鹿島、リーグNo.1の得点力の秘訣
リーグ1位の得点力。鹿島は「大迫ロス」をどう克服したか?
2014.10.06
田中滋●文 text by Tanaka Shigeru 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio
選手の能力を見極めるのは、難しい――。特に若い選手ほど、簡単ではない。秘めたる能力を開花させ、成長していく姿を思い浮かべるのは楽しい作業だが、それを実際に導くことは容易ではない。ましてや、そうした選手の集合体であるチームの「未来予想図」を描き出し、現実をそこに当てはめていくことは、極めて難しいことだろう。

今季5ゴールを挙げ、日本代表にも選出された柴崎岳
今年、リーグ戦で19得点を決めた大迫勇也が1860ミュンヘンに移籍した鹿島には、厳しいシーズンが待っていると予想された。しかし、フタを開けてみれば現在リーグ3位につけ、総得点は53。残り7試合の時点で昨季の60得点に迫るだけでなく、攻撃的なイメージの強い川崎FやG大阪を抑え、リーグNo.1の得点力を誇っている。その結果、開幕前に駒不足と思われた陣容には、いつの間にか粒ぞろいの若手が顔を並べ、対戦する他クラブから強く警戒されるようになった。実際、日本代表にも柴崎岳、昌子源、西大伍の3選手が選出されるなど、選手たちの質も高く評価されるようになった(昌子源は筋挫傷により代表を辞退)。
チームを率いるのは、2季目を迎えたトニーニョ・セレーゾだ。シーズンに入る前からチームの力不足が囁(ささや)かれる中、指揮官は、「絶対に大丈夫」と周囲に伝えていたという。その自信はどこにあり、「大迫ロス」をどのように克服したのだろうか。
まず大きかったのは、就任した2013年当初から、すでに2ヶ年計画を立ててチームづくりを進めていたということだ。そのおかげで、大迫の移籍にも対応できる下準備ができていた。
どういうことかというと、1年目の昨季は、試合でジュニーニョや中田浩二というベテラン選手を重宝し、彼らの高い経験値と残された能力をできる限りしぼり出してもらい、優勝が狙える位置に食らいつきながらシーズンを通して戦った。そして同時に、練習では若手を徹底的に鍛え上げたのである。
攻撃的な選手であれば、バックパスをするのではなく、勇気を持ってゴールに向かう戦闘意欲を。ボランチであれば、ポジショニングや、何を考えて試合を進めるべきなのかを。ディフェンダーであれば、まずはリスクの少ないプレイが選択できるような意識づけを。そしてチーム全体には、球際で激しくプレイする気持ちを……。何度も、何度も、繰り返し選手に訴えかけることで、水が地面に染みこむように、試合でやるべきことを少しずつ浸透させていったのだ。
シーズン中、連戦が続くようになると、トップチームの練習内容はコンディション調整だけで終わることも多い。その結果、人数もままならない控え組の練習は、自ずとモチベーションが下がり気味になり、おざなりな練習になることもある。しかし、トニーニョ・セレーゾの本領が発揮されるのは、ここからだ。
その中だるみの時期を、居残り練習で若手だけを鍛えるための絶好の機会ととらえ、主力以上に情熱を注いで指導した。トップが2時間、控え組が2時間、計4時間を練習時間に割くこともあり、歴代のブラジル人監督のとなりで常に控えてきた高井蘭童通訳は、「サッカーを心から愛している人」と、トニーニョ・セレーゾを讃える。家に帰ってもサッカーのことばかりを考え、部屋にはそこら中に気づいたことや、練習について書き出したメモが散乱しているそうだ。
そして就任2年目、トニーニョ・セレーゾはチームの若返りを一気に図る。1年間の下地があったため、大迫の移籍にも大きな動揺なく対応することができた。とはいえ、試合経験のない選手たちを練習だけで鍛えるには限界があったため、シーズン当初は左右のサイドハーフのポジションを固定し、中盤の流動性を封印。攻撃の幅は制限されるものの、守備に切り替わったときの影響が最小限になるよう考慮した。
だが、徐々に試合に慣れ始めると、それを解き放った。今ではその制限もないに等しく、誰かがポジションを離れてプレイすれば、他の誰かがそこを埋める感覚がチーム全体に染み渡っている。サイドの守備のバランスが崩れていると、トップ下の土居聖真がそこを埋めている場面など、日常的に見ることができるようになってきた。
つまり、選手のレベルに応じて、段階を追ったチームづくりを進めてきたことがわかる。基礎を叩き込まれた選手たちは、試合経験を積むことで、少しずつ実行できる範囲を広げていった。
しかしそれだけでは、昨季大迫がマークした19得点は埋まらない。改善されたのは、中盤の選手たちの得点意識だ。遠藤康(現在9得点)、土居聖真(8得点)、柴崎岳(5得点)といったMFたちがゴール数の自己ベストを更新。ゴール前のパターン練習とシュート練習は、セレーゾ監督が最も時間を割く練習メニューのひとつだが、その成果と言えるだろう。
そして、ゴールへの意識は、「鋭利なカウンター」を新たな武器として覚醒させた。対戦相手の監督たちも警戒するようになった鹿島の鋭い速攻だが、シーズン当初は、ボールを奪っても選手の動き出しは遅く、そう呼べるような攻撃シーンはほとんどなかった。
ところが、速攻を使える武器にするために、徹底して練習した形跡はまったくない。速攻の起点、そしてフィニッシャーとして機能する土居聖真は、次のように話す。
「誰かが、ああやろう、こうやろうと言ったわけではないです。それのできる能力を持った選手が揃っているので、試合で身についたのだと思います」
速攻を実践するために練習したのではなく、それを実現するために必要なのは、チームのバランス意識だと語る。コンパクトに戦えるようになれば、自ずと速攻は出るようになり、チャンスになると分かれば、より多くの選手がゴール前に飛び出していける。センターバックの2枚に加え、ボランチかサイドバックの1枚が守備に残ることだけを監督が整理すると、リーグでも屈指の鋭いカウンター攻撃が見られるようになった。
すべてが未来予想図の通りに進んでいるわけではない。思っていたより失点は減らず、伝統の堅い守備も戻っていない。残り7試合、首位・浦和とは勝ち点差7。直接対決を残すとはいえ、ギリギリのラインである。しかし、「大迫ロス」を乗り越えた鹿島が予想を覆(くつがえ)す躍進で、Jリーグの優勝争いを熱くさせているのは間違いない。

リーグNo.1の得点力を記録しておる鹿島について記すSportivaの田中氏である。
大迫の抜けた穴をどう埋めたのかについて語る。
トニーニョ・セレーゾ監督は二年計画にて進めてきた様子。
結論としては、聖真の言う「誰かが、ああやろう、こうやろうと言ったわけではないです。それのできる能力を持った選手が揃っているので、試合で身についたのだと思います」と言ったところであろう。
それまで出場機会の少なかった若手の才能が開花したと言い換えても良い。
この攻撃力にてリーグに旋風を起こしておることは事実。
優勝も射程内であり、得点力にて勝利を積み重ねれば、最後の最後に笑うことも叶う。
楽しみである。
2014.10.06
田中滋●文 text by Tanaka Shigeru 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio
選手の能力を見極めるのは、難しい――。特に若い選手ほど、簡単ではない。秘めたる能力を開花させ、成長していく姿を思い浮かべるのは楽しい作業だが、それを実際に導くことは容易ではない。ましてや、そうした選手の集合体であるチームの「未来予想図」を描き出し、現実をそこに当てはめていくことは、極めて難しいことだろう。

今季5ゴールを挙げ、日本代表にも選出された柴崎岳
今年、リーグ戦で19得点を決めた大迫勇也が1860ミュンヘンに移籍した鹿島には、厳しいシーズンが待っていると予想された。しかし、フタを開けてみれば現在リーグ3位につけ、総得点は53。残り7試合の時点で昨季の60得点に迫るだけでなく、攻撃的なイメージの強い川崎FやG大阪を抑え、リーグNo.1の得点力を誇っている。その結果、開幕前に駒不足と思われた陣容には、いつの間にか粒ぞろいの若手が顔を並べ、対戦する他クラブから強く警戒されるようになった。実際、日本代表にも柴崎岳、昌子源、西大伍の3選手が選出されるなど、選手たちの質も高く評価されるようになった(昌子源は筋挫傷により代表を辞退)。
チームを率いるのは、2季目を迎えたトニーニョ・セレーゾだ。シーズンに入る前からチームの力不足が囁(ささや)かれる中、指揮官は、「絶対に大丈夫」と周囲に伝えていたという。その自信はどこにあり、「大迫ロス」をどのように克服したのだろうか。
まず大きかったのは、就任した2013年当初から、すでに2ヶ年計画を立ててチームづくりを進めていたということだ。そのおかげで、大迫の移籍にも対応できる下準備ができていた。
どういうことかというと、1年目の昨季は、試合でジュニーニョや中田浩二というベテラン選手を重宝し、彼らの高い経験値と残された能力をできる限りしぼり出してもらい、優勝が狙える位置に食らいつきながらシーズンを通して戦った。そして同時に、練習では若手を徹底的に鍛え上げたのである。
攻撃的な選手であれば、バックパスをするのではなく、勇気を持ってゴールに向かう戦闘意欲を。ボランチであれば、ポジショニングや、何を考えて試合を進めるべきなのかを。ディフェンダーであれば、まずはリスクの少ないプレイが選択できるような意識づけを。そしてチーム全体には、球際で激しくプレイする気持ちを……。何度も、何度も、繰り返し選手に訴えかけることで、水が地面に染みこむように、試合でやるべきことを少しずつ浸透させていったのだ。
シーズン中、連戦が続くようになると、トップチームの練習内容はコンディション調整だけで終わることも多い。その結果、人数もままならない控え組の練習は、自ずとモチベーションが下がり気味になり、おざなりな練習になることもある。しかし、トニーニョ・セレーゾの本領が発揮されるのは、ここからだ。
その中だるみの時期を、居残り練習で若手だけを鍛えるための絶好の機会ととらえ、主力以上に情熱を注いで指導した。トップが2時間、控え組が2時間、計4時間を練習時間に割くこともあり、歴代のブラジル人監督のとなりで常に控えてきた高井蘭童通訳は、「サッカーを心から愛している人」と、トニーニョ・セレーゾを讃える。家に帰ってもサッカーのことばかりを考え、部屋にはそこら中に気づいたことや、練習について書き出したメモが散乱しているそうだ。
そして就任2年目、トニーニョ・セレーゾはチームの若返りを一気に図る。1年間の下地があったため、大迫の移籍にも大きな動揺なく対応することができた。とはいえ、試合経験のない選手たちを練習だけで鍛えるには限界があったため、シーズン当初は左右のサイドハーフのポジションを固定し、中盤の流動性を封印。攻撃の幅は制限されるものの、守備に切り替わったときの影響が最小限になるよう考慮した。
だが、徐々に試合に慣れ始めると、それを解き放った。今ではその制限もないに等しく、誰かがポジションを離れてプレイすれば、他の誰かがそこを埋める感覚がチーム全体に染み渡っている。サイドの守備のバランスが崩れていると、トップ下の土居聖真がそこを埋めている場面など、日常的に見ることができるようになってきた。
つまり、選手のレベルに応じて、段階を追ったチームづくりを進めてきたことがわかる。基礎を叩き込まれた選手たちは、試合経験を積むことで、少しずつ実行できる範囲を広げていった。
しかしそれだけでは、昨季大迫がマークした19得点は埋まらない。改善されたのは、中盤の選手たちの得点意識だ。遠藤康(現在9得点)、土居聖真(8得点)、柴崎岳(5得点)といったMFたちがゴール数の自己ベストを更新。ゴール前のパターン練習とシュート練習は、セレーゾ監督が最も時間を割く練習メニューのひとつだが、その成果と言えるだろう。
そして、ゴールへの意識は、「鋭利なカウンター」を新たな武器として覚醒させた。対戦相手の監督たちも警戒するようになった鹿島の鋭い速攻だが、シーズン当初は、ボールを奪っても選手の動き出しは遅く、そう呼べるような攻撃シーンはほとんどなかった。
ところが、速攻を使える武器にするために、徹底して練習した形跡はまったくない。速攻の起点、そしてフィニッシャーとして機能する土居聖真は、次のように話す。
「誰かが、ああやろう、こうやろうと言ったわけではないです。それのできる能力を持った選手が揃っているので、試合で身についたのだと思います」
速攻を実践するために練習したのではなく、それを実現するために必要なのは、チームのバランス意識だと語る。コンパクトに戦えるようになれば、自ずと速攻は出るようになり、チャンスになると分かれば、より多くの選手がゴール前に飛び出していける。センターバックの2枚に加え、ボランチかサイドバックの1枚が守備に残ることだけを監督が整理すると、リーグでも屈指の鋭いカウンター攻撃が見られるようになった。
すべてが未来予想図の通りに進んでいるわけではない。思っていたより失点は減らず、伝統の堅い守備も戻っていない。残り7試合、首位・浦和とは勝ち点差7。直接対決を残すとはいえ、ギリギリのラインである。しかし、「大迫ロス」を乗り越えた鹿島が予想を覆(くつがえ)す躍進で、Jリーグの優勝争いを熱くさせているのは間違いない。

リーグNo.1の得点力を記録しておる鹿島について記すSportivaの田中氏である。
大迫の抜けた穴をどう埋めたのかについて語る。
トニーニョ・セレーゾ監督は二年計画にて進めてきた様子。
結論としては、聖真の言う「誰かが、ああやろう、こうやろうと言ったわけではないです。それのできる能力を持った選手が揃っているので、試合で身についたのだと思います」と言ったところであろう。
それまで出場機会の少なかった若手の才能が開花したと言い換えても良い。
この攻撃力にてリーグに旋風を起こしておることは事実。
優勝も射程内であり、得点力にて勝利を積み重ねれば、最後の最後に笑うことも叶う。
楽しみである。
岳、自分が求めている環境の変化というものを感じることができてすごくうれしかったですね
“新戦力”柴崎にとっての日本代表…「自分が求めている環境の変化を感じる」

ベネズエラ戦でA代表デビューを飾った日本代表MF柴崎岳 [写真]=足立雅史
9月9日に行われたキリンチャレンジカップ2014ベネズエラ戦でA代表デビューを飾ったMF柴崎岳。常に自分を冷静に分析し、黙々と努力を重ねる柴崎が今の心境を語った。今月4日発売の『サムライサッカーキング11月号増刊』に掲載されている。
ハビエル・アギーレ監督率いる新生・日本代表に選出された柴崎は、「小学校から中学、中学から高校、高校を卒業して鹿島アントラーズの練習に参加した時と似たような感覚がありました」と語り、「何かこう、自分が求めている環境の変化というものを感じることができて、すごくうれしかったですね」と心境を明かした。
「試合の中で自分を適応させていく時間というのは、ものすごく楽しかったですね」とデビュー戦を振り返る柴崎だが、同時に不安もあったという。「不安の中には代表に入って自分がどう感じるのか、という部分もあって。もしかしたら、『早く帰りたい』みたいな感覚に襲われることもあるのかなと思いました」と素直に胸の内を打ち明けた。

日本代表について口にした岳である。
新しい環境と、より高いレベルでのプレイに胸ときめいておる様子。
しかしながら、不安もあったようで、まだ若さがあるように受け取れる。
とはいえ、これも経験を重ねることですぐに払拭されよう。
岳の成長は留まるところを知らぬ。
そして、次なるチャレンジの日も近いことが予感される。
それまで鹿島の柴崎岳を堪能していきたい。
鹿島を勝利に導く岳の躍動を楽しみにしておる。

ベネズエラ戦でA代表デビューを飾った日本代表MF柴崎岳 [写真]=足立雅史
9月9日に行われたキリンチャレンジカップ2014ベネズエラ戦でA代表デビューを飾ったMF柴崎岳。常に自分を冷静に分析し、黙々と努力を重ねる柴崎が今の心境を語った。今月4日発売の『サムライサッカーキング11月号増刊』に掲載されている。
ハビエル・アギーレ監督率いる新生・日本代表に選出された柴崎は、「小学校から中学、中学から高校、高校を卒業して鹿島アントラーズの練習に参加した時と似たような感覚がありました」と語り、「何かこう、自分が求めている環境の変化というものを感じることができて、すごくうれしかったですね」と心境を明かした。
「試合の中で自分を適応させていく時間というのは、ものすごく楽しかったですね」とデビュー戦を振り返る柴崎だが、同時に不安もあったという。「不安の中には代表に入って自分がどう感じるのか、という部分もあって。もしかしたら、『早く帰りたい』みたいな感覚に襲われることもあるのかなと思いました」と素直に胸の内を打ち明けた。

日本代表について口にした岳である。
新しい環境と、より高いレベルでのプレイに胸ときめいておる様子。
しかしながら、不安もあったようで、まだ若さがあるように受け取れる。
とはいえ、これも経験を重ねることですぐに払拭されよう。
岳の成長は留まるところを知らぬ。
そして、次なるチャレンジの日も近いことが予感される。
それまで鹿島の柴崎岳を堪能していきたい。
鹿島を勝利に導く岳の躍動を楽しみにしておる。
ガンバ戦レビュー
【J1:第27節 鹿島 vs G大阪】レポート:両雄が持てる力を存分に発揮した好ゲーム。劇的なアディショナルタイム弾でG大阪が鹿島を下す。(14.10.06)
10月5日(日) 2014 J1リーグ戦 第27節
鹿島 2 - 3 G大阪 (12:34/カシマ/17,939人)
得点者:5' 赤崎秀平(鹿島)、29' オウンゴール(G大阪)、65' 土居聖真(鹿島)、71' パトリック(G大阪)、90'+3 リンス(G大阪)
----------
「負けるとは考えていなかったからちょっとショックだけど、久々にJ1の試合を見た」
試合後、鹿島の強化責任者として長年辣腕を振るってきた鈴木満常務取締役強化部長は、敗れたことを悔いながらも興奮した面持ちだった。近年、若い選手の海外移籍が常態化。どのクラブもチームが熟成される前に働き盛りの若手が巣立っていくため、ポテンシャルが最大限に引き出したチーム同士の対戦は以前よりも確実に少なくなっていた。しかし、G大阪は宇佐美貴史が、そして鹿島は柴崎岳が中心を担える存在に成長を遂げ、チーム全体も成熟。台風の影響で試合前から雨が降り続く悪環境を吹き飛ばす、高レベルな応酬が優勝戦線の生き残りを賭けて繰り広げられた。
幸先よく先制点を奪ったのは鹿島だった。前半5分、右サイドに開いた遠藤康がボールを持った瞬間、赤崎秀平がゴール左前から右に向かって斜めに走り抜ける。まるで他の選手の時間を止めてしまったかのように赤崎だけが動くと、遠藤からのパスを受けて鋭い反転からシュート。電光石火の先制点をあげた。続く14分にもカイオと赤崎のワンツーでチャンスをつくるも、東口順昭との1対1をカイオが決められない。このビッグチャンスを逃したことが後々響くこととなった。
対するG大阪は、雨に濡れたピッチを生かしシンプルにパトリックの馬力を生かす。右MFの阿部浩之が鹿島の左SB山本脩斗をサイドに引っ張ると、空いたスペースにパトリックが走り、右足太もも裏に不安を抱える昌子源と1対1をつくることで、鹿島の布陣を間延びさせていく。
時間の経過と共に、そうした場面が増えペースはG大阪へ。それを決定づけたのが29分の鹿島のオウンゴール。遠藤保仁の左サイドからのクロスは、合わせる選手がいないコースに飛んだが、パトリックの存在を意識しすぎたのか山本がクリアすると、それが曽ヶ端準の逆を突き、そのままゴールに吸い込まれた。
しかし、後半になると鹿島がペースを取り戻す。シンプルにワンタッチ、ツータッチのパスまわしを増やすことで攻撃がリズムを生まれ、前半とは逆に相手を押し込めるようになる。65分には良い形でボールを奪うとすばやく攻撃開始。雨で濡れるピッチのなか正確にパスを繋ぎ、最後は全力で走りながら見事なファーストタッチでボールを収めた柴崎から間髪入れずに出されたスルーパスを土居聖真がダイレクトで流し込み、再びG大阪を突き放した。会心の得点に拳を突き上げる選手たち。美しい得点にスタンドも沸き立った。
ところが、その6分後、G大阪にもすばらしい得点が生まれる。左サイドでパスを受けた宇佐美が鋭い動きで相手をはずし、中央へクロスを送ると、パトリックが長い足を伸ばして押し込み、あっという間に同点に追いついてみせた。
その後、どちらも3点目を奪うチャンスに恵まれたが決めきれないまま時間は過ぎアディショナルタイムに突入。このまま引き分けかと思われたが、93分+3、途中交代でピッチに入っていたリンスが右足を振り抜き決勝点を叩き込む。
G大阪の選手たちが大騒ぎする横で、小笠原満男が仰向けになりながら芝を叩いていた。
G大阪は8年ぶりの6連勝を達成。その勢いのまま水曜日にはヤマザキナビスコカップを迎える。鹿島は痛恨の敗戦。浦和との勝点差は再び7に開いてしまった。
以上
2014.10.06 Reported by 田中滋

鈴木満常務取締役強化部長の言葉にて綴り始める田中氏のレポートである。
白熱した好ゲームの様子を書き連ねておる。
しかしながら、この試合の裏に元日本代表の悪質なファールと、それを見逃すジャッジがあった。
ハンドリングも見逃した挙げ句に主将にイエローを提示するという愚行を込みで、主審がこの試合の流れを傾けたことは少なからずあったのでは無かろうか。
良いプレイ、決定機など見どころの多かったゲームであるが、この部分が非常に残念であった。
とはいえ、結果は覆らぬ。
気持ちを切り替え、中断期間を過ごそうではないか。
次節の勝利を期待しておる。
10月5日(日) 2014 J1リーグ戦 第27節
鹿島 2 - 3 G大阪 (12:34/カシマ/17,939人)
得点者:5' 赤崎秀平(鹿島)、29' オウンゴール(G大阪)、65' 土居聖真(鹿島)、71' パトリック(G大阪)、90'+3 リンス(G大阪)
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「負けるとは考えていなかったからちょっとショックだけど、久々にJ1の試合を見た」
試合後、鹿島の強化責任者として長年辣腕を振るってきた鈴木満常務取締役強化部長は、敗れたことを悔いながらも興奮した面持ちだった。近年、若い選手の海外移籍が常態化。どのクラブもチームが熟成される前に働き盛りの若手が巣立っていくため、ポテンシャルが最大限に引き出したチーム同士の対戦は以前よりも確実に少なくなっていた。しかし、G大阪は宇佐美貴史が、そして鹿島は柴崎岳が中心を担える存在に成長を遂げ、チーム全体も成熟。台風の影響で試合前から雨が降り続く悪環境を吹き飛ばす、高レベルな応酬が優勝戦線の生き残りを賭けて繰り広げられた。
幸先よく先制点を奪ったのは鹿島だった。前半5分、右サイドに開いた遠藤康がボールを持った瞬間、赤崎秀平がゴール左前から右に向かって斜めに走り抜ける。まるで他の選手の時間を止めてしまったかのように赤崎だけが動くと、遠藤からのパスを受けて鋭い反転からシュート。電光石火の先制点をあげた。続く14分にもカイオと赤崎のワンツーでチャンスをつくるも、東口順昭との1対1をカイオが決められない。このビッグチャンスを逃したことが後々響くこととなった。
対するG大阪は、雨に濡れたピッチを生かしシンプルにパトリックの馬力を生かす。右MFの阿部浩之が鹿島の左SB山本脩斗をサイドに引っ張ると、空いたスペースにパトリックが走り、右足太もも裏に不安を抱える昌子源と1対1をつくることで、鹿島の布陣を間延びさせていく。
時間の経過と共に、そうした場面が増えペースはG大阪へ。それを決定づけたのが29分の鹿島のオウンゴール。遠藤保仁の左サイドからのクロスは、合わせる選手がいないコースに飛んだが、パトリックの存在を意識しすぎたのか山本がクリアすると、それが曽ヶ端準の逆を突き、そのままゴールに吸い込まれた。
しかし、後半になると鹿島がペースを取り戻す。シンプルにワンタッチ、ツータッチのパスまわしを増やすことで攻撃がリズムを生まれ、前半とは逆に相手を押し込めるようになる。65分には良い形でボールを奪うとすばやく攻撃開始。雨で濡れるピッチのなか正確にパスを繋ぎ、最後は全力で走りながら見事なファーストタッチでボールを収めた柴崎から間髪入れずに出されたスルーパスを土居聖真がダイレクトで流し込み、再びG大阪を突き放した。会心の得点に拳を突き上げる選手たち。美しい得点にスタンドも沸き立った。
ところが、その6分後、G大阪にもすばらしい得点が生まれる。左サイドでパスを受けた宇佐美が鋭い動きで相手をはずし、中央へクロスを送ると、パトリックが長い足を伸ばして押し込み、あっという間に同点に追いついてみせた。
その後、どちらも3点目を奪うチャンスに恵まれたが決めきれないまま時間は過ぎアディショナルタイムに突入。このまま引き分けかと思われたが、93分+3、途中交代でピッチに入っていたリンスが右足を振り抜き決勝点を叩き込む。
G大阪の選手たちが大騒ぎする横で、小笠原満男が仰向けになりながら芝を叩いていた。
G大阪は8年ぶりの6連勝を達成。その勢いのまま水曜日にはヤマザキナビスコカップを迎える。鹿島は痛恨の敗戦。浦和との勝点差は再び7に開いてしまった。
以上
2014.10.06 Reported by 田中滋

鈴木満常務取締役強化部長の言葉にて綴り始める田中氏のレポートである。
白熱した好ゲームの様子を書き連ねておる。
しかしながら、この試合の裏に元日本代表の悪質なファールと、それを見逃すジャッジがあった。
ハンドリングも見逃した挙げ句に主将にイエローを提示するという愚行を込みで、主審がこの試合の流れを傾けたことは少なからずあったのでは無かろうか。
良いプレイ、決定機など見どころの多かったゲームであるが、この部分が非常に残念であった。
とはいえ、結果は覆らぬ。
気持ちを切り替え、中断期間を過ごそうではないか。
次節の勝利を期待しておる。
ガンバ戦コメント・報道
2014Jリーグ ディビジョン1 第27節
SHOWAエキサイトマッチ2014


鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・(試合の出来について)それは、どう見るかで変わってくる。両サイドバックもよかったし、遠藤もよかった。ただ、カイオは残念ながら試合に入りきれていなくてよくなかったので、それは本人にも伝えた。
・前半で2-0にできたのに決めきれなかった。相手のサイドハーフも点を決めましたが、こちらの両サイドも攻撃に加わり、守備にもよく働いてくれた。
・自分のチームのことでいえば、満足度の大きな試合。チームとしてやろうとしていたこと、今週取り組んできたことが出せていたので、よかったと思う。
・メディアの皆さんが大々的に(代表に選ばれた)昌子の太ももの裏に違和感があることを書きたてたおかげで、G大阪は前半から昌子の背後を狙い続けていた。そんななかでも、チームとしては前半からいいプレーができていたが、後半はより質の高いプレーができた。
・結果は敗戦となってしまったが、チームのパフォーマンスとしてはよかったと思う。オープンな試合でしたし、スコアを見てもらえればわかると思うが、両チームともにゴールを目指すメンタリティを持って臨んでいたので、いい試合だった。


【遠藤 康】
勝負だから勝ち負けはつきものだけど、悔やまれる試合。最後の部分を決めきれるかどうかが勝敗を分けると思う。
【西 大伍】
最後の失点は自分がやられてしまった。ボールを奪って前へ行くという意識が強かった。パスの出しどころのヤットさんと一発を持っているパトリックに気をつけていた。チャンスは結構あったと思うし、決めるべきところもあったけど、DFとしては2度のリードを守りたかったという思い。残念だけど可能性はまだあるし、次の試合は来る。引きずっても仕方ない。
【赤崎 秀平】
試合に出ていた選手全員がチームを勝たせたかったと思う。結果が付いてこなくて残念。前節で結果を残せず悔しい思いをしたので、思い切りやろうと試合に入って、自分が勝たせるつもりでどんどんシュートを打っていこうと思っていた。得点の場面は得意なボールのもらい方で、ヤスさんがしっかり見ていてくれたので良かったと思う。その後2、3点目を早い時間帯で決めることができれば試合を決めることができたと思うので、それがチームの課題だと思う。
2014年10月05日(日)

本日行われたJ1第27節G大阪戦は2-3で負けを喫しました。
【J1:第27節 鹿島 vs G大阪】トニーニョセレーゾ監督(鹿島)記者会見コメント(14.10.05)
10月5日(日) 2014 J1リーグ戦 第27節
鹿島 2 - 3 G大阪 (12:34/カシマ/17,939人)
得点者:5' 赤崎秀平(鹿島)、29' オウンゴール(G大阪)、65' 土居聖真(鹿島)、71' パトリック(G大阪)、90'+3 リンス(G大阪)
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●トニーニョセレーゾ監督(鹿島):
Q:両サイドは共に運動量が多いチームだと長谷川監督が仰っていました。監督はどのように思っていましたでしょうか?
「それは状況に応じてというか、試合状況においてどのように見るかによって変わってきます。うちの両SH(サイドハーフ)に関しては非常によかったと思いますし、遠藤選手もよかったと思います。ただ、カイオ選手に関しては悪かったということを本人にも直接ハーフタイムで言いました。気持ちの部分も試合に入り切れてなかった。あとは前半で2-0にできそうな場面でそれを決め切れなかったところでまだまだというのがわかると思います。両SBについては攻撃に絡む回数もありましたし、守備の部分でも非常に働いていました。相手のSB(サイドバック)にうちのSHが負担をかけましたし、相手のSHは決めました。見方によってはそう言うこともできるし、逆にも言えると思います。自チームに関して言えば、よかったと思いますし、チームとしてやろうとするところ、トレーニングしたところは非常によかったと思います。
あとは、前半ガンバさんがつくったチャンスというのは、メディア関係の方はそちらの仕事をしたわけで、昌子選手が太もも裏に問題を抱えているということを大々的に報じてくれました。彼らは徹底的にその背後を狙おうと。パトリックを走らせてやっていました。特に前半はその狙いが明確だったので、その修正の方法という部分、対応の部分は出来たと思います。ただ、全体的には前半よりも後半の方がプレーの質はよかったと思います。確かに、結果だけ見れば敗戦という形になりましたけど、チームパフォーマンスに関しては前半よりも後半の方が非常によかったと思います。
うちの両SBの方が深い位置に入った頻度はガンバさんのSBよりも多かったと思います。ガンバさんの両SBはどちらかというと守備に追われる時間帯の方が多かったのではないかと思います。
まあ、オープンな試合でしたし、スコアを見てもらえればどういう試合だったのかはわかってもらえると思います。両チームがゴールを目指すというメンタルで非常によかったと思います」
以上
J1:第27節 鹿島 vs G大阪】試合終了後の各選手コメント(14.10.05)
●赤崎秀平選手(鹿島):
「出ていた選手全員がチームを勝たせたかったと思います。残念です。前の試合で結果を出せずに悔しい気持ちだったので、自分が勝たせるつもりで思い切ってシュートを打とうと思って試合に入っていた。ゴールの場面は自分の得意な形で、遠藤選手が良いパスを入れてくれた。ただ、2点目、3点目と奪えていれば勝てた。そこがチームとしての課題だと思います」
●遠藤康選手(鹿島):
「秀平は動き出しが早いのでそこを狙っていました。イメージ通りの形でした。どっちも勝つチャンスがあった試合だと思います」
●西大伍選手(鹿島):
「みんなが攻撃の時に走って僕らのゲームができていた。2点目の場面は、いい奪い方をして、みんながスピードアップした。良い攻撃だったと思います」
●山本脩斗選手(鹿島):
「最後のチャンスは決めたかったです。先制点を取ったあと、若干、引いてしまい、相手を受けてしまった。自分のところで連携ミスがあり失点してしまった」
Q:途中、小笠原選手と話していたが?
「相手のSHに食い付きすぎると源のところのスペースをパトリックに使われていたので、そこを遅らせてスペースを埋めるように言われた」
Q:厳しい敗戦となったが?
「まだ可能性はある。次に向けてしっかり良い準備をしたい」
[ J1:第27節 鹿島 vs G大阪 ]

ホームでの上位対決を迎えた鹿島は、試合開始早々の5分、カウンターから遠藤康のスルーパスを受けた赤崎秀平が、ゴール前で反転からシュートを決め幸先よく先制した。赤崎は5/17の徳島戦以来のゴールで今季2ゴール目となった。
[ J1:第27節 鹿島 vs G大阪 ]

29分にオウンゴールで失点し同点ゴールを許した鹿島は65分、柴崎岳のスルーパスを受けた土居聖真がダイレクトでシュートを決めた。土居はこれで3試合連続のゴールとなった。
強行先発の鹿島DF昌子、3失点に「ふがいなかった」
14/10/5 17:11
[10.5 J1第27節 鹿島2-3G大阪 カシマ]

右太腿裏痛を抱えながら強行先発した鹿島アントラーズの日本代表DF昌子源は2-3の逆転負けに反省の言葉ばかりを口にした。前半5分に先制しながら同29分にアンラッキーなオウンゴールで失点。それでも後半20分に再び2-1と勝ち越したが、守備陣が耐え切れなかった。
「試合の早い段階で1点取って、不運な形で追いつかれたけど、2点目を取ることができた。あとはディフェンス陣の粘り次第だった。センターバックとしてふがいなかったし、チームに申し訳なかった」。3試合連続で無失点が続いていたが、5月10日の川崎F戦(1-4)以来、14試合ぶりの1試合3失点。「映像を見て反省したい」と唇をかんだ。
試合では189cmの長身ながらスピードもあるFWパトリックとマッチアップする場面が続いた。シンプルに鹿島守備陣の背後を狙い、パトリックの高さと速さを生かそうとするG大阪の攻撃に対し、後手を踏んだ。
「明らかに僕の背後をパトリック選手が狙っていた。危ないシーンが2、3度続いたし、僕が先に(ボールに)触ったシーンはほとんどなくて、完全にパトリック選手に主導権を握られていた」
一歩目の出足や加速など、そのプレーぶりには負傷の影響も感じずにはいられなかった。それでも「言い訳にはならない。僕が『行ける』と言って、(試合に)出してもらっている。監督に申し訳ない」ときっぱりと言い切った。
「日本代表は海外とやるチーム。もっと上の選手がいるかもしれない中で、自分が五分以下で戦っていたのは反省材料。いくら相手がすごくても、上に行くにはそういう選手と戦って勝たないといけない。成長して、どんな選手でも止められる選手になりたい」
あらためて強い決意を口にした昌子。明日6日からは日本代表合宿が始まる。足の状態については「大丈夫かな。まだアドレナリンが出ているので分からないけど、コンディションを整えて明日に向けてがんばりたい」と説明。A代表デビューを目指し、「切り替えて、ジャマイカ戦、ブラジル戦の両方出られるようにがんばりたい。国を背負うのは光栄なことだし、国を背負う覚悟が必要。国の代表として結果を求めていきたい」と意欲的に話していた。
(取材・文 西山紘平)
鹿島逆転負け 御前試合で柴崎アシストも
<J1:鹿島2−3G大阪>◇第27節◇5日◇カシマ
2位鹿島が手痛い逆転負けを喫した。負ければ得失点差で順位が入れ替わる勝ち点3差の4位G大阪戦。2度のリードを守れず、2−2の後半ロスタイム3分に痛恨の決勝弾を与えた。
日本代表ハビエル・アギーレ監督(55)の視察の下、一時はMF柴崎岳(22)の技術で勝ち越した。1−1の後半20分、代表復帰した右サイドバック西が中央へ縦パスを入れ、MF遠藤が落とす。受けた柴崎が1タッチ目で前に蹴って1人かわすと、2タッチ目でスルーパスを選択。抜け出したMF土居が流し込むだけの力加減でアシストした。
アギーレ監督から「柴崎は若いのに成熟したプレーができる。守る力と、ボールを取られず試合をコントロールする力を兼ね備えている」と名前を挙げて評価された。しかし6分後、MF小笠原と2人で止めに行った相手のエース宇佐美に抜かれて同点アシストを献上し、流れを失った。首位浦和とは残り7試合で勝ち点7差。5季ぶりの優勝へデッドラインに立たされた。
[2014年10月6日7時50分 紙面から]
痛い逆転負け…鹿島・昌子、3失点を反省「ふがいない」

後半、G大阪・パトリック(右)と競り合う鹿島・昌子=カシマサッカースタジアム (撮影・吉澤良太)
J1第27節(5日、鹿島2−3G大阪、カシマ)日本代表MF柴崎が後半20分に2点目をアシストするなど、2度先行しながら逆転負け。連勝が3で止まった。同DF昌子は太ももの状態が万全でなく、G大阪のFWパトリックの対応に苦慮した。「言い訳にはならない。センターバックとしてふがいない」と3失点を反省。逆転優勝を狙う上で大きな一戦を落とし、昌子は結局、代表への参加を辞退した。

G大阪に敗れ、重い足取りで引き上げる日本代表組の(手前から)鹿島・柴崎、昌子、西の=カシマサッカースタジアム(撮影・吉澤良太)

G大阪に敗れ、肩を落として引き揚げる鹿島イレブン=カシマ

前半、先制ゴールを決める鹿島・赤崎(左)=カシマサッカースタジアム(撮影・吉澤良太)

前半、先制ゴールを決めて駆け出す鹿島・赤崎=カシマサッカースタジアム(撮影・吉澤良太)

G大阪に敗れ、呆然とする鹿島・柴崎=カシマサッカースタジアム(撮影・吉澤良太)

G大阪に敗れ、呆然とする鹿島・柴崎(中央)=カシマサッカースタジアム(撮影・吉澤良太)
(紙面から)
昌子 悔しい代表辞退…G大阪戦フル出場で右太腿張り悪化
J1第27節 鹿島2―3G大坂 (10月5日 カシマ)

<鹿島・G大阪>後半、鹿島の昌子(右)はG大阪のパトリックと当たり負けせずにボールを奪い合う
Photo By スポニチ
日本代表に初選出された鹿島DF昌子源(21)の代表辞退が決定した。右太腿裏の張りを抱えながらG大阪戦にフル出場。だが、試合後に病院で検査を受けた結果、全治2〜3週間の右大腿筋挫傷と診断され、苦渋の決断を下した。
アギーレジャパンは既にDF吉田(サウサンプトン)が左足首痛のため辞退。カバリング能力とスピードにたけた昌子には、DFラインの統率役としての期待も掛かっており、昌子も「コンディションを整えてやりたい」と意気込んでいた。
アギーレ監督が視察したG大阪戦では3失点を喫して4試合ぶりの黒星。首位・浦和との勝ち点差は「7」に広がった。昌子にとっては二重に悔しい日となってしまったが、今は完治を最優先させるしかない。
[ 2014年10月6日 05:30 ]
これぞ日本の司令塔だ!柴崎 絶妙スルーで好アシスト
J1第27節 鹿島2―3G大坂 (10月5日 カシマ)

<鹿島・G大阪>前半5分、鹿島の赤崎(左)は先制ゴールを決め柴崎(中央)、遠藤と喜び合う
Photo By スポニチ
アギーレジャパンの司令塔が存在感を見せた。
1―1の後半20分、鹿島MF柴崎が土居に絶妙なスルーパスを通して一時勝ち越しとなるアシストをマーク。逆転負けで試合後は足早にスタジアムを後にしたが、視察に訪れたアギーレ監督は「柴崎が素晴らしいことは発見ではない。若いけど成熟した選手だし、ゲームをコントロールできる」とジャマイカ、ブラジル戦での活躍に期待を寄せた。
[ 2014年10月6日 05:30 ]
アギーレ監督、柴崎は「若いけど熟成」鹿島負けても大絶賛
2014年10月6日6時0分 スポーツ報知
◆J1第27節 鹿島2─3G大阪(5日・県立カシマサッカースタジアム)
日本代表のハビエル・アギーレ監督(55)が日本代表MF柴崎岳(22)=鹿島=を絶賛した。カシマスタジアムで行われた鹿島―G大阪の上位対決を視察。1アシストの柴崎について「素晴らしい選手ということははっきりしている。若いけど、成熟した選手だ」と断言。普段は選手個人の評価をしないが、女性リポーターの質問にはっきりと答えた。
試合前から激しい雨が降り注いでいたが、柴崎にとって、ピッチの状態は関係ないようだった。後半20分、MF遠藤からのパスをトップスピードのままトラップ。すぐにペナルティーエリア内にスルーパスを通した。これをMF土居がゴール左へゴール。試合には敗れたが、時には闘志あふれる守備を見せるなど、勝利を念頭に置いたプレー、判断を90分間続けた。
「柴崎はしっかり自分のポジションを守ることができるし、そこからゲームを作っていくこともできる」とアギーレ監督。6日から始まる日本代表の新潟合宿。DF吉田(サウサンプトン)の負傷離脱、MF長谷部(フランクフルト)のコンディションが間に合わず、思うような招集ができない中で、いつ見ても変わらない柴崎のプレーに目を細めた。
「俺らだけじゃなくて、応援してくれる人、サッカーに関わるすべての人が、代表(アギーレ・ジャパン)が勝つところを見たいと思っている。勝ちたい」と語る柴崎。アギーレ・ジャパンへの主軸へ、一歩一歩前進していく。
2度のリード守れず鹿島が痛恨の逆転負け

鹿島−G大阪 後半、鹿島・昌子(左)と競り合うG大阪・パトリック=カシマ
注目の上位対決で鹿島が泣いた。G大阪から2度リードを奪いながら、試合終了間際の失点で痛恨の逆転負け。連勝は3で止まって首位追撃の勢いもそがれ、土居は「これが実力です」と消え入りそうな声で話すのがやっとだった。
最後に守備が乱れた。2−2で迎えた後半ロスタイム。遠藤保からのパスを受けたリンスの個人技にDFが振り切られる。右足から繰り出されたシュートがネットを揺らすと、ホームのスタンドには悲鳴に近い絶叫がこだました。
ムードは悪くなかった。6日から始まる日本代表合宿に柴崎、西の2選手を送り出す。1−1の後半20分には西のドリブルをきっかけとしたカウンターで、柴崎が土居のゴールをアシストして勝ち越した。視察したアギーレ監督も「個々のプレーはよかった」と喜んだほどだ。
ただ、西が「鹿島のゲームはできていた」と悔しさを隠さなかったように、試合をコントロールしながら結果が伴わず「決めきれるかどうかです」と遠藤康。3連覇を果たした2007〜09年シーズン以来となる頂点が遠のく黒星である。(奥山次郎)

鹿島−G大阪 前半、G大阪・今野(左)と競り合う鹿島・土居=カシマ

鹿島−G大阪 後半、シュートを放つG大阪・宇佐見。右は鹿島・柴崎=カシマ
代表定着へ…アギーレ御前試合で1Aの鹿島MF柴崎
14/10/5 21:21
[10.5 J1第27節 鹿島2-3G大阪 カシマ]
J1第27節が5日、各地で行われ、3連勝中の2位鹿島アントラーズと5連勝中の4位ガンバ大阪による上位対決は、G大阪が3-2で逆転勝ちした。

代表に選出されたMF柴崎岳

小笠原とボランチに入った

今季リーグ戦すべてに出場

ここまで5得点を挙げている

積極的にシュートを放った柴崎

広い視野でゲームメイク

戦術理解度に優れる選手

今野とマッチアップ

長短の正確なパスで試合を作るボランチ

審判に激しく詰め寄る場面も

9月のアギーレ体制初陣のメンバーに選出された柴崎

ベネズエラ戦に先発フル出場した

ベネズエラ戦で柴崎が代表初ゴール

この試合をアギーレ監督も視察

1アシストで結果を残した

サポーターに手を振る柴崎

得点に絡むも勝利とはならず

代表定着を目指す

今回の日本代表はブラジルとジャマイカと対戦する

しっかりアピールできるか

「まだ可能性はある」と語る山本脩斗、「引きずっても仕方ない」と言う西大伍。
両サイドバックの前向きな姿勢にチーム状態が現れておる。
結果は残念であった。
しかしながら、内容としてはどちらに軍配があってもおかしくないものであったと思う。
今季の鹿島の攻撃力が表現されたのではなかろうか。
決定機は十二分に作られておる。
中断期間にて精度を上げていこうではないか。
気持ちを切り替えておる。
SHOWAエキサイトマッチ2014


鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・(試合の出来について)それは、どう見るかで変わってくる。両サイドバックもよかったし、遠藤もよかった。ただ、カイオは残念ながら試合に入りきれていなくてよくなかったので、それは本人にも伝えた。
・前半で2-0にできたのに決めきれなかった。相手のサイドハーフも点を決めましたが、こちらの両サイドも攻撃に加わり、守備にもよく働いてくれた。
・自分のチームのことでいえば、満足度の大きな試合。チームとしてやろうとしていたこと、今週取り組んできたことが出せていたので、よかったと思う。
・メディアの皆さんが大々的に(代表に選ばれた)昌子の太ももの裏に違和感があることを書きたてたおかげで、G大阪は前半から昌子の背後を狙い続けていた。そんななかでも、チームとしては前半からいいプレーができていたが、後半はより質の高いプレーができた。
・結果は敗戦となってしまったが、チームのパフォーマンスとしてはよかったと思う。オープンな試合でしたし、スコアを見てもらえればわかると思うが、両チームともにゴールを目指すメンタリティを持って臨んでいたので、いい試合だった。


【遠藤 康】
勝負だから勝ち負けはつきものだけど、悔やまれる試合。最後の部分を決めきれるかどうかが勝敗を分けると思う。
【西 大伍】
最後の失点は自分がやられてしまった。ボールを奪って前へ行くという意識が強かった。パスの出しどころのヤットさんと一発を持っているパトリックに気をつけていた。チャンスは結構あったと思うし、決めるべきところもあったけど、DFとしては2度のリードを守りたかったという思い。残念だけど可能性はまだあるし、次の試合は来る。引きずっても仕方ない。
【赤崎 秀平】
試合に出ていた選手全員がチームを勝たせたかったと思う。結果が付いてこなくて残念。前節で結果を残せず悔しい思いをしたので、思い切りやろうと試合に入って、自分が勝たせるつもりでどんどんシュートを打っていこうと思っていた。得点の場面は得意なボールのもらい方で、ヤスさんがしっかり見ていてくれたので良かったと思う。その後2、3点目を早い時間帯で決めることができれば試合を決めることができたと思うので、それがチームの課題だと思う。
2014年10月05日(日)

本日行われたJ1第27節G大阪戦は2-3で負けを喫しました。
【J1:第27節 鹿島 vs G大阪】トニーニョセレーゾ監督(鹿島)記者会見コメント(14.10.05)
10月5日(日) 2014 J1リーグ戦 第27節
鹿島 2 - 3 G大阪 (12:34/カシマ/17,939人)
得点者:5' 赤崎秀平(鹿島)、29' オウンゴール(G大阪)、65' 土居聖真(鹿島)、71' パトリック(G大阪)、90'+3 リンス(G大阪)
----------
●トニーニョセレーゾ監督(鹿島):
Q:両サイドは共に運動量が多いチームだと長谷川監督が仰っていました。監督はどのように思っていましたでしょうか?
「それは状況に応じてというか、試合状況においてどのように見るかによって変わってきます。うちの両SH(サイドハーフ)に関しては非常によかったと思いますし、遠藤選手もよかったと思います。ただ、カイオ選手に関しては悪かったということを本人にも直接ハーフタイムで言いました。気持ちの部分も試合に入り切れてなかった。あとは前半で2-0にできそうな場面でそれを決め切れなかったところでまだまだというのがわかると思います。両SBについては攻撃に絡む回数もありましたし、守備の部分でも非常に働いていました。相手のSB(サイドバック)にうちのSHが負担をかけましたし、相手のSHは決めました。見方によってはそう言うこともできるし、逆にも言えると思います。自チームに関して言えば、よかったと思いますし、チームとしてやろうとするところ、トレーニングしたところは非常によかったと思います。
あとは、前半ガンバさんがつくったチャンスというのは、メディア関係の方はそちらの仕事をしたわけで、昌子選手が太もも裏に問題を抱えているということを大々的に報じてくれました。彼らは徹底的にその背後を狙おうと。パトリックを走らせてやっていました。特に前半はその狙いが明確だったので、その修正の方法という部分、対応の部分は出来たと思います。ただ、全体的には前半よりも後半の方がプレーの質はよかったと思います。確かに、結果だけ見れば敗戦という形になりましたけど、チームパフォーマンスに関しては前半よりも後半の方が非常によかったと思います。
うちの両SBの方が深い位置に入った頻度はガンバさんのSBよりも多かったと思います。ガンバさんの両SBはどちらかというと守備に追われる時間帯の方が多かったのではないかと思います。
まあ、オープンな試合でしたし、スコアを見てもらえればどういう試合だったのかはわかってもらえると思います。両チームがゴールを目指すというメンタルで非常によかったと思います」
以上
J1:第27節 鹿島 vs G大阪】試合終了後の各選手コメント(14.10.05)
●赤崎秀平選手(鹿島):
「出ていた選手全員がチームを勝たせたかったと思います。残念です。前の試合で結果を出せずに悔しい気持ちだったので、自分が勝たせるつもりで思い切ってシュートを打とうと思って試合に入っていた。ゴールの場面は自分の得意な形で、遠藤選手が良いパスを入れてくれた。ただ、2点目、3点目と奪えていれば勝てた。そこがチームとしての課題だと思います」
●遠藤康選手(鹿島):
「秀平は動き出しが早いのでそこを狙っていました。イメージ通りの形でした。どっちも勝つチャンスがあった試合だと思います」
●西大伍選手(鹿島):
「みんなが攻撃の時に走って僕らのゲームができていた。2点目の場面は、いい奪い方をして、みんながスピードアップした。良い攻撃だったと思います」
●山本脩斗選手(鹿島):
「最後のチャンスは決めたかったです。先制点を取ったあと、若干、引いてしまい、相手を受けてしまった。自分のところで連携ミスがあり失点してしまった」
Q:途中、小笠原選手と話していたが?
「相手のSHに食い付きすぎると源のところのスペースをパトリックに使われていたので、そこを遅らせてスペースを埋めるように言われた」
Q:厳しい敗戦となったが?
「まだ可能性はある。次に向けてしっかり良い準備をしたい」
[ J1:第27節 鹿島 vs G大阪 ]

ホームでの上位対決を迎えた鹿島は、試合開始早々の5分、カウンターから遠藤康のスルーパスを受けた赤崎秀平が、ゴール前で反転からシュートを決め幸先よく先制した。赤崎は5/17の徳島戦以来のゴールで今季2ゴール目となった。
[ J1:第27節 鹿島 vs G大阪 ]

29分にオウンゴールで失点し同点ゴールを許した鹿島は65分、柴崎岳のスルーパスを受けた土居聖真がダイレクトでシュートを決めた。土居はこれで3試合連続のゴールとなった。
強行先発の鹿島DF昌子、3失点に「ふがいなかった」
14/10/5 17:11
[10.5 J1第27節 鹿島2-3G大阪 カシマ]

右太腿裏痛を抱えながら強行先発した鹿島アントラーズの日本代表DF昌子源は2-3の逆転負けに反省の言葉ばかりを口にした。前半5分に先制しながら同29分にアンラッキーなオウンゴールで失点。それでも後半20分に再び2-1と勝ち越したが、守備陣が耐え切れなかった。
「試合の早い段階で1点取って、不運な形で追いつかれたけど、2点目を取ることができた。あとはディフェンス陣の粘り次第だった。センターバックとしてふがいなかったし、チームに申し訳なかった」。3試合連続で無失点が続いていたが、5月10日の川崎F戦(1-4)以来、14試合ぶりの1試合3失点。「映像を見て反省したい」と唇をかんだ。
試合では189cmの長身ながらスピードもあるFWパトリックとマッチアップする場面が続いた。シンプルに鹿島守備陣の背後を狙い、パトリックの高さと速さを生かそうとするG大阪の攻撃に対し、後手を踏んだ。
「明らかに僕の背後をパトリック選手が狙っていた。危ないシーンが2、3度続いたし、僕が先に(ボールに)触ったシーンはほとんどなくて、完全にパトリック選手に主導権を握られていた」
一歩目の出足や加速など、そのプレーぶりには負傷の影響も感じずにはいられなかった。それでも「言い訳にはならない。僕が『行ける』と言って、(試合に)出してもらっている。監督に申し訳ない」ときっぱりと言い切った。
「日本代表は海外とやるチーム。もっと上の選手がいるかもしれない中で、自分が五分以下で戦っていたのは反省材料。いくら相手がすごくても、上に行くにはそういう選手と戦って勝たないといけない。成長して、どんな選手でも止められる選手になりたい」
あらためて強い決意を口にした昌子。明日6日からは日本代表合宿が始まる。足の状態については「大丈夫かな。まだアドレナリンが出ているので分からないけど、コンディションを整えて明日に向けてがんばりたい」と説明。A代表デビューを目指し、「切り替えて、ジャマイカ戦、ブラジル戦の両方出られるようにがんばりたい。国を背負うのは光栄なことだし、国を背負う覚悟が必要。国の代表として結果を求めていきたい」と意欲的に話していた。
(取材・文 西山紘平)
鹿島逆転負け 御前試合で柴崎アシストも
<J1:鹿島2−3G大阪>◇第27節◇5日◇カシマ
2位鹿島が手痛い逆転負けを喫した。負ければ得失点差で順位が入れ替わる勝ち点3差の4位G大阪戦。2度のリードを守れず、2−2の後半ロスタイム3分に痛恨の決勝弾を与えた。
日本代表ハビエル・アギーレ監督(55)の視察の下、一時はMF柴崎岳(22)の技術で勝ち越した。1−1の後半20分、代表復帰した右サイドバック西が中央へ縦パスを入れ、MF遠藤が落とす。受けた柴崎が1タッチ目で前に蹴って1人かわすと、2タッチ目でスルーパスを選択。抜け出したMF土居が流し込むだけの力加減でアシストした。
アギーレ監督から「柴崎は若いのに成熟したプレーができる。守る力と、ボールを取られず試合をコントロールする力を兼ね備えている」と名前を挙げて評価された。しかし6分後、MF小笠原と2人で止めに行った相手のエース宇佐美に抜かれて同点アシストを献上し、流れを失った。首位浦和とは残り7試合で勝ち点7差。5季ぶりの優勝へデッドラインに立たされた。
[2014年10月6日7時50分 紙面から]
痛い逆転負け…鹿島・昌子、3失点を反省「ふがいない」

後半、G大阪・パトリック(右)と競り合う鹿島・昌子=カシマサッカースタジアム (撮影・吉澤良太)
J1第27節(5日、鹿島2−3G大阪、カシマ)日本代表MF柴崎が後半20分に2点目をアシストするなど、2度先行しながら逆転負け。連勝が3で止まった。同DF昌子は太ももの状態が万全でなく、G大阪のFWパトリックの対応に苦慮した。「言い訳にはならない。センターバックとしてふがいない」と3失点を反省。逆転優勝を狙う上で大きな一戦を落とし、昌子は結局、代表への参加を辞退した。

G大阪に敗れ、重い足取りで引き上げる日本代表組の(手前から)鹿島・柴崎、昌子、西の=カシマサッカースタジアム(撮影・吉澤良太)

G大阪に敗れ、肩を落として引き揚げる鹿島イレブン=カシマ

前半、先制ゴールを決める鹿島・赤崎(左)=カシマサッカースタジアム(撮影・吉澤良太)

前半、先制ゴールを決めて駆け出す鹿島・赤崎=カシマサッカースタジアム(撮影・吉澤良太)

G大阪に敗れ、呆然とする鹿島・柴崎=カシマサッカースタジアム(撮影・吉澤良太)

G大阪に敗れ、呆然とする鹿島・柴崎(中央)=カシマサッカースタジアム(撮影・吉澤良太)
(紙面から)
昌子 悔しい代表辞退…G大阪戦フル出場で右太腿張り悪化
J1第27節 鹿島2―3G大坂 (10月5日 カシマ)

<鹿島・G大阪>後半、鹿島の昌子(右)はG大阪のパトリックと当たり負けせずにボールを奪い合う
Photo By スポニチ
日本代表に初選出された鹿島DF昌子源(21)の代表辞退が決定した。右太腿裏の張りを抱えながらG大阪戦にフル出場。だが、試合後に病院で検査を受けた結果、全治2〜3週間の右大腿筋挫傷と診断され、苦渋の決断を下した。
アギーレジャパンは既にDF吉田(サウサンプトン)が左足首痛のため辞退。カバリング能力とスピードにたけた昌子には、DFラインの統率役としての期待も掛かっており、昌子も「コンディションを整えてやりたい」と意気込んでいた。
アギーレ監督が視察したG大阪戦では3失点を喫して4試合ぶりの黒星。首位・浦和との勝ち点差は「7」に広がった。昌子にとっては二重に悔しい日となってしまったが、今は完治を最優先させるしかない。
[ 2014年10月6日 05:30 ]
これぞ日本の司令塔だ!柴崎 絶妙スルーで好アシスト
J1第27節 鹿島2―3G大坂 (10月5日 カシマ)

<鹿島・G大阪>前半5分、鹿島の赤崎(左)は先制ゴールを決め柴崎(中央)、遠藤と喜び合う
Photo By スポニチ
アギーレジャパンの司令塔が存在感を見せた。
1―1の後半20分、鹿島MF柴崎が土居に絶妙なスルーパスを通して一時勝ち越しとなるアシストをマーク。逆転負けで試合後は足早にスタジアムを後にしたが、視察に訪れたアギーレ監督は「柴崎が素晴らしいことは発見ではない。若いけど成熟した選手だし、ゲームをコントロールできる」とジャマイカ、ブラジル戦での活躍に期待を寄せた。
[ 2014年10月6日 05:30 ]
アギーレ監督、柴崎は「若いけど熟成」鹿島負けても大絶賛
2014年10月6日6時0分 スポーツ報知
◆J1第27節 鹿島2─3G大阪(5日・県立カシマサッカースタジアム)
日本代表のハビエル・アギーレ監督(55)が日本代表MF柴崎岳(22)=鹿島=を絶賛した。カシマスタジアムで行われた鹿島―G大阪の上位対決を視察。1アシストの柴崎について「素晴らしい選手ということははっきりしている。若いけど、成熟した選手だ」と断言。普段は選手個人の評価をしないが、女性リポーターの質問にはっきりと答えた。
試合前から激しい雨が降り注いでいたが、柴崎にとって、ピッチの状態は関係ないようだった。後半20分、MF遠藤からのパスをトップスピードのままトラップ。すぐにペナルティーエリア内にスルーパスを通した。これをMF土居がゴール左へゴール。試合には敗れたが、時には闘志あふれる守備を見せるなど、勝利を念頭に置いたプレー、判断を90分間続けた。
「柴崎はしっかり自分のポジションを守ることができるし、そこからゲームを作っていくこともできる」とアギーレ監督。6日から始まる日本代表の新潟合宿。DF吉田(サウサンプトン)の負傷離脱、MF長谷部(フランクフルト)のコンディションが間に合わず、思うような招集ができない中で、いつ見ても変わらない柴崎のプレーに目を細めた。
「俺らだけじゃなくて、応援してくれる人、サッカーに関わるすべての人が、代表(アギーレ・ジャパン)が勝つところを見たいと思っている。勝ちたい」と語る柴崎。アギーレ・ジャパンへの主軸へ、一歩一歩前進していく。
2度のリード守れず鹿島が痛恨の逆転負け

鹿島−G大阪 後半、鹿島・昌子(左)と競り合うG大阪・パトリック=カシマ
注目の上位対決で鹿島が泣いた。G大阪から2度リードを奪いながら、試合終了間際の失点で痛恨の逆転負け。連勝は3で止まって首位追撃の勢いもそがれ、土居は「これが実力です」と消え入りそうな声で話すのがやっとだった。
最後に守備が乱れた。2−2で迎えた後半ロスタイム。遠藤保からのパスを受けたリンスの個人技にDFが振り切られる。右足から繰り出されたシュートがネットを揺らすと、ホームのスタンドには悲鳴に近い絶叫がこだました。
ムードは悪くなかった。6日から始まる日本代表合宿に柴崎、西の2選手を送り出す。1−1の後半20分には西のドリブルをきっかけとしたカウンターで、柴崎が土居のゴールをアシストして勝ち越した。視察したアギーレ監督も「個々のプレーはよかった」と喜んだほどだ。
ただ、西が「鹿島のゲームはできていた」と悔しさを隠さなかったように、試合をコントロールしながら結果が伴わず「決めきれるかどうかです」と遠藤康。3連覇を果たした2007〜09年シーズン以来となる頂点が遠のく黒星である。(奥山次郎)

鹿島−G大阪 前半、G大阪・今野(左)と競り合う鹿島・土居=カシマ

鹿島−G大阪 後半、シュートを放つG大阪・宇佐見。右は鹿島・柴崎=カシマ
代表定着へ…アギーレ御前試合で1Aの鹿島MF柴崎
14/10/5 21:21
[10.5 J1第27節 鹿島2-3G大阪 カシマ]
J1第27節が5日、各地で行われ、3連勝中の2位鹿島アントラーズと5連勝中の4位ガンバ大阪による上位対決は、G大阪が3-2で逆転勝ちした。

代表に選出されたMF柴崎岳

小笠原とボランチに入った

今季リーグ戦すべてに出場

ここまで5得点を挙げている

積極的にシュートを放った柴崎

広い視野でゲームメイク

戦術理解度に優れる選手

今野とマッチアップ

長短の正確なパスで試合を作るボランチ

審判に激しく詰め寄る場面も

9月のアギーレ体制初陣のメンバーに選出された柴崎

ベネズエラ戦に先発フル出場した

ベネズエラ戦で柴崎が代表初ゴール

この試合をアギーレ監督も視察

1アシストで結果を残した

サポーターに手を振る柴崎

得点に絡むも勝利とはならず

代表定着を目指す

今回の日本代表はブラジルとジャマイカと対戦する

しっかりアピールできるか

「まだ可能性はある」と語る山本脩斗、「引きずっても仕方ない」と言う西大伍。
両サイドバックの前向きな姿勢にチーム状態が現れておる。
結果は残念であった。
しかしながら、内容としてはどちらに軍配があってもおかしくないものであったと思う。
今季の鹿島の攻撃力が表現されたのではなかろうか。
決定機は十二分に作られておる。
中断期間にて精度を上げていこうではないか。
気持ちを切り替えておる。