相模原・川口、鈴木優磨はものすごくギラギラしていますよね

川口能活が語る韓流GKブーム。
「日本人との差は跳躍力と……」

posted2017/02/17 08:00

松本宣昭
Yoshiaki Matsumoto

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 Jのゴールマウスに“韓流ブーム”到来。2009年にセレッソ大阪のキム・ジンヒョンがブレイクして以来、じわりじわりと押し寄せていた韓国人GK増加の波が、ピークを迎えようとしている。

10人中7人が身長190cm超え、トップクラスがJに集う。

 18分の5。これは今季のJ1で韓国人GKが在籍しているクラブの数だ。内訳は、以下のとおり。

 コンサドーレ札幌:ク・ソンユン
 鹿島アントラーズ:クォン・スンテ
 川崎フロンターレ:チョン・ソンリョン
 セレッソ大阪:キム・ジンヒョン、アン・ジュンス
 ヴィッセル神戸:キム・スンギュ

 J2にまで視野を広げれば、その数はさらに増える。

 ザスパクサツ群馬:ハン・ホドン
 松本山雅FC:ゴ・ドンミン
 ファジアーノ岡山:イ・キョンテ
 愛媛FC:パク・ソンス

 総勢10人。数だけじゃない。10人中7人が身長190cmを超える大型GKで、J1所属選手に限れば、アン・ジュンスを除く全員が韓国A代表に招集された経験を持つ。質とサイズを備えたトップ・オブ・トップの韓国人GKが、Jリーグに集結しているというわけだ。

 では、なぜJクラブは貴重な外国人枠(アジア枠)を使って韓国人GKを獲得するのか。韓国人GKは、日本人GKと比べてどんなところが優れているのか。

 2月13日、その答えを探るべくJリーグ・キックオフカンファレンスに足を運んだ。ここでは各クラブがブースを設け、監督と主力選手の1人が取材に応じてくれる。

 目的地は、SC相模原のブース。

 そこには川口能活がいる。

 日本が誇るレジェンドGKは、韓流守護神たちのプレーをどう見ているのか。

相手を威圧し、味方を安心させる冷静さと闘争心。

 まず、川口が現代の韓国人GKの特徴として挙げたのが、“ギラギラ感”だ。

「絶対に止めてやるという、気迫や闘争心を感じますよね。この闘う気持ちは、GKにとって絶対に必要なものです。闘争心を見せることで、シュートを打つ側にもプレッシャーがかかる。それと同時に、味方の選手には安心感を与えるような雰囲気を醸し出すことも重要です。

 例えば川崎のチョン・ソンリョンは、冷静さと闘争心を併せ持っているといるように見えますし、日本人GKが見習うべきところだと思います。僕が期待しているのは、ギラギラ感のある日本人GKが登場すること。昨季ブレイクした鹿島の鈴木優磨は、ものすごくギラギラしていますよね。僕はああいう選手が活躍したことが、すごく嬉しかった。彼はFWですけど、“GK版・鈴木優磨”のような選手が、どんどん出てきてほしい」

シュートに対してワンステップで届く跳躍力がある。

 プレーの中身についてはどうだろうか。

「フィジカルに関しては、日本人GKよりも韓国人GKのほうが優れているように感じます。体の大きさや強さではなく、身体能力という意味でのフィジカルです。例えば韓国人GKには、シュートに対する跳躍力がある。厳しいコースにシュートを打たれても、ワンステップのジャンプで手が届く跳躍力を備えているからこそ、対応できる範囲が広いですよね。単純にパワーもあるから、キックの飛距離も出る」

 確かにチョン・ソンリョンやキム・ジンヒョンは、難しい体勢からでも相手最終ラインの背後までロングフィードを蹴ることができる。飛距離と滞空時間の長いボールだから、その間に味方は全体のラインを押し上げられる。

日本でも育成年代からフィジカルを鍛えるべき。

 キック時のパワーが、GKにとって貴重な武器ではあるのは間違いない。ただし、川口はもっと重要なことがあると説く。

「もちろんロングキックの飛距離が出れば、味方にとっては楽です。でも、たとえ飛距離が出なくても、それはチーム戦術によってカバーできる。例えば鹿島のソガ(曽ヶ端準)は、キックの飛距離はそれほど出ませんが、ロングフィードを蹴る場合には、チームとしてサイドへ蹴ることを徹底して、そこに空中戦の強い選手を置くことで解決していた。昨季、キックの飛距離だけを考えたら、鹿島はソガではなく櫛引(政敏)を使っていたはずですから。ソガにはキックの飛距離を補って余りある技術や経験があるし、鹿島はそれを優先したのだと思います。

 GKのベースとなるのは、この技術や経験、センスです。例えば190cm以上あるGKが、必ずしもハイボールに強いとは限らない。レアル・マドリーのケイロル・ナバスのように180cm台のGKでも、クロスを最高点でキャッチできる技術やセンスを備えていることのほうが、ハイボール処理では重要ですから。この細かなポジショニングやシュートストップの技術、センスに関しては、日本人GKと韓国人GKに大きな差はないと思います。だからこそ、日本でも育成年代からGKとしてのフィジカルを鍛えるようなトレーニングが必要なんじゃないかと思うんです。韓国人GKにできることが、体格の近い日本人GKにできないはずがありませんから」

「Kリーグでプレーしてみたい」と思っていたが……。

 川口は韓国人GKの能力を高く評価する一方で、危機感も抱いていた。ジュビロ磐田のカミンスキーを含めれば、J1の18クラブ中6クラブの正GKを外国人選手が務めることになる。それは日本人GKがトップカテゴリーの試合を経験できなくなることを意味する。

 実は韓国も、同じ問題に直面していた時期がある。川口が磐田時代、チームメイトのイ・グノに「俺も将来、チャンスがあればKリーグでプレーしてみたいな」と言うと、こう返された。

「韓国人としてその気持ちは嬉しいんですけど、残念ながらヨシカツさんはKリーグでプレーできないんです」

外国人GK登録禁止のレギュレーションを設けた。

 1990年代、Kリーグではソ連(タジキスタン)出身のGKヴァレリー・サリチェフが大活躍したことで、多くのクラブがロシア人選手に正GKの座を託すようになった。結果、韓国人GKのレベルが低下。この状況に危機感を抱いたリーグ側は、2009年から外国人GKの選手登録を禁止するレギュレーションに変更した。この環境下で育った韓国人GKが現在、Jリーグに大量流入しているというわけだ。

 このまま韓流GKが増え続ければ、日本がかつての韓国と同じ状況になる可能性もある。だから、川口はこう訴える。

「韓国では中学生の年代から各チームにGKコーチがいて、専門のトレーニングを受けている選手が多いと聞きます。日本もサッカー界全体のプロジェクトとして、GKを育てる環境をつくる必要があると思うんです」

“自由競争と保護主義”、日本はどっちを選択する?

 かつて、アーセナル(イングランド)のアーセン・ベンゲル監督は、こう語った。

「歴史的にも、素晴らしいGKを擁することなく何かを勝ち取ったチームは存在しない。私はこの仕事をして30年になるが、GKはサッカーで最も過小評価されたポジションでありながら、勝つために最も重要なポジションの1つだと学んできた」

 チームを勝たせるために、国籍を問わず優れた外国人GKを補強する。これは弱肉強食のサッカー界では、自然な流れだ。ただし、未来の日本代表のゴールマウスのことを考えれば、不安要素でもある。

 このまま“自由競争”の下、ギラギラ感とフィジカルを備える日本人GKの出現を待つべきか。Kリーグと同じく外国人GKの獲得を禁じる“保護主義”への転換によって、日本人GKにプレー機会を与えるべきか。

 近い将来、日本サッカー界の“GK政策”が問われることになる。


韓国人GK増加について相模原の川口に取材したNumberWebの松本氏である。
日本屈指の経験と実績のあるGKの含蓄は素晴らしい。
その川口から悠真の名が挙がる。
「鈴木優磨は、ものすごくギラギラしていますよね。僕はああいう選手が活躍したことが、すごく嬉しかった」と優磨の躍動を喜ぶ。
また、川口がGKとして、FWの優磨を評価していることに意味を感じさせられる。
外からの目からも優磨は高く評価されておる。
これからも更に成長してくれよう。
楽しみである。

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