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仙台戦レビュー

【J1:第2節 鹿島 vs 仙台】レポート:2トップが揃ってゴールをあげた鹿島が、追いすがる仙台を退け勝点3を得る(13.03.10)
3月9日(土) 2013 J1リーグ戦 第2節
鹿島 3 - 2 仙台 (14:05/カシマ/19,981人)
得点者:29' ダヴィ(鹿島)、46' 太田吉彰(仙台)、47' 大迫勇也(鹿島)、48' ダヴィ(鹿島)、67' ウイルソン(仙台)


1点目を決めたあとは満面の笑みを浮かべていたダヴィが、2点目を決めた後は全く違う表情を見せた。右サイドに開いた野沢拓也からの折り返しをゴールに流し込むと、電光掲示の看板を飛び越えゴール裏の鹿島サポーターの下へ駆け寄り、両手の拳を握りしめて咆吼。右手でアントラーズのエンブレムを何度も叩き、ホーム開幕戦に詰めかけた鹿島サポーターを大いに湧かせた。

2年連続で東日本大震災の被災クラブ同士の対決となったこの一戦。今季は鹿島が勝利を手にした。
序盤でペースを握ったのは鹿島。高いラインを敷く仙台守備網を、小笠原満男のロングフィードが切り裂いた。DFラインの裏に抜け出した大迫勇也にピンポイントで落ちるパスを送る。ゴール左前でキープした大迫は、地面に叩きつける強烈なシュートを見舞うも、これを仙台GK林卓人が弾く。リバウンドを拾った大迫から今度は野沢がミドルシュート。しかし、これも林が弾きゴールとはならなかったが、鹿島が上々の滑り出しを見せたことを印象づけた。

この日の仙台は、今季から取り組む[4-3-3]の布陣でスタートしていた。守備では鎌田次郎がバイタルエリアに陣取りスペースを消し、攻撃に移ると梁勇基が低い位置からゲームをつくる。これまでの試合では、あまり機能していなかった新布陣だったが「今日はとてもよかった」(太田吉彰)。鹿島に負けじと梁がミドルシュートを放つ。ただ、攻撃では一定の手応えが感じられたが、守備は後手を踏んでしまう。ワンボランチにも見える鎌田の横のスペースを野沢や大迫にうまく利用され、持ち味の激しい守備はほとんど見られない。開幕戦では鳥栖の激しい守備にさらされた鹿島の選手たちは、気持ちよくボールを回すことができていた。

昨季の同じ対戦でも左サイドで途中出場し、菅井直樹をちぎったジュニーニョがこの日も躍動する。29分、外をケアした菅井の意表を突いて内に切れ込んでかわし、ミドルシュートを放つと惜しくもバーに弾かれる。しかし、そこに野沢が詰めて再度シュートを放つと、DFに当たったボールはファーサイドにいたダヴィのもとへ。これをヘディングで合わせ、ダヴィのうれしい移籍後初ゴールが生まれた。

しかし、後半に入ると「まずはゴールを狙っていこう!後半ひっくり返そう!」と手倉森誠監督に声をかけられた仙台イレブンが意地を見せる。ウイルソンのクロスに逆サイドから走り込んできた太田が、こぼれ球をうまくスペースに持ち出し、後半最初のプレーで同点ゴールを決める。今季の公式戦で、流れの中から得点が奪えていなかった仙台にとって、初めてセットプレー以外でのゴールとなった。

だが、この同点劇が仙台の選手に微妙な心理を生み出す。手倉森監督は「1点取ってホッとしたんだな」と唇をかんだ。46分に同点に追いついたものの、47分には大迫に胸トラップからの鋭い反転シュートを許して突き放され、48分には冒頭にあるとおりニアサイドにダヴィに飛び込まれ、あっという間に点差が開いてしまったのである。

普通であれば、ここで勝負は決まってもおかしくない2得点。仙台は心理的にも、点差的にも大きなダメージを受けたはずだ。しかし、トニーニョ セレーゾ監督がその諦めない姿勢を高く評価したとおり、仙台の闘志は最後まで尽きることがなかった。
64分にヘベルチを投入して中盤を活性化すると、67分にはそのヘベルチの突破からウイルソンが1点差に迫るゴールを決め、最後まで鹿島をおびやかした。

「見ている人にとってはサッカーの楽しさを伝えられたのではないかと思います」
敗者となった手倉森監督だったが、4-3-3の新布陣にも手応えを感じていた。火曜日(12日20:40〜)には南京で江蘇舜天戦、そして土曜日(16日@ユアスタ)には柏との連戦が控えている。ケガ人を多く抱える仙台にとって、シーズン序盤の正念場と言えるだろう。
「今日の試合で得られたもの、悔しさと4-3-3の手応えというところを信じて、前に進んでいきたいなと思っております」
指揮官はあくまでポジティブな姿勢を崩さなかった。

勝者となった鹿島は2トップが揃い踏み。守備の問題は解消されていないが、チームの成長段階で勝利できたことは自信に繋がっていく。セレーゾ監督のチーム作りが後半戦に結実することを考えると、悪くないペースと言えるだろう。


以上
2013.03.10 Reported by 田中滋


2TOPの得点で快勝かと思いきや、仙台の圧力に押され辛勝となった試合である。
やはり、守備に問題と田中氏のレポートにもある。
この問題は失点を喫したカウンターへの対応なのか、後半押される展開についてなのか気になるところ。
とはいえ、素人目にも不安定に思える守備にプロの監督が気付かぬはずが無い。
日々の練習にて手を加え、改善されることであろう。
それよりも、二戦連続にてゴールを奪い勝ち点を積み上げておることを喜びたい。
攻撃が機能させることは、守備を構築する以上に難しい。
毎試合得点を奪い、勝利を目指していきたい。
楽しみにしておる。

仙台戦報道

【鹿島】ダビ決めた!移籍初&2号/J1

鹿島対仙台 前半、ゴールを決める喜ぶ鹿島FWダビ(撮影・下田雄一)

<J1:鹿島3−2仙台>◇第2節◇9日◇カシマ

 鹿島は新加入のFWダビ(28)が移籍後初ゴールを含む2得点の活躍で、今季初勝利を挙げた。

 前半30分にヘディングシュートで先制弾を決めると、後半3分には左足でダメ押しの3点目。ホーム開幕戦で大暴れした。「多くのサポーターの中で決められてよかった」とチームの勝利を喜んだ。

 [2013年3月9日18時4分]

鹿島強力2トップ!大迫ダビで3発/J1

後半、ゴールを決めた鹿島FW大迫(右)を祝福するダビ(撮影・下田雄一)

<J1:鹿島3−2仙台>◇第2節◇9日◇カシマ

 鹿島の超強力2トップが大暴れした。前半29分、新加入のFWダビ(29)がヘディングシュートで移籍後初ゴールを挙げると、後半3分には試合を決定付けるチーム3点目を決めて2得点。コンビを組むFW大迫勇也(22)も、後半2分に2試合連続となる今季2点目を挙げた。FW2人のゴールラッシュで昨季2位の仙台に快勝し、今季初勝利をつかんだ。

 鹿島の命運を握る2人がゴールで初競演した。まずはダビ。前半29分、MF野沢のシュートが相手に当たってコースが変わったところを素早く反応。とっさに頭で合わせると、GK林が右手に当てながらも防ぎ切れず、ゴールラインを越えた。移籍後初ゴールの瞬間を見届けると両手を突き上げ、サポーターの大歓声に応えた。「ファミリーの一員になれた気がした」。

 後半3分には、2トップを組む大迫がDFを引き付けている隙に中央へ進入。野沢の右クロスを相手より前に入ってフリーで捉え、難なく左足で決めた。「野沢さんがボールを持つと『この辺りに来る』と体が反応する」と鋭い嗅覚を生かして2得点。今日10日に29歳の誕生日を迎えるブラジル人は「家族と離れて単身で寂しいけどサッカー選手として仕方がない。ふらっと出掛けたら誰かプレゼントをくれないかな」と陽気な一面をみせた。

 ようやく目を覚ました。1月下旬に来日。外国人によく見受けられる体の「太め感」はなかった。だが1週間後の320メートル×10周の持久走では、トップから3周近く遅れてぶっちぎりの最下位。とても動ける状態ではなかった。そこからたった1カ月。2戦目で答えを出すあたりは明らかに「実戦向き」だ。「体調はまあまあ。もっとよくなってくる。大迫との連係ももっとよくなる」と、さらなる上積みも期待できる。

 大迫も負けていない。後半2分。DF西からのクロスをDFに背を向けて受けると、反転しながら左足でシュート。ゴールをほぼ見ずに放った技ありの1発で、開幕戦に続く今季2点目を挙げた。「イメージ通りに打てた。マルキーニョス(横浜)が3点? すごいね。自分もどんどん決めたい」と得点王争いを意識。「ダビとのコンビネーションも1戦目よりよかった。やりやすい」と相棒をたたえることも忘れなかった。

 普段から会話は欠かさない。ダビは日本語、大迫はポルトガル語。互いの母国語を少し交え、意思疎通を図ってきた。守備時に気付いた方がボランチを助けにいくなど、開幕2戦目にして足りない部分を補完し合っている。チーム関係者も「ダビが1人で強引に行くこともないし、2人がお互いを意識してプレーできている」と評価。相性抜群の2トップが、鹿島の快進撃を予感させる。【湯浅知彦】

 ◆鹿島の強力コンビの歴史 Jリーグ草創期の93年は、FWアルシンドとやや低い位置から攻撃に参加する元ブラジル代表MFジーコがゴールを量産。アルシンドが28試合22得点、ジーコが16試合9得点を記録した。翌年には同年開催のW杯米国大会に出場していたMFレオナルドが加入。9戦7ゴールでアルシンドと合わせて2人で35点を決めた。黒崎久志、長谷川祥之の2人も90年代前半の鹿島を支えた。セレーゾ監督が指揮を執った00年前後は、柳沢敦と鈴木隆行という当時の日本代表が2トップを形成。平瀬智行も在籍し、層は厚かった。07年にはマルキーニョスを獲得。柳沢や興梠慎三らと融合し、08年には21ゴールで得点王を獲得。
 [2013年3月10日7時9分 紙面から]

大迫2戦連発!被災地対決、鹿島に軍配

後半、勝ち越しゴールを決め喜ぶ鹿島・大迫(右)。左はこの日2得点したダビ=カシマ(撮影・吉澤良太)

 J1第2節(9日、鹿島3−2仙台、カシマ)2年前の東日本大震災被災地同士の対戦。約30秒間の黙祷(もくとう)後に始まった試合は鹿島が制した。

 1−1の後半2分、FW大迫が2戦連発となる勝ち越し弾。その後も両チームが1点ずつ取り合う3−2の激闘に、カシマスタジアムの1万9981観衆も大熱狂。フル出場で勝利に貢献したMF小笠原は冷静だった。

 「サッカーが発信できる力は大きい。Jの試合を楽しんで、復興も進んでくれたらいい」

 この試合には、小笠原が発起人を務める「東北人魂」が、宮城・松島の「松島マリソルスポーツクラブ」の小学生40人を招待。「今日の思い出をサッカーや生活につなげてほしい」と復興の後押しを続けていく。 (宇賀神隆)
(紙面から)



後半、勝ち越しゴールを決め喜ぶ鹿島・大迫(中央9番)。右は仙台・赤嶺=カシマ(撮影・吉澤良太)

ダヴィ2ゴール!鹿島 被災地対決制しホーム開幕戦白星
J1第2節 鹿島3―2仙台 (3月9日 カシマ)


<鹿島・仙台>前半29分、鹿島・ダヴィはゴールを決め笑顔を見せる
Photo By スポニチ


 東日本大震災から2年を前に、被害を受けた2チームによる注目の対戦は鹿島が制した。キックオフ前には犠牲者へ黙とう。試合前の両監督が出席したミーティングで「勇気、希望、楽しさ、喜びを与えよう」と確認した通り、被災地から招待された小学生が観戦する中、選手は警告が1枚も出ないフェアなプレーを貫いた。

 新外国人ダヴィは移籍後初得点を含む2ゴール。前半29分に野沢のシュートのこぼれ球を頭で押し込み先制弾を決めると、2―1の後半3分には野沢のクロスを左足で流し込んだ。両チーム最多6本のシュートを放ち「得点もうれしいが、勝利という目標を達成できて良かった」と振り返った。昨季在籍した甲府が11月上旬で全日程を終了しオフが約3カ月もの長期間に及んだため、調整遅れが目についた。1月下旬のチーム合流時の長距離走では、最後から2番目の選手に周回遅れの最下位。しかし、急ピッチで仕上げて不安を打ち消した。

 10年以来、3年ぶりのホーム開幕戦白星。被災地・岩手の大船渡高出身の小笠原は「サッカーの発信力は大きい。思うように復興が進まない中で何かメッセージを残せればと思う」と前を向いていた。
[ 2013年3月10日 06:00 ]

【鹿島】東日本大震災から2年、仙台と伝えた「前へ」

後半2分、チーム2点目のゴールを決める鹿島・大迫

 ◆J1第2節 鹿島3―2仙台(9日・カシマスタジアム) サッカーで元気を―。東日本大震災から丸2年が経過する11日を前に、被災地クラブの鹿島と仙台がカシマスタジアムで対戦。鹿島はダヴィ(29)、大迫勇也(22)両FWのゴールで仙台を3―2で下し、招待した被災地の子供たちに勝利をプレゼントした。仙台はあと一歩及ばなかったが、「3・11」を前に両チームのイレブンは特別な思いを胸にピッチに立った。

 両チーム合わせて、36本のシュートが飛び交う乱打戦。震災から丸2年を迎える中、被災地クラブ同士が見せた全力プレーに、カシマスタジアムを訪れた1万9981人が熱狂した。

 キックオフ前には両イレブンがセンターサークル上で円になり、犠牲者に黙とうをささげた。昨年の開幕戦(3月10日)でも対戦した両クラブ。このときは敵地で0―1と敗れた鹿島だったが、前半29分にダヴィが移籍後初ゴールを決めると、後半立ち上がり同点にされた1分後に、大迫が勝ち越し点。仙台との対戦に「(雰囲気が)独特だった」と振り返った大迫が、2戦連発でチームを勢いづけた。更に、その1分後にダヴィが2得点目。運動量が落ちた後半22分に1点差に詰め寄られたが逃げ切った。

 この日、MF小笠原が中心となり震災後の11年5月に設立された「東北人魂を持つJ選手の会」が、鹿島DF鈴木隆雅(りゅうが、19)がかつて所属していた宮城のマリソル松島SSSの小学生40人を試合に招待。被災地の小学生へ最高の勝利をプレゼントした。


ガッツポーズして喜ぶ鹿島・大迫(左は小笠原)

 小笠原は「サッカーが発信できる力は大きい。お互い被災したチーム同士のゲーム。自分がサッカーをすることで復興が進んでくれれば。楽しんでもらって復興につなげてほしい」と願う。青森県出身のMF柴崎も「子供たちにとっては面白いゲームだったと思う」と満足げに話した。試合後は両クラブの「東北人魂―」の選手が「マリソル―」の子供たちと交流会を開催。子供たちにサインを渡すなどして触れ合った。交流会後、鈴木は「笑顔が見られて良かった。『楽しかった?』と聞いたら『楽しかった』と言ってくれた」と後輩たちの姿を喜んだ。

 昨季は開幕から5戦勝ちなしと大きくつまずき、11位と低迷した。決めるべき役者が得点し、粘り勝ち。8季ぶりに指揮を執るトニーニョ・セレーゾ監督(57)にとっても2653日ぶりの白星となった今季初勝利は、クラブにとって、そして被災地にとっても価値ある1勝となった。

 ◆東北人魂を持つJ選手の会 岩手県出身の小笠原、宮城県出身のDF今野泰幸(G大阪)ら東北出身のJリーガー6人が発起人となり、11年5月に東日本大震災で大きな被害を受けた東北サッカー界の復興を目指し設立した。今年で3年目になる。これまでに、チャリティーイベントや交流会を実施。1月にも東北地方を訪れるなど、交流した人数は5000人を超える。なでしこジャパンDF岩清水梓(日テレ)も特別参加している。
(2013年3月10日06時04分 スポーツ報知)

仙台&鹿島の被災地両チームが黙とう
2013年3月10日


 試合前に東日本大震災の犠牲者へ黙とうする鹿島と仙台のイレブン

 「J1、鹿島3‐2仙台」(9日、カシマ)

 東日本大震災から2年の節目を前に、ともに被害を受けた仙台と鹿島のイレブンがさまざまな思いを背負ってピッチに立った。特別な意味を持つ一戦は、両チーム計36本ものシュートが飛び交った末、鹿島が制した。

 試合前にマッチコミッショナーと両監督が出席したミーティングでは「勇気、希望、楽しさ、喜びを与えよう」と確認。キックオフ前には犠牲者への黙とうがささげられた。被災地から招待された小学生が観戦する中、警告が1枚も出ないフェアな戦いに、鹿島の柴崎は「子どもたちにいい試合を見せられた」と胸を張った。

 この2年間、復興支援活動を続ける小笠原は「サッカーが発信できる力はものすごく大きい。復興の力になっていければ」との思いを込めた。仙台の手倉森監督は「サッカーの楽しさを伝えられた」と、この試合の意義を強調した。

被災地に「勇気」 鹿島、ホーム開幕戦制す 仙台と激しい点の取り合い
2013.3.9 21:15


【鹿島−仙台】前半、ヘディングで競り合う鹿島・中田(右)と仙台・赤嶺=カシマ

 東日本大震災で被災した鹿島、仙台両クラブの対戦が今年も「3・11」の直前に組まれた。鹿島のホーム開幕戦でもある試合には茨城県内の小学生が無料招待されたほか、DF鈴木がかつて所属した宮城県松島町のクラブの児童40人も招かれた。復興支援活動の旗振り役を務めてきた、被災地・岩手出身の小笠原は「存分に楽しんでもらい、思い出をこれからのサッカーや生活につなげていってもらいたい」とチームメートの気持ちを代弁した。

 試合は子供たちを熱狂させる激しい点の取り合い。鹿島は後半開始早々に追い付かれたが、1分後には大迫が振り向きざまに2戦連発となる勝ち越し弾をたたき込み、直後にも新戦力のダビがこの日2点目を奪って突き放した。2トップの活躍に、岩政は「FWが点を取るのは、チームがコンスタントに勝利を重ねていく上で大きな勝利」と手放しで喜んだ。

 昨季はナビスコ杯連覇を成し遂げたが、リーグ戦は11位止まり。クラブ史上最高の2位と躍進した仙台が被災地を勇気付けたように、今季はかつて黄金期を築いたセレーゾ監督の下、4季ぶりの栄冠を狙う。「サッカーの発信できる力はものすごく大きい。復興が思うように進まない中、何かメッセージを残していければ」と小笠原。王者の威厳を取り戻す戦いが始まる。(奥村信哉)

アントラーズ、ホーム初戦飾る 仙台に3―2 茨城

ボールを競り合うダヴィ(左)=カシマサッカースタジアム


試合開始前に黙祷する選手とスタンドのサポーターら=カシマサッカースタジアム


 サッカーJ1鹿島アントラーズは9日、カシマサッカースタジアム(鹿嶋市)にベガルタ仙台を迎え、3―2でホーム初戦を白星で飾った。今シーズン初戦が惜しい引き分けだっただけに、ファンやサポーターたちは「幸先のよいスタート」と、久々のリーグ優勝へ向けての手応えを感じているようだった。
 双方のホームタウンが東日本大震災で被災したこともあり、陸上自衛隊勝田駐屯地の音楽隊が東日本大震災からの復興祈念演奏会をしたほか、試合に先立ち、選手と観客ら全員で犠牲者に黙祷(もくとう)を捧げた。
 鹿島は前半、ダヴィのシュートで1点先行。後半開始直後に仙台に同点とされたが、すかさず大迫とダヴィが1点ずつ入れて3―1とリード。食い下がる仙台に2点目を返されたが逃げ切った。ホームスタンドを真っ赤なユニホームで埋めたサポーターからは終始、盛んな声援が飛んだ。
 約2時間かけ、家族ら6人で坂東市から応援に駆けつけた会社員鶴見宏さん(44)は「今年は、久しぶりに優勝してくれそうなムードだ」。長男で、少年サッカーチームに入っている響君(小学6年)は「仙台も強いので同点かなと思ったけど、勝ててよかった」と話した。
 ほかのサポーターたちも「野沢が戻ってきたので勝てるだろう」「セレーゾ監督だから優勝できる」などとうれしそうに話した。

J1鹿島、ホームで白星

【写真説明】鹿島―仙台 後半3分、3点目を決める鹿島・ダビ=カシマスタジアム

サッカーJ1第2節の鹿島は9日、カシマスタジアムで仙台と対戦し、3-2で競り勝って今季のホーム開幕戦を白星で飾った。

ともにホームタウンが被災したクラブ同志の対決。試合前、両チームの選手と観客は東日本大震災の犠牲者に黙とうをささげた。

試合はお互いの意地がぶつかり合い、激しい点の取り合いとなった。カウンター攻撃で得点を狙う仙台に対し、鹿島は大迫、ダビの両FWにボールを集め、前半29分、ダビがゴールを決めて1点先制した。

後半開始早々に追い付かれたが、鹿島も直後に大迫、ダビが連続でゴールを奪って逆転。反撃する仙台に1点差に迫られながらも逃げ切った。


復興ダービー中心の紙面が多い中でニッカンのダヴィ情報は嬉しい。
コンディション不良で来日したことや、家族と離れ単身赴任しておることなど、非常に有用な報である。
そしてゴール揃い踏みの2TOPと過去の鹿島の強力コンビに準えておるところも好感が持てる。
ジーコとアルシンド、長谷川と黒崎、柳沢と隆行、マルキーニョスと興梠とかつての鹿島を彩った懐かしい名前が挙げられておる。
大迫とダヴィも彼等のように鹿島に勝利を与えて欲しい。
また、ダヴィには街でプレゼントを渡したい。
これからもこの試合同様に活躍を期待しておる。

シャルケ・篤人、2アシストの活躍

内田 復帰戦で即活躍!フル出場で2アシスト
ブンデスリーガ シャルケ2−1ドルトムント (3月9日)


ドルトムント戦の前半、競り合うシャルケの内田篤人(奥)
Photo By 共同


 シャルケの日本代表DF内田篤人が、復帰戦で2アシストをマークした。

 ルール・ダービーに右サイドバックでフル出場。2月の日本代表のラトビア戦で右太腿肉離れを再発させてから約1カ月ぶりの実戦だったが、前半12分に低い折り返しでMFドラクスラーの先制点を演出して今季初アシスト。同35分にはピンポイントクロスをFWフンテラールの頭に合わせて追加点を呼んだ。ともに痛めていた右足でのパスで、26日のW杯最終予選ヨルダン戦に向けて完全復活をアピールした。

 ◆ベンチ外 ボルフスブルクのMF長谷部誠は9日のフライブルク戦で、風邪のためメンバー外となった。

[ 2013年3月10日 06:00 ]



負傷から復帰したシャルケの篤人である。
その試合で即2アシストと攻撃力を見せつけた。
これは嬉しい報である。
独で、欧州で輝く篤人の活躍を聞くたびに元気になってくる。
更なる活躍を期待したい。

Fマリノス・マルキーニョス、ハットトリック達成

マルキ ハットで助っ人最多弾!横浜 5発大勝で堅首
J1第2節 横浜5−0清水 (3月9日 アイスタ)


<清水・横浜>後半43分、ゴールを決めたマルキーニョス(右端)を祝福する横浜イレブン
Photo By スポニチ



 横浜はアウェーで清水に5―0と大勝し、首位をキープした。前半8分にMF中村俊輔(34)がJ1通算50得点目を右CKから直接決めて先制すると、FWマルキーニョス(36)が今季Jリーグ初のハットトリックを達成。通算得点を124とし、名古屋などでプレーしたFWウェズレイの持つ外国人選手の歴代最多得点記録に並んだ。

 ショーの幕開けは2―0の後半26分、斎藤のクロスがゴール前の混戦からこぼれたところを右足で押し込み、まず1点。同43分には中村の浮き球のスルーパスに合わせて抜け出し、GKと1対1となり右足で冷静に叩き込んだ。2分後には斎藤の右クロスに左足を合わせ、10年9月18日の大宮戦以来自身2度目のハットトリックを達成した。

 マルキーニョスは「幸せ。自分の得点でチームがしっかり勝ったことが大事」と端正なマスクを崩した。これでJ1通算得点は124。通算得点記録で歴代4位となり、ウェズレイの外国人最多記録に並んだ。

 01年に初来日して東京Vに加入。当初はスピードはあるが粗削りで、プレーにもムラがあると評判だった。だが03年に左アキレス腱断裂の大ケガを負ったことがきっかけでプレースタイルを変えた。もともと高い技術を持っていたが、確実性を重視し磨きをかけた。この日の3得点も正確なキックで生み出した。

 昨季は腰痛で出遅れ、開幕から8試合欠場。その間チームも勝てなかった。今オフは「今までの中で一番動いた」とトレーニングを積んで開幕から好調をキープ。2試合で5得点の大暴れだ。

 16日の次戦は、そのシーズンで初得点を奪ったチームが降格するという「デスゴール伝説」を持つFW前田が率いる磐田が相手。だが日本代表DF栗原は「調子の良いときに当たれるのは良い。万が一、取られても1年間、緊張感を持ってやれるからいいんじゃない」と意に介さない。今月23日に37歳を迎えるベテランFWにけん引された横浜が、このままの勢いで突っ走る。

 ≪横浜 2戦で9得点≫横浜が5―0の大勝。2日の開幕戦(○4―2湘南)と合わせて2戦9得点。開幕から2試合での通算最多得点は06年川崎Fの13得点(○6―0、○7―2)。横浜では95年の10得点(□4―3鹿島、○6―2V川崎)に次ぐ開幕2戦での量産となった。また、2節終了時での単独首位は2シーズン制時代は3度あるが、1シーズン制になってからは初。

 ≪マルキ 自身2度目のハット≫マルキーニョスが自身2度目、J1通算196度目、横浜としては16度目のハットトリックを達成。J1通算得点をウェズレイに並ぶ歴代4位タイの124得点とした。



<清水・横浜>後半43分、自身2点目のゴールを決める横浜・マルキーニョス
Photo By スポニチ

[ 2013年3月10日 06:00 ]

[ J1:第2節 清水 vs 横浜FM ]

2点リードの横浜FMは71分、マルキーニョス(写真右)が追加点をあげると、さらに88分、90分と立て続けにゴールを決めハットトリックを達成した。


ハットトリックを達成したFマリノスのマルキーニョスである。
さすがの得点力と讃えたい。
今季は好調を維持してシーズンスタートを切った様子。
GWの対戦ではこの強敵を抑え込む守備力が要求される。
戦術を徹底し、連携を深めて、チーム力を向上させていこうではないか。
それは我らの事情として、マルキーニョスの偉業を讃えたい。
おめでとう。

仙台戦コメント

2013Jリーグ ディビジョン1 第2節


鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
勝つためには勝つための準備をしなくてはいけない。仙台は昨年を2位で終えたチームだけにボールを持っている時、持っていない時に何をすべきかを分かっていて、規律も守られていて、多少苦しめられた。

大迫、ダヴィ、ジュニーニョは良い動き出しを見せていた。ジュニーニョは今までにないスペースの作り方を見せていたし、全員が得点に絡むチャンスを編み出せていたと思う。この2試合でチームがどうかを判断
するには、この長丁場では早いと思う。

これまで戦った完成されたチームとの試合は球際などでタフになったが、その中で自分たちの時間帯やチャンスを作れていたので、チームの方向性が間違っていないという手応えは感じている。今日、ホームで
勝点を取るという重要なことが達成できたのは、非常に良かったと思う。





【ダヴィ】
ホーム開幕戦で良いスタートを切りたかったので、非常に嬉しい結果になった。全員でつかんだ勝利だと思う。1点目は野沢のこぼれた球がファーに来ると思っていた。2点目は練習通りのゴール。仲間を信じて詰めていた結果だと思う。

【小笠原 満男】
鳥栖戦に引き分けていたので、ホーム開幕戦で勝点3を取れてうれしく思う。後半は押し込まれたという見方もあるけど、しっかり守ってカウンターのチャンスを狙うリードしている時のセオリーだと思う。

【曽ヶ端 準】
去年のスタートを考えれば良いスタートが切れたと思う。勝つと引き分けじゃ全然違う。仙台にはやられているイメージがあるのでみんなで守ったが、1点目は時間帯が悪かったし、2点目はカウンターから簡単にやられてしまった。映像を見直さないと分らないがもう少し対応できたのではないかと思う。


2013年03月09日(土)

本日行われたJ1第2節仙台戦は3-2で勝利しました。

【J1:第2節 鹿島 vs 仙台】トニーニョセレーゾ監督(鹿島)記者会見コメント(13.03.09)
3月9日(土) 2013 J1リーグ戦 第2節
鹿島 3 - 2 仙台 (14:05/カシマ/19,981人)
得点者:29' ダヴィ(鹿島)、46' 太田吉彰(仙台)、47' 大迫勇也(鹿島)、48' ダヴィ(鹿島)、67' ウイルソン(仙台)


●トニーニョセレーゾ監督(鹿島):

Q:今日の勝利の感想をお願いします。あと、ゴールに絡んだダヴィ選手と野沢選手の評価をお願いします。
「対戦相手は昨年度2位でリーグを終えたチームです。ボールを持っているとき、持っていないときになにをすべきなのか徹底されたチームですので、規律、規則というものがしっかり守られています。多少苦しめられた部分もあったんではないかと思います。また、我々よりも平均年齢が低いチームでした。野沢選手だけでなく、うちの攻撃陣は良い試合をしたのではないかと思います。大迫選手、ダヴィ選手、ジュニーニョ選手についても、非常に良い動き出しをしたと思います。ジュニーニョ選手もいままでにないスペースの使い方や作り方というところでも活躍できたと思いますし、全員が得点に絡むような状況やチャンスを編み出せる形を作り出したのではないかと思います」

Q:スタートダッシュを掲げられていましたが、その意味において今日の勝利はいかがでしょうか?
「2試合でどういう風になるか、どういう状況になるかを判断するのはまだ早いと思います。まだ長丁場ですし。ただ2試合とも完成されたチームと対戦するなかで、球際もタフに戦ってくるチームでした。そのなかで自分たちの時間帯を作れたことは良いことだと思いますし、そのなかでチャンスをつくれたということはチームとして目指そうとしている方向性が間違っていないんだな、という私の手応えでもあります。当然ながら試合を勝っていれば、あるいは先制していれば相手は前に出てくる、圧力がかかる状況になるわけなのでそれはやむを得ないことだと思います。あとはホームでしっかり勝点を取るということも重要なことなので、それが達成できたということは良いことではないかと思います」

Q:以前、鹿島で監督をやられていたときと比べてJリーグは混戦模様になっていると思いますが、どのように変わったとお感じですか?
「いろんな部分があげられます。良い方向に成長しているというのが正直な実感です。だいたい40m〜50mのラインでチームをコンパクトに保ち、縦関係の距離を保ってやっていますし、DFのところでしっかりビルドアップしようとする姿勢、その勇気をDFラインの選手も持つようになりました。昔はただ蹴っていたところを繋げられるようになってきた。あとは体格的な部分で、肉付きがよくなったというか、体力的な強化や負荷をかけることによって当たりも強くなりました。また、全チームが帰陣して、戦術的な規律と理解力、実行力というものが日本人選手に増えてきたなと実感しています。また、今日の相手などを見てもらえば、ピッチのなかで選手の配置をしっかりしているし、選手たちもそのなかでどういうことをしなければいけないのかを理解して動いているのがわかります。ただ本能的に動いているのではなく、理解をして考えながら判断しているところがあります。また、諦めない姿勢も非常によかったのではないかと思います。今日のスコアでも、相手が1点取って同点に追いついたところで、我々が2点を取っても、彼らは諦めずにピッチのなかに入っていって積極的に取り組みゴールを目指す姿勢というのは、日本人選手の意識や考えの成長を感じ取ることができます。良い方向に今後も成長し続けるようになればと思いますし、自分が少しでも手助けできればと思います。また、忘れてはいけないのは海外に移籍し始めている日本人選手です。また、海外の移籍マーケットが日本人選手に注目しているということは、一定の評価を得ているということが感じ取れます。また女子サッカーは世界一なのであって、そこも日本のサッカーのひとつの証ではないかと思います。おそらくJリーグ20年のなかで、あるいは他のリーグのなかで、これだけスピーディな成長を示したプロサッカーリーグは無いのではないかと思います。ですので、Jリーグというのは日本のサッカーに多大な影響を与えているのではないかと思います」


以上

【J1:第2節 鹿島 vs 仙台】試合終了後の各選手コメント(13.03.09)
●小笠原満男選手(鹿島):
「Jリーグの開幕戦で引き分けてしまったので、ホーム開幕戦で勝点3をとれて非常に嬉しく思います。
(後半、押し込まれたが?)押し込まれたという見方も出来ると思いますが、しっかり守ってカウンターを狙うのはサッカーのセオリーでもあるので、特に気にしていません」

●大迫勇也選手(鹿島):
(2試合連続ゴールだが?)そうですね。でも、失点が悪い時間だった。カウンターで取られてしまったのでそこだけ。2失点目をくらうとリズムとしてああなってしまう。
(交代は自分から?)はい。ももの裏側を攣っちゃって、ジャンプができなかったので。珍しいと思います。
(ゴールについては?)イメージ通りに出来たかなと思います」

●野沢拓也選手(鹿島):
「ダヴィはパワーを持って入ってくれる選手。得点をとるポテンシャルは強い選手だと思います。まわりも使って自分も生きる。2タッチくらいでまわすサッカーが見られた。
(ダヴィへの注文は?)特にないです。自分に対する注文の方が多いです」

●岩政大樹選手(鹿島):
「とりあえずよかったですね。
(去年は5試合白星がなかったが?)去年のことはあまり関係ないと思います。たくさんのお客さんがきてくれたので勝利をプレゼントできてよかったです。FWの選手が点をとったしチームが勝点を重ねたのは大きなことだと思います。
(FWが2対2になりやすいと話していたが?)むこうはラインを高くするチームですし、そういうシーンをつくりやすいと思っていました。うちのメリットは活かしやすいとみんなで話して入りました。
(開幕戦と同じメンバーで戦ったことで、1試合目よりも手応えは向上した?)そうですね。うちはあまり練習試合をしないので。勝点を拾いながらお互いの連携を深めていければいいと思います。特に、3−1の時間はうちがやりたいことが出来ていたと思います。そこで同じイメージをみんなが掴めたことはよかったと思います」

●ダヴィ選手(鹿島):
(ホーム初勝利おめでとうございます)いまのJリーグはタフなリーグなので簡単な試合は無い。ホームで勝点を取らないといけなかった。全員で喜ぶべき結果だと思います。多少失点しましたが、全員が関わるものでした。改善の余地はありますが、目標は達成できたのでよかったと思う。
(ゴールについては?)Jリーグはどこもサポーターが後押ししてくれるが、今日は非常にスタジアムの雰囲気がよかった。ここにもすばらしいサポーターがいて後押ししてくれて心強かったし、それによってモチベーションも高かった。2点とも野沢選手が絡んでいて、1点目はファーに来るのではないかという予測でした。2点目はパスをくれると信じてニアに入りました。ゴールは決めましたが勝ったことの方がよかったと思います
(鹿島というチームとセレーゾ監督の印象は?)監督は現役のときにすばらしい選手でした。我々選手が好むことと嫌うことをよくわかっています。また、彼から吸収できることもたくさんあると思っています。アントラーズは文句のない環境が揃っています。日本人にもブラジル人にも能力の高い選手が揃っています。またファミリーの雰囲気があることも特長です。その一員なれたことは光栄ですし、誇りに思います。タイトルをとり続ける伝統を守り、そのページを増やすことが出来ればと思います。
(次節は広島との対戦です)勝つことしか考えていません。昨季のチャンピオンであるという敬意は忘れませんが、一週間しっかり準備に取り組んでいきたいです。ホームでもアウェイでもつねに勝つことを考えたいです」


[ J1:第2節 鹿島 vs 仙台 ]

ホーム開幕戦を迎えた鹿島。試合が動いたのは29分、シュートのこぼれ球にいち早く反応したダヴィがダイビングヘッドで押し込み鹿島が先制点を挙げた。

[ J1:第2節 鹿島 vs 仙台 ]

追いつかれた鹿島だが1分後の47分、大迫勇也の2試合連続ゴールで再び勝ち越しに成功した。

[ J1:第2節 鹿島 vs 仙台 ]

さらに1分後の48分、今後はダヴィ(写真右)がこの日2点目となるゴールを決めて仙台を突き放した。

[ J1:第2節 鹿島 vs 仙台 ]WOWプレーヤーズアワード:ダヴィ選手(鹿島)

本日の試合で決勝点をあげたダヴィ選手(鹿島)が、この試合のWOWプレーヤーズアワードに選ばれた。




ダヴィ&大迫で3発!鹿島が今季初勝利!
13/3/9 16:14



[3.9 J1第2節 鹿島3-2仙台 カシマ]

 J1は9日、第2節を行い、カシマスタジアムの鹿島アントラーズ対ベガルタ仙台戦はFWダヴィの2発とFW大迫勇也の2試合連続ゴールによって鹿島が3-2で勝利。今季初白星を挙げた。

 11年3月11日に発生した東日本大震災から間もなく2年。試合前には犠牲者への哀悼の意として黙祷が行われた。震災発生後1年を控えて行われた昨年3月10日のJ1第1節に続き、「忘れてはならない」一日を前に被災地を代表して戦う両クラブが激突した。

 鹿島は1-1で引き分けた鳥栖との開幕戦と同じ先発イレブン。GKが曽ヶ端準で4バックは右から西大伍、岩政大樹、青木剛、中田浩二。中盤は柴崎岳と小笠原満男のダブルボランチでその2列目は右が野沢拓也で、左がジュニーニョ。2トップは大迫とダヴィがコンビを組んだ。

 対して甲府との第1節を1-1で引き分けたアウェー・仙台はDF角田誠が左足関節捻挫、MF富田晋伍が右第5趾末節骨不全骨折と立て続けに負傷。昨年の主力ダブルボランチを失って鹿島戦を迎えたチームは4-3-3システムでGKが林卓人、4バックは右から菅井直樹、渡辺広大、石川直樹、田村直也の並び。中盤は松下年宏と鎌田次郎、梁勇基の構成。そして右3トップにはMF太田吉彰、ウィルソン、赤嶺真吾が配置された。

 試合は序盤から互いにチャンスをつくり合う展開となった。4分、PA内左中間で自らのシュートのこぼれ球を拾った大迫が右後方のジュニーニョへ丁寧なラストパス。これをジュニーニョが左足で強烈な一撃を見舞うと、仙台は6分にカウンターからひとりで持ち込んだ太田が左足シュートを放つ。

 鹿島は野沢、柴崎がボールを落ち着かせ、仙台は梁が鹿島の守備網をかいくぐりながらゲームメークしていく。その中で鹿島は11分に柴崎の強烈ミドルがゴールを捉え、15分には柴崎の正確なフィードから大迫がスルーパス。走りこんだダヴィが左足を振りぬいた。一方の仙台も22分にウィルソンがペナルティーアークやや外側でFKを獲得すると、梁の右足から放たれた一撃はGKの手を弾いてゴール右ポストを叩く。さらに27分には鎌田のくさびのパスを赤嶺が落とし、梁の強烈な右足シュートがゴールを襲った。 

 白熱の展開となった一戦で先にスコアを動かしたのは鹿島だった。前半30分、左サイドでボールを持ったジュニーニョが対面のDFを振りきって中央へ切れこむと、クロスバー直撃の右足シュート。跳ね返りを右サイドから狙った野沢のシュートは仙台DFがコースを変えるが、ゴールエリアへ飛んだボールをダヴィが頭で押し込み、ダヴィの移籍後初ゴールによって鹿島がリードを奪った。

 後半開始から菅井に代えてDF蜂須賀孝治を投入した仙台は開始わずか30秒、ウィルソンの右クロスのこぼれ球を拾った太田が右中間から強引にPAへ切れ込み、右足シュートをゴール左隅へねじ込む。1-1に追いつかれた鹿島だが、直後の2分に大迫が左足でゴール右隅を射抜いて再び勝ち越し。さらに3分にも右サイドからのラストパスにニアサイドへ飛び込んだダヴィがこの日2点目のゴールを決めて3-1と突き放す。

 仙台は19分にヘベルチを投入。すると仙台は22分、カウンターから最後はウィルソンが左足シュートをゴール左隅へねじ込んで1点差へ迫る。そして24分には梁の右クロスに赤嶺が飛び込み、その後もカウンターからウィルソンが決定的な右足シュートへ持ち込むなど同点を目指してパワーをかけてくる。

 鹿島は29分、前線にMF中村充孝を投入したのをはじめ、DF昌子源、MF遠藤康を相次いでピッチへ送り出す。一方の仙台も36分にFW武藤雄樹を投入。交代枠を使いきって反撃の色を強めたが、後半45分に右クロスから赤嶺が放ったヘディングシュートがゴール左へ外れるなど同点ゴールを奪うことはできず。2トップの3発によって鹿島が今季初白星を飾った。
(取材・文 吉田太郎)

鹿島新戦力ダヴィ、誕生日前日に2発の祝砲!
13/3/9 18:15



[3.9 J1第2節 鹿島3-2仙台 カシマ]

 鹿島アントラーズの新戦力、FWダヴィが移籍後初ゴールを含む2発でチームに白星をもたらした。移籍後2試合目で生まれた初ゴールは前半29分だ。鹿島は左サイドを突破したFWジュニーニョが一気に切れ込んで右足シュート。クロスバーを叩いた跳ね返りを逆サイドのMF野沢拓也が右足で狙う。これはDFに当たってコースが変わったものの、「ファーに来ると予測していたら、こぼれてきた」というダヴィが頭で押し込んだ。

 翌日に控えた29回目の誕生日を自ら祝う祝砲。ダヴィはさらに2-1で迎えた後半3分、右サイドでボールを持った野沢のラストパスに対して、DFとの駆け引きからニアサイドへ飛び込んで左足ダイレクトで2点目を奪う。歓喜の2発のほかにも、ポストに入った大迫の背後へ飛び出して決定機につなげるなど、2トップを組む大迫や周囲との好連係を見せていた。

 J通算75得点。調整不足も囁かれたストライカーだが、昨シーズン甲府で32得点を挙げてダントツでJ2得点王に輝いた実力はやはりホンモノだ。後方から好パスを送っていたMF柴崎岳は「彼ならそのくらいのことはすると思いますし、特に驚きではないです。練習からも彼は力を発揮してやっていますし、FWとしての嗅覚や実力というものは申し分がないものがあると思う。ボクらがもっと活かしてあげれば、もっともっと点を取ることができるのではないかなと思っています」と期待した。

 09年以来となるリーグタイトル奪取のために名門へ招かれたダヴィは「FWは得点をして評価されるポジション。自分を追い込んで努力しなければならない」と力を込めた。この試合だけでなく、毎試合得点してチームの勝利に貢献するつもりだ。
(取材・文 吉田太郎)

仙台振り切った鹿島、トニーニョ・セレーゾ監督はJで8シーズンぶりの白星
13/3/9 22:12



[3.9 J1第2節 鹿島3-2仙台 カシマ]

 鹿島アントラーズは昨年2位の仙台を振り切り、今季初勝利。トニーニョ・セレーゾ監督に前回指揮を執った05年以来8シーズンぶりとなる勝利をプレゼントした。

 前半からMF野沢拓也とMF柴崎岳がボールを落ち着かせながらじっくりと攻めこむと、柴崎が「仙台はオフサイドを仕掛けてくるチームでもありますし、CBもそんなに足の速い選手ではなかったのでウチの2トップであれば、上手く裏へ抜け出せば大きなチャンスになると思っていた」と説明したように背後への配球も交えて圧力をかけていく。

 そして前半29分、左サイドで絶妙なボールコントロールとスピードでDF2人を置き去りにしたMFジュニーニョの突破を起点とした攻撃から最後はFWダヴィが頭で移籍後初ゴール。トニーニョ・セレーゾ監督から「シンプルな戦い方でいい。冷静につなぎあわせて勝利をもぎとれ」と送り出された後半は開始30秒で同点に追いつかれたものの、直後の後半2分に右SB西大伍からのアーリークロスをコントロールしたFW大迫勇也が「イメージどおり」という反転から左足でのファインゴールをゴール右隅へねじ込む。さらに、直後にも野沢のラストパスからニアサイドへ飛び込んだダヴィが加点した。

 後半22分に1点差に詰められた後は押し込まれる場面もあったが、しっかり守ってからのカウンターを徹底。そして柴崎が「守備の部分に関して言えばよかったと思いますし、全員が身体を張ってやっていた部分もあったと思います。チーム全体が意思統一して、そういった時間を過ごせたと思います」と評した守りで逃げ切った。

 ハードワークを続けた大迫が足を攣らせて途中交代するなどタフな戦いとなったが、全員で勝ち取った今季初勝利。次節はアウェーで昨年のJ1王者である広島戦を戦う。ダヴィは「ホームでもアウェーでも常に勝利を目指していく」と宣言。昨年2位をねじ伏せた鹿島が次は広島も打ち倒す。

[写真]後半2分、勝ち越しゴールを喜ぶ鹿島・大迫

(取材・文 吉田太郎)

鹿島、「らしい」戦いでホーム開幕戦白星
2013/03/09 18:00:00

後半追いつかれるも一気に突き放す

9日に行われたJ1第2節の鹿島対仙台の一戦は、ダヴィが2得点の活躍を見せ、ホームの鹿島が3−2で勝利した。

戦術が浸透しきれていない鹿島と、けが人を多く抱える仙台。鹿島は開幕戦とスタメンは変わらなかったが、ベンチに若い梅鉢が入った。一方、角田と富田の主力2人を欠く仙台はボランチには鎌田と松下を入れ、4−3−3のシステムで挑んだ。

試合は鹿島のペースで動いていく。前半4分、小笠原のロングボールから抜け出した大迫がシュートを放つと、こぼれ球にジュニーニョが反応。これは相手GKに阻まれてしまったが、開始から鹿島が惜しいシーンをつくる。

鹿島は後方で回しても、仙台の中途半端なプレスを簡単にいなす。特にジュニーニョに縦パスが入ると、そこで時間ができるためボランチがフリーでボールを受ける事ができ、容易にサイドチェンジからチャンスをつくることができた。

15分、柴崎のサイドチェンジから西がクロスを送ると、ゴール前を横切り、ダヴィがシュートを打とうとするが、これは相手DFにブロックされる。

押され続けた仙台もセットプレーからチャンスを作る。22分、ゴール正面でFKを獲得すると、リャン・ヨンギが直接狙うも、これはポストに阻まれた。

それでも、鹿島ペースは変わらない。29分、ジュニーニョが左サイドで2人を置き去りにし、ゴール前まで運んでシュート。バーに当たって跳ね返ったボールを野沢がダイレクトボレーで合わせ、相手DFに当たったところを、最後はダヴィが頭で押し込んで鹿島が先制点を得た。前半はそのまま鹿島の1点リードで終了する。

後半に入ると、試合は一気に動き出す。46分、ペナルティエリア内でボールを持った太田が鋭いターンで鹿島DFを置き去りにすると、ゴール左に流し込み振りだしに戻す。しかし、わずか1分後の47分、鹿島がお返しとばかりに突き放す。西の低いクロスから大迫がくるりと反転し左足でシュートを決め、2−1。

さらに48分、右サイドを大迫、小笠原、野沢のコンビで突破すると、野沢が深い位置からクロスを送り、ダヴィが左足で合わせて、自身この日2得点目。わずか3分間で3点が動き、鹿島があっという間に2点をリードしてみせた。

62分にはセットプレーの流れから中田が、63分にはクロスからダヴィがぞれぞれチャンスを迎えるなど、鹿島ペースは一向に変わらなかった。

しかし67分、仙台はカウンターからウイルソンが小笠原の裏を取り、キーパーと1対1になると、これを落ち着いて決めて1点差に迫る。ここから、鹿島の足が止まり始め、仙台が押し込むようになる。

70分、太田がまたもペナルティーエリア内で鋭いターンから抜け出し、シュートを放つが鹿島DFにブロックされてしまう。その後も仙台は攻め続けるが決定的なシーンをつくることはできず、鹿島が3−2で勝利した。

鹿島としては「らしい」と思わせる場面を随所に見せ、今後に期待を抱かせる内容でホーム開幕戦を飾った。


取材・文/猪熊脩登

大迫の交代は足が攣ったためとのこと。
アツの投入で野沢がFWに上がった。
やはりFWの層の薄さは懸念点のようにも受け取れる。
とはいえ、ここはやりくり上手のトニーニョ・セレーゾ監督の手腕が冴えるところであろう。
長いシーズン、どのようにチームが変化していくのかを楽しみにしていきたい。
プロフィール

Fundamentalism

Author:Fundamentalism
鹿島愛。
狂おしいほどの愛。
深い愛。
我が鹿島アントラーズが正義の名のもとに勝利を重ねますように。

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