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2007年を再現する方法

鹿島・小笠原満男が知っている「2007年を再現する方法」
2014.10.17
小室 功●文 text by Komuro Isao 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio


「4強」の主力が語る優勝争い(3)
鹿島アントラーズ・小笠原満男編

 7月12日、天皇杯2回戦で鹿島アントラーズはソニー仙台FC(JFL)に足元をすくわれた。
 ソニー仙台FCは格上相手に、腰が引けて自陣に引きこもってしまうような戦法を敷いてきたわけではなかった。アグレッシブに仕掛けていって、鹿島がその勢いを食い止めることができなかった。結局、鹿島は開始から28分までに2点のリードを許すまさかの展開。前半のうちに追いついたものの、最終的にPKで不覚をとった(2−2/PK1−2)。
 いや、「大失態」と言っても過言ではないだろう。
「常勝」をうたう鹿島にとって、3つ下のカテゴリーに属すソニー仙台FCに土をつけられるなど、やはりあってはならない。しかも、ホームのカシマスタジアムで、だ。


勝利のために黙々とプレイし、チームを引っ張る小笠原満男。

 誰よりも負けず嫌いのキャプテン・小笠原満男は、この結果に歯ぎしりし、人一倍責任を感じていた。翌日、緊急の全体ミーティングが行なわれ、普段は言葉より背中で語ることが多い”闘将”が、選手たちの前で重い口を開き、檄を飛ばした。

「今季は、ナビスコカップも、天皇杯も負けてしまったので、残るタイトルはJリーグしかない。こういう状況にしてしまったのは、自分たちの責任。鹿島を応援してくれる人たちのためにも(リーグ戦では)勝ち続けなければいけない。みんなで力を合わせて勝ち続けよう」
 鹿島は、Jクラブの中で最多の優勝回数(リーグ7回、ナビスコカップ5回、天皇杯4回)を誇り、どこよりも歓喜に酔いしれている。だがその裏では、不甲斐ない敗戦を繰り返し、それを巻き返しの原動力に変えてきた。そんな歴史が鹿島にはある。反発力、反骨心と表されるそのエネルギーが、このとき再び燃え上がった。
 結果、ソニー仙台FC戦以降、リーグ戦では7勝4分け2敗と、優勝争いに後れをとることなく、第27節(10月5日)終了時点で3位(勝ち点49)につけている。首位・浦和レッズ(勝ち点56)との勝ち点差は7。残り7試合での逆転優勝は、十分に射程圏内にある。
「追いかける側の自分らにできるのは、まず目の前の試合に向けていい準備をすること。それが終わったら、また次の試合。そうやって、ひとつひとつ勝っていくだけ」
 幾度となく修羅場をくぐり抜けてきただけあって、相変わらず泰然自若の小笠原。必要以上に見えを張ることもなければ、憂うこともない。
 逆転優勝へ向けて、チームの課題についてはどう見ているのだろうか。
「ちょっとしたことの積み重ねが大事。(試合ではボールを持った相手に)このくらい寄せておけばいいかな、とか、そういう感覚じゃなく、後ろの選手が守りやすいようにもう一歩、二歩、間合いを詰めてあげないと。ラスト5分とか10分とか、本当に苦しい時間帯になったとき、どこまで粘れるか。その辺がまだまだ物足りないというか、脆(もろ)いところがあるから、もっと改善していければ、と思う。いつも圧倒して勝ちたいけれど、簡単に勝てる試合などない。”ここ”という勝負どころを逃さないようにしないといけない」

 鹿島は、2007年に世紀の逆転劇を演じた成功体験がある。開幕から一度も首位に立つことはなかったものの、シーズンが深まるにしたがって調子を上げ、ひたひたと上位陣に迫った。そして最後は9連勝を飾って、第21節から首位をずっとキープしていた浦和を最終節で逆転。頂点に立った。
 実は、2007年と今季が、少し状況が似ている。第27節を終えた時点で、両シーズンの順位がともに、首位が浦和、2位がガンバ大阪、そして3位が鹿島。2007年は、第33節で首位の浦和と対戦して1−0と勝利。逆転優勝へ俄然勢いがついた。今季は、その直接対決が第30節(10月26日)に待っている。ここが、大きなヤマとなるのは明らかだ。もちろん、それまでに足踏みしているようでは、逆転優勝の可能性はしぼんでいく。
 小笠原は常日頃からこんなことを言っている。
「大詰めを迎えたからといって、急にがんばるのはおかしい。いつも、がんばっておかないとね。シーズンが開幕したときから、全部の試合が大事だし、オレはいつも大詰めだと思ってやっている。鹿島が勝ったらこうなって、上が負けたらこうなるとか、いちいち勝ち点なんか計算しないよ。(目の前の試合で)チームが勝つためにどうしたらいいか、そこを考えるだけ。だから、最後まで諦めないで戦う」
 2007年の第27節終了時点では、首位の浦和と鹿島との勝ち点差は10あった。それと比べれば、勝ち点7差の今季はより逆転優勝への期待が膨らむ。何かが起こるのではないか――そう思わせるだけの粘り強さが、鹿島にはある。




逆転優勝に向けたSportivaの小室氏の記事である。
小笠原満男の言葉を軸に2007年を引き合いに出しておる。
勝利を追求する鹿島の伝統で再び奇跡を起こしたい。
気持ちを込めてスタジアムに向かう。
勝利を信じておる。

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鹿島愛。
狂おしいほどの愛。
深い愛。
我が鹿島アントラーズが正義の名のもとに勝利を重ねますように。

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