岡山・岩政、潔くこの世界を去ろうと思っている
下剋上の立役者、FW赤嶺をDF岩政が称賛「真吾はなかなか点を取れなかったけど…」
16/11/27 21:31
[11.27 J1昇格プレーオフ準決勝 松本1-2岡山 松本]
引き分けすら許されない状況だった。スコアは1-1。残された時間はアディショナルタイムのみ。まさに崖っぷちに追い込まれていた。しかし、ファジアーノ岡山の選手、スタッフ、そしてファン・サポーターは諦めなかった。そして、後半アディショナルタイムが2分を回ろうかというとき、状況を一変させる、あまりにも劇的な決勝点が生まれた――。
年間6位の岡山が逆転でプレーオフ決勝に進出するには年間3位の松本に勝つしかなかったが、リーグ戦終盤の第35節からの8試合で白星はなく(4分4敗)、決してチーム状態は良いとは言えなかった。しかし、FW赤嶺真吾は1つの試合を見て、気持ちを切り替えて大事な試合に臨んでいた。
その試合とは23日に行われたJ1のチャンピオンシップ準決勝。年間3位の鹿島が年間2位の川崎Fを1-0で下し、浦和の待つ決勝進出を決めた試合だった。「厳しい状況の鹿島が川崎Fに勝ちました。気持ちの面で自分たちも切り替え、アウェーで難しい試合だけど最後まで皆で戦おうと思っていた」。
下剋上を狙う岡山は、前半23分に先制点を奪取する。自陣深い位置からMF三村真が蹴り出したロングフィードに対して走り込んだ赤嶺が、「声が聞こえたし、場所も何となく分かったので、後ろにそらした」と右サイドを駆け上がるFW押谷祐樹を見逃さずにボールを送ると、押谷がPA外から右足のシュートでネットを揺らす。
後半29分にはセットプレーから失点して同点に追い付かれ、一時は準決勝敗退という立場に置かれたものの、気持ちが折れることはない。終盤にはDF岩政大樹を前線に上げたパワープレーに打って出ると、後半アディショナルタイムに「大樹さんも上がってきたし、(藤本)佳希にトヨ(豊川雄太)と前に圧力を掛けられる選手がいたので、チャンスが来ると信じて待っていた」と、チームメイトを信じた赤嶺の下へとボールが届けられる。
中盤のMF矢島慎也が前線に浮き球のパスを送ると、相手選手に競り勝った豊川がヘディングで中央に落とす。「トヨに入ったときから、あのスペースを狙っていた」と走り込んだ赤嶺が左足ダイレクトで合わせてネットを揺らした。勝利を手繰り寄せるだけでなく、チームをプレーオフ決勝へと導く、あまりにも劇的な決勝点が生まれた。
「ゴールを決めた瞬間にベンチの選手やスタッフと喜べたし、本当に良かった。また勢いを持って来週の試合に臨みたい」
勝利の立役者は安堵の表情を浮かべ、キャプテンマークを巻く岩政は赤嶺の働きを称賛する。「こういう試合では、1年間頑張ったけど、なかなか結果が出なかった選手が結果を出すもの。真吾は1年間体を張り続けながらも、なかなか点を取れなかった。でも、その中でもケガをせずに1年間頑張り続けた。真吾が抜け出した時点で、ゴールを決めると思った」。今季41試合出場4得点。第26節北九州戦以降ゴールから遠ざかっていた点取り屋だが、勝利だけが必要な大事な試合で1ゴール1アシストと結果を残し、自身の存在価値を改めて証明してみせた。
(取材・文 折戸岳彦)
岡山の奇跡!赤嶺後半ロスタイムV弾でJ1王手
[2016年11月28日7時48分 紙面から]
<J1昇格プレーオフ:松本1-2岡山>◇準決勝◇27日◇松本
レギュラーシーズン6位の岡山が悲願のJ1昇格に王手をかけた。敵地で3位の松本を2-1で破り、決勝に進出した。前半23分にFW押谷祐樹(27)が先制点を挙げ、同点の後半ロスタイムにFW赤嶺真吾(32)が勝ち越し弾を決めた。昇格の最後の1枠をかけ、12月4日の決勝(金鳥ス)で3年ぶりのJ1復帰を目指すC大阪と激突する。
険しい鬼退治の道を1つ進んだ。桃太郎で有名な岡山が、引き分けなら規定で敗退する準決勝を乗り越え、決勝へ進んだ。イレブンは抱き合って喜んだが、まだ鬼ケ島への道半ば。キジ、サル、イヌを連れて戦った桃太郎ばりに選手を束ねる長沢監督は「諦めない姿は見せたが、まだ何も成し遂げていない」と初のJ1昇格へ気を引き締めた。
松本に乗り込んだ約1200人のサポーターが恒例の「桃太郎チャント」を歌って出迎えると、鬼退治一行は前半23分に先制した。自陣からの浮き球を赤嶺が頭でそらし、抜け出した押谷は、キジがくちばしで鬼を刺すような鋭いシュートでゴールを射抜いた。
1-1の後半ロスタイムは、赤嶺がとどめを刺した。守勢に回って少ない好機の中、ロングパスを受けるとGKの目前でワンタッチでコースを変えるシュート。得点への鋭い嗅覚がイヌに重なる? 赤嶺は「このワンゴールを決めるためにやってきた。決められてうれしい」と喜んだ。
J2参入8季目で初出場したPOでつかんだ昇格王手。鹿島で数々のタイトルを手にしてきた元日本代表DF岩政は「昇格をやり遂げたらサッカー人生でやることはない。岡山をJ1に上げ、潔くこの世界を去る」と、サッカー界を「サル覚悟」を示した。押谷は「セレッソが鬼かは分からないけど、僕らも桃太郎みたいに力強いストーリーを描けたら」。岡山にとっての鬼ケ島となる決勝で、次なる鬼、C大阪を倒して宝物を持ち帰る。【成田光季】
◆ファジアーノ岡山 J1神戸の母体である川崎製鉄水島OBらで結成したリバーフリーキッカーズが03年に現名称に変更。ファジアーノはイタリア語でキジの意味。岡山県の県鳥で、桃太郎伝説でキジが鬼退治をしたことにちなむ。08年JFL昇格、09年からJ2。ホームタウンは岡山市を中心とした岡山県全域。2軍にあたる岡山ネクストはJFLに所属。本拠地はシティライトスタジアム(2万人収容)。
◆J1昇格プレーオフ J2の3~6位でJ1昇格の3枠目を争う(1、2位は自動昇格)。各1試合のトーナメント制で、3位対6位、4位対5位で準決勝を行い、勝者が決勝に進出。会場は準決勝と決勝ともに年間上位クラブのホーム。試合方式は90分間の試合を行い、準決勝および決勝ともに引き分けの場合は年間順位の優位性を確保するため年間上位クラブを勝者とする。
岡山 J1初昇格王手!赤嶺 ロスタイム千金ゴール
J1昇格プレーオフ準決勝 岡山2―1松本 (11月27日 松本)
準決勝が行われ、初のJ1昇格を目指す岡山(リーグ戦6位)はアウェーで松本(同3位)に2―1で勝利。後半ロスタイムにFW赤嶺真吾(32)が決勝弾を決めた。3年ぶりのJ1復帰を狙うC大阪(同4位)はホームで京都(同5位)に1―1で引き分け。年間順位が上位のため2年連続の決勝に駒を進めた。決勝は12月4日、金鳥スタジアムで行われる。
最後にドラマが待っていた。1―1で突入した後半ロスタイム。矢島の浮き球のパスがゴール前に上がった瞬間、赤嶺がペナルティーエリア内に突進した。「前に圧力をかけられていたので、必ず最後にチャンスが来ると信じていた」。豊川の頭を経由したボールに反応すると、飛び出してきたGKの動きを見極めて左足で流し込んだ。レギュラーシーズンの順位で下回るため、同点では敗退が決まる一戦。G大阪から期限付き移籍中のエースが土壇場で勝利を呼び込んだ。
前半23分に押谷の右足弾で先制。後半29分に同点とされたが、動揺はなかった。15年にタイ1部のテロ・サーサナから昇格請負人として加入した岩政は「終盤までイーブンでいくのが、最初のゲームプラン。そこに戻っただけ。残り5分になれば相手が下がりチャンスは来ると思っていた」と証言。鹿島で国内7冠、タイでリーグ制覇を経験した主将を中心に粘り強く守り、ラスト5分のパワープレーで仕留める狙い通りの展開だった。リーグ戦のラスト8試合は4分け4敗と白星なし。大失速でレギュラーシーズンを終えて、守備から試合に入る原点に返れたこともプラスに働いた。
シーズン前のサバイバル合宿がクラブ恒例行事。雪山登山や無人島合宿など過酷メニューで心身を鍛え、諦めない気持ちを培った。この試合のシュート数は相手の19を下回る10。就任2年目の長沢監督は「苦しい時も良い時もブレずにやり続ける。絶対に諦めないのがファジアーノ(岡山)のDNA」と胸を張り「まだ何も成し遂げていない」と4度、繰り返した。初のJ1昇格へ。終了間際の劇弾で勢いに乗るチームには下克上を果たす気配が漂っている。
[ 2016年11月28日 05:30 ]
【岡山】松本に劇的勝利…岩政「次勝たなければ、今日の勝利は意味がない」
2016年11月27日21時20分 スポーツ報知
◆J1昇格プレーオフ準決勝 松本1―2岡山 (27日、松本平広域公園総合球技場)
勝てると思っていた。後半ロスタイムに引き分けでは敗退という地獄から、天国にのし上がった岡山。ディフェンスリーダーの34歳、岩政は勝利の笛に不敵に笑った。「鹿島を離れてこの3年間、鹿島の成績と僕の(所属チームの)成績はリンクしている。流れ的には今日勝つんだろうって思ってた。追いつかれた時は『あれ?おかしいな』と思いましたけど」。1―1でロスタイムに突入しても慌てることはなかった。23日のJリーグチャンピオンシップ、川崎―鹿島戦(等々力)を見て、年間順位で下で、自らがかつてプレーした鹿島が勝つのを見て、「自分たちも勝てる」という気持ちになった。
1―1の終盤、松本は逃げ切りを図り、長身のFW三島を投入してきた。だが、岩政は三島をマークするのではなく、三島に自らをマークさせる選択肢を選んだ。「三島君が入って来て、僕が下がってる方が、(三島が)前に残られるだろうって思った。相手(三島)を下げさせて、ゴール前でごちゃごちゃさせて、何か起こることが大事だった」と、岩政は前線に上がった。前で制空権を握り、得点を生み出すためだ。そのジャブは効いてきて、最後の最後に矢島―豊川―赤嶺のラインで決勝点は生まれた。
東京学芸大から2004年に鹿島入りし、14年にはタイ・プレミアリーグのテロ・サーサナでプレーし、2015年に岡山入りした。「僕はJ1をとることができて、タイでもタイトルを取った。ここで上(J1)に上げれたら、潔くこの世界を去ろうと思っている」という言葉まで飛び出した。チームをJ1に上げ、再び岡山の一員としてプレーし、引退することを希望している。「次勝たなければ、今日の勝利は意味がない」と次も熱くプレーする。
岡山は09年にJ2に参戦し、8年でJ1昇格へ王手をかけた。背番号35は決勝(12月4日)でもチームを勝利に導くはずだ。
【岡山】赤嶺、後半ロスタイム劇的決勝弾「最後の5分でチャンス来ると思っていた」
2016年11月27日21時33分 スポーツ報知
◆J1昇格プレーオフ準決勝 松本1―2岡山(27日、松本平広域公園総合球技場)
ずっと狙っていた。後半ロスタイムに入って2分近くたっていた。中央のMF矢島が左足ダイレクトで右にふると、途中出場のFW豊川が相手DFに競り勝つ。中央を抜け出したFW赤嶺は1対1に。飛び出してきたGKシュミットをあざ笑うかのように、左足で当てたボールはゴールへと吸い込まれていった。「GKの動きを冷静に見れた。最後5分でチャンスが来ると思っていた」と喜んだ。
6位の岡山は3位の松本と対戦。年間順位が下のため、引き分けなら敗退となる一戦だった。その一戦で値千金の決勝弾。そのゴールを見ていたDF岩政は「真吾(赤嶺)が1年間体を張り続けながら、点を(コンスタントに)取れなかった。けがせずに頑張り続けたのが(こういうところで)出るんですね」と後輩が躍動する姿にうれしさを感じた。
今季G大阪から期限付き移籍した赤嶺は32歳。F東京、仙台などでJ1を経験したストライカーだ。J1をよく知るストライカーは、決勝のC大阪も倒して、チームを初のJ1へ導く。
劇的勝利でJ1昇格PO決勝に勝ち上がった岡山である。
先制するも、追いつかれ、このままではレギュレーション上敗退が決まるアディショナルタイムに決勝弾が決まった。
パワープレイにて岩政も上がっておったが、競り勝ったのは豊川で会った。
技ありヘディングアシストで要理に貢献しておる。
この勝利で、次戦、セレッソに勝利すれば、悲願のJ1昇格が決まる。
岩政は決勝弾を決めた赤嶺を賞賛しながらも、次勝たなければ、今日の勝利は意味がない」と気を引き締める。
この言葉は鹿島にて培ったメンタルと言えよう。
是非とも成し遂げて欲しいところ。
しかしながら、「昇格をやり遂げたらサッカー人生でやることはない。岡山をJ1に上げ、潔くこの世界を去る」とも語っており、引退を示唆しておる。
それは熟考して欲しいところ。
我らとしては、岩政が守る岡山との対戦を望んでおるのだ。
とはいえ、試合直後のコメントを鵜呑みにしても仕方があるまい。
次戦・セレッソ戦での結果が大事である。
注目したい。

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16/11/27 21:31
[11.27 J1昇格プレーオフ準決勝 松本1-2岡山 松本]
引き分けすら許されない状況だった。スコアは1-1。残された時間はアディショナルタイムのみ。まさに崖っぷちに追い込まれていた。しかし、ファジアーノ岡山の選手、スタッフ、そしてファン・サポーターは諦めなかった。そして、後半アディショナルタイムが2分を回ろうかというとき、状況を一変させる、あまりにも劇的な決勝点が生まれた――。
年間6位の岡山が逆転でプレーオフ決勝に進出するには年間3位の松本に勝つしかなかったが、リーグ戦終盤の第35節からの8試合で白星はなく(4分4敗)、決してチーム状態は良いとは言えなかった。しかし、FW赤嶺真吾は1つの試合を見て、気持ちを切り替えて大事な試合に臨んでいた。
その試合とは23日に行われたJ1のチャンピオンシップ準決勝。年間3位の鹿島が年間2位の川崎Fを1-0で下し、浦和の待つ決勝進出を決めた試合だった。「厳しい状況の鹿島が川崎Fに勝ちました。気持ちの面で自分たちも切り替え、アウェーで難しい試合だけど最後まで皆で戦おうと思っていた」。
下剋上を狙う岡山は、前半23分に先制点を奪取する。自陣深い位置からMF三村真が蹴り出したロングフィードに対して走り込んだ赤嶺が、「声が聞こえたし、場所も何となく分かったので、後ろにそらした」と右サイドを駆け上がるFW押谷祐樹を見逃さずにボールを送ると、押谷がPA外から右足のシュートでネットを揺らす。
後半29分にはセットプレーから失点して同点に追い付かれ、一時は準決勝敗退という立場に置かれたものの、気持ちが折れることはない。終盤にはDF岩政大樹を前線に上げたパワープレーに打って出ると、後半アディショナルタイムに「大樹さんも上がってきたし、(藤本)佳希にトヨ(豊川雄太)と前に圧力を掛けられる選手がいたので、チャンスが来ると信じて待っていた」と、チームメイトを信じた赤嶺の下へとボールが届けられる。
中盤のMF矢島慎也が前線に浮き球のパスを送ると、相手選手に競り勝った豊川がヘディングで中央に落とす。「トヨに入ったときから、あのスペースを狙っていた」と走り込んだ赤嶺が左足ダイレクトで合わせてネットを揺らした。勝利を手繰り寄せるだけでなく、チームをプレーオフ決勝へと導く、あまりにも劇的な決勝点が生まれた。
「ゴールを決めた瞬間にベンチの選手やスタッフと喜べたし、本当に良かった。また勢いを持って来週の試合に臨みたい」
勝利の立役者は安堵の表情を浮かべ、キャプテンマークを巻く岩政は赤嶺の働きを称賛する。「こういう試合では、1年間頑張ったけど、なかなか結果が出なかった選手が結果を出すもの。真吾は1年間体を張り続けながらも、なかなか点を取れなかった。でも、その中でもケガをせずに1年間頑張り続けた。真吾が抜け出した時点で、ゴールを決めると思った」。今季41試合出場4得点。第26節北九州戦以降ゴールから遠ざかっていた点取り屋だが、勝利だけが必要な大事な試合で1ゴール1アシストと結果を残し、自身の存在価値を改めて証明してみせた。
(取材・文 折戸岳彦)
岡山の奇跡!赤嶺後半ロスタイムV弾でJ1王手
[2016年11月28日7時48分 紙面から]
<J1昇格プレーオフ:松本1-2岡山>◇準決勝◇27日◇松本
レギュラーシーズン6位の岡山が悲願のJ1昇格に王手をかけた。敵地で3位の松本を2-1で破り、決勝に進出した。前半23分にFW押谷祐樹(27)が先制点を挙げ、同点の後半ロスタイムにFW赤嶺真吾(32)が勝ち越し弾を決めた。昇格の最後の1枠をかけ、12月4日の決勝(金鳥ス)で3年ぶりのJ1復帰を目指すC大阪と激突する。
険しい鬼退治の道を1つ進んだ。桃太郎で有名な岡山が、引き分けなら規定で敗退する準決勝を乗り越え、決勝へ進んだ。イレブンは抱き合って喜んだが、まだ鬼ケ島への道半ば。キジ、サル、イヌを連れて戦った桃太郎ばりに選手を束ねる長沢監督は「諦めない姿は見せたが、まだ何も成し遂げていない」と初のJ1昇格へ気を引き締めた。
松本に乗り込んだ約1200人のサポーターが恒例の「桃太郎チャント」を歌って出迎えると、鬼退治一行は前半23分に先制した。自陣からの浮き球を赤嶺が頭でそらし、抜け出した押谷は、キジがくちばしで鬼を刺すような鋭いシュートでゴールを射抜いた。
1-1の後半ロスタイムは、赤嶺がとどめを刺した。守勢に回って少ない好機の中、ロングパスを受けるとGKの目前でワンタッチでコースを変えるシュート。得点への鋭い嗅覚がイヌに重なる? 赤嶺は「このワンゴールを決めるためにやってきた。決められてうれしい」と喜んだ。
J2参入8季目で初出場したPOでつかんだ昇格王手。鹿島で数々のタイトルを手にしてきた元日本代表DF岩政は「昇格をやり遂げたらサッカー人生でやることはない。岡山をJ1に上げ、潔くこの世界を去る」と、サッカー界を「サル覚悟」を示した。押谷は「セレッソが鬼かは分からないけど、僕らも桃太郎みたいに力強いストーリーを描けたら」。岡山にとっての鬼ケ島となる決勝で、次なる鬼、C大阪を倒して宝物を持ち帰る。【成田光季】
◆ファジアーノ岡山 J1神戸の母体である川崎製鉄水島OBらで結成したリバーフリーキッカーズが03年に現名称に変更。ファジアーノはイタリア語でキジの意味。岡山県の県鳥で、桃太郎伝説でキジが鬼退治をしたことにちなむ。08年JFL昇格、09年からJ2。ホームタウンは岡山市を中心とした岡山県全域。2軍にあたる岡山ネクストはJFLに所属。本拠地はシティライトスタジアム(2万人収容)。
◆J1昇格プレーオフ J2の3~6位でJ1昇格の3枠目を争う(1、2位は自動昇格)。各1試合のトーナメント制で、3位対6位、4位対5位で準決勝を行い、勝者が決勝に進出。会場は準決勝と決勝ともに年間上位クラブのホーム。試合方式は90分間の試合を行い、準決勝および決勝ともに引き分けの場合は年間順位の優位性を確保するため年間上位クラブを勝者とする。
岡山 J1初昇格王手!赤嶺 ロスタイム千金ゴール
J1昇格プレーオフ準決勝 岡山2―1松本 (11月27日 松本)
準決勝が行われ、初のJ1昇格を目指す岡山(リーグ戦6位)はアウェーで松本(同3位)に2―1で勝利。後半ロスタイムにFW赤嶺真吾(32)が決勝弾を決めた。3年ぶりのJ1復帰を狙うC大阪(同4位)はホームで京都(同5位)に1―1で引き分け。年間順位が上位のため2年連続の決勝に駒を進めた。決勝は12月4日、金鳥スタジアムで行われる。
最後にドラマが待っていた。1―1で突入した後半ロスタイム。矢島の浮き球のパスがゴール前に上がった瞬間、赤嶺がペナルティーエリア内に突進した。「前に圧力をかけられていたので、必ず最後にチャンスが来ると信じていた」。豊川の頭を経由したボールに反応すると、飛び出してきたGKの動きを見極めて左足で流し込んだ。レギュラーシーズンの順位で下回るため、同点では敗退が決まる一戦。G大阪から期限付き移籍中のエースが土壇場で勝利を呼び込んだ。
前半23分に押谷の右足弾で先制。後半29分に同点とされたが、動揺はなかった。15年にタイ1部のテロ・サーサナから昇格請負人として加入した岩政は「終盤までイーブンでいくのが、最初のゲームプラン。そこに戻っただけ。残り5分になれば相手が下がりチャンスは来ると思っていた」と証言。鹿島で国内7冠、タイでリーグ制覇を経験した主将を中心に粘り強く守り、ラスト5分のパワープレーで仕留める狙い通りの展開だった。リーグ戦のラスト8試合は4分け4敗と白星なし。大失速でレギュラーシーズンを終えて、守備から試合に入る原点に返れたこともプラスに働いた。
シーズン前のサバイバル合宿がクラブ恒例行事。雪山登山や無人島合宿など過酷メニューで心身を鍛え、諦めない気持ちを培った。この試合のシュート数は相手の19を下回る10。就任2年目の長沢監督は「苦しい時も良い時もブレずにやり続ける。絶対に諦めないのがファジアーノ(岡山)のDNA」と胸を張り「まだ何も成し遂げていない」と4度、繰り返した。初のJ1昇格へ。終了間際の劇弾で勢いに乗るチームには下克上を果たす気配が漂っている。
[ 2016年11月28日 05:30 ]
【岡山】松本に劇的勝利…岩政「次勝たなければ、今日の勝利は意味がない」
2016年11月27日21時20分 スポーツ報知
◆J1昇格プレーオフ準決勝 松本1―2岡山 (27日、松本平広域公園総合球技場)
勝てると思っていた。後半ロスタイムに引き分けでは敗退という地獄から、天国にのし上がった岡山。ディフェンスリーダーの34歳、岩政は勝利の笛に不敵に笑った。「鹿島を離れてこの3年間、鹿島の成績と僕の(所属チームの)成績はリンクしている。流れ的には今日勝つんだろうって思ってた。追いつかれた時は『あれ?おかしいな』と思いましたけど」。1―1でロスタイムに突入しても慌てることはなかった。23日のJリーグチャンピオンシップ、川崎―鹿島戦(等々力)を見て、年間順位で下で、自らがかつてプレーした鹿島が勝つのを見て、「自分たちも勝てる」という気持ちになった。
1―1の終盤、松本は逃げ切りを図り、長身のFW三島を投入してきた。だが、岩政は三島をマークするのではなく、三島に自らをマークさせる選択肢を選んだ。「三島君が入って来て、僕が下がってる方が、(三島が)前に残られるだろうって思った。相手(三島)を下げさせて、ゴール前でごちゃごちゃさせて、何か起こることが大事だった」と、岩政は前線に上がった。前で制空権を握り、得点を生み出すためだ。そのジャブは効いてきて、最後の最後に矢島―豊川―赤嶺のラインで決勝点は生まれた。
東京学芸大から2004年に鹿島入りし、14年にはタイ・プレミアリーグのテロ・サーサナでプレーし、2015年に岡山入りした。「僕はJ1をとることができて、タイでもタイトルを取った。ここで上(J1)に上げれたら、潔くこの世界を去ろうと思っている」という言葉まで飛び出した。チームをJ1に上げ、再び岡山の一員としてプレーし、引退することを希望している。「次勝たなければ、今日の勝利は意味がない」と次も熱くプレーする。
岡山は09年にJ2に参戦し、8年でJ1昇格へ王手をかけた。背番号35は決勝(12月4日)でもチームを勝利に導くはずだ。
【岡山】赤嶺、後半ロスタイム劇的決勝弾「最後の5分でチャンス来ると思っていた」
2016年11月27日21時33分 スポーツ報知
◆J1昇格プレーオフ準決勝 松本1―2岡山(27日、松本平広域公園総合球技場)
ずっと狙っていた。後半ロスタイムに入って2分近くたっていた。中央のMF矢島が左足ダイレクトで右にふると、途中出場のFW豊川が相手DFに競り勝つ。中央を抜け出したFW赤嶺は1対1に。飛び出してきたGKシュミットをあざ笑うかのように、左足で当てたボールはゴールへと吸い込まれていった。「GKの動きを冷静に見れた。最後5分でチャンスが来ると思っていた」と喜んだ。
6位の岡山は3位の松本と対戦。年間順位が下のため、引き分けなら敗退となる一戦だった。その一戦で値千金の決勝弾。そのゴールを見ていたDF岩政は「真吾(赤嶺)が1年間体を張り続けながら、点を(コンスタントに)取れなかった。けがせずに頑張り続けたのが(こういうところで)出るんですね」と後輩が躍動する姿にうれしさを感じた。
今季G大阪から期限付き移籍した赤嶺は32歳。F東京、仙台などでJ1を経験したストライカーだ。J1をよく知るストライカーは、決勝のC大阪も倒して、チームを初のJ1へ導く。
劇的勝利でJ1昇格PO決勝に勝ち上がった岡山である。
先制するも、追いつかれ、このままではレギュレーション上敗退が決まるアディショナルタイムに決勝弾が決まった。
パワープレイにて岩政も上がっておったが、競り勝ったのは豊川で会った。
技ありヘディングアシストで要理に貢献しておる。
この勝利で、次戦、セレッソに勝利すれば、悲願のJ1昇格が決まる。
岩政は決勝弾を決めた赤嶺を賞賛しながらも、次勝たなければ、今日の勝利は意味がない」と気を引き締める。
この言葉は鹿島にて培ったメンタルと言えよう。
是非とも成し遂げて欲しいところ。
しかしながら、「昇格をやり遂げたらサッカー人生でやることはない。岡山をJ1に上げ、潔くこの世界を去る」とも語っており、引退を示唆しておる。
それは熟考して欲しいところ。
我らとしては、岩政が守る岡山との対戦を望んでおるのだ。
とはいえ、試合直後のコメントを鵜呑みにしても仕方があるまい。
次戦・セレッソ戦での結果が大事である。
注目したい。

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コメントの投稿
No title
どちらも鹿島ファミリーが活躍するクラブですが、鹿島と同じくリーグ戦順位が下の岡山になんとなく感情移入してみていました。
岩政には岡山にJ1の戦いを教えてから引退を検討してもらいたい。
これで去ってしまっては、例年のPO勝者クラブ同様に一年でJ1を去る可能性大です。
それに聖地で鹿島サポが待っていますから。
岩政には岡山にJ1の戦いを教えてから引退を検討してもらいたい。
これで去ってしまっては、例年のPO勝者クラブ同様に一年でJ1を去る可能性大です。
それに聖地で鹿島サポが待っていますから。