鹿島版「走るサッカー」
鹿島、走って「貯蓄」 J1、25日再開
2008年6月25日11時20分
Jヴィレッジでの合宿で走り込む小笠原(40)、田代(9)ら
W杯予選による中断を経て、25日の鹿島―大分、ガ大阪―京都で再開する。中断期間の活用法はリーグ戦の行方を左右するポイントの一つ。昨季王者の鹿島は過密日程をにらんで体力強化を再徹底し、6位からの巻き返しを図る。
「バモ(頑張れ)、バモ、シューチューウ(集中)」。9〜14日の福島・Jヴィレッジ合宿。オリベイラ監督の鼓舞はやまず、選手の顔はゆがみ続けた。1日2度の練習は砂地での走り込み、ほぼ1時間ぶっ続けのインターバル走など。選手は心拍数を測る腕時計を巻いており、手加減すれば、すぐにばれる。
「体力は貯金」。フィジカルコーチの経験が長いオリベイラ監督の信念だ。「だからこそ、この時期に体を追い込んでおく必要がある」。序盤戦はJ1とアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のかけ持ちで疲弊し、尻すぼみだった。今後は、さらに1次リーグを免除されたナビスコ杯も加わる。「想像を絶する連戦」(DF岩政)に備えた「貯蓄」が猛練習の意図だ。
ひたすら走らされても不満が出ないのは、成功体験があるからでもある。鹿島は昨季もアジア杯による7月の中断期間を走り込みに費やし、逆転優勝の下地を固めた。MF本山は「序盤戦でACLの長距離移動には慣れた。大きなけが人もなく合宿を乗り越え、今季の後半戦も『やれる』という自信ができた」。
ACLもナビスコ杯も決勝まで勝ち上がれば、リーグ戦を含めて残り33試合。冬には天皇杯もある。DF中田を補強したとはいえ決して選手層の厚くない鹿島が、現代サッカーを象徴する過酷な日程に立ち向かう。(中川文如)
どこかで聞いた「走るサッカー」の曖昧さとは異なり、走ってフィジカルを上げる「体力は貯金」は明確である。
上手い選手は走らないと決めつけた誰かとは別の方向で、巧い選手をスカウティングしてきて走らせているのだ。
これは誰かを否定しておるのではなく、クラブレベルでは代表とは異なって出来ることがあると言いたいだけである。
昨季我等は成功した、今季も同様に笑うのである。