今季二度目の対じは、一歩も引かない熱戦が繰り広げられそうだ
目の前の勝利は譲れない。「豊田スタ」での必勝戦
1試合未消化で暫定11位の名古屋が、ホームでの必勝を誓う。5月18日、Jリーグヤマザキナビスコカップが各地で行われた中、試合のなかったチームは、この一戦に照準を定めてきた。
直近の明治安田J1 1st第12節の甲府戦は2−2のドロー。終盤のパワープレーで2点のビハインドを追い付く執念を見せたものの、相手の堅いブロックを崩すことができなかった。小倉 隆史監督は「崩す関係性はまだまだ作れていないなと。その中でカウンターの一対一の対応、カバーリングを含め、そこで失点するのは大いに反省するところ」と、まだまだ課題が多いことを口にしている。
そのこともあってか、17日の練習では新たな試みが見られた。この日の紅白戦でトップ下に抜てきされたのは、数シーズンにわたってボランチを主戦場としてきた田口 泰士。もちろん決定事項ではなく、田口本人も「どこをやってもしっかりとチームに貢献しないといけない」と話しているが、「(ボランチより)1個前に出ているわけだから、ゴールを意識することも考えないといけない」とイメージを描く。高校時代には3トップの一角を務めていた背番号7。今節は新たなオプションが見られるかもしれない。
さらにこの日は、トヨタ自動車株式会社代表取締役社長で、名古屋の会長も兼ねる豊田 章男氏が約6年ぶりに練習場を来訪。4月に新設されたクラブハウスの視察と練習を見学した後、チームは激励の言葉を頂いている。
「いつかは絶対に結果が出てくるから、焦らずに心を1つにやってほしい。ただ、あまりこういうことは言わないんだけど、思いとしてはホームで負けてほしくないんですよ。地域に元気を与えるためにも、ホームで勝つチームになるよう、ぜひとも一緒に戦おうと言いましたね」
舞台はホームの豊田スタジアム。どんな時も勝利を追求する姿勢は変わらないものの、チームは「団結」を合言葉にあらためて身を引き締めている。
だが、対戦相手に迎える鹿島は、言うまでもなく強大な存在だ。4月6日のナビスコカップグループステージAグループ第3節で1−3の逆転負けを喫しているだけでなく、鹿島の状況が拍車を掛ける。5月18日に行われた同第5節で湘南に敗れた鹿島は、この試合で1つ目のタイトルが消滅。「常勝」をうたう鹿島イレブンは、この悔しさを大きなエネルギーに変えて臨んでくるだろう。
リーグ戦に関しては4試合負けがなく、3位につける鹿島。上位を追走したい今節は植田 直通がU-23日本代表に招集され、彼の不在時にセンターバックの穴を埋めた西 大伍をも出場停止で欠くだけに、まさに正念場の局面と言える。カップタイトルを失った直後の一戦で、メンバーの不在や、日程的なディスアドバンテージをどう乗り切るのか。石井 正忠監督にとっては腕の見せどころとなるだろう。
目の前の勝利に向けて団結する両者。ホームでの勝利を至上命令とする名古屋が前回対戦の雪辱を果たすか、それとも鹿島がこの苦境を乗り越えるか。今季二度目の対じは、一歩も引かない熱戦が繰り広げられそうだ。
[ 文:村本 裕太 ]

チンチロリン
「対戦相手に迎える鹿島は、言うまでもなく強大な存在」と評する名古屋担当の村本氏によるプレビューである。
名古屋視点に立つと、リーグ戦4戦無敗、ナビスコ杯ではホームにて逆転負けを喫した鹿島は非常に怖い相手に映る様子。
しかしながら、鹿島としては、ここしばらくの試合内容や植田と西の不在で、強烈な攻撃陣を持つ名古屋に守備陣がどれだけ踏ん張れるか不安が募るところ。
逆にいえば、石井監督の手腕が問われるところ。
過密日程、主軸選手の欠場というハンデを覆す一手をどのように打つのであろうか。
采配に注目である。

チンチロリン
1試合未消化で暫定11位の名古屋が、ホームでの必勝を誓う。5月18日、Jリーグヤマザキナビスコカップが各地で行われた中、試合のなかったチームは、この一戦に照準を定めてきた。
直近の明治安田J1 1st第12節の甲府戦は2−2のドロー。終盤のパワープレーで2点のビハインドを追い付く執念を見せたものの、相手の堅いブロックを崩すことができなかった。小倉 隆史監督は「崩す関係性はまだまだ作れていないなと。その中でカウンターの一対一の対応、カバーリングを含め、そこで失点するのは大いに反省するところ」と、まだまだ課題が多いことを口にしている。
そのこともあってか、17日の練習では新たな試みが見られた。この日の紅白戦でトップ下に抜てきされたのは、数シーズンにわたってボランチを主戦場としてきた田口 泰士。もちろん決定事項ではなく、田口本人も「どこをやってもしっかりとチームに貢献しないといけない」と話しているが、「(ボランチより)1個前に出ているわけだから、ゴールを意識することも考えないといけない」とイメージを描く。高校時代には3トップの一角を務めていた背番号7。今節は新たなオプションが見られるかもしれない。
さらにこの日は、トヨタ自動車株式会社代表取締役社長で、名古屋の会長も兼ねる豊田 章男氏が約6年ぶりに練習場を来訪。4月に新設されたクラブハウスの視察と練習を見学した後、チームは激励の言葉を頂いている。
「いつかは絶対に結果が出てくるから、焦らずに心を1つにやってほしい。ただ、あまりこういうことは言わないんだけど、思いとしてはホームで負けてほしくないんですよ。地域に元気を与えるためにも、ホームで勝つチームになるよう、ぜひとも一緒に戦おうと言いましたね」
舞台はホームの豊田スタジアム。どんな時も勝利を追求する姿勢は変わらないものの、チームは「団結」を合言葉にあらためて身を引き締めている。
だが、対戦相手に迎える鹿島は、言うまでもなく強大な存在だ。4月6日のナビスコカップグループステージAグループ第3節で1−3の逆転負けを喫しているだけでなく、鹿島の状況が拍車を掛ける。5月18日に行われた同第5節で湘南に敗れた鹿島は、この試合で1つ目のタイトルが消滅。「常勝」をうたう鹿島イレブンは、この悔しさを大きなエネルギーに変えて臨んでくるだろう。
リーグ戦に関しては4試合負けがなく、3位につける鹿島。上位を追走したい今節は植田 直通がU-23日本代表に招集され、彼の不在時にセンターバックの穴を埋めた西 大伍をも出場停止で欠くだけに、まさに正念場の局面と言える。カップタイトルを失った直後の一戦で、メンバーの不在や、日程的なディスアドバンテージをどう乗り切るのか。石井 正忠監督にとっては腕の見せどころとなるだろう。
目の前の勝利に向けて団結する両者。ホームでの勝利を至上命令とする名古屋が前回対戦の雪辱を果たすか、それとも鹿島がこの苦境を乗り越えるか。今季二度目の対じは、一歩も引かない熱戦が繰り広げられそうだ。
[ 文:村本 裕太 ]

チンチロリン
「対戦相手に迎える鹿島は、言うまでもなく強大な存在」と評する名古屋担当の村本氏によるプレビューである。
名古屋視点に立つと、リーグ戦4戦無敗、ナビスコ杯ではホームにて逆転負けを喫した鹿島は非常に怖い相手に映る様子。
しかしながら、鹿島としては、ここしばらくの試合内容や植田と西の不在で、強烈な攻撃陣を持つ名古屋に守備陣がどれだけ踏ん張れるか不安が募るところ。
逆にいえば、石井監督の手腕が問われるところ。
過密日程、主軸選手の欠場というハンデを覆す一手をどのように打つのであろうか。
采配に注目である。

チンチロリン