残り5節 勝ち点差7 食らいつくか 引き離すか
追う鹿島は若手の発奮に期待。経験豊富な浦和が突き放すか
第30節が10月26日(日)に開催される。残り5節となって、首位浦和と2位G大阪の勝点差が5も、まだまだ優勝争いは予断を許さない。浦和と鹿島の対決は、両チームにとってこの厳しいレースの生き残りを懸けた正念場だ。
鹿島(4位) vs 浦和(1位) 10月26日(日)19:00@カシマ

鹿島の若さと浦和の経験が焦点の一つとなりそうだ。前節の先発メンバーでは、25歳以下の選手が鹿島の6人に対し、浦和はゼロ。平均年齢でも約4歳の開きがあった。鹿島は優勝争いの生き残りを懸けた重要な一戦で、若い選手たちが持てる力を十分に発揮できるか。最前線のFW赤崎 秀平には、ゴール前での冷静なシュートに期待。MF柴崎 岳のスルーパスは、得点チャンス演出に不可欠だろう。DFの昌子 源、植田 直通というセンターバックコンビには、浦和の波状攻撃をはね返す奮闘が求められる。若い力で対浦和戦8試合連続勝利なし(4分4敗)にピリオドを打つことができれば、優勝争い参入に弾みがつきそうだ。
浦和も勝点3を獲得し、1試合では覆せない勝点差をキープしておきたいはずだ。相手選手との駆け引き、動き出しの速さがあるFW興梠 慎三が鹿島の守備網にギャップを見いだすことができれば、貴重な得点をもぎ取る可能性も高まる。MF柏木 陽介の正確なパス、セットプレーもチームの命運を握る。DF陣の積極的な攻撃参加も持ち味だけに、MF阿部 勇樹を中心に後方のリスク管理も重要になるだろう。

浦和との対戦をピックアップするJリーグ公式のプレビューである。
鹿島の若さについて注目しておる。
ダヴィの負傷離脱で、満男と曽ケ端以外の選手が20代とかなり若きチーム構成となっておる。
この経験不足を補って有り余るのが鹿島の伝統であろう。
老練な試合運びは染みついておる。
強い気持ちで勝利を掴み取るのだ。
楽しみにしてスタジアムに向かいたい。
勝利を信じておる。
第30節が10月26日(日)に開催される。残り5節となって、首位浦和と2位G大阪の勝点差が5も、まだまだ優勝争いは予断を許さない。浦和と鹿島の対決は、両チームにとってこの厳しいレースの生き残りを懸けた正念場だ。
鹿島(4位) vs 浦和(1位) 10月26日(日)19:00@カシマ

鹿島の若さと浦和の経験が焦点の一つとなりそうだ。前節の先発メンバーでは、25歳以下の選手が鹿島の6人に対し、浦和はゼロ。平均年齢でも約4歳の開きがあった。鹿島は優勝争いの生き残りを懸けた重要な一戦で、若い選手たちが持てる力を十分に発揮できるか。最前線のFW赤崎 秀平には、ゴール前での冷静なシュートに期待。MF柴崎 岳のスルーパスは、得点チャンス演出に不可欠だろう。DFの昌子 源、植田 直通というセンターバックコンビには、浦和の波状攻撃をはね返す奮闘が求められる。若い力で対浦和戦8試合連続勝利なし(4分4敗)にピリオドを打つことができれば、優勝争い参入に弾みがつきそうだ。
浦和も勝点3を獲得し、1試合では覆せない勝点差をキープしておきたいはずだ。相手選手との駆け引き、動き出しの速さがあるFW興梠 慎三が鹿島の守備網にギャップを見いだすことができれば、貴重な得点をもぎ取る可能性も高まる。MF柏木 陽介の正確なパス、セットプレーもチームの命運を握る。DF陣の積極的な攻撃参加も持ち味だけに、MF阿部 勇樹を中心に後方のリスク管理も重要になるだろう。

浦和との対戦をピックアップするJリーグ公式のプレビューである。
鹿島の若さについて注目しておる。
ダヴィの負傷離脱で、満男と曽ケ端以外の選手が20代とかなり若きチーム構成となっておる。
この経験不足を補って有り余るのが鹿島の伝統であろう。
老練な試合運びは染みついておる。
強い気持ちで勝利を掴み取るのだ。
楽しみにしてスタジアムに向かいたい。
勝利を信じておる。
逆転優勝に向けて直接対決での勝ち点3奪取は絶対条件
【J1第30節予想スタメン 鹿島vs浦和】今季リーグ戦を占う大一番、激戦必至の強豪対決を制すのは?

第17節で対戦した際は、互いに譲らず1−1のドロー [写真]=Getty Images
■鹿島アントラーズ 逆転優勝に向けて直接対決での勝ち点3奪取は絶対条件
G大阪戦、柏戦と連敗して臨んだ前節の神戸戦もスコアレスドロー。浦和も引き分けたため勝ち点差は広がらなかったが、逆に言えば差を縮める絶好の機会を逃してしまった。このツケを払うには直接対決で勝利する以外にない。今節が今シーズンの結果を占う上で最も重要な試合となる。
ただ、前節はノーゴール。これまで攻撃を自慢としてきたチームが見舞われた3度目の無得点試合。ダヴィが長期離脱した直後の試合ということもあって、影響の大きさが心配される。しかし、選手はそこまで深刻には捉えていないようだ。その理由としては、まず神戸戦はピッチ状態が非常に悪かったということ。ダヴィの高さがない中、地上戦を仕掛けなければいけない状況で、ピッチコンディションが悪いことは足枷となった。ボールコントロールが不安定になる予想から、中央から無理に攻めるリスクは避け、サイドや相手DFラインの裏を突く攻撃が多くなる。そのためにはロングパスの精度が求められる。少しずれただけでポゼッションを失い、試合を通じて良いリズムで攻撃することができなかった。しかし、カシマスタジアムに移ればその心配も消えるはず。本来のサッカーを取り戻すことができるだろう。
守備については、スコアレスドローをポジティブにとらえることができる。レアンドロへの対応を監督から指摘された昌子源は、神戸戦でマルキーニョスを抑えた。浦和戦では興梠慎三とのマッチアップに注目だ。(田中滋)
■鹿島予想スタメン
4-2-3-1
GK
曽ヶ端準
DF
西大伍
青木剛
昌子源
山本脩斗
MF
柴崎岳
小笠原満男
遠藤康
土居聖真
カイオ
FW
赤崎秀平
■浦和レッズ 鹿島戦は5試合負けなし、好相性を生かして白星なるか
浦和はミッドウィークの甲府戦を0−0で引き分けた。下位に低迷する甲府から勝ち星を取りこぼしたのは痛いが、非常に効果的な浦和対策を見せた甲府に対し、無闇に仕掛けて自滅することなく、粘り強く戦って勝ち点1を上積みできたことは前向きに捉えたい。甲府戦までの3試合では、いずれも下位チームに先制点を取られていただけに、守備を意識して戦った結果、無失点で終えることができたことはプラス。那須大亮も「失点ゼロという結果はポジティブに考えている」と手応えを示した。幸いにも優勝を争うG大阪が敗れ、鹿島が引き分けたことで結果的に勝ち点1の重みも増している。
優勝を目指す上で、鹿島との一戦はターニングポイントになり得る試合だ。ここで勝てればライバルをひとつ確実に蹴落とすことができるし、負ければ混戦の引き金を引くことになる。そういう大事な戦いで、攻撃面で潤滑油となれる宇賀神友弥が出場停止から戻ってくるのは大きい。足に痛みを抱えながらプレーしていただけに、思わぬ休養が取れたことが吉と出るか。
前回の鹿島戦、浦和は主導権を握りながらも攻撃の要所をうまく抑えられ、鋭いカウンターを受けてゴールを割られた。鹿島は伝統的にカウンターが鋭く、柴崎岳を筆頭に遠藤康、土居聖真などゴールに絡める質の高い中盤のプレーヤーを擁しているが、浦和は2列目の飛び出しに対して応対が遅れる傾向があるので注意したい。
浦和はペトロヴィッチ監督が就任した2012年以降、鹿島には4勝1分と負け知らず。相性の良さを生かし、リーグタイトルに向けて弾みをつけたい。(神谷正明)
■浦和予想スタメン
3-4-2-1
GK
西川周作
DF
森脇良太
那須大亮
槙野智章
MF
平川忠亮
鈴木啓太
阿部勇樹
宇賀神友弥
李忠成
柏木陽介
FW
興梠慎三

前節の無得点も深刻に捉えておらぬと記すサッカーキングのプレビューである。
負傷中のダヴィ不在が不安視され、その結果がスコアレスドローであろうと周囲は思っておる。
しかしながら、ダヴィが出場停止であった徳島戦もガンバ戦も複数得点を記録しており、攻撃力に不安はなかろう。
そして、前節・神戸戦では完封を達成したDF陣は自信を取り戻した。
浦和の攻撃陣を抑えきり、聖真やヤスの得点力にて勝利を掴みたい。
楽しみな一戦である。

第17節で対戦した際は、互いに譲らず1−1のドロー [写真]=Getty Images
■鹿島アントラーズ 逆転優勝に向けて直接対決での勝ち点3奪取は絶対条件
G大阪戦、柏戦と連敗して臨んだ前節の神戸戦もスコアレスドロー。浦和も引き分けたため勝ち点差は広がらなかったが、逆に言えば差を縮める絶好の機会を逃してしまった。このツケを払うには直接対決で勝利する以外にない。今節が今シーズンの結果を占う上で最も重要な試合となる。
ただ、前節はノーゴール。これまで攻撃を自慢としてきたチームが見舞われた3度目の無得点試合。ダヴィが長期離脱した直後の試合ということもあって、影響の大きさが心配される。しかし、選手はそこまで深刻には捉えていないようだ。その理由としては、まず神戸戦はピッチ状態が非常に悪かったということ。ダヴィの高さがない中、地上戦を仕掛けなければいけない状況で、ピッチコンディションが悪いことは足枷となった。ボールコントロールが不安定になる予想から、中央から無理に攻めるリスクは避け、サイドや相手DFラインの裏を突く攻撃が多くなる。そのためにはロングパスの精度が求められる。少しずれただけでポゼッションを失い、試合を通じて良いリズムで攻撃することができなかった。しかし、カシマスタジアムに移ればその心配も消えるはず。本来のサッカーを取り戻すことができるだろう。
守備については、スコアレスドローをポジティブにとらえることができる。レアンドロへの対応を監督から指摘された昌子源は、神戸戦でマルキーニョスを抑えた。浦和戦では興梠慎三とのマッチアップに注目だ。(田中滋)
■鹿島予想スタメン
4-2-3-1
GK
曽ヶ端準
DF
西大伍
青木剛
昌子源
山本脩斗
MF
柴崎岳
小笠原満男
遠藤康
土居聖真
カイオ
FW
赤崎秀平
■浦和レッズ 鹿島戦は5試合負けなし、好相性を生かして白星なるか
浦和はミッドウィークの甲府戦を0−0で引き分けた。下位に低迷する甲府から勝ち星を取りこぼしたのは痛いが、非常に効果的な浦和対策を見せた甲府に対し、無闇に仕掛けて自滅することなく、粘り強く戦って勝ち点1を上積みできたことは前向きに捉えたい。甲府戦までの3試合では、いずれも下位チームに先制点を取られていただけに、守備を意識して戦った結果、無失点で終えることができたことはプラス。那須大亮も「失点ゼロという結果はポジティブに考えている」と手応えを示した。幸いにも優勝を争うG大阪が敗れ、鹿島が引き分けたことで結果的に勝ち点1の重みも増している。
優勝を目指す上で、鹿島との一戦はターニングポイントになり得る試合だ。ここで勝てればライバルをひとつ確実に蹴落とすことができるし、負ければ混戦の引き金を引くことになる。そういう大事な戦いで、攻撃面で潤滑油となれる宇賀神友弥が出場停止から戻ってくるのは大きい。足に痛みを抱えながらプレーしていただけに、思わぬ休養が取れたことが吉と出るか。
前回の鹿島戦、浦和は主導権を握りながらも攻撃の要所をうまく抑えられ、鋭いカウンターを受けてゴールを割られた。鹿島は伝統的にカウンターが鋭く、柴崎岳を筆頭に遠藤康、土居聖真などゴールに絡める質の高い中盤のプレーヤーを擁しているが、浦和は2列目の飛び出しに対して応対が遅れる傾向があるので注意したい。
浦和はペトロヴィッチ監督が就任した2012年以降、鹿島には4勝1分と負け知らず。相性の良さを生かし、リーグタイトルに向けて弾みをつけたい。(神谷正明)
■浦和予想スタメン
3-4-2-1
GK
西川周作
DF
森脇良太
那須大亮
槙野智章
MF
平川忠亮
鈴木啓太
阿部勇樹
宇賀神友弥
李忠成
柏木陽介
FW
興梠慎三

前節の無得点も深刻に捉えておらぬと記すサッカーキングのプレビューである。
負傷中のダヴィ不在が不安視され、その結果がスコアレスドローであろうと周囲は思っておる。
しかしながら、ダヴィが出場停止であった徳島戦もガンバ戦も複数得点を記録しており、攻撃力に不安はなかろう。
そして、前節・神戸戦では完封を達成したDF陣は自信を取り戻した。
浦和の攻撃陣を抑えきり、聖真やヤスの得点力にて勝利を掴みたい。
楽しみな一戦である。
中田コ・本山、ベテランの影響力
中田浩二と本山雅志。若さが売りの鹿島が秘める攻守の最強武器
11月が目前に迫り、優勝争いも佳境を迎えつつある。浦和が一歩リードしているとはいえ、楽観できるような差でもない。ここでモノを言うのは勢いかもしれない。だが、「経験」という武器を持つ男たちを忘れてはいないだろうか。今回の『J論』では優勝争いの隠れたキーとなる各クラブの経験豊富な重鎮たちにフォーカスする。まずは鹿島。若さあふれるチームへ脱皮を果たした今季にあって、静かにその日を待つ男たちがいる。
▼守備の重鎮が見つめる若き鹿島
ダヴィが左膝全十字靱帯損傷および半月板損傷という重傷を負ったため、第29節・神戸戦の先発には23歳の大卒ルーキー赤崎秀平が入り、先発11人の平均年齢は25.36歳となった。35歳の小笠原満男と曽ヶ端準以外は全員20代。10月24日が誕生日のDF植田直通は試合当日の22日は、まだ19歳という若さだった。
選手の若返りを一気に図った鹿島が、曲がりなりにも優勝争いに加わっている。26日に行われる浦和レッズとの直接対決がシーズン最大の山場だ。現在、勝ち点『7』の差の首位に直接対決で勝てれば可能性はつながり、敗れれば終わる。ただでさえ因縁多い両チームの戦いが、今回は優勝争いにも重要な一戦となった。位置づけの分かりやすい「決戦」である。
ただし、鹿島は3試合連続で勝ち切れない試合が続いている。どれも試合内容は悪くないが、なにかが少し足りずに勝利を逃している。特にガンバ大阪、柏レイソルとの試合は、共に2-1とリードを奪いながらの逆転負け。しかも、終了間際に決勝点を許すという、勝負強さを特長としてきたこのクラブらしからぬ流れでの敗戦だった。
その教訓は、若さと勢いだけで勝利を手にするには圧倒的な差を生まなければ難しい、ということを教えてくれる。そこでクローズアップされるのが経験豊富なベテランの存在だ。鹿島には、小笠原、曽ヶ端の他にもゴールデンエイジと呼ばれた79年組が、まだ二人も在籍している。10月のある日、そのうちの一人、中田浩二は言った。
「ここからは上位のチームと当たる。優勝するにはここからが大事。確かに、俺らはそういう経験をしてきている。ピッチの中だろうと外だろうと、うまくサポートしていきたいね」
DF陣のなかでは最年長。練習を見ていると、何かあるたびに若手の昌子源や植田直通をつかまえてアドバイスを送っている。それは、CBだけでなく、SBやボランチ、そしてGKなど、共にゴールを守る周囲の選手たちにすべてに及ぶ。
「言われたことしか考えてない。『前に行け』と言われたから前に行った結果、逆にディフェンスラインに穴を作っている。だから、『それも一つだけど、それだけじゃない』と言っている。『できない』というよりは『知らない』ことが多すぎるんだと思う。ただ、自分が若いころにできていたかと言えば、そうでもない。やっぱり試合をやりながら学んできたものだから」
ワールドユースやオリンピックに加え、W杯にも2回出場した中田は、フランス、スイスなど海外のリーグでも重宝されてきた選手だ。その経験を、若手選手たちに惜しみなく注ぎ込んでている。
とはいえ、中田はコーチではない。ここまでリーグ戦の出場試合数はわずかに3。時間にすると57分と1試合にも満たず、先発した試合は一つもない。
「やれないとも思ってないけど、いまのチームの状況も考えなければならないし。でも、チームに良い結果が出ているということは力になれているんだと思う」
トニーニョ・セレーゾの練習は長い。主力組は短い時間で終わることも多いが、控え組は主力がクラブハウスにあがってからさらに2時間、ということもザラだ。それでも中田は大きなケガもなくほぼすべての練習を、若い選手たちと同じだけこなしている。
それはもう一人の79年組、本山雅志も同様だ。
▼攻撃の天才は、静かに牙を研ぐ
「疲れた〜」
神戸戦前日、タオルを肩にかけ寮の風呂場に向かう本山雅志は、試合前日にもかかわらず、控え組にとっては予想以上に激しかった練習に苦笑いを浮かべていた。
その技術の高さは未だに衰えを知らない。野沢拓也が鹿島を去ったいま、最も優れたテクニックを見せてくれるのは本山が筆頭だ。練習を見ているだけで、その技術の高さは随所に見ることができる。次代を担う土居聖真や中村充孝でさえも、本山のアイディアの豊富さと華麗さには及ばない。
08年以降、本山は年々出場機会を減らしてきた。年齢による運動量やプレー強度の低下があったのかもしれないが、それ以上に度重なる病気や怪我に悩まされてきた。水腎症という重い病気を患っただけでなく、腰の持病が思うようなプレーを許してくれない。満足にトレーニングを積めない時期さえあった。だが、今季は中田同様、ケガもないシーズンを久々に送れている。
「いままでは手術をしたり、ケガをだましだましやってきたから。今年は本当にコンディションが良い」
そう言って屈託のない笑顔を見せた。
しかし、昨季は試合終盤の切り札としてリーグ戦だけでも24試合、663分に出場した男が、今季ここまでで9試合、148分の出場に留まっている。神戸戦でも遠征メンバーに入り、ゴール裏で出番を待ってアップを続けながら、最後まで監督から声はかからなかった。
試合翌日、チームのスケジュールはオフに変更されたが、クラブハウスには本山の姿があった。
「出たかったよね。昨日も、この間の柏の試合も大事な試合だった」
これまで本山は数多くのタイトル獲得に携わってきた。国内3大タイトルだけでもJリーグチャンピオンに6回、ヤマザキナビスコカップを4回、天皇杯を3回。タイトルまでの道のりはどの試合も重要だが、それでもシーズンの行方を左右する試合は必ず存在する。そこで力になれていないことを本山は無念に感じていた。
「結果を出せてないからね」
確かに今季の得点は0。ジョーカーとしては寂しい数字と言える。
「浩二もそうだけど、ケガで出られないわけじゃない。だから、悔しいね。でも、ずっとそうやって競争してきたクラブだから」
だからこそ、再び出場機会を得るために、練習に打ち込む。練習で高いパフォーマンスを見せ、監督の評価を変える。試合翌日、オフになった日でもクラブハウスに来たのはコンディションを良い状態に保つため。来たるべき浦和との決戦を前に、本山はいまできる最善を尽くそうとしていた。
いま、ピッチに立つ主力選手のうち、3連覇を経験したのは小笠原満男、曽ヶ端準以外には、遠藤康のみ。陰日向に若手を支えてきた中田浩二や本山雅志をどう使うのか。若さが売りの今季だからこそ、注目したい。

中田コと本山の両ベテランの声を記す田中氏の記事である。
二人ともピッチに立つ機会は少ないが、チームに対する貢献は大きい。
この大一番を前に優勝を知らぬ若手に与える影響は大きい。
これからも、良いお手本として、そして貴重な戦力として、力を発揮していくのだ。
期待しておる。
11月が目前に迫り、優勝争いも佳境を迎えつつある。浦和が一歩リードしているとはいえ、楽観できるような差でもない。ここでモノを言うのは勢いかもしれない。だが、「経験」という武器を持つ男たちを忘れてはいないだろうか。今回の『J論』では優勝争いの隠れたキーとなる各クラブの経験豊富な重鎮たちにフォーカスする。まずは鹿島。若さあふれるチームへ脱皮を果たした今季にあって、静かにその日を待つ男たちがいる。
▼守備の重鎮が見つめる若き鹿島
ダヴィが左膝全十字靱帯損傷および半月板損傷という重傷を負ったため、第29節・神戸戦の先発には23歳の大卒ルーキー赤崎秀平が入り、先発11人の平均年齢は25.36歳となった。35歳の小笠原満男と曽ヶ端準以外は全員20代。10月24日が誕生日のDF植田直通は試合当日の22日は、まだ19歳という若さだった。
選手の若返りを一気に図った鹿島が、曲がりなりにも優勝争いに加わっている。26日に行われる浦和レッズとの直接対決がシーズン最大の山場だ。現在、勝ち点『7』の差の首位に直接対決で勝てれば可能性はつながり、敗れれば終わる。ただでさえ因縁多い両チームの戦いが、今回は優勝争いにも重要な一戦となった。位置づけの分かりやすい「決戦」である。
ただし、鹿島は3試合連続で勝ち切れない試合が続いている。どれも試合内容は悪くないが、なにかが少し足りずに勝利を逃している。特にガンバ大阪、柏レイソルとの試合は、共に2-1とリードを奪いながらの逆転負け。しかも、終了間際に決勝点を許すという、勝負強さを特長としてきたこのクラブらしからぬ流れでの敗戦だった。
その教訓は、若さと勢いだけで勝利を手にするには圧倒的な差を生まなければ難しい、ということを教えてくれる。そこでクローズアップされるのが経験豊富なベテランの存在だ。鹿島には、小笠原、曽ヶ端の他にもゴールデンエイジと呼ばれた79年組が、まだ二人も在籍している。10月のある日、そのうちの一人、中田浩二は言った。
「ここからは上位のチームと当たる。優勝するにはここからが大事。確かに、俺らはそういう経験をしてきている。ピッチの中だろうと外だろうと、うまくサポートしていきたいね」
DF陣のなかでは最年長。練習を見ていると、何かあるたびに若手の昌子源や植田直通をつかまえてアドバイスを送っている。それは、CBだけでなく、SBやボランチ、そしてGKなど、共にゴールを守る周囲の選手たちにすべてに及ぶ。
「言われたことしか考えてない。『前に行け』と言われたから前に行った結果、逆にディフェンスラインに穴を作っている。だから、『それも一つだけど、それだけじゃない』と言っている。『できない』というよりは『知らない』ことが多すぎるんだと思う。ただ、自分が若いころにできていたかと言えば、そうでもない。やっぱり試合をやりながら学んできたものだから」
ワールドユースやオリンピックに加え、W杯にも2回出場した中田は、フランス、スイスなど海外のリーグでも重宝されてきた選手だ。その経験を、若手選手たちに惜しみなく注ぎ込んでている。
とはいえ、中田はコーチではない。ここまでリーグ戦の出場試合数はわずかに3。時間にすると57分と1試合にも満たず、先発した試合は一つもない。
「やれないとも思ってないけど、いまのチームの状況も考えなければならないし。でも、チームに良い結果が出ているということは力になれているんだと思う」
トニーニョ・セレーゾの練習は長い。主力組は短い時間で終わることも多いが、控え組は主力がクラブハウスにあがってからさらに2時間、ということもザラだ。それでも中田は大きなケガもなくほぼすべての練習を、若い選手たちと同じだけこなしている。
それはもう一人の79年組、本山雅志も同様だ。
▼攻撃の天才は、静かに牙を研ぐ
「疲れた〜」
神戸戦前日、タオルを肩にかけ寮の風呂場に向かう本山雅志は、試合前日にもかかわらず、控え組にとっては予想以上に激しかった練習に苦笑いを浮かべていた。
その技術の高さは未だに衰えを知らない。野沢拓也が鹿島を去ったいま、最も優れたテクニックを見せてくれるのは本山が筆頭だ。練習を見ているだけで、その技術の高さは随所に見ることができる。次代を担う土居聖真や中村充孝でさえも、本山のアイディアの豊富さと華麗さには及ばない。
08年以降、本山は年々出場機会を減らしてきた。年齢による運動量やプレー強度の低下があったのかもしれないが、それ以上に度重なる病気や怪我に悩まされてきた。水腎症という重い病気を患っただけでなく、腰の持病が思うようなプレーを許してくれない。満足にトレーニングを積めない時期さえあった。だが、今季は中田同様、ケガもないシーズンを久々に送れている。
「いままでは手術をしたり、ケガをだましだましやってきたから。今年は本当にコンディションが良い」
そう言って屈託のない笑顔を見せた。
しかし、昨季は試合終盤の切り札としてリーグ戦だけでも24試合、663分に出場した男が、今季ここまでで9試合、148分の出場に留まっている。神戸戦でも遠征メンバーに入り、ゴール裏で出番を待ってアップを続けながら、最後まで監督から声はかからなかった。
試合翌日、チームのスケジュールはオフに変更されたが、クラブハウスには本山の姿があった。
「出たかったよね。昨日も、この間の柏の試合も大事な試合だった」
これまで本山は数多くのタイトル獲得に携わってきた。国内3大タイトルだけでもJリーグチャンピオンに6回、ヤマザキナビスコカップを4回、天皇杯を3回。タイトルまでの道のりはどの試合も重要だが、それでもシーズンの行方を左右する試合は必ず存在する。そこで力になれていないことを本山は無念に感じていた。
「結果を出せてないからね」
確かに今季の得点は0。ジョーカーとしては寂しい数字と言える。
「浩二もそうだけど、ケガで出られないわけじゃない。だから、悔しいね。でも、ずっとそうやって競争してきたクラブだから」
だからこそ、再び出場機会を得るために、練習に打ち込む。練習で高いパフォーマンスを見せ、監督の評価を変える。試合翌日、オフになった日でもクラブハウスに来たのはコンディションを良い状態に保つため。来たるべき浦和との決戦を前に、本山はいまできる最善を尽くそうとしていた。
いま、ピッチに立つ主力選手のうち、3連覇を経験したのは小笠原満男、曽ヶ端準以外には、遠藤康のみ。陰日向に若手を支えてきた中田浩二や本山雅志をどう使うのか。若さが売りの今季だからこそ、注目したい。

中田コと本山の両ベテランの声を記す田中氏の記事である。
二人ともピッチに立つ機会は少ないが、チームに対する貢献は大きい。
この大一番を前に優勝を知らぬ若手に与える影響は大きい。
これからも、良いお手本として、そして貴重な戦力として、力を発揮していくのだ。
期待しておる。
赤のプライドをかけて
[ J1:第30節 鹿島 vs 浦和 ]

26日(日)、第30節で「赤のプライド」をかけて鹿島と浦和が激突する。
現在、4位の鹿島は首位浦和との勝点差は7。この試合で敗れると勝点差は10に開き、優勝へ向けて非常に厳しくなるだけに、ホームで首位の浦和を破りたいところだ。
対する浦和も現在首位をキープしているが、ここ2試合白星がなく、2位のG大阪との勝点差も5とすぐ近くまで迫られているだけに、この一戦は負けられない。
鹿島は5年ぶり、浦和も8年ぶりの優勝のタイトルを勝ち取るためにもこの上位決戦は負けられない一戦となる。
「赤のプライド」をかけた激闘を制するのはどちらになるか注目したい。

「赤のプライド」と煽るJ’s GOALである。
鹿島としては優勝への細い綱を手繰り寄せる重要な試合である。
勝負強さを見せて欲しいところ。
小笠原主将を中心に勝利を掴むのだ。
楽しみな一戦である。

26日(日)、第30節で「赤のプライド」をかけて鹿島と浦和が激突する。
現在、4位の鹿島は首位浦和との勝点差は7。この試合で敗れると勝点差は10に開き、優勝へ向けて非常に厳しくなるだけに、ホームで首位の浦和を破りたいところだ。
対する浦和も現在首位をキープしているが、ここ2試合白星がなく、2位のG大阪との勝点差も5とすぐ近くまで迫られているだけに、この一戦は負けられない。
鹿島は5年ぶり、浦和も8年ぶりの優勝のタイトルを勝ち取るためにもこの上位決戦は負けられない一戦となる。
「赤のプライド」をかけた激闘を制するのはどちらになるか注目したい。

「赤のプライド」と煽るJ’s GOALである。
鹿島としては優勝への細い綱を手繰り寄せる重要な試合である。
勝負強さを見せて欲しいところ。
小笠原主将を中心に勝利を掴むのだ。
楽しみな一戦である。
源、失点しなければ負けることはない
(週刊Jリーグ)浦和戦、代表復帰とVかけて 鹿島DF・昌子源
2014年10月24日16時30分

関田航撮影
残り5節となったJ1は26日、優勝争いの行方を左右する一戦を迎える。4位の鹿島が、勝ち点7差で追う首位浦和とホームで対戦する。鹿島にとって、勝たなければ優勝の可能性がほぼ消える90分間。DF昌子源(しょうじげん)(21)が懸けている。
今季、定位置を得た成長株だ。10月に入り、脚光を浴びる機会をつかみかけ、逃した。アギーレ監督の日本代表に初めて選ばれたが、5日のガ大阪戦で右太もも裏を痛めて辞退した。
日本が0―4と完敗したブラジル戦。テレビ画面に映る日本選手は、相手との間合いを詰めきれず、もてあそばれていた。「正直、もどかしかった。でもピッチの上でなければ、本当のブラジルの強さはわからないんでしょうね。代表への思いが、より強くなった」
全治2〜3週間と診断されたけがを1週間で治して臨んだ18日の柏戦では、1対1の駆け引きで焦って逆を取られる場面が目立ち、2―3と敗れる一因になった。その4日後の神戸戦では反省を生かし、我慢強く守って相手を封じた。0―0。「失点しなければ負けることはない。この勝ち点1をプラスにとらえたい」
浦和の攻撃の中心は、2012年まで鹿島にいた興梠だ。速さが持ち味の昌子が11年にプロ入りした時、「衝撃的」と感じたのが興梠のスピードだった。7月の対戦は1―1。「あの時は(興梠)慎三さんに得点されましたからね」。再戦を心待ちにしている。
興梠との攻防が勝負を左右することはわかっている。勝てば、5季ぶりの優勝と自身の代表復帰に道が開けてくることも。(中川文如)

「代表への思いが、より強くなった」と語る源である。
大敗したブラジル戦をテレビ観戦し、その場にいられなかった悔しさと、自分がどれだけ出来たのかを思った様子。
負傷が癒えた今、首位・浦和をホームに迎える対戦が控える。
この試合で浦和攻撃陣を抑え、日本屈指のCBであることを証明するのだ。
源の実力を信じておる。
2014年10月24日16時30分

関田航撮影
残り5節となったJ1は26日、優勝争いの行方を左右する一戦を迎える。4位の鹿島が、勝ち点7差で追う首位浦和とホームで対戦する。鹿島にとって、勝たなければ優勝の可能性がほぼ消える90分間。DF昌子源(しょうじげん)(21)が懸けている。
今季、定位置を得た成長株だ。10月に入り、脚光を浴びる機会をつかみかけ、逃した。アギーレ監督の日本代表に初めて選ばれたが、5日のガ大阪戦で右太もも裏を痛めて辞退した。
日本が0―4と完敗したブラジル戦。テレビ画面に映る日本選手は、相手との間合いを詰めきれず、もてあそばれていた。「正直、もどかしかった。でもピッチの上でなければ、本当のブラジルの強さはわからないんでしょうね。代表への思いが、より強くなった」
全治2〜3週間と診断されたけがを1週間で治して臨んだ18日の柏戦では、1対1の駆け引きで焦って逆を取られる場面が目立ち、2―3と敗れる一因になった。その4日後の神戸戦では反省を生かし、我慢強く守って相手を封じた。0―0。「失点しなければ負けることはない。この勝ち点1をプラスにとらえたい」
浦和の攻撃の中心は、2012年まで鹿島にいた興梠だ。速さが持ち味の昌子が11年にプロ入りした時、「衝撃的」と感じたのが興梠のスピードだった。7月の対戦は1―1。「あの時は(興梠)慎三さんに得点されましたからね」。再戦を心待ちにしている。
興梠との攻防が勝負を左右することはわかっている。勝てば、5季ぶりの優勝と自身の代表復帰に道が開けてくることも。(中川文如)

「代表への思いが、より強くなった」と語る源である。
大敗したブラジル戦をテレビ観戦し、その場にいられなかった悔しさと、自分がどれだけ出来たのかを思った様子。
負傷が癒えた今、首位・浦和をホームに迎える対戦が控える。
この試合で浦和攻撃陣を抑え、日本屈指のCBであることを証明するのだ。
源の実力を信じておる。