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明治学院大学・鈴木修人監督、名監督の予感

元鹿島・鈴木修人が大学で名監督に。
就任2年目にして番狂わせを連発。

posted2018/08/06 08:00

高校、大学、そしてJリーグと名門チームに所属し続けた鈴木修人監督。まだ32歳、指導者としての伸び代は大きそうだ。

text by
安藤隆人
Takahito Ando

photograph by
Takahito Ando


 強い者が勝つのではなく、勝った者が強い――。

 7月、この哲学を叩き込まれた男が率いるチームが、周りを驚かせる大快進撃を見せた。

 舞台は大学サッカーの真夏の祭典である総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの関東予選、アミノバイタルカップだった。

 今年で7回目を迎える同大会で、関東リーグ1部、2部のさらに下のカテゴリである東京都リーグ所属の明治学院大が次々と上のカテゴリーのチームを倒して、決勝にまで駒を進めたのだ。

 アミノバイタルカップは1部・2部は全チーム参加できる。一方でその下のカテゴリにとっては出場するだけでも難関である。

 東京都大学リーグ所属チーム(4校)、埼玉県大学リーグ、千葉県大学リーグ、神奈川県大学リーグ(それぞれ3校)が代表決定戦を経て決まる。それと春季北関東大学サッカー選手権を勝ち進んだ3校の計16校がプレーオフを行い、そこで勝利した8校がようやく本戦に参加できるシステムなのだ。

1部所属の大学4校を次々撃破。

 このプレーオフに勝利して初出場を果たした明治学院大が、今大会の主役になったのだ。

 1回戦でいきなり前年度総理大臣杯3位の筑波大を2-1で撃破すると、2回戦では東洋大を2-1で下し、3回戦では早稲田大に1-0で勝利。あれよあれよという間に総理大臣杯初出場を手にした。

 そして準決勝では前年度総理大臣杯準優勝の明治大を3-3の打ち合いの末にPK戦で下し、初の決勝進出を果たした。ここまで挙げた4校はすべて関東1部所属で、すべて2つ上のカテゴリを撃破したことになる。

 そもそも関東1・2部以外のチームがベスト4以上に残ったこと自体が史上初。彼らがファイナリストに進んだことが、どれだけ凄いことか分かるだろう。

決勝で法政相手に肉薄したが。

 迎えた決勝戦の相手は前回の総理大臣杯覇者である1部・法政大。U-21日本代表のエースストライカー上田綺世、トップ下には1年生の田中和樹、ドリブラーの右MF紺野和也らプロ注目の錚々たるメンバーが顔を揃えており、明治学院大は前半から押し込まれた。

 しかし、GK松田健太郎のファインセーブや、澤田大登と高橋龍世のCBコンビを中心に身体を張った気迫のディフェンスを展開。逆に前半アディショナルタイムにMF鶴田哲司がPKを獲得し、これをDF新井博人が冷静に決めて、明治学院大が先制したのだ。

 決勝でもミラクルは起こるのかと期待が膨らんだだが、後半に入って法政大がさらに猛攻を仕掛ける。60分、62分と立て続けにゴールが決まり、明治学院大は一気に試合をひっくり返された。

 このまま失点を重ねるかと思われた明治学院大だが、再び集中力を取り戻し、堅い守備から鋭いカウンターを繰り出す。72分の1年生MF武田義臣のミドルシュート、85分の新井のFKなどで可能性を感じさせたが、快進撃はここで潰えた。

 結果は1-2の敗戦で準優勝。だが、カテゴリが2つも上のチームを撃破し、決勝戦で見せた激闘は準優勝に相応しいものだった。

市船→早大→鹿島の鈴木修人監督。

「こういう結果が出て、学校の名前も少しは広がってくれたと思いますし、これから『明治学院大でサッカーをやりたい』と思ってくれる人が増えてくれればいいなと思います」

 試合後、こう語った男こそ、明治学院大サッカー部の監督である鈴木修人だ。

 この名前を聞いて、ピンと来た人もいるだろう。彼は高校時代、市立船橋高校のレギュラーとして、カレン・ロバート、増嶋竜也、佐藤優也らとともに活躍。2年時に第81回全国高校サッカー選手権大会で優勝すると、3年時には第13回高円宮杯全日本ユースサッカー選手権(現・高円宮杯プレミアリーグ&チャンピオンシップ)を制し、2度の全国優勝を経験した。

 早稲田大入学後も総理大臣杯準優勝、インカレ優勝を経験し、ユニバーシアード日本代表にも選出された。そして2008年に鹿島アントラーズに入団し、そこから湘南ベルマーレ、栃木SC、ギラヴァンツ北九州を渡り歩き、2014年をもって現役を引退した。

 その後、2015年に明治学院大サッカー部コーチの任に就き、翌年にはヘッドコーチ、2017年に監督に就任した。

30歳目前で選手から大学指導者へ。

「プロサッカー選手には一切未練はありませんでした。2013年に北九州に移籍したときに、年齢的にも最後のチャンスと思ってましたし、妻にもそう伝えていました。『ここ(北九州)で契約更新が告げられなかったらプロを辞めて、新たな道を進もう』と決めていました。その次の道が指導者でした」

 30歳を目前に控えたタイミングで、彼はスパッとスパイクを脱ぐ決断を下した。戦力外通告を受けると、すぐに茶色だった髪の毛を黒に戻し、就職活動を始めた。

 そして、新天地として求めたのは大学の指導者だった。

大学サッカーで指導したかった理由。

 自身のキャリアを振り返りつつ、その決意に至った経緯をこう話す。

「市船のときも『大学を出て先生になりたい』と思っていました。高3の時にプロからのお誘いも頂けそうな状況でしたが、早い段階で早大進学を決めて、サッカーをしながら教員免許を取ることにしました。プロになってからも『引退後は高校、大学の指導者をやりたい』とずっと思っていて、いざ引退を決めると『大学サッカーで指導をしたい』と思うようになりました。

 なぜなら大学は高校よりもいろんな誘惑がある。その中でやらなければいけないことを、メリハリを持って取り組んで、オフにして良いところ、オンにしないといけないところを自分で考えながら自立していく。その過程は凄く教え甲斐があるなと思ったからです。僕自身、大学生活を通じてサッカー選手として、人間としても成長できました。大学は『最後の自立の場』だと思っていて、この4年間で自立しないと、大学以降の社会は待ってくれない。

 もちろんサッカーだけを考えたら、日本代表でも高卒でプロに飛び込んだ選手が大半を占めていますし、その方が近道だと思います。ただ大学の存在価値も高まっているからこそ、4年間で何をしたいのかを明確にしながら、サッカーに取り組む手助けができたらと思い、お話を頂いた明治学院大で新たな人生をスタートさせることを決めました」

 ただ、ここに至るまでは苦難の連続だった。

 コーチ1年目は、駿河大学の教授を兼任していた大森一伸前監督に代わって、チームを託される形で学生と向き合った。それが実って念願の関東2部への昇格を果たすなど上々のスタートだった。

監督2年目、大きなターゲット。

 しかし、ヘッドコーチを務めた翌年は開幕7連敗などリーグ11位に終わり、1年で東京都リーグへの降格の憂き目にあった。そして監督1年目の'17年は1年での東京都リーグは制するも、一発勝負の昇格決定戦で関東学院大に0-1で惜敗。関東2部復帰はならず、今年も東京都リーグからのスタートとなった。

 そして、監督2年目となった今年、アミノバイタルカップは1つの大きなターゲットだった。

「今年はまたイチから立て直そうとスタートしました。ずっと『関東に明治学院大の名を知らしめるには、この大会(アミノバイタルカップ)しかない』と選手達に伝えました」

 鈴木が大学生を指導する中で、強い信念がある。それが冒頭で紹介した言葉だ。

布さん、大榎さん、キジェさん……。

「強い者が勝つのではなく、勝った者が強い。これは布啓一郎先生(市船時代の恩師。現ザスパクサツ群馬監督)の言葉で、いま僕が常日頃言っている言葉です。彼らは社会人になったら結果を出さないといけない世界に飛び込んでいく。だからこそ大学生の内に結果にこだわることを日常化して欲しい。

 もちろん過程をおろそかにしてはいけなくて、結果を求めて努力をすることを大切にして欲しいんです。僕は現役時代に凄く良い指導者に恵まれていて、布先生、大榎克己(現清水エスパルスGM補佐)さん、オズワルド・オリヴェイラ(現浦和レッズ監督)さん、松田浩(現V・ファーレン長崎育成部長)さん、反町康治(現松本山雅FC監督)さん、チョウ・キジェ(現湘南ベルマーレ監督)さん、柱谷幸一さんと優れた指導者に教えてもらった。そこで学んだことが大きな影響をもたらしています。

 全員に共通しているのが『勝ちにこだわるサッカー』で、個性を活かしながら、必ず規律と規則があり、常に物事のディテールにこだわる。それを日常化することで、勝者のメンタリティーを養う。この過程を選手として体験できた。今は伝える側として、学生達に熱意を持って訴え続けています」

 この信念を選手達は見事に具現化した。明治学院大はスポーツ推薦がなく、さらに都リーグ所属であること、練習環境も学校の人工芝グラウンドは他クラブと共用のため半面しか使えず、そのグラウンドすらも使えない日は土で練習をしている状況である。

選手獲得も容易ではない中で。

 選手獲得も容易ではない。選手の中には中学、高校と全国大会に出場したことがない選手がいる。1部、2部のチームに行けず、大学サッカーを本気で続けるかどうか悩んだ選手もいる。

 だが、「桐蔭学園、実践学園、静岡学園、習志野、八千代など強豪校で指定校推薦があるところから選手に来ていただいています。なかなかトップレベルの選手は来てもらえませんが『明学でもう一度サッカーに打ち込もう』と選手達に熱意を伝えて、『明学でサッカーを続けたい』と思ってくれる選手が来てくれるようになりました」と、鈴木自ら熱意を持って高校、ユースの現場に赴いた。

 その熱意を汲み取った学生達が1つになって、カテゴリーが2つ上のチームに臆することなく戦い抜いたのだ。

「今大会を通じて、学生達は『やっぱり1部は凄いな、うまいな』と相手をリスペクトしながらも、全力で立ち向かってくれた。勝ちにこだわったサッカーを初戦から表現できたし、決勝まで勝ち上がり、準優勝という結果を残した。選手達もこうした大会で結果を出せば多くの人が見てくれるし、メディアの皆さんが取り上げてくれることを実感できたと思います。

 でも、ここで満足をしてはいけません。僕らにとって最大の目標は、来季の関東2部昇格を果たすべく、リーグ優勝して、そのあとの1発勝負(昇格決定戦)に勝つこと。今大会で『質の高い相手と常に戦える舞台に行きたい』とみんなが強く思えるようになった。常にこういう戦いができる舞台に行けば、もっと選手達は伸びる。そこは僕も強く感じました。1年間を通してここ(関東リーグ)にいないといけないことを再確認したからこそ、勘違いせずに、残りのシーズンを最後まで戦い抜きたいと思います。

 もちろん、その前に関東代表として、総理大臣杯優勝を目指して、今度は全国に明治学院大の名前をしっかりと刻んで、内容と勝ち方にこだわって戦い抜きたいです」

 32歳の青年監督が起こした大快進撃。鈴木がこれまで慕ってきた師達の勝者のメンタリティーを引き継いで、まずは8月31日に開幕する総理大臣杯に関東第2代表として、誇り高き戦いに臨む。


明治学院大学の鈴木修人監督について取材したNumberWebの安藤氏である。
鈴木修人がどのような考えを持ち、何故に大学サッカーの指導者への道を歩んだかが伝わってくる。
そして、プロでは大きな実績を残さなかったものの、多くの良き指導者に巡りい、大いなる影響を受けたことがわかる。
これから、多くの若き人材を育成していってくれるであろう。
今後が楽しみな指導者である。


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清水戦報道

鹿島ジーコTD御前で西が劇的ゴール/鹿-清20節
[2018年8月5日20時49分]


鹿島対清水 後半、ゴールを決めた鹿島DF西(手前)に抱きついて喜ぶDF内田(撮影・足立雅史)


鹿島対清水 後半、ゴールを決めた鹿島DF西大伍(右)はDF内田篤人からの手荒い祝福に苦しそうな表情を見せる(撮影・足立雅史)


<明治安田生命J1:鹿島1-0清水>◇第20節◇5日◇カシマ

 試合前だった。ホームの鹿島アントラーズに思わぬアクシデントが襲った。先発予定だったGKクォン・スンテが練習中に脚を負傷。急きょ、2日に39歳の誕生日を迎えた曽ケ端準がゴールマウスを守ることになり、GK川俣慎一郎が控えに入った。

 19日間で6試合目の過密日程とあって、その曽ケ端も含めて前節から先発を6人入れ替え。新加入のDFチョン・スンヒョンもセンターバックとして、古巣清水エスパルスと初対戦となったDF犬飼智也と組んで移籍後、初先発を果たした。

 一方の清水はリーグ再開後、18チームで唯一、3戦全勝中。その清水が先に決定機を迎える。前半15分、DFチョン・スンヒョンのマークを外したFW北川航也がMF金子翔太からの速いパスに胸トラップで抜け出て、GKと1対1に。だが、右足のシュートはヒットせず、右に外れた。

 鹿島もその1分後、今季リーグ初先発のFW金森健志が相手陣内でMF白崎凌兵からボールを奪い、GKと1対1に。しかし、こちらもシュートを打ちきることができずに防がれた。その後は互いに堅い守備で決定機を許さずに前半を終えた。

 後半に入ると、清水はポストに嫌われた。9分に相手CKからのカウンター攻撃から、北川が切り返して左足で巻いたシュートを放った。GK曽ケ端も見送るしかなかったボールはしかし、左ポストに嫌われた。

 30分には、今度は途中出場のMFデュークが右足で狙うも、右ポストにはじかれた。

 前日にチームに合流したジーコ・テクニカルディレクター(TD)が見守った鹿島は、安部裕葵、土居聖真を投入して活性化を図る。すると後半ロスタイム、MF永木亮太のFKをチョン・スンヒョンが頭で折り返したところを、DF西大伍が右足ボレーで劇的なゴール。この1点を守りきり、鹿島が3試合ぶりの勝利を飾った。ジーコTDの御前で、伝統の勝負強さが復活した。

 一方、清水は4シーズンぶりの4連勝はならなかった。

鹿島西が劇弾、ジーコ御前試合で伝統の勝負強さ発揮
[2018年8月5日22時53分]


後半、ゴールを決めた鹿島DF西(手前)に抱きついて喜ぶDF内田(撮影・足立雅史)


チームの無失点勝利に笑顔を見せる鹿島GK曽ケ端(中央)(撮影・足立雅史)


<明治安田生命J1:鹿島1-0清水>◇第20節◇5日◇カシマ

 今季、初めてだった。引き分けが濃厚だった後半ロスタイムの決勝弾。16年ぶりに復帰したジーコ・テクニカルディレクター(TD)が見守る前で、鹿島アントラーズが最後に勝ち切った。伝統の勝負強さを“神様”の御前で、取り戻した。

 ボール保持率は鹿島が上回ったが、決定機は清水に多くつくられた。DF西大伍は「相手にチャンスはありましたけど、僕らもある程度、自分たちの時間が多い試合だった。あとはどれだけ我慢できるかという感じだった」。

 試合直前にGKクォン・スンテが右脚を負傷。曽ケ端準が急きょ、出場するアクシデントに見舞われた。だが「この歳で初めての経験」という39歳のベテランが、チームを落ち着かせる。移籍後初先発のチョン・スンヒョンと犬飼智也のセンターバック2人も高さを生かしてボールをはね返す。ポストに2度、救われる場面もあったが、ゼロで抑えた。だから、最後に勝利の女神がやってきた。

 後半ロスタイム。FKを頭1つ抜け出たチョン・スンヒョンが、シュートを放たずに折り返した。「僕の位置がそこまで得点できそうなポジションではなかったので、もっと良いポジションに落とした。赤いユニホームが見えたので、そこに落とそうとしました」。

 そこにいたのは「来たらいいな」と願っていた西。「当てるように」と右足をボレーで振り抜き、ゴールに突き刺した。

 前節のFC東京戦で逆転負けを喫して、上位を狙う上で連敗はできなかった一戦。「僕が点を取りましたけど、僕だけじゃなくて、みんながやり続けた結果」と胸を張った西は「僕らが置かれている立場は勝ち続けるしかない。どれだけ本当に強い気持ちで挑めるか」。19日間で6試合もこなした過密日程の最後を勝利で締めくくり、反攻への体制を整えた。


鹿島復帰のジーコ氏「非常に良かった」選手たたえる
[2018年8月5日23時5分]


鹿島対清水 試合前、サポーターの声援に手を振って応える鹿島ジーコテクニカルディレクター(撮影・足立雅史)


鹿島対清水 試合前、ジーコテクニカルディレクターが描かれた横断幕を掲示する鹿島サポーター(撮影・足立雅史)


<明治安田生命J1:鹿島アントラーズ1-0清水エスパルス>◇第20節◇5日◇カシマ

 16年ぶりに鹿島アントラーズに復帰したジーコ・テクニカルディレクター(65)が、選手をたたえた。

 スコアレスドローが濃厚だった後半ロスタイムに、FKから最後はDF西大伍が決勝ゴール。1-0で勝ち切る勝負強さに「本当に選手たちをたたえたいし、選手たちに走る気力を持たせたサポーターにも感謝したい。最後まで信じてやるという、単純なことだけど、それを実行したことは非常に良かった」と褒めたたえた。

 前日、初めてチームに合流すると、選手たちに、最後まで勝ちにこだわるように訴えた。「どんな試合でも勝つこと。このチームは全て1位じゃないと意味がない」。それを体現した選手たち。ジーコTDは「主審が最後の笛を吹くまであきらめずにやるという、単純で当たり前のことをただやっただけであって、それを信じてやり続けた選手をたたえなければいけない」と目を細めた。

 「別に僕は特別なことを伝授、あるいは植え付けたわけではなく、ごく当たり前のこと。全力を尽くしてやった者というのは、必ず報われるということは、今日の試合でも示されたのではないかな」。

 試合後は選手1人1人に握手を求めて、勝利をねぎらっていた。どの試合でも、どんな形でも「勝つ」というジーコイズム。復帰初戦でいきなり発揮された。

鹿島ジーコTD「諦めず…やり続けた選手たたえる」
[2018年8月6日7時17分 ]


後半、ゴールを決めた鹿島DF西(手前)に抱きついて喜ぶDF内田(撮影・足立雅史)


試合前、声援に笑顔を見せる鹿島ジーコ・テクニカルディレクター(撮影・足立雅史)


<明治安田生命J1:鹿島1-0清水>◇第20節◇5日◇カシマ

 鹿島アントラーズが土壇場の決勝点で6位へ浮上した。

 これが“神様”の力なのか。16年ぶりに鹿島に戻ったジーコ・テクニカルディレクター(TD)の復帰初戦。後半ロスタイムにFKから、移籍後初先発のDFチョン・スンヒョンが頭で落とし、DF西が右ボレーでたたき込んだ。昨年9月のG大阪戦以来となるロスタイム決勝弾。伝統の勝負強さが復活した。試合後「オレ、かっけー!」と絶叫した西は「みんなでやり続けた結果」と勝因を誇った。

 試合直前にGKクォン・スンテが右太ももを負傷。「この年で初めての経験」と急きょ、曽ケ端が出場するアクシデントがあった。だが、我慢強く守り切って最後につなげた。試合後に1人1人と握手したジーコTDは「主審が笛を吹くまで諦めずにやるという、単純で当たり前のことを信じてやり続けた選手をたたえなければいけない」。ジーコイズム、恐るべし。

“神様の力”は絶大!ジーコ御前で鹿島白星、終了間際に西が値千金弾

西(左)が値千金のゴール(右は内田)。ジーコ氏が見つめる御前試合で勝ち点3をもぎ取った (撮影・福島範和)

 明治安田J1第20節(5日、鹿島1-0清水、カシマ)“神様パワー”は効果絶大だ。DF西が後半ロスタイムに値千金の決勝弾。低迷する鹿島に活気が戻ってきた。

 「前節は我慢比べで点を取られた。我慢できたのがよかった」

 W杯後にリーグ戦が再開した7月18日から19日間で6試合という苛酷な日程。大岩監督は、1-2で敗れた1日のFC東京戦から先発を6人入れ替えた。試合は終盤までつばぜり合いが続いたが、終了間際に右FKの流れからベテラン西が右足でネットを揺らし、勝ち点3を引き寄せた。

 今夏、約16年ぶりにテクニカルディレクター(TD)に就任したジーコ氏がスタンドで観戦。レジェンドが見つめる御前試合で燃えないはずがない。ジーコ氏は試合後、「『諦めない』という当たり前のことをやり続けた結果。選手たちをたたえたい」と選手をたたえた。12月まで続く長丁場。まだ諦めるわけにはいかない。 (一色伸裕)


スタンドから戦況を見つめたジーコ氏。諦めない気持ちが選手に乗り移った 

連勝が3で止まったことに清水MF河井
「そんなに悲観せず、よかった部分を次につなげていきたい」


後半、ゴールを決め歓喜する鹿島・西=カシマサッカースタジアム(撮影・福島範和)


後半、ゴールを決める鹿島・西(左から2人目)=カシマサッカースタジアム(撮影・福島範和)


前半、ドリブルする鹿島・鈴木=カシマサッカースタジアム(撮影・福島範和)


“神様の力”は絶大!ジーコ御前で鹿島白星、終了間際に西が値千金弾(6)
試合前、鹿島のテクニカルディレクターに就任し、サポーターに挨拶するジーコ氏=カシマサッカースタジアム(撮影・福島範和)


鹿島 西“ジーコ魂”AT弾!3戦ぶり白星、暫定6位浮上
明治安田生命J1第20節 鹿島1-0清水 ( 2018年8月5日 カシマ )


<鹿島・清水>後半アディショナルタイム、西(中央)がゴール(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ


 鹿島は土壇場の決勝点で1―0と清水に勝ち越し、3試合ぶりの勝利を挙げた。後半アディショナルタイムにDF西大伍(30)が今季初得点となる決勝点をマーク。16年ぶりにテクニカルディレクター(TD)に就任したジーコ氏が見守る前で、貪欲に勝利を追求する“ジーコ・スピリット”を示した。また、2位のFC東京は神戸に勝ち、ドローの首位・広島との勝ち点差を5に縮めた。

 諦めない“ジーコ魂”が根付いていることを示すゴールだった。0―0の後半アディショナルタイム(AT)。MF永木がFKを蹴り、移籍後初出場のDFチョンスンヒョンが頭で折り返すと、右から西が右足で決勝ゴール。30歳は「僕が点を取ったけど(全員で)やり続けた結果」とうなずいた。

 ジーコ氏が16年ぶりにTDとしてクラブに帰還。会場3階から“神様”が見守った試合は順調に進まなかった。試合直前にGK権純泰(クォンスンテ)が負傷するアクシデント。FC東京戦から先発6人を替えてフレッシュなメンバーで臨んだが、攻撃は停滞した。守備では2度もポスト直撃のシュートを浴びた。

 3試合連続白星なし…と思われた最終盤に訪れた歓喜の瞬間。「レフェリーがホイッスルを鳴らすまで諦めずにプレーするという、単純で当たり前のことをただやっただけ。信じ続けて、やり続けた選手と現場の皆さんを称えたい」。選手一人一人と握手を交わしたジーコTDは満足そうな笑顔を浮かべた。

 創生期のクラブに勝利の大切さ、タイトルの重み、日々全霊を尽くすことの重要性を植え付けたレジェンド。「僕は特別なことを植え付けたわけじゃない。ごく当たり前のことを一生懸命全身全霊を懸けて必死でやるのは、どの職業でも同じ」と説く。順位は9位から暫定6位に浮上。勝利を目指すという「当たり前」を貫いた先には、20冠目のタイトルも見えてくる。


ピッチに登場したジーコTDはサポーターの「ジーココール」に迎えられる(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ


[ 2018年8月6日 05:30 ]

【鹿島】ジーコ魂1勝 執念のロスタイム弾!「全力尽くしたものが必ず報われることを示した」
2018年8月6日6時0分 スポーツ報知


試合前にピッチに出てファンにあいさつした鹿島・ジーコTD

 ◆明治安田生命J1リーグ第20節 鹿島―清水(5日・カシマ)

 鹿島はテクニカルディレクター(TD)に就任したクラブOBで元日本代表監督のジーコ氏(65)の帯同初戦で、DF西大伍(30)が後半ロスタイムに決勝点。「ジーコ・スピリット」を体現する粘りで清水を1―0で下し暫定6位に浮上した。首位・広島は湘南に2―2で引き分け。2位・F東京は神戸を1―0で下し勝ち点5差に接近した。1試合消化の少ない3位・川崎はFW小林悠(31)が2得点でクラブ日本人最多の通算86得点。横浜Mを2―0で下した。

 0―0の後半ロスタイム。ファーサイドからの折り返しにDF西が飛び込む。同時に相手選手2人だけでなく、背後のDF内田とも動きが重なる、ボール1つの落下地点を巡る大混戦。それでも西の右足は確実にボールを捉えた。「どれだけ我慢できるかだと。みんなが最後までやり続けた」と充実感に満ちた表情で語った。

 試合開始前にGK権が負傷し欠場。FW鈴木にボールが集まらず攻撃の組み立てに苦戦し、中盤はMFレオシルバの孤軍奮闘状態。相手シュートはポストを2度たたいた。それでも最後の笛が鳴るまで必死に攻め続けた。勝利への執念。スタンドから見守ったジーコTDは「全力を尽くした者は必ず報われることが示された」とたたえた。

 「ジーコ・スピリットが薄らいできていると感じることがあった」。クラブ幹部はジーコTDの16年ぶり入閣の理由をこう説明した。昨季は終盤の大失速でV逸。今季も8強入りしているACLとの過密日程に苦しみリーグ戦9位。クラブはJ最多19冠を生んだ、勝利への執着心を取り戻す必要性を感じていた。

 試合前日の4日、合流したジーコTDはさっそく説いた。「『また次に頑張ろう』では気付けばキャリアが終わってしまう。きょう頑張るんだ」。DF内田が「原点に戻れる」、DF安西は「鹿島のエンブレムを背負う意味を考えさせられた」と話し言葉は選手の胸に突き刺さった。「見ての通り。単純で当たり前のことをやり続けた結果」とジーコTD。常勝軍団が伝統の勝負強さを取り戻した。(岡島 智哉)

J1鹿島辛勝、暫定6位に浮上
清水に1-0


鹿島-清水 後半ロスタイム 決勝ゴールを決め喜ぶ鹿島・西(22)=カシマスタジアム、菊地克仁撮影

明治安田J1第20節(5日・カシマスタジアムほか=9試合)鹿島は清水に1-0で辛勝し、3試合ぶりの白星となった。通算成績は8勝5分け7敗、勝ち点29で順位は暫定6位に浮上した。

鹿島は前半からボール支配率を高め、パスを小気味よくつないだ。後半は相手のシュートが2度ポストに当たるも無失点でしのいだ。すると46分、FKの折り返しを西が右足ボレーシュートで決めた。

首位の広島は湘南に終盤追い付かれて2-2で引き分けた。勝ち点は45。


ジーコ効果を前面に報じる各紙である。
ジーコの神通力にて勝利を掴み取ったと感じる者が多いことも事実であろう。
諦めぬ心をわずか1日で植え付けたように思う。
そのジーコTDは「主審が最後の笛を吹くまであきらめずにやるという、単純で当たり前のことをただやっただけであって、それを信じてやり続けた選手をたたえなければいけない」、「別に僕は特別なことを伝授、あるいは植え付けたわけではなく、ごく当たり前のこと。全力を尽くしてやった者というのは、必ず報われるということは、今日の試合でも示されたのではないかな」と試合後に語る。
その“当たり前”が難しい。
この試合の成功体験を刻み込み、一つ一つ勝利を積み重ねていきたい。
期待しておる。

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サッカーダイジェスト 清水戦寸評

【J1採点&寸評】鹿島 1-0 清水|MOMは攻守の汗かき役となったブラジル人ボランチ! 移籍後初先発の韓国代表CBも存在感
サッカーダイジェストWeb編集部
2018年08月06日


鹿島――スタメン6人を入れ替えるなかで守備陣が我慢強く対応


【警告】鹿島=小笠原(2分)、犬飼(36分) 清水=立田(11分)、ドウグラス(25分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】レオ・シルバ(鹿島)


[J1リーグ20節]鹿島1-0清水/8月5日/カシマ

【チーム採点・寸評】
鹿島 5.5
連戦の疲れを考慮し、試合前に負傷したGKクォン・スンテを含む6人を前節から入れ替えて臨戦。攻撃陣にキレはなく、清水のカウンターという脅威がある中で、守備は集中力を切らさずに我慢強く対応した。

【鹿島|採点・寸評】
GK
21 曽ケ端準 6
試合直前にクォン・スンテが負傷して突然の出番となったが、ベテランらしくしっかりと対応して無失点。

DF
22 西 大伍 6.5
持ち前の攻撃センスを発揮。18分には敵陣深くまで攻め込み相手に脅威を与え、終了間際には値千金の決勝弾。

5 チョン・スンヒョン 6.5
ワールドカップにも出場した韓国代表が移籍後初先発で実力を示した。空中戦に強く、精度の高い前線へのフィードパスも披露してみせた。

39 犬飼智也 6
決定機を作られながらも、身体を張った粘り強い守備で古巣の攻撃に対応。空中戦では存在感を示した。

32 安西幸輝 6
74分に積極的にシュートを放つ場面もあったが、それ以外のところでは無難なプレーに終始した。

MF
40 小笠原満男 5.5(66分OUT)
中盤の主導権争いに苦戦。後半は運動量が落ち、65分に安部と途中交代でベンチへと下がった。

MAN OF THE MATCH
4 レオ・シルバ 6.5
前半は攻守で存在感を発揮した。前線から最終ラインまで幅広く顔を出し、汗かき役となって勝利に貢献した。

鹿島――鈴木はシュート0本に終わるも好機を演出


鈴木はゴールこそなかったものの、前線で起点となった。写真:徳原隆元

MF
25 遠藤 康 5.5(86分OUT)
セットプレーでは精度の高いキックを披露したものの、全体的に見せ場はほとんどなかった。

6 永木亮太 6
定位置ではなかったが、不慣れなポジションで奮闘。安西の攻撃参加を促し、FKでは西の決勝弾の起点となった。

FW
14 金森健志 5(72分OUT)
今季初先発。16分には自らのボール奪取からチャンスを作ったが、これを逸した。以降、FWとしての役目果たせず。

9 鈴木優磨 6
42分にDFと接触して鼻を負傷。自身はシュート0本に終わったが、69分には金森の決定機を演出するなど、好機はつくった。

交代出場
MF
30 安部裕葵 5.5(66分IN)
前節FC東京戦では精彩を欠いた。ベンチに回った今節は途中出場となったが、見せ場は作れなかった。

FW
8 土居聖真 6(72分IN)
途中出場で、前線を活性化。左サイドを中心に、ドリブル突破で清水の牙城を切り崩そうと試みた。

DF
2 内田篤人 -(86分IN)
終盤の難しい時間帯での出場では、効果的な働きをみせることはできず。

監督
大岩 剛 5.5
連戦最終戦で疲労を考慮しターンオーバーで臨む。勝ちはしたが、連戦の中でこの策をとりたかった。

清水――前半のプレッシングは奏功するも後半は…

【チーム採点・寸評】
清水 5.5
「全体的にプレスを仕掛ける」という戦術は、相手シュートを2本に抑えた前半は奏功した。しかし、後半は一様に運動量が減り、鹿島の6本のシュートを被弾。状況をみての作戦遂行が望まれた。

【清水|採点・寸評】
GK
13 六反勇治 6
鹿島攻撃陣の不調も手伝って、大きな見せ場はなかった。失点は致し方なしだが、状況判断もよかっただけに残念。

DF
28 立田悠悟 5.5
安西の攻め上がりを警戒するあまり、自身の動きを自らセーブしてしまった。思い切ったプレーを欠いた。

3 ファン・ソッコ 5.5
機を見た攻撃参加からミドルシュートで得点を狙った。ただ、最後でチョン・スンヒョンに制空権を譲り、失点を許した。

4 フレイレ 5.5
視野広く大胆なサイドチェンジも見せた。タイトな守備で対人には強かったが、時折裏を取られる場面も。

25 松原 后 6
守備で後手に回る場面もあったが、後半には敵陣深くまで切れ込んでゴールを狙うなど、気概を見せた。

MF
10 白崎凌兵 5.5
16分、不用意にボールを奪われ、あわやの場面を招いてしまった。ポジショニングも悪く、改善の余地あり。

17 河井陽介 6
最終ラインまでの献身的な守備でも汗を流した。54分には相手の決定機を寸でのところで阻止し、失点を防いだ。

清水――北川、M・デュークのシュートがポストを直撃…

MF
30 金子翔太 5.5
15分、DFの急所を突く好パスで北川の決定機を演出。消える時間もあったので、安定感を増したいところ。

29 石毛秀樹 6(59分OUT)
開始4分、北川のクロスに合わせたヘディングシュートは枠に飛ばしたかったが、前半2本のシュートで攻撃をけん引した。

FW
23 北川航也 5.5(83分OUT)
15分の右足で狙った決定機は、枠を捉えたかった。後半も絶好機でポストを叩くなど、運にも見放された。

49 ドウグラス 5.5(72分OUT)
犬飼のマークに苦しみ、サイドに流れてしまう場面が散見。ゴール前で勝負し、FWとしての役割を果たしたい。

交代出場
MF
19 ミッチェル・デューク 6(59分IN)
59分からの出場で、結果を出そうと尽力。75分には強烈な右足を放ったが、右ポストに阻まれ頭を抱えた。

MF
15 兵働昭弘 5.5(83分IN)
終盤の失点の場面では、FKの折り返しに対して傍観者となってしまい、西に決勝点を献上した。

FW
18 長谷川悠 5.5(72分IN)
前線でボールを呼び込めず。パスが回らなければ、仕事を果たすのは困難。引き出す動きだしが欲しい。

監督
ヤン・ヨンソン 5.5
「サイドチェンジを効果的に使う」策は◎。だが、最終局面での具体的な形が見られず得点につながらなかった。フィニッシュのイメージを共有させたい。

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。


サッカーダイジェストによる清水戦の寸評である。
辛勝に少々厳しめの評価が並ぶ。
その中でレオ・シルバ、チョン・スンヒョン、西に高い評点が付けられた。
特にレオ・シルバにはMOMも与え、「前半は攻守で存在感を発揮した。前線から最終ラインまで幅広く顔を出し、汗かき役となって勝利に貢献した」と評す。
助っ人としての本領を発揮したと言えよう。
西は決勝点と完封と納得の評価。
そして、チョン・スンヒョンには、「ワールドカップにも出場した韓国代表が移籍後初先発で実力を示した。空中戦に強く、精度の高い前線へのフィードパスも披露してみせた」というコメントを与える。
CBは“格”で守るとかつてトニーニョ・セレーゾが語ったが、その格を示したと言って良い。
頼もしい助っ人が加わった。
今後の活躍が楽しみである。

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