴェイラ監督)が原因だった。「チームの一つの駒としてやる」と言って向かった大宮戦。「プラスアルファをしなあかん。チャンスを生かすためにも」。クールな男が見せた必死な形相。徳之島にも、大阪にも、そしてオリヴェイラ監督にも届いたはずだ。
◆新井場 徹(あらいば・とおる)1979年7月12日、大阪府枚方市出身。30歳。幼少からサッカーを始め、G大阪ユースを経て98年にトップ昇格。同期にはMF稲本潤一(レンヌ)ら。日本では数少ない大柄なサイドとして、日本代表候補になる。04年に鹿島へ完全移籍。不動の左サイドバックとして07、08年のリーグ2連覇を支えた。リーグ通算299試合20得点。182センチ、74キロ。家族は妻、二女。
(2009年7月12日06時01分 スポーツ報知)
公式携帯サイトで紹介されてった「徳之島のイイ話」、「ユダの誕生日にロールケーキを贈った話」を掻い摘んで報道されておる。
特に「徳之島のイイ話」は感涙ものであるので、是非とも携帯サイトの会員となりバックナンバーから読んで欲しい。
今はバックアップメンバーとしてのポジションであるが、再びレギュラー奪う日も遠くはないはず。
鹿島の翼は新井場徹であって欲しい。

大宮ゴールに向かって攻め込んだ鹿島・新井場
◆J1第17節第1日 鹿島2―0大宮(11日・カシマ) 気持ちがこぼれ出てしまいそうだった。試合開始から20秒。DF新井場はドリブルを開始した。大きなストライドでぐいぐい進む。向かってくる相手に目もくれず突進。勢いあまってタッチラインを割ってしまったが、7試合ぶりの先発出場で、その存在を届けるように走り回った。
今年1月、自主トレで初めて鹿児島・徳之島を訪れた。友人から誘いを受け、例年の石垣島キャンプを変更した。そこで耳にした事情。鹿児島県の高校サッカー公式戦は、すべて鹿児島本土で行われるという。徳之島から本土までフェリーで18時間。その後に試合に臨み、勝った場合も授業があるため一度戻り、再びフェリーで出直す。
「経済的に恵まれていれば飛行機でも移動できるけど、大変みたい。何とかしたいけど、1人の力ではどうにも…」。金銭的な援助ができない代わりに子どもたち、果物を差し入れてくれたおばあちゃんたちに「絶対、3連覇してくるから、応援してや」と誓った。
そして友へ。G大阪でともにプレーしていた崎本晋輔さんが洋菓子店を開業し、10日に自慢のロールケーキが送られてきた。開業1年目では異例という、大阪のデパ地下にも並ぶほどの味と人気がある。第二の人生をたくましく生きる親友に触れ、「オレも刺激になるわ。やらなあかんな」と奮い立った。
3月15日のリーグ新潟戦後、スタメンから外れた。「集中力」(オリヴェイラ監督)が原因だった。「チームの一つの駒としてやる」と言って向かった大宮戦。「プラスアルファをしなあかん。チャンスを生かすためにも」。クールな男が見せた必死な形相。徳之島にも、大阪にも、そしてオリヴェイラ監督にも届いたはずだ。
◆新井場 徹(あらいば・とおる)1979年7月12日、大阪府枚方市出身。30歳。幼少からサッカーを始め、G大阪ユースを経て98年にトップ昇格。同期にはMF稲本潤一(レンヌ)ら。日本では数少ない大柄なサイドとして、日本代表候補になる。04年に鹿島へ完全移籍。不動の左サイドバックとして07、08年のリーグ2連覇を支えた。リーグ通算299試合20得点。182センチ、74キロ。家族は妻、二女。
(2009年7月12日06時01分 スポーツ報知)
公式携帯サイトで紹介されてった「徳之島のイイ話」、「ユダの誕生日にロールケーキを贈った話」を掻い摘んで報道されておる。
特に「徳之島のイイ話」は感涙ものであるので、是非とも携帯サイトの会員となりバックナンバーから読んで欲しい。
今はバックアップメンバーとしてのポジションであるが、再びレギュラー奪う日も遠くはないはず。
鹿島の翼は新井場徹であって欲しい。
マルキーニョス、歴代10位タイ
マルキーニョス10位タイの91ゴール…鹿島
◆J1第17節第1日 鹿島2―0大宮(11日・カシマ) 鹿島FWマルキーニョスが歴代10位タイとなるJリーグ通算91得点目を挙げた。前半16分、FW興梠のクロスを頭で合わせ、貴重な先制点。元浦和のMF福田正博に並び、10位タイに浮上。昨季は来日8年目で初の得点王を獲得。今季序盤はポストに嫌われる場面やシュートミスが多かったが、持ち前の決定力が戻ってきた。
(2009年7月12日06時01分 スポーツ報知)
ストライカー・マルキーニョスがJリーグの歴史に名を連ねた。
まだまだ現役である。
更なる記録が期待出来よう。
2TOPを組む興梠との連携もバッチリ、中盤の野沢・本山も好調であり、得点量産もあり得るのでは無かろうか。
怪我だけが不安要素である。
マルキーニョスと共に得点をそして勝利を掴んで行こうではないか。
◆J1第17節第1日 鹿島2―0大宮(11日・カシマ) 鹿島FWマルキーニョスが歴代10位タイとなるJリーグ通算91得点目を挙げた。前半16分、FW興梠のクロスを頭で合わせ、貴重な先制点。元浦和のMF福田正博に並び、10位タイに浮上。昨季は来日8年目で初の得点王を獲得。今季序盤はポストに嫌われる場面やシュートミスが多かったが、持ち前の決定力が戻ってきた。
(2009年7月12日06時01分 スポーツ報知)
ストライカー・マルキーニョスがJリーグの歴史に名を連ねた。
まだまだ現役である。
更なる記録が期待出来よう。
2TOPを組む興梠との連携もバッチリ、中盤の野沢・本山も好調であり、得点量産もあり得るのでは無かろうか。
怪我だけが不安要素である。
マルキーニョスと共に得点をそして勝利を掴んで行こうではないか。
大宮戦報道
大迫90日ぶり弾!鹿島Vへ15戦不敗/J1

2点目のゴールを決める鹿島大迫(撮影・蔦林史峰)
<J1:鹿島2−0大宮>◇第17節◇11日◇カシマ
首位を独走する鹿島が大宮を2−0で下し、2位との勝ち点差8を守った。前半16分にFWマルキーニョス(33)のゴールで先制すると、後半44分に途中出場の新人FW大迫勇也(19)が公式戦では80日ぶり、リーグ戦では90日ぶりとなるゴールを決めてダメ押し。出場機会が減り、苦境に立たされながら努力を怠らなかった大迫の一撃が、3連覇を狙う王者をさらに加速させた。川崎Fと新潟が2−2で引き分けたため、広島を2−1で下した浦和が2位に浮上した。
久しぶりに味わう感覚を楽しむかのように、歓喜の輪に吸い込まれていった。勝利を決定づけるダメ押し弾。大迫は「ふかさないことだけを考えた。(リーグ戦は)1得点で終わるかと思った時もあった。2点目までの時間? 長かった」と本音を吐露した。
突出した得点感覚を発揮した。後半44分。MFダニーロに1度ボールを預けてペナルティーエリアに侵入すると、折り返しのパスに対し、体を倒しながらダイレクトで右足を振り抜いた。高難度の一撃だったが「ダニーロが本当にいいボールを出してくれた」と仲間への感謝を口にした。
5月に入り、1度つかんだ定位置を手放すと、苦悩の時間が始まった。不慣れな控え生活に「焦りはありました」。ACLとリーグ戦の過密日程で練習量も制限され、5月下旬に帰省した際には、鹿児島城西高の恩師小久保監督に「日程が詰まっていて調整が難しい」と本音を打ち明けた。
だが気持ちは切らさなかった。「マイナスに考えずプラスに考えた」。出場機会が少ない分、個人練習の時間を増やした。休日でもクラブハウスを訪れ、体幹を鍛えた。帰省時にも石井フィジカルコーチのメニューをこなし、一時は体重が70キロから74キロ前後まで増加。鹿島関係者が「霜降りのような筋肉がさらに強くなった」と評したほど。この日の得点も奥野コーチとの居残り練習で研いだ、クロスに対し体を倒して浮かさずシュートするパターン。努力が形となって表れた。
鹿島の鈴木満強化部長は「今は練習でも積極性が出てきた。積極性が出れば道は開ける。興梠もマルキーニョスもうかうかできなくなる」と称賛。大迫は「プロ入り後、戸惑いながらサッカーをやっていた時期もある。今は自分のプレーをやれば通用すると思う。ホッとしたけどまだこれから頑張らないと」と前を向いた。再び輝き出した19歳がリーグ戦15戦不敗と絶好調の鹿島を加速させる。【菅家大輔】
[2009年7月12日8時17分 紙面から]
鹿島盤石!12戦ぶり大迫弾で独走ターン
2009.7.12 05:04

後半44分、大迫は大宮・塚本の防御にも構わず、右足を一閃。鹿島の勝利を決定付ける得点を入れた
J1第17節(11日、鹿島2−0大宮、カシマ)鹿島は後半44分、大型新人のFW大迫勇也(19)がリーグ戦2ゴール目を挙げ、大宮に2−0で快勝。勝ち点42で前半戦を首位で折り返した。鹿島は連続負けなしを15試合とし、J1記録にあと1試合に迫った。浦和はエジミウソン(26)の2ゴールで広島に2−1で逆転勝ちし、勝ち点34で2位に浮上した。
首位をひた走る鹿島の大型新人が、前半戦最後の一戦で新たな光をもたらした。1−0の後半37分から興梠に代わってピッチに立った大迫が同44分、ゴール前右で難しいバウンドとなったボールに倒れ込みながら、右足でゴール。待望のリーグ戦2ゴール目を挙げた。
「フカさないようにだけ気をつけた。(先発で)出られない時間が続いて苦しかった。ホッとしました」
ほころんだ表情に、率直な喜びがあふれた。リーグ戦では4月12日のFC東京戦以来、12試合ぶりの得点。日本代表にも復帰するなど好調な興梠の陰で、5月24日のG大阪戦を最後に先発の機会を遠ざかっていた。だが、19歳に悔しさなど感じている暇はない。連日の居残り練習。「(DF岩政)大樹さんも『相手DFが嫌がる動きをしろ』とアドバイスをくれて、意識してやった」。ここ3週間で体重は3キロ減。流した汗がゴールという実を結んだ。
チームもこれで15戦連続負けなしと絶好調。前節・川崎戦での退場でDF内田が出場停止となったが、守備でも代わりに8戦ぶりに先発したDF新井場が奮闘した。今季7度目の完封勝ちで、勝ち点「42」。1シーズン制となった05年以降の前半戦最大勝ち点で、首位のまま折り返した。
後半戦へチームにさらなる弾みをつけた大迫は、来月2日からはU−20日本代表として、岡田武史監督が直接指揮する予定の国際ユース大会(韓国・水原)に参加確実。夏こそ大迫のシーズンだ。「鹿児島ッスよ」と猛暑も大歓迎の薩摩隼人が、鹿島のファンへ熱い熱い夏を贈る。(丸山汎)

鹿島−大宮 後半44分、2点目を決めてダニーロ(右)と喜ぶ鹿島・大迫=カシマ
大迫勇也(おおさこ・ゆうや)
1990(平成2)年5月18日、鹿児島県加世田市(現・南さつま市)生まれ、19歳。3歳でサッカーを始め、鹿児島育英館中から鹿児島城西高に進学。1年時からレギュラーでU−16からU−19の各年代で日本代表に選出された。8強入りした08年度の全国高校総体、準優勝の全国高校選手権で得点王。今季から鹿島へ加入した。3月の第2節・新潟戦でJ1初出場を果たし、4月の第5節・FC東京戦で同初得点。J1今季12試合2得点。1メートル82、70キロ。

鹿島−大宮 前半、ヘディングで先制ゴールを決める鹿島・マルキーニョス(左)。GK江角=カシマ

鹿島−大宮 前半、ヘディングで先制ゴールを決める鹿島・マルキーニョス=カシマ

鹿島−大宮 前半、先制点を決めたマルキーニョス(右)と喜ぶアシストの鹿島・興梠=カシマ

大宮に勝利し、喜ぶ大迫(右端)ら鹿島イレブン=カシマ

首位で前半戦を終え、サポーターにあいさつする鹿島イレブン=カシマ
先発落ちを糧に…大迫12戦ぶり復活弾

<鹿島・大宮>後半終了間際、チーム2点目のゴールを決める鹿島・大迫勇也
Photo By スポニチ
鹿島の新人FW大迫勇也(19)が、復活弾を決めた。J1第17節の11日、ホームの大宮戦で後半37分から途中出場した大迫は、同44分に4月12日のFC東京戦以来リーグ戦12試合ぶりとなる一発を叩き込んでチームの勝利に貢献した。2―0で大宮を下した鹿島は、リーグ戦の不敗記録を15に伸ばしてJ最長記録の16試合に王手。前半戦折り返しでの勝ち点も42として独走態勢をキープした。
復活を告げる一撃だった。後半44分だ。ドリブルで仕掛けた大迫は右サイドのダニーロにパスを出して、そのままゴール前へ。そのダニーロからの折り返しに滑り込んで、右足ダイレクトで合わせてゴール左隅に突き刺した。4月12日のFC東京戦以来12試合ぶりとなるJリーグ2点目。思わず大迫が握りしめた両拳に込めていたのは悔しさだった。
「(試合に)出られない時間が続いていて苦しかった。少しでも出たら結果を出そうと思っていた。焦りはありましたけど、焦っても何も起こらないので自分のできることを精いっぱいやった。2点目まで?遅かったですね。1点で終わっちゃうんじゃないかと思いました」
5月24日のG大阪戦以来5試合、先発を離れていた。サッカーを始めてから初めて味わう苦い経験だったが、気持ちを切り替えて体を鍛え直した。試合後にもフィジカルトレーニングを行い、チームがオフの日も練習場に姿を現して汗を流した。6月に75キロあった体重は現在72キロにまで絞った。横からのパスをふかさずにシュートしたこの日のゴールも、奥野コーチとともに全体練習終了後に特訓していた形。DF伊野波は「苦しんでいたし、大迫なりに黙々とやっていた。人の見えないところで努力していたから、決めてくれて本当によかった」と、19歳の地道な努力が結実したゴールを喜んだ。
リーグ戦で15試合負けなしと最長不敗記録の16試合に王手をかけた鹿島の2トップには、先制点を決めたマルキーニョスと日本代表の興梠が君臨する。「ベンチで見て?(興梠)慎三さんとマルキのコンビネーションが凄かったけど、追いつけるように意識していた。自分のプレーを出せれば通用すると思うので、また一からやりたい」。復活した大迫も加わって、鹿島の独走態勢はより揺るぎないものになりそうだ。
[ 2009年07月12日 ]

<鹿島・大宮>後半、2点目のゴールを決める鹿島・大迫。左は大宮・塚本
Photo By 共同
大迫、オレもいるん弾…15戦負けなし!鹿島最強首位ターン

後半44分、ダメ押しゴールを決める鹿島・大迫
◆J1第17節第1日 鹿島2―0大宮(11日・カシマ) 鹿島が快勝し首位ターン。大宮と対戦した鹿島は前半16分にFWマルキーニョス(33)が頭で合わせ先制ゴール。後半44分には途中出場の黄金ルーキー大迫勇也(19)がダメ押しシュートを決め2―0で快勝。勝ち点を42に伸ばし、リーグ戦折り返しをがっちり首位キープ。
FW大迫の周りには、人だかりが出来ていた。最終ラインからDF伊野波が全速力で駆け寄り、MFダニーロは頭をポンとたたく。4月12日のF東京戦以来、リーグ戦2得点目。「試合に出られなくて苦しい時期もあったけど、結果を残してうれしい」。全員から笑顔で祝福を受けた。
後半44分だった。右サイドでダニーロにパスを送り、右45度からエリア内へ走り込んだ。「ダニーロが良いボールをくれた」と右足をダイレクトで合わせた。ゴール左に飛び込む貴重な追加点。「もう2点目が取れないんじゃないかと思ったこともあったけど、焦らずやってきた」
加入から半年、全国高校選手権で10得点を挙げ、鹿児島城西高から鳴り物入りで鹿島に入団し、取材が殺到した時のこと。浦和MF原口元気らが「若い」を理由に、クラブが取材規制を敷いていた時、オリヴェイラ監督も「取材規制をしてもいいんだぞ」と進言した。だが、大迫は「プロとして当たり前のこと」と、断った。
6月12日の柏戦でスタメン落ちすると「結果を出すまで何も言えない」とし、練習に没頭。今季中断以外で初めて連休となった6、7日のうち7日は休日を返上。体力強化に取り組んだ。「アイツは誰も見えないところで努力をしている。みんな知っている。今日はうれしかったから抱きつきに行っちゃったよ」と伊野波は興奮していた。
チームは2節新潟戦で敗れて以降、15試合連続負けなし。MF本山は「前半戦で3試合、勝てなかった。そういう試合もあるから満足はしていない」と気を引き締め、大迫も「(興梠)慎三さんの1個、2個上を行くつもりでやっていく」と上を見る。首位より上はないが、上を目指す鹿島。一人旅はまだまだ続く。
(2009年7月12日06時01分 スポーツ報知)

後半44分、ゴールを決めた鹿島・大迫はアシストしたダニーロと歓喜のタッチ(左は大宮・冨田)
各紙大迫一色である。
冷静に考えれば、興梠のアシストで先制したマルキーニョスか完封したDF陣で記事を起こしたいところである。
しかしなら、メディアは苦悩から結果を残した若きスターにスポットライトを当てた。
ここから、また陽の光の当たる場所へ登り詰めて欲しいものである。
とはいえ、08年得点王のマルキーニョスと日本代表の興梠慎三が立ちはだかっておる。
現在は大迫以下の扱いの元日本代表の田代も異常な決定率のよよも能力的には遜色はない。
FWの競争は激化の一途である。
その争いに勝利した者だけがレギュラーを得るのである。
ピッチに立つものは勝者の切符を持っておるのである。

2点目のゴールを決める鹿島大迫(撮影・蔦林史峰)
<J1:鹿島2−0大宮>◇第17節◇11日◇カシマ
首位を独走する鹿島が大宮を2−0で下し、2位との勝ち点差8を守った。前半16分にFWマルキーニョス(33)のゴールで先制すると、後半44分に途中出場の新人FW大迫勇也(19)が公式戦では80日ぶり、リーグ戦では90日ぶりとなるゴールを決めてダメ押し。出場機会が減り、苦境に立たされながら努力を怠らなかった大迫の一撃が、3連覇を狙う王者をさらに加速させた。川崎Fと新潟が2−2で引き分けたため、広島を2−1で下した浦和が2位に浮上した。
久しぶりに味わう感覚を楽しむかのように、歓喜の輪に吸い込まれていった。勝利を決定づけるダメ押し弾。大迫は「ふかさないことだけを考えた。(リーグ戦は)1得点で終わるかと思った時もあった。2点目までの時間? 長かった」と本音を吐露した。
突出した得点感覚を発揮した。後半44分。MFダニーロに1度ボールを預けてペナルティーエリアに侵入すると、折り返しのパスに対し、体を倒しながらダイレクトで右足を振り抜いた。高難度の一撃だったが「ダニーロが本当にいいボールを出してくれた」と仲間への感謝を口にした。
5月に入り、1度つかんだ定位置を手放すと、苦悩の時間が始まった。不慣れな控え生活に「焦りはありました」。ACLとリーグ戦の過密日程で練習量も制限され、5月下旬に帰省した際には、鹿児島城西高の恩師小久保監督に「日程が詰まっていて調整が難しい」と本音を打ち明けた。
だが気持ちは切らさなかった。「マイナスに考えずプラスに考えた」。出場機会が少ない分、個人練習の時間を増やした。休日でもクラブハウスを訪れ、体幹を鍛えた。帰省時にも石井フィジカルコーチのメニューをこなし、一時は体重が70キロから74キロ前後まで増加。鹿島関係者が「霜降りのような筋肉がさらに強くなった」と評したほど。この日の得点も奥野コーチとの居残り練習で研いだ、クロスに対し体を倒して浮かさずシュートするパターン。努力が形となって表れた。
鹿島の鈴木満強化部長は「今は練習でも積極性が出てきた。積極性が出れば道は開ける。興梠もマルキーニョスもうかうかできなくなる」と称賛。大迫は「プロ入り後、戸惑いながらサッカーをやっていた時期もある。今は自分のプレーをやれば通用すると思う。ホッとしたけどまだこれから頑張らないと」と前を向いた。再び輝き出した19歳がリーグ戦15戦不敗と絶好調の鹿島を加速させる。【菅家大輔】
[2009年7月12日8時17分 紙面から]
鹿島盤石!12戦ぶり大迫弾で独走ターン
2009.7.12 05:04

後半44分、大迫は大宮・塚本の防御にも構わず、右足を一閃。鹿島の勝利を決定付ける得点を入れた
J1第17節(11日、鹿島2−0大宮、カシマ)鹿島は後半44分、大型新人のFW大迫勇也(19)がリーグ戦2ゴール目を挙げ、大宮に2−0で快勝。勝ち点42で前半戦を首位で折り返した。鹿島は連続負けなしを15試合とし、J1記録にあと1試合に迫った。浦和はエジミウソン(26)の2ゴールで広島に2−1で逆転勝ちし、勝ち点34で2位に浮上した。
首位をひた走る鹿島の大型新人が、前半戦最後の一戦で新たな光をもたらした。1−0の後半37分から興梠に代わってピッチに立った大迫が同44分、ゴール前右で難しいバウンドとなったボールに倒れ込みながら、右足でゴール。待望のリーグ戦2ゴール目を挙げた。
「フカさないようにだけ気をつけた。(先発で)出られない時間が続いて苦しかった。ホッとしました」
ほころんだ表情に、率直な喜びがあふれた。リーグ戦では4月12日のFC東京戦以来、12試合ぶりの得点。日本代表にも復帰するなど好調な興梠の陰で、5月24日のG大阪戦を最後に先発の機会を遠ざかっていた。だが、19歳に悔しさなど感じている暇はない。連日の居残り練習。「(DF岩政)大樹さんも『相手DFが嫌がる動きをしろ』とアドバイスをくれて、意識してやった」。ここ3週間で体重は3キロ減。流した汗がゴールという実を結んだ。
チームもこれで15戦連続負けなしと絶好調。前節・川崎戦での退場でDF内田が出場停止となったが、守備でも代わりに8戦ぶりに先発したDF新井場が奮闘した。今季7度目の完封勝ちで、勝ち点「42」。1シーズン制となった05年以降の前半戦最大勝ち点で、首位のまま折り返した。
後半戦へチームにさらなる弾みをつけた大迫は、来月2日からはU−20日本代表として、岡田武史監督が直接指揮する予定の国際ユース大会(韓国・水原)に参加確実。夏こそ大迫のシーズンだ。「鹿児島ッスよ」と猛暑も大歓迎の薩摩隼人が、鹿島のファンへ熱い熱い夏を贈る。(丸山汎)

鹿島−大宮 後半44分、2点目を決めてダニーロ(右)と喜ぶ鹿島・大迫=カシマ
大迫勇也(おおさこ・ゆうや)
1990(平成2)年5月18日、鹿児島県加世田市(現・南さつま市)生まれ、19歳。3歳でサッカーを始め、鹿児島育英館中から鹿児島城西高に進学。1年時からレギュラーでU−16からU−19の各年代で日本代表に選出された。8強入りした08年度の全国高校総体、準優勝の全国高校選手権で得点王。今季から鹿島へ加入した。3月の第2節・新潟戦でJ1初出場を果たし、4月の第5節・FC東京戦で同初得点。J1今季12試合2得点。1メートル82、70キロ。

鹿島−大宮 前半、ヘディングで先制ゴールを決める鹿島・マルキーニョス(左)。GK江角=カシマ

鹿島−大宮 前半、ヘディングで先制ゴールを決める鹿島・マルキーニョス=カシマ

鹿島−大宮 前半、先制点を決めたマルキーニョス(右)と喜ぶアシストの鹿島・興梠=カシマ

大宮に勝利し、喜ぶ大迫(右端)ら鹿島イレブン=カシマ

首位で前半戦を終え、サポーターにあいさつする鹿島イレブン=カシマ
先発落ちを糧に…大迫12戦ぶり復活弾

<鹿島・大宮>後半終了間際、チーム2点目のゴールを決める鹿島・大迫勇也
Photo By スポニチ
鹿島の新人FW大迫勇也(19)が、復活弾を決めた。J1第17節の11日、ホームの大宮戦で後半37分から途中出場した大迫は、同44分に4月12日のFC東京戦以来リーグ戦12試合ぶりとなる一発を叩き込んでチームの勝利に貢献した。2―0で大宮を下した鹿島は、リーグ戦の不敗記録を15に伸ばしてJ最長記録の16試合に王手。前半戦折り返しでの勝ち点も42として独走態勢をキープした。
復活を告げる一撃だった。後半44分だ。ドリブルで仕掛けた大迫は右サイドのダニーロにパスを出して、そのままゴール前へ。そのダニーロからの折り返しに滑り込んで、右足ダイレクトで合わせてゴール左隅に突き刺した。4月12日のFC東京戦以来12試合ぶりとなるJリーグ2点目。思わず大迫が握りしめた両拳に込めていたのは悔しさだった。
「(試合に)出られない時間が続いていて苦しかった。少しでも出たら結果を出そうと思っていた。焦りはありましたけど、焦っても何も起こらないので自分のできることを精いっぱいやった。2点目まで?遅かったですね。1点で終わっちゃうんじゃないかと思いました」
5月24日のG大阪戦以来5試合、先発を離れていた。サッカーを始めてから初めて味わう苦い経験だったが、気持ちを切り替えて体を鍛え直した。試合後にもフィジカルトレーニングを行い、チームがオフの日も練習場に姿を現して汗を流した。6月に75キロあった体重は現在72キロにまで絞った。横からのパスをふかさずにシュートしたこの日のゴールも、奥野コーチとともに全体練習終了後に特訓していた形。DF伊野波は「苦しんでいたし、大迫なりに黙々とやっていた。人の見えないところで努力していたから、決めてくれて本当によかった」と、19歳の地道な努力が結実したゴールを喜んだ。
リーグ戦で15試合負けなしと最長不敗記録の16試合に王手をかけた鹿島の2トップには、先制点を決めたマルキーニョスと日本代表の興梠が君臨する。「ベンチで見て?(興梠)慎三さんとマルキのコンビネーションが凄かったけど、追いつけるように意識していた。自分のプレーを出せれば通用すると思うので、また一からやりたい」。復活した大迫も加わって、鹿島の独走態勢はより揺るぎないものになりそうだ。
[ 2009年07月12日 ]

<鹿島・大宮>後半、2点目のゴールを決める鹿島・大迫。左は大宮・塚本
Photo By 共同
大迫、オレもいるん弾…15戦負けなし!鹿島最強首位ターン

後半44分、ダメ押しゴールを決める鹿島・大迫
◆J1第17節第1日 鹿島2―0大宮(11日・カシマ) 鹿島が快勝し首位ターン。大宮と対戦した鹿島は前半16分にFWマルキーニョス(33)が頭で合わせ先制ゴール。後半44分には途中出場の黄金ルーキー大迫勇也(19)がダメ押しシュートを決め2―0で快勝。勝ち点を42に伸ばし、リーグ戦折り返しをがっちり首位キープ。
FW大迫の周りには、人だかりが出来ていた。最終ラインからDF伊野波が全速力で駆け寄り、MFダニーロは頭をポンとたたく。4月12日のF東京戦以来、リーグ戦2得点目。「試合に出られなくて苦しい時期もあったけど、結果を残してうれしい」。全員から笑顔で祝福を受けた。
後半44分だった。右サイドでダニーロにパスを送り、右45度からエリア内へ走り込んだ。「ダニーロが良いボールをくれた」と右足をダイレクトで合わせた。ゴール左に飛び込む貴重な追加点。「もう2点目が取れないんじゃないかと思ったこともあったけど、焦らずやってきた」
加入から半年、全国高校選手権で10得点を挙げ、鹿児島城西高から鳴り物入りで鹿島に入団し、取材が殺到した時のこと。浦和MF原口元気らが「若い」を理由に、クラブが取材規制を敷いていた時、オリヴェイラ監督も「取材規制をしてもいいんだぞ」と進言した。だが、大迫は「プロとして当たり前のこと」と、断った。
6月12日の柏戦でスタメン落ちすると「結果を出すまで何も言えない」とし、練習に没頭。今季中断以外で初めて連休となった6、7日のうち7日は休日を返上。体力強化に取り組んだ。「アイツは誰も見えないところで努力をしている。みんな知っている。今日はうれしかったから抱きつきに行っちゃったよ」と伊野波は興奮していた。
チームは2節新潟戦で敗れて以降、15試合連続負けなし。MF本山は「前半戦で3試合、勝てなかった。そういう試合もあるから満足はしていない」と気を引き締め、大迫も「(興梠)慎三さんの1個、2個上を行くつもりでやっていく」と上を見る。首位より上はないが、上を目指す鹿島。一人旅はまだまだ続く。
(2009年7月12日06時01分 スポーツ報知)

後半44分、ゴールを決めた鹿島・大迫はアシストしたダニーロと歓喜のタッチ(左は大宮・冨田)
各紙大迫一色である。
冷静に考えれば、興梠のアシストで先制したマルキーニョスか完封したDF陣で記事を起こしたいところである。
しかしなら、メディアは苦悩から結果を残した若きスターにスポットライトを当てた。
ここから、また陽の光の当たる場所へ登り詰めて欲しいものである。
とはいえ、08年得点王のマルキーニョスと日本代表の興梠慎三が立ちはだかっておる。
現在は大迫以下の扱いの元日本代表の田代も異常な決定率のよよも能力的には遜色はない。
FWの競争は激化の一途である。
その争いに勝利した者だけがレギュラーを得るのである。
ピッチに立つものは勝者の切符を持っておるのである。
大宮戦コメント
鹿島アントラーズ:オズワルド・オリヴェイラ監督
今のチームの状況というのは、急激にチームが良くなってきたわけではない。1年目から取り組んできた意識が結果として結び付いている。今はまだリーグ戦折り返しにたどりついたばかりで、我々の目標は12月5日の最終戦に(この状況)を結びつけていかなければならない。今の状況に満足せずに謙虚さを持って1試合1試合を戦っていきたい。
(Q:興梠について)
今日の1点目については、守備的なところで背後を狙っていたなかであの場面で興梠はいい判断をしてくれた。自分でもシュートを打てた状況だったが、落ち着いてマルキーニョスを見てパスを出したのは彼がチームのためにプレーを心がけているのが伝わってくる場面だった。彼も成熟してきているという証拠。これからは守備の部分でも成熟してくれればと期待している。
【J1:第17節 鹿島 vs 大宮】オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島)記者会見コメント(09.07.11)
7月11日(土) 2009 J1リーグ戦 第17節
鹿島 2 - 0 大宮 (18:03/カシマ/17,903人)
得点者:16' マルキーニョス(鹿島)、89' 大迫勇也(鹿島)
●オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島):
Q:今日の勝利も完璧に近いもののように見受けられました。最近、すごく充実した戦いぶりが見られると思います。チームのポテンシャルを考えたとき、いわゆるゲーム運びや決定力やスキのなさ、メンタル面といったものは、もしチームのポテンシャルが完璧なチームがあるとして、いまどれくらいのレベルまで来ていると感じていますか?また、このチームにもし必要なものがあれば、それはなんでしょうか?
「まず、それだけの言葉をいただいて本当に光栄と思うと同時に、選手たちに感謝しないといけないし、それだけのコメント、評価をいただいているということは、選手あってのことだと思います。
もうひとつは、急激に昨日今日とこのチームがこうやってよくなってきたということではなく、やはり1年目から取り組んできた意識を変える作業があります。例えば、選手に提案することはいろいろあります。ただし、提案された側が提案されたことについて『それをやってみよう』あるいは『受け入れてみよう』という心構えを持っていなければ、僕が、もしくは僕でなくてすごく優秀な監督がいたとしても、成功したり良くなることはないと思います。いろいろ話し合いをするなかで、選手たちがいい心構えを持って、そこから高い意識で練習に取り組んだり、ひとつひとつ意欲的に取り組むことを改善してきたものの積み重ねが、いま頂いている言葉につながっていってると思います。ただし、完璧なチームは存在しないと思います。今日も、自分たちのミスからリズムを失いかけた場面が何度もありましたし、ミスを犯しました。選手たちは謙虚さを忘れてはいけないといっています。自分たちは機械ではなくて人間であり、ミスをすることもあるだろう。ミスをしたからと言って、それを批判するということは僕はしたくありません。しかし、それを試合中にいかにして完全にするのか、あるいはそれを繰り返さない方法、あるいは相手にミスをするように追い込まれているのであれば、それをどうやって打開するのかということは各自で考えなければならない。また試合中にも、こちらから指示を出します。それを謙虚に受け止めて実行に移すということが必要であり、選手たちが理解して試合中などで実行してくれているのではないかと思います。ただ、前半の折り返し地点にたどり着いただけであって、タイトルが取れたということではない。いままでホームで戦ってきた相手に対して、アウェイで戦わなければならないし、またアウェイで戦った相手にはホームで戦わないといけません。なにかを得たわけではなく、折り返しにたどり着いただけです。我々の目標は12月5日、そこで良い形の結果に結びつけて、なおかつ皆さんからいまこの時期にいただいている言葉を、また12月5日にもらえるようにしなけてはいけないと思います。ここで我々が満足せず、謙虚さを持って、ひとつひとつの試合に真剣に取り組んでいかないといけないと思います。
欲を言えば、ゲームマネジメント、遅攻と速攻をどのタイミングでやっていくのかということを、もう少し高めなければいけない。それだけボールを保持できる選手が多くいるわけです。そこで今日もそうですけど、何度か狙いすぎてしまってボールを失い、今日に関してはDF陣が奮闘してくれて相手にチャンスらしいチャンスを与えませんでしたけど。ただし試合に置いては、いまの時間は無理をして狙うときではないのに狙ってしまうことがあるので、もう少しボールを保持して、もう少し溜めてから、あるいは状況をもう少し揺さぶってから、仕掛けることができる展開を我々の場合はできる。そこを焦りすぎてしまう選手がいるので、もう少し落ち着いてやれるのではないかと思っています」
Q:82分から続けざまに3人の選手を代えていますが、そこには試合を決めに行くというメッセージもあったのでしょうか?
「ひとつは、当然ながら入った3人には守備の狙いを与えました。どうしても相手の一番牽制しなければいけない部分は高さだったので、それはセットプレーだったりロングボールですが、それ以外、そういう危険性を感じていませんでした。相手はかなり前がかりできたのでスペースもかなり出来ていました。センターバックもセットプレーなりで前に出て行こうという意志で、または同点に追いつこうという気持ちで前に出て行ったわけですから、そうするとボールを失って戻ってくれば、その体力を消耗していくわけです。それを何度か繰り返しやっていたので、そろそろ判断や足も遅れてくるだろうと。あとはもう、スペースがあるわけなので、そこをうまく突いて行ければチャンスが作れると思いました。ただ、基本的には守備を安定させる高さ対策を取ってから、あとは様子を見て攻撃に出るチャンスがあれば行こうという考えでしたし、それは選手もわかっていることでした。そのスキを相手が与えてくれたのではないかと思います」
Q:相手が守備的だったと思うのですが、監督は日頃から瞬時の判断ということをおっしゃっていると思います。その視点で1点目のシーンをふり返っていただけますか?
「当然ながら相手が与える条件によって自分たちが狙う部分は変わってきます。あの場面に関しては、相手が守備の部分でかなり高い位置に押し上げてきたので、背後を狙うという形がいちばん良い形になってくるし、背後を狙うことで相手が引いていくわけですからラインを深く保つようになります。そうすると中盤が空くようになってきます。ただ、あの場面では興梠選手が非常に良い判断をしてくれたのではないかと思います。ゴールエリア付近で自分がゴールを前にして、ボールも落ち着いた形で持っていましたので、極端にいえば自分でもシュートが打てる場面。そこでチームのため、チームの勝利のためにの選択をしてくれました。DFももう少しで寄せられる場面でしたし、GKもいましたし、あそこでシュートを打ってもおかしくない状況だった。そのなかで、彼がフリーのマルキーニョス選手を見て、そこに合わせたということに関しては非常にチームのためにプレーをしよう、心がけよう、という気持ちを僕自身は感じました。選手が自分個人が目立とう、自分個人が脚光を浴びようと考えれば、自分でシュートを打つことが多いのですが、ただよりよい選択肢を試合中にどうやってしていくのかということを僕は何度も言っています。そういった気持ちも僕自身を感じたし、彼自身も成長してきている、あるいは成熟してきている部分だと思います。今後は攻めの部分だけでなく守備の部分でも成熟していくようになれば、さらなる飛躍が興梠選手には期待できるのではないかと思います」
以上
【J1:第17節 鹿島 vs 大宮】試合終了後の各選手コメント(09.07.11)
●本山雅志選手(鹿島):
「先制点をとれたので、簡単に取ってしまうとその後悪い時間が出てきてしまう。そこだけ気を付けた。後半はほとんど主導権を取られたけど勝てて良かったですね。
(Q:悪かった原因は?)
サイドチェンジがうまくいかなかった。ボールは回せるけどサイドで起点が作れなかった。僕とかがしっかり走らないといけなかった。ヤマザキナビスコカップでは僕が走るようにしたい。サイドチェンジについては、もうちょっと徹底してやれば良かった。良い形でサイドチェンジできたときは上手く攻められたし。
(Q:疲労については?)
後半はちょっと疲れましたね。僕らが走るのではなく、相手を走らせられたらと思う。
(Q:リーグの前半をふり返って)
4試合勝てていないので反省点はいっぱいある。少しでも気持ちが入らないとその4試合のような試合になってしまう」
●大迫勇也選手(鹿島):
「出られない時期が長かったけど今日は少しプレーの時間が多かった。
(Q:シュートについて)
イメージ通り。ふかさないことだけ考えました。
(Q:出られない時期は?)
大樹さん(岩政)とかにDFとして嫌な動きをアドバイスしてもらった。それを意識して、こういう結果が出たと思う。これを続けていきたいです。焦っても何も起こらないので、自分が出来ることをしっかりしました。ひとつふたつ上に行かないとダメだと思っていた。ベンチにいる間、チームのゲーム運びとかを学んだ。あとは慎三さん(興梠)とマルキ(マルキーニョス)のコンビネーション。すごいと思う。
(Q:ゴールに向かうプレーが増えた?)
つねにゴールを意識している。それが自分の特徴だと思うので、そういうのを出していきたい。ホッとしてますけど、これからがんばらないと。
(Q:手応えは掴んできた?)
そうっすね。いまは自分を出せてきてる。自分のプレーを出せれば通用すると思う。また一からです。
(Q:2点目は遅かった?)
遅かったですね。1点で終わるという思いもありました。でも、あまりマイナスには考えない。プラス思考なんで」
●小笠原満男選手(鹿島):
「たたみ掛けてスムーズにいければ良いんですけど今日はみんなが我慢した。交代選手が入ってフレッシュになったところで得点できた。
(Q:大迫選手がいいゴールを決めましたが?)
誰が決めたとかは関係ないけど、守備もがんばっているし良いこと。11人だけじゃなく、ポコッと出て結果を出せる。他の選手も集中出来ていると思う」
●伊野波雅彦選手(鹿島):
「大迫が決めてくれて一番嬉しかった。なかなか苦しんでいたし、それは知っていたから。あまり抱きつきにはいかないけれど今日は行きました」
●新井場徹選手(鹿島):
「自分が思っていた感覚と違ってて、正直最初は戸惑った。チームがうまく入ってくれて良かった。言うほどじゃないけど久々の90分だったし、相手もイケイケできたので、もう少し効果的なことが出来たと思う。後半に入って少し慣れてきましたけど、監督に求められていること+αを出していかないといけない」
[ J1:第17節 鹿島 vs 大宮 ]

前半16分、興梠からの浮いたパスをマルキーニョスがヘッドで押し込み鹿島が先制!得点を演出した二人が駆け寄って喜びを分かち合う。マルキーニョスは今季6得点目となった。
[ J1:第17節 鹿島 vs 大宮 ]

1点リードの鹿島は後半44分、右サイドを突破したダニーロからの折り返しを途中出場の大迫がダイレクトボレーで決めてダメ押し点をゲット!中田浩二と抱き合って喜ぶ。大迫は今季リーグ戦2得点目。
[ J1:第17節 鹿島 vs 大宮 ]

リーグ戦15戦負け無し!ホームゲームでは4連勝を飾った鹿島の選手たちがサポーターに勝利の挨拶。今日もきっちりと勝点3を積み上げ、首位を独走する。
難点はサイドチェンジにあると本山の弁。
克服して苦手・日本平に備えたい。
今のチームの状況というのは、急激にチームが良くなってきたわけではない。1年目から取り組んできた意識が結果として結び付いている。今はまだリーグ戦折り返しにたどりついたばかりで、我々の目標は12月5日の最終戦に(この状況)を結びつけていかなければならない。今の状況に満足せずに謙虚さを持って1試合1試合を戦っていきたい。
(Q:興梠について)
今日の1点目については、守備的なところで背後を狙っていたなかであの場面で興梠はいい判断をしてくれた。自分でもシュートを打てた状況だったが、落ち着いてマルキーニョスを見てパスを出したのは彼がチームのためにプレーを心がけているのが伝わってくる場面だった。彼も成熟してきているという証拠。これからは守備の部分でも成熟してくれればと期待している。
【J1:第17節 鹿島 vs 大宮】オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島)記者会見コメント(09.07.11)
7月11日(土) 2009 J1リーグ戦 第17節
鹿島 2 - 0 大宮 (18:03/カシマ/17,903人)
得点者:16' マルキーニョス(鹿島)、89' 大迫勇也(鹿島)
●オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島):
Q:今日の勝利も完璧に近いもののように見受けられました。最近、すごく充実した戦いぶりが見られると思います。チームのポテンシャルを考えたとき、いわゆるゲーム運びや決定力やスキのなさ、メンタル面といったものは、もしチームのポテンシャルが完璧なチームがあるとして、いまどれくらいのレベルまで来ていると感じていますか?また、このチームにもし必要なものがあれば、それはなんでしょうか?
「まず、それだけの言葉をいただいて本当に光栄と思うと同時に、選手たちに感謝しないといけないし、それだけのコメント、評価をいただいているということは、選手あってのことだと思います。
もうひとつは、急激に昨日今日とこのチームがこうやってよくなってきたということではなく、やはり1年目から取り組んできた意識を変える作業があります。例えば、選手に提案することはいろいろあります。ただし、提案された側が提案されたことについて『それをやってみよう』あるいは『受け入れてみよう』という心構えを持っていなければ、僕が、もしくは僕でなくてすごく優秀な監督がいたとしても、成功したり良くなることはないと思います。いろいろ話し合いをするなかで、選手たちがいい心構えを持って、そこから高い意識で練習に取り組んだり、ひとつひとつ意欲的に取り組むことを改善してきたものの積み重ねが、いま頂いている言葉につながっていってると思います。ただし、完璧なチームは存在しないと思います。今日も、自分たちのミスからリズムを失いかけた場面が何度もありましたし、ミスを犯しました。選手たちは謙虚さを忘れてはいけないといっています。自分たちは機械ではなくて人間であり、ミスをすることもあるだろう。ミスをしたからと言って、それを批判するということは僕はしたくありません。しかし、それを試合中にいかにして完全にするのか、あるいはそれを繰り返さない方法、あるいは相手にミスをするように追い込まれているのであれば、それをどうやって打開するのかということは各自で考えなければならない。また試合中にも、こちらから指示を出します。それを謙虚に受け止めて実行に移すということが必要であり、選手たちが理解して試合中などで実行してくれているのではないかと思います。ただ、前半の折り返し地点にたどり着いただけであって、タイトルが取れたということではない。いままでホームで戦ってきた相手に対して、アウェイで戦わなければならないし、またアウェイで戦った相手にはホームで戦わないといけません。なにかを得たわけではなく、折り返しにたどり着いただけです。我々の目標は12月5日、そこで良い形の結果に結びつけて、なおかつ皆さんからいまこの時期にいただいている言葉を、また12月5日にもらえるようにしなけてはいけないと思います。ここで我々が満足せず、謙虚さを持って、ひとつひとつの試合に真剣に取り組んでいかないといけないと思います。
欲を言えば、ゲームマネジメント、遅攻と速攻をどのタイミングでやっていくのかということを、もう少し高めなければいけない。それだけボールを保持できる選手が多くいるわけです。そこで今日もそうですけど、何度か狙いすぎてしまってボールを失い、今日に関してはDF陣が奮闘してくれて相手にチャンスらしいチャンスを与えませんでしたけど。ただし試合に置いては、いまの時間は無理をして狙うときではないのに狙ってしまうことがあるので、もう少しボールを保持して、もう少し溜めてから、あるいは状況をもう少し揺さぶってから、仕掛けることができる展開を我々の場合はできる。そこを焦りすぎてしまう選手がいるので、もう少し落ち着いてやれるのではないかと思っています」
Q:82分から続けざまに3人の選手を代えていますが、そこには試合を決めに行くというメッセージもあったのでしょうか?
「ひとつは、当然ながら入った3人には守備の狙いを与えました。どうしても相手の一番牽制しなければいけない部分は高さだったので、それはセットプレーだったりロングボールですが、それ以外、そういう危険性を感じていませんでした。相手はかなり前がかりできたのでスペースもかなり出来ていました。センターバックもセットプレーなりで前に出て行こうという意志で、または同点に追いつこうという気持ちで前に出て行ったわけですから、そうするとボールを失って戻ってくれば、その体力を消耗していくわけです。それを何度か繰り返しやっていたので、そろそろ判断や足も遅れてくるだろうと。あとはもう、スペースがあるわけなので、そこをうまく突いて行ければチャンスが作れると思いました。ただ、基本的には守備を安定させる高さ対策を取ってから、あとは様子を見て攻撃に出るチャンスがあれば行こうという考えでしたし、それは選手もわかっていることでした。そのスキを相手が与えてくれたのではないかと思います」
Q:相手が守備的だったと思うのですが、監督は日頃から瞬時の判断ということをおっしゃっていると思います。その視点で1点目のシーンをふり返っていただけますか?
「当然ながら相手が与える条件によって自分たちが狙う部分は変わってきます。あの場面に関しては、相手が守備の部分でかなり高い位置に押し上げてきたので、背後を狙うという形がいちばん良い形になってくるし、背後を狙うことで相手が引いていくわけですからラインを深く保つようになります。そうすると中盤が空くようになってきます。ただ、あの場面では興梠選手が非常に良い判断をしてくれたのではないかと思います。ゴールエリア付近で自分がゴールを前にして、ボールも落ち着いた形で持っていましたので、極端にいえば自分でもシュートが打てる場面。そこでチームのため、チームの勝利のためにの選択をしてくれました。DFももう少しで寄せられる場面でしたし、GKもいましたし、あそこでシュートを打ってもおかしくない状況だった。そのなかで、彼がフリーのマルキーニョス選手を見て、そこに合わせたということに関しては非常にチームのためにプレーをしよう、心がけよう、という気持ちを僕自身は感じました。選手が自分個人が目立とう、自分個人が脚光を浴びようと考えれば、自分でシュートを打つことが多いのですが、ただよりよい選択肢を試合中にどうやってしていくのかということを僕は何度も言っています。そういった気持ちも僕自身を感じたし、彼自身も成長してきている、あるいは成熟してきている部分だと思います。今後は攻めの部分だけでなく守備の部分でも成熟していくようになれば、さらなる飛躍が興梠選手には期待できるのではないかと思います」
以上
【J1:第17節 鹿島 vs 大宮】試合終了後の各選手コメント(09.07.11)
●本山雅志選手(鹿島):
「先制点をとれたので、簡単に取ってしまうとその後悪い時間が出てきてしまう。そこだけ気を付けた。後半はほとんど主導権を取られたけど勝てて良かったですね。
(Q:悪かった原因は?)
サイドチェンジがうまくいかなかった。ボールは回せるけどサイドで起点が作れなかった。僕とかがしっかり走らないといけなかった。ヤマザキナビスコカップでは僕が走るようにしたい。サイドチェンジについては、もうちょっと徹底してやれば良かった。良い形でサイドチェンジできたときは上手く攻められたし。
(Q:疲労については?)
後半はちょっと疲れましたね。僕らが走るのではなく、相手を走らせられたらと思う。
(Q:リーグの前半をふり返って)
4試合勝てていないので反省点はいっぱいある。少しでも気持ちが入らないとその4試合のような試合になってしまう」
●大迫勇也選手(鹿島):
「出られない時期が長かったけど今日は少しプレーの時間が多かった。
(Q:シュートについて)
イメージ通り。ふかさないことだけ考えました。
(Q:出られない時期は?)
大樹さん(岩政)とかにDFとして嫌な動きをアドバイスしてもらった。それを意識して、こういう結果が出たと思う。これを続けていきたいです。焦っても何も起こらないので、自分が出来ることをしっかりしました。ひとつふたつ上に行かないとダメだと思っていた。ベンチにいる間、チームのゲーム運びとかを学んだ。あとは慎三さん(興梠)とマルキ(マルキーニョス)のコンビネーション。すごいと思う。
(Q:ゴールに向かうプレーが増えた?)
つねにゴールを意識している。それが自分の特徴だと思うので、そういうのを出していきたい。ホッとしてますけど、これからがんばらないと。
(Q:手応えは掴んできた?)
そうっすね。いまは自分を出せてきてる。自分のプレーを出せれば通用すると思う。また一からです。
(Q:2点目は遅かった?)
遅かったですね。1点で終わるという思いもありました。でも、あまりマイナスには考えない。プラス思考なんで」
●小笠原満男選手(鹿島):
「たたみ掛けてスムーズにいければ良いんですけど今日はみんなが我慢した。交代選手が入ってフレッシュになったところで得点できた。
(Q:大迫選手がいいゴールを決めましたが?)
誰が決めたとかは関係ないけど、守備もがんばっているし良いこと。11人だけじゃなく、ポコッと出て結果を出せる。他の選手も集中出来ていると思う」
●伊野波雅彦選手(鹿島):
「大迫が決めてくれて一番嬉しかった。なかなか苦しんでいたし、それは知っていたから。あまり抱きつきにはいかないけれど今日は行きました」
●新井場徹選手(鹿島):
「自分が思っていた感覚と違ってて、正直最初は戸惑った。チームがうまく入ってくれて良かった。言うほどじゃないけど久々の90分だったし、相手もイケイケできたので、もう少し効果的なことが出来たと思う。後半に入って少し慣れてきましたけど、監督に求められていること+αを出していかないといけない」
[ J1:第17節 鹿島 vs 大宮 ]

前半16分、興梠からの浮いたパスをマルキーニョスがヘッドで押し込み鹿島が先制!得点を演出した二人が駆け寄って喜びを分かち合う。マルキーニョスは今季6得点目となった。
[ J1:第17節 鹿島 vs 大宮 ]

1点リードの鹿島は後半44分、右サイドを突破したダニーロからの折り返しを途中出場の大迫がダイレクトボレーで決めてダメ押し点をゲット!中田浩二と抱き合って喜ぶ。大迫は今季リーグ戦2得点目。
[ J1:第17節 鹿島 vs 大宮 ]

リーグ戦15戦負け無し!ホームゲームでは4連勝を飾った鹿島の選手たちがサポーターに勝利の挨拶。今日もきっちりと勝点3を積み上げ、首位を独走する。
難点はサイドチェンジにあると本山の弁。
克服して苦手・日本平に備えたい。