CWCの鹿島の大活躍はJクラブの切磋琢磨を新しいステージにいざなってくれたと思っている
勝利のメンタリティー(山本昌邦)
鹿島を変貌させた「見られること」のエネルギー
2016/12/28 6:30
サッカーを通して人間の力を感じさせてくれる試合だった。力を出し尽くしたからこそ見えてきたものがある試合だった。そして選手やチームが成長する過程で「注目を浴びる」ということは、やはり大切な要素だなと思わせてくれる試合だった。Jリーグ王者の鹿島アントラーズが欧州王者のレアル・マドリードから「あわや」の金星をもぎ取りかけた、クラブワールドカップ(CWC)決勝のことである。

クラブW杯決勝でレアルに敗れ、肩を落とす柴崎(右端)ら鹿島イレブン=共同
サッカーの場合、日本代表の試合に比べると、Jクラブ絡みの戦いが高視聴率をたたき出すことは最近、ほとんどなかった。それが、鹿島とレアルの決勝は関東地区で平均視聴率26.8%、瞬間最高視聴率は36.8%を記録。普段はサッカーに関心をそれほど持たない層も巻き込んだから、このような数字をたたき出せたのだろう。前身のトヨタカップの時代からCWCを放送し続けてきた日本テレビも喜んでいることだろう。一生懸命サッカーの発展に尽くしてきたら最後にすごい褒美があったという感じだろうか。
■選手に残った経験という財産
興奮の余韻は18日の決勝が終わった後もなかなか冷めなかったようだ。翌日テレビを見たら、お昼のワイドショーでも鹿島の頑張りが褒めたたえられていた。海外の反響も大きく、レアルから2ゴールを奪った柴崎は日本という枠を越え、今や世界で一番有名な日本人のサッカー選手になった感があった。スポーツは日本や郷土への誇りを喚起し、自然に一体感を醸成する特性がある。選手には「自分たちを代表して戦ってくれている」と見る者に思わせる力がある。
選手もすごい経験をしたと思う。おそらく、サッカー選手として、この上ない幸せを感じた瞬間があったと思う。負けたことで、その喜びや興奮は一瞬で消え去ったかもしれないが、自分では気づかなくても、確実に財産として残ったものがある。経験という財産だ。
鹿島は国内で最も多くタイトルを持つクラブだが、その18冠とともに今回の準優勝を加えてもいいだろう。CWCでクラブの伝統をさらに太くした鹿島は、この先10年は、周りのJクラブが簡単には追いつけないほどの、目に見えないアドバンテージを手にした気がする。それだけの歴史をつくったし、それだけのものを背負ったクラブならではの強み、すごみをこれから帯びていく気がするのだ。
11月23日の川崎とのJリーグチャンピオンシップ準決勝から12月18日のレアルとのCWC決勝までの間、鹿島は世間の注目をどんどん集める存在になっていった。その範囲も日本から世界的規模へと拡大。発信することで注目され、周りからのリアクションの多さが心のエネルギーになり、自分に火がついて伸びていく。売れるにしたがってどんどんきれいになっていく女優さんなんかと構造は同じだろう。注目されるから、見せることのプロにどんどんなっていくというか。この冬の鹿島の急激な変貌は、私に「見られること」が生み出すエネルギーの大きさを改めて教えてくれた。
日本では、ややもすると個人が注目されたり目立ったりするのはチームにとってマイナスという風潮がある。あまりに若いうちからチヤホヤされて天狗(てんぐ)になるのは確かにいただけない。が、慎みの度が過ぎて、何事も目立たずに無難にやり過ごすのが一番という考えになっては客商売は成り立たない。仮にマスメディアに変な取り上げ方をされたとしても、何も興味を示されないよりはよほどいい。「見せる」「見られる」ことをなりわいとする我々には、それくらいの割り切りも時に必要なのではないか。
■ロナルドというトップランナー
鹿島相手にハットトリックを決め、レアルの優勝に貢献した大黒柱のクリスティアノ・ロナルドは、そういう考え方のトップランナーという気がする。常に周りの視線を意識し、世間の関心の対象であり続けようとする。代償として、ほんの数試合、点が取れないだけで「限界説」を唱えられる厳しい立場に身を置くことになるが、注目されない寂しさよりはよほどいい。そういう厳しさに自分を置くから、決勝のような大舞台でハットトリックができる、という言い方もできるのではないか。
CWCの鹿島に話を戻すと、長距離の移動はなく、気候やピッチの条件に慣れているといったホームアドバンテージの大きさを感じた。レアルはある意味でワールドカップ(W杯)に優勝する国より強いチームである。そういう強敵でもこちらにいい状況が整っていれば、対等に戦える可能性があることを鹿島は示してくれた。「日本代表でもないのにあそこまで戦えるとは」と驚いた人がいたが、ジャイアントキリングを起こすには「名前」よりも、チームとしての一体感や役割分担がしっかりしていることの方が重要ということだろう。
開始早々にベンゼマに先制されたが、前半の途中から「このまま競っていけば、あるいは」と思わせた鹿島は大したものだった。したたかに隙をつく、粘るところは粘るという伝統の力をじわじわと発揮した。鹿島というクラブの「芯」というか「根っこ」をこしらえたジーコの薫陶が、ベテランの小笠原や曽ケ端を通して今に生きているのがすごい。
一人ひとりが最大限の仕事をする。やらないやつは許さない。どんな小さなことにも手を抜かない。そういう鹿島イズムの象徴として私がすごいと感心したのは、後半終了間際にセルヒオラモスがラフプレーで金崎を倒したときだった。曽ケ端が血相を変えてGKの持ち場を離れて全速力で主審に詰め寄ったのだ。2枚目のイエローカードを出せ、退場にしろ、というアピールだった。
あのシーンの曽ケ端の行動は試合がどんな状況にあろうとも、常に頭の中のどこかの部分は、相手のウイークポイントを探すために猛スピードで回転していることを示すものだった。どんな小さな弱みや綻びも見逃さず、見つけたときは全員でそこをめがけて殺到し、綻びを広げる。そういう集中力の持って行き方がベースとしてチームに備わっている。だから強い。鹿島の強さがなかなか世に伝わりにくいのは、いかに相手の動揺を誘うかという心と心の戦いにたけた部分が大きいからだ。駆け引きが上手な、ある意味で“日本人離れ”したチームなのである。
システムがどう、戦術がどう、とかいう「形」ではなく、クラブに根付いた「思想」で勝負する鹿島。監督や選手が入れ替わっても、どうしてそんなことが可能かというと、クラブの要所にOBを配していることが大きいのだと思う。石井監督がそうだし、経験を積ませるために外に出していた元日本代表FWの柳沢も今はコーチとしてチームを支えている。現役時代にチームのために働いた人間はクラブに戻し、ジーコイズムの伝承者としての役割を担わせる。そういう配慮が本当に心憎い。
■レアルの個の力をグループで消す

レアルのベンゼマ(左)と競り合う昌子=共同
球際でレアルを楽にさせなかった。相手の個の力はグループで消した。日本代表のハリルホジッチ監督は選手に「デュエル(1対1)」に強くなれと要求する。そのこと自体は大切な指摘ではあるが、根本的にフィジカルの能力に彼我の差はあるから、プレスバックや横からパスコースを切りながらの接近戦を挑み、2人がかり、3人がかりで討ち取るやり方を鹿島は採った。プレスの集散の速さはピッチの中の選手の数は鹿島の方が多いと錯覚するくらいだった。
前線の金崎、土居の運動量も半端でなかった。FWが守備をさぼったらチンチンにされるぞという共通認識のもと、アクション、アクション、アクションの連続。レアルがパスをつないでくれるチームだったことで鹿島の連続的なプレスは余計にうまくはまった。
鹿島の若いCB、昌子と植田も大きな財産を手にしたことだろう。レアルの強力アタッカーと渡り合ったのだから、彼ら以上の経験をした日本人CBは他にいないことになる。日本代表はアラブ首長国連(UAE)のエース、O・アブドゥルラフマンにアジア最終予選で翻弄されたが、昌子や植田は「誰それ?」と言ってしまっても許されるくらいのレベルの経験をした。実績を上げた者にしか真のプライドは身につかないという意味で、今後の彼らの変貌が本当に楽しみである。
2得点の柴崎は、どんな状況でもぶれない技術の確かさを見せた。究極の緊張感の中でディフェンダーと駆け引きしながら陥れた2ゴール。眠っていた細胞が目覚めたというか、これからは国内やアジアレベルの試合では相手の動きがスローに見えて、精神的にも判断にも相当な余裕を持ってプレーできることになるだろう。
CWCの4試合は相当張り詰めた状態で戦った。それをずっと続けるのは不可能だから、どこかで落ちる時期は来る。それでも「自分はあそこまでやれた」という感覚は財産として残るので、落ちたとしてもまたそこにチャレンジする気になる。そのトライが伸びを生む。1年単位で考えた場合、鹿島の選手は皆、この先、とんでもなく伸びる可能性がある。
■世界で勝つための一つの方法論
鹿島の奮戦は他のJクラブを大いに刺激したことだろう。日本代表も刺激したかもしれない。W杯ロシア大会アジア最終予選で日本と争うサウジアラビアやオーストラリア、UAEがどんなに強いといってもレアルより強いわけはない。中国のクラブがどれだけ“爆買い補強”を続けようとレアルより強くなることはない。
鹿島はそんなレアルと、ほぼ日本人だけで戦い、五分の勝負を演じた。「アジアで勝つ」「世界で勝つ」ための一つの方法論を示した。やればできると。「うちのクラブは鹿島とは違うやり方でアジアを制し、世界で勝つ」というのならそれもよし。CWCの鹿島の大活躍はJクラブの切磋琢磨(せっさたくま)を新しいステージにいざなってくれたと思っている。
(サッカー解説者)
CWCに於けるレアル・マドリーとの決戦について記す日本経済新聞の山本昌邦氏である。
鹿島の経験、そして日本サッカー界に与えた大きな影響について述べる。
鹿島だから成し得たこと、そしてJクラブは追随せねばならぬこと、日本代表をも刺激したこと。
鹿島は世界に出た。
新しいステージを戦っていく。
一つ一つ目の前の試合に勝ち続けて。

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鹿島を変貌させた「見られること」のエネルギー
2016/12/28 6:30
サッカーを通して人間の力を感じさせてくれる試合だった。力を出し尽くしたからこそ見えてきたものがある試合だった。そして選手やチームが成長する過程で「注目を浴びる」ということは、やはり大切な要素だなと思わせてくれる試合だった。Jリーグ王者の鹿島アントラーズが欧州王者のレアル・マドリードから「あわや」の金星をもぎ取りかけた、クラブワールドカップ(CWC)決勝のことである。

クラブW杯決勝でレアルに敗れ、肩を落とす柴崎(右端)ら鹿島イレブン=共同
サッカーの場合、日本代表の試合に比べると、Jクラブ絡みの戦いが高視聴率をたたき出すことは最近、ほとんどなかった。それが、鹿島とレアルの決勝は関東地区で平均視聴率26.8%、瞬間最高視聴率は36.8%を記録。普段はサッカーに関心をそれほど持たない層も巻き込んだから、このような数字をたたき出せたのだろう。前身のトヨタカップの時代からCWCを放送し続けてきた日本テレビも喜んでいることだろう。一生懸命サッカーの発展に尽くしてきたら最後にすごい褒美があったという感じだろうか。
■選手に残った経験という財産
興奮の余韻は18日の決勝が終わった後もなかなか冷めなかったようだ。翌日テレビを見たら、お昼のワイドショーでも鹿島の頑張りが褒めたたえられていた。海外の反響も大きく、レアルから2ゴールを奪った柴崎は日本という枠を越え、今や世界で一番有名な日本人のサッカー選手になった感があった。スポーツは日本や郷土への誇りを喚起し、自然に一体感を醸成する特性がある。選手には「自分たちを代表して戦ってくれている」と見る者に思わせる力がある。
選手もすごい経験をしたと思う。おそらく、サッカー選手として、この上ない幸せを感じた瞬間があったと思う。負けたことで、その喜びや興奮は一瞬で消え去ったかもしれないが、自分では気づかなくても、確実に財産として残ったものがある。経験という財産だ。
鹿島は国内で最も多くタイトルを持つクラブだが、その18冠とともに今回の準優勝を加えてもいいだろう。CWCでクラブの伝統をさらに太くした鹿島は、この先10年は、周りのJクラブが簡単には追いつけないほどの、目に見えないアドバンテージを手にした気がする。それだけの歴史をつくったし、それだけのものを背負ったクラブならではの強み、すごみをこれから帯びていく気がするのだ。
11月23日の川崎とのJリーグチャンピオンシップ準決勝から12月18日のレアルとのCWC決勝までの間、鹿島は世間の注目をどんどん集める存在になっていった。その範囲も日本から世界的規模へと拡大。発信することで注目され、周りからのリアクションの多さが心のエネルギーになり、自分に火がついて伸びていく。売れるにしたがってどんどんきれいになっていく女優さんなんかと構造は同じだろう。注目されるから、見せることのプロにどんどんなっていくというか。この冬の鹿島の急激な変貌は、私に「見られること」が生み出すエネルギーの大きさを改めて教えてくれた。
日本では、ややもすると個人が注目されたり目立ったりするのはチームにとってマイナスという風潮がある。あまりに若いうちからチヤホヤされて天狗(てんぐ)になるのは確かにいただけない。が、慎みの度が過ぎて、何事も目立たずに無難にやり過ごすのが一番という考えになっては客商売は成り立たない。仮にマスメディアに変な取り上げ方をされたとしても、何も興味を示されないよりはよほどいい。「見せる」「見られる」ことをなりわいとする我々には、それくらいの割り切りも時に必要なのではないか。
■ロナルドというトップランナー
鹿島相手にハットトリックを決め、レアルの優勝に貢献した大黒柱のクリスティアノ・ロナルドは、そういう考え方のトップランナーという気がする。常に周りの視線を意識し、世間の関心の対象であり続けようとする。代償として、ほんの数試合、点が取れないだけで「限界説」を唱えられる厳しい立場に身を置くことになるが、注目されない寂しさよりはよほどいい。そういう厳しさに自分を置くから、決勝のような大舞台でハットトリックができる、という言い方もできるのではないか。
CWCの鹿島に話を戻すと、長距離の移動はなく、気候やピッチの条件に慣れているといったホームアドバンテージの大きさを感じた。レアルはある意味でワールドカップ(W杯)に優勝する国より強いチームである。そういう強敵でもこちらにいい状況が整っていれば、対等に戦える可能性があることを鹿島は示してくれた。「日本代表でもないのにあそこまで戦えるとは」と驚いた人がいたが、ジャイアントキリングを起こすには「名前」よりも、チームとしての一体感や役割分担がしっかりしていることの方が重要ということだろう。
開始早々にベンゼマに先制されたが、前半の途中から「このまま競っていけば、あるいは」と思わせた鹿島は大したものだった。したたかに隙をつく、粘るところは粘るという伝統の力をじわじわと発揮した。鹿島というクラブの「芯」というか「根っこ」をこしらえたジーコの薫陶が、ベテランの小笠原や曽ケ端を通して今に生きているのがすごい。
一人ひとりが最大限の仕事をする。やらないやつは許さない。どんな小さなことにも手を抜かない。そういう鹿島イズムの象徴として私がすごいと感心したのは、後半終了間際にセルヒオラモスがラフプレーで金崎を倒したときだった。曽ケ端が血相を変えてGKの持ち場を離れて全速力で主審に詰め寄ったのだ。2枚目のイエローカードを出せ、退場にしろ、というアピールだった。
あのシーンの曽ケ端の行動は試合がどんな状況にあろうとも、常に頭の中のどこかの部分は、相手のウイークポイントを探すために猛スピードで回転していることを示すものだった。どんな小さな弱みや綻びも見逃さず、見つけたときは全員でそこをめがけて殺到し、綻びを広げる。そういう集中力の持って行き方がベースとしてチームに備わっている。だから強い。鹿島の強さがなかなか世に伝わりにくいのは、いかに相手の動揺を誘うかという心と心の戦いにたけた部分が大きいからだ。駆け引きが上手な、ある意味で“日本人離れ”したチームなのである。
システムがどう、戦術がどう、とかいう「形」ではなく、クラブに根付いた「思想」で勝負する鹿島。監督や選手が入れ替わっても、どうしてそんなことが可能かというと、クラブの要所にOBを配していることが大きいのだと思う。石井監督がそうだし、経験を積ませるために外に出していた元日本代表FWの柳沢も今はコーチとしてチームを支えている。現役時代にチームのために働いた人間はクラブに戻し、ジーコイズムの伝承者としての役割を担わせる。そういう配慮が本当に心憎い。
■レアルの個の力をグループで消す

レアルのベンゼマ(左)と競り合う昌子=共同
球際でレアルを楽にさせなかった。相手の個の力はグループで消した。日本代表のハリルホジッチ監督は選手に「デュエル(1対1)」に強くなれと要求する。そのこと自体は大切な指摘ではあるが、根本的にフィジカルの能力に彼我の差はあるから、プレスバックや横からパスコースを切りながらの接近戦を挑み、2人がかり、3人がかりで討ち取るやり方を鹿島は採った。プレスの集散の速さはピッチの中の選手の数は鹿島の方が多いと錯覚するくらいだった。
前線の金崎、土居の運動量も半端でなかった。FWが守備をさぼったらチンチンにされるぞという共通認識のもと、アクション、アクション、アクションの連続。レアルがパスをつないでくれるチームだったことで鹿島の連続的なプレスは余計にうまくはまった。
鹿島の若いCB、昌子と植田も大きな財産を手にしたことだろう。レアルの強力アタッカーと渡り合ったのだから、彼ら以上の経験をした日本人CBは他にいないことになる。日本代表はアラブ首長国連(UAE)のエース、O・アブドゥルラフマンにアジア最終予選で翻弄されたが、昌子や植田は「誰それ?」と言ってしまっても許されるくらいのレベルの経験をした。実績を上げた者にしか真のプライドは身につかないという意味で、今後の彼らの変貌が本当に楽しみである。
2得点の柴崎は、どんな状況でもぶれない技術の確かさを見せた。究極の緊張感の中でディフェンダーと駆け引きしながら陥れた2ゴール。眠っていた細胞が目覚めたというか、これからは国内やアジアレベルの試合では相手の動きがスローに見えて、精神的にも判断にも相当な余裕を持ってプレーできることになるだろう。
CWCの4試合は相当張り詰めた状態で戦った。それをずっと続けるのは不可能だから、どこかで落ちる時期は来る。それでも「自分はあそこまでやれた」という感覚は財産として残るので、落ちたとしてもまたそこにチャレンジする気になる。そのトライが伸びを生む。1年単位で考えた場合、鹿島の選手は皆、この先、とんでもなく伸びる可能性がある。
■世界で勝つための一つの方法論
鹿島の奮戦は他のJクラブを大いに刺激したことだろう。日本代表も刺激したかもしれない。W杯ロシア大会アジア最終予選で日本と争うサウジアラビアやオーストラリア、UAEがどんなに強いといってもレアルより強いわけはない。中国のクラブがどれだけ“爆買い補強”を続けようとレアルより強くなることはない。
鹿島はそんなレアルと、ほぼ日本人だけで戦い、五分の勝負を演じた。「アジアで勝つ」「世界で勝つ」ための一つの方法論を示した。やればできると。「うちのクラブは鹿島とは違うやり方でアジアを制し、世界で勝つ」というのならそれもよし。CWCの鹿島の大活躍はJクラブの切磋琢磨(せっさたくま)を新しいステージにいざなってくれたと思っている。
(サッカー解説者)
CWCに於けるレアル・マドリーとの決戦について記す日本経済新聞の山本昌邦氏である。
鹿島の経験、そして日本サッカー界に与えた大きな影響について述べる。
鹿島だから成し得たこと、そしてJクラブは追随せねばならぬこと、日本代表をも刺激したこと。
鹿島は世界に出た。
新しいステージを戦っていく。
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山本さんが書かれた通り、アジアにレアルマドリードより強い代表、クラブチームは無いので
最終予選、ACL共に意識高く臨んで欲しいものです!
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読んでて目頭熱くなりました。
鹿島のサポーターで幸せです。
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