常勝軍団の真髄をここぞというところで発揮してくるに違いない
年間1位の浦和か、勝負強さの鹿島か。2016J1王者を決めるチャンピオンシップの行方は?
Text by 元川 悦子
11月23日の準決勝でJ1年間2位の川崎フロンターレを破った鹿島アントラーズがファイナルに勝ち上がった2016年Jリーグチャンピオンシップ(CS)。その鹿島とJ1年間勝ち点トップの浦和レッズが29日と12月3日にいよいよファイナルを戦う。その勝者が12月8日から始まるFIFAクラブワールドカップ(FCWC)に参戦する。それだけに、両者ともにモチベーションは非常に高いはずだ。
準決勝の川崎対鹿島戦は1試合だったため、引き分けの場合は年間順位上位の川崎が勝者となるルールだったが、決勝は2試合の得失点差、アウェーゴール数が年間順位より優先される。浦和にしてみれば、鹿島スタジアムでの第1戦でゴールを奪って勝てば、かなり有利な状況に立てるのだ。逆に鹿島はホームでの第1戦を0-0以上の結果で終えることができれば、第2戦は1点以上取って勝つか、1-1以上の引き分けでもいい。それだけ第1戦の戦い方が大きな意味を持つのだ。
23日に川崎との熱戦を1-0で制している鹿島は、いい実戦感覚をそのまま大一番に持ち込むことができる。曽ケ端準、昌子源ら守備陣は堅守に自信を深めているし、特に完全復活したエース・金崎夢生を軸とした攻撃陣も勢いに乗っている。こうした面々を過去10冠以上に関わってきた大ベテラン・小笠原満男がしっかりと統率し、常勝軍団らしい緊張感と集中力を維持してくるはずだ。川崎戦で金崎と最前線に陣取った土居聖真が「鹿島は一発勝負に圧倒的な強さを誇るチーム。全ての高いが一発勝負だったらいいくらい」と語っていたが、CSのような大会は得意中の得意と言っても過言ではない。常勝軍団の真髄をここぞというところで発揮してくるに違いない。
その鹿島に比べると、浦和は公式戦から遠ざかっている分、実戦感覚の面でやや不安がつきまとう。彼らは11月3日のJ1第2ステージ最終節、横浜F・マリノス戦の後、12日の天皇杯ラウンド16・川崎戦を戦ったが、延長・PK戦の末に苦杯。そこから2週間以上のインターバルを経て、鹿島戦に挑まなければならないのだ。
「マリノス戦からだいぶ時間が空いたので、ミシャ(ペトロヴィッチ)監督も実戦感覚の意識づけをしようとかなり気合が入っている。天皇杯に敗退したことで逆に危機感が生まれているし、しっかりとした入りをすることが大事だと思う」と第1戦を3日後に控えた26日の練習後、槙野智章も強調していたが、試合の入り方を間違ってしまうと致命的な状況に陥らないとも限らない。鹿島を勢いに乗らせないようなスタートダッシュが肝要だろう。
そのうえで、まず考えなければならないのが守備。「川崎戦を見ましたけど、川崎の方がいいサッカーをしていたけど、鹿島はワンチャンスを決め切って勝った」と槙野が言えば、同じ最終ラインに陣取る遠藤航も「鹿島は強烈な個を生かしたカウンターが一番の武器。ボールを動かされるところと、奪いに行くところをハッキリさせていかないとスキを突かれてしまう。ブロックを作るのか、前から行くのかという守備のメリハリをつけながら戦うことが大事」とポイントを明確にしていた。
川崎戦で技ありヘッドを叩き込んだエース・金崎封じについても「クサビに対する動きにしっかりとついていくことと、スペースランニングへの対応を確実にして、最終的に点を取られないことを考えていきたい」と遠藤は自らに言い聞かせるように話していた。こうした要点をチームン全体として意識しながら堅守を貫くことができれば、年間勝ち点1位のチームらしい戦いができるだろう。
26日の実戦形式では、GK西川周作、DF森脇良太、遠藤、槙野、右サイド・駒井善成、左サイド・宇賀神友弥、ボランチ・阿部勇樹、柏木陽介、2シャドウ・李忠成、武藤雄樹、1トップ・興梠慎三という顔ぶれが主力組に入っていた。右サイドに関してはケガ明けの関根貴大が入る可能性もあるが、このイレブンがベースになるのは間違いない。ペトロヴィッチ監督が最も信頼を寄せる面々が悲願のJ1タイトル、FCWC出場権獲得を果たせるか否か。そこは非常に興味深いところだ。
今季の浦和はこれまでの勝負弱さをようやく乗り越え、JリーグルヴァンカップとJ1第2ステージを制覇し、年間1位も獲得した。その真価が問われるのが今回のCSと言っても過言ではない。常勝軍団・鹿島を本当に叩き、頂点に上り詰めることができれば、浦和は新たな領域に達することができる。そこに注目しながらまずは第1戦を見たい。
CSのプレビューを綴ったJSPORTSの元川女史である。
「常勝軍団の真髄をここぞというところで発揮してくるに違いない」と評する。
今の鹿島はチームの一体感を感じる。
どのような敵が来ても打ち勝つ強さを持っておるのではなかろうか。
強大で邪悪なる浦和を、知略の全てを集結して倒そうではないか。
勝利を信じておる。

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Text by 元川 悦子
11月23日の準決勝でJ1年間2位の川崎フロンターレを破った鹿島アントラーズがファイナルに勝ち上がった2016年Jリーグチャンピオンシップ(CS)。その鹿島とJ1年間勝ち点トップの浦和レッズが29日と12月3日にいよいよファイナルを戦う。その勝者が12月8日から始まるFIFAクラブワールドカップ(FCWC)に参戦する。それだけに、両者ともにモチベーションは非常に高いはずだ。
準決勝の川崎対鹿島戦は1試合だったため、引き分けの場合は年間順位上位の川崎が勝者となるルールだったが、決勝は2試合の得失点差、アウェーゴール数が年間順位より優先される。浦和にしてみれば、鹿島スタジアムでの第1戦でゴールを奪って勝てば、かなり有利な状況に立てるのだ。逆に鹿島はホームでの第1戦を0-0以上の結果で終えることができれば、第2戦は1点以上取って勝つか、1-1以上の引き分けでもいい。それだけ第1戦の戦い方が大きな意味を持つのだ。
23日に川崎との熱戦を1-0で制している鹿島は、いい実戦感覚をそのまま大一番に持ち込むことができる。曽ケ端準、昌子源ら守備陣は堅守に自信を深めているし、特に完全復活したエース・金崎夢生を軸とした攻撃陣も勢いに乗っている。こうした面々を過去10冠以上に関わってきた大ベテラン・小笠原満男がしっかりと統率し、常勝軍団らしい緊張感と集中力を維持してくるはずだ。川崎戦で金崎と最前線に陣取った土居聖真が「鹿島は一発勝負に圧倒的な強さを誇るチーム。全ての高いが一発勝負だったらいいくらい」と語っていたが、CSのような大会は得意中の得意と言っても過言ではない。常勝軍団の真髄をここぞというところで発揮してくるに違いない。
その鹿島に比べると、浦和は公式戦から遠ざかっている分、実戦感覚の面でやや不安がつきまとう。彼らは11月3日のJ1第2ステージ最終節、横浜F・マリノス戦の後、12日の天皇杯ラウンド16・川崎戦を戦ったが、延長・PK戦の末に苦杯。そこから2週間以上のインターバルを経て、鹿島戦に挑まなければならないのだ。
「マリノス戦からだいぶ時間が空いたので、ミシャ(ペトロヴィッチ)監督も実戦感覚の意識づけをしようとかなり気合が入っている。天皇杯に敗退したことで逆に危機感が生まれているし、しっかりとした入りをすることが大事だと思う」と第1戦を3日後に控えた26日の練習後、槙野智章も強調していたが、試合の入り方を間違ってしまうと致命的な状況に陥らないとも限らない。鹿島を勢いに乗らせないようなスタートダッシュが肝要だろう。
そのうえで、まず考えなければならないのが守備。「川崎戦を見ましたけど、川崎の方がいいサッカーをしていたけど、鹿島はワンチャンスを決め切って勝った」と槙野が言えば、同じ最終ラインに陣取る遠藤航も「鹿島は強烈な個を生かしたカウンターが一番の武器。ボールを動かされるところと、奪いに行くところをハッキリさせていかないとスキを突かれてしまう。ブロックを作るのか、前から行くのかという守備のメリハリをつけながら戦うことが大事」とポイントを明確にしていた。
川崎戦で技ありヘッドを叩き込んだエース・金崎封じについても「クサビに対する動きにしっかりとついていくことと、スペースランニングへの対応を確実にして、最終的に点を取られないことを考えていきたい」と遠藤は自らに言い聞かせるように話していた。こうした要点をチームン全体として意識しながら堅守を貫くことができれば、年間勝ち点1位のチームらしい戦いができるだろう。
26日の実戦形式では、GK西川周作、DF森脇良太、遠藤、槙野、右サイド・駒井善成、左サイド・宇賀神友弥、ボランチ・阿部勇樹、柏木陽介、2シャドウ・李忠成、武藤雄樹、1トップ・興梠慎三という顔ぶれが主力組に入っていた。右サイドに関してはケガ明けの関根貴大が入る可能性もあるが、このイレブンがベースになるのは間違いない。ペトロヴィッチ監督が最も信頼を寄せる面々が悲願のJ1タイトル、FCWC出場権獲得を果たせるか否か。そこは非常に興味深いところだ。
今季の浦和はこれまでの勝負弱さをようやく乗り越え、JリーグルヴァンカップとJ1第2ステージを制覇し、年間1位も獲得した。その真価が問われるのが今回のCSと言っても過言ではない。常勝軍団・鹿島を本当に叩き、頂点に上り詰めることができれば、浦和は新たな領域に達することができる。そこに注目しながらまずは第1戦を見たい。
CSのプレビューを綴ったJSPORTSの元川女史である。
「常勝軍団の真髄をここぞというところで発揮してくるに違いない」と評する。
今の鹿島はチームの一体感を感じる。
どのような敵が来ても打ち勝つ強さを持っておるのではなかろうか。
強大で邪悪なる浦和を、知略の全てを集結して倒そうではないか。
勝利を信じておる。

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