リーグ連覇は安定した戦いができるかどうかに懸かっている
鹿島、かつてない充実の戦力、懸念材料はその起用法/2017J1全18クラブ戦力分析

新加入のブラジルトリオ(C)J.LEAGUE PHOTOS
©J.LEAGUE PHOTOS
2017/02/22 18:30:45
シーズン開幕を目前に控える明治安田生命J1リーグ。各クラブが新たな目標を掲げて迎える新シーズンの船出。果たしてその戦力はいかに? 全18クラブの番記者が、2017シーズンの展望を余すところなく記す。
Jリーグの厳しいリーグ戦を制すだけでなく、同時にAFCチャンピオンズリーグ優勝を果たすための戦力がそろった。かつてないほど充実した戦力で、鹿島アントラーズは2017年のスタートを迎える。
ベースになるのは昨季7年ぶりにリーグ制覇を果たした日本人選手たちだ。チームキャプテンであるMF小笠原満男に引っ張られていた選手たちは、少しずつ自覚とプライドを備えるようになり、シーズン終盤にはチームのために献身性を持ちながら自分の持ち味を発揮できる大人の選手へと成長を遂げていった。
リーグ戦を制した後も、FIFAクラブワールドカップで決勝に進出してレアル・マドリーと激闘を演じ、世界一のタイトルこそ逃したものの、さらにその自信を深めていく。その後の天皇杯全日本サッカー選手権大会は貫禄さえ漂わせ、国内タイトル2冠でシーズンを締めくくったのである。
シーズンオフに中心選手の1人であるMF柴崎岳が海外移籍を果たしたものの、そのほかの主力選手は全て残留させることに成功。その確固としたベースの上に適材適所の補強がなされたのだから期待感は自然と高まる。
FWには自らの得点だけでなくチャンスメイクに優れるペドロ・ジュニオールをヴィッセル神戸から獲得。前戦にカウンターの推進力と迫力を加えた。
中盤にはJリーグ屈指のボールハンターであるレオ・シルバがアルビレックス新潟から加入。石井正忠監督が志向する主導権を握る戦いには欠かせないキーマンとして、加入直後から抜群の存在感を示している。すでに、柴崎が抜けた穴を感じさせない。
2列目には技術に優れた元ブラジル代表のレアンドロを加え、層が薄かった2列目を分厚く変えた。また、長年補強の必要性が訴えられていたGKにも昨季アジアチャンピオンの全北現代からクォン・スンテを獲得。韓国代表GKの実力は高く、曽ヶ端準と激しいポジション争いが期待される。
さらに日本人選手でも的確な補強を実施。山本脩斗しかいなかった左サイドバックには左利きのスペシャリスト・三竿雄斗を湘南ベルマーレから獲得し、アタッカーとして福岡の金森健志を前線に加えた。
こうした補強により各ポジションに実力が伯仲する選手を2人以上そろえることに成功した。連戦となっても戦力を落とさず戦いきることが現実的に可能なメンバーがそろったと言える。
ただし、充実した戦力の起用法は難しい。出場選手が固定されていけば、そうでない選手の不満は強くなっていく。そうしたメンタル面をケアしながらクラブ全体が一致団結して戦えるかどうかが重要になるだろう。
また、オフが異例の短さだったことが1年間の中でどう影響してくるかが未知数だ。夏場の戦いで調子を落とすようなことがあると連覇は厳しくなる。リーグ連覇は安定した戦いができるかどうかに懸かっている。
文=田中滋
2017年シーズン鹿島の戦力分析を行うGOAL.comの田中滋氏である。
「補強により各ポジションに実力が伯仲する選手を2人以上そろえることに成功した」と評する。
しかしながら、「充実した戦力の起用法は難しい。出場選手が固定されていけば、そうでない選手の不満は強くなっていく」と懸念材料を挙げる。
メンタル面のケアは、監督に一任ではなくクラブ全体で行っていくこととなろう。
タイトルの為に、どのようなタスクも惜しむことなく献身的に行うことが求められる。
その先には大きな喜びが待っておろう。
また、短かったオフの影響がどのように出るのか。
そこに関しては心配しても始まらぬ。
強い気持ちで連覇を狙う。
楽しみである。

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2017/02/22 18:30:45
シーズン開幕を目前に控える明治安田生命J1リーグ。各クラブが新たな目標を掲げて迎える新シーズンの船出。果たしてその戦力はいかに? 全18クラブの番記者が、2017シーズンの展望を余すところなく記す。
Jリーグの厳しいリーグ戦を制すだけでなく、同時にAFCチャンピオンズリーグ優勝を果たすための戦力がそろった。かつてないほど充実した戦力で、鹿島アントラーズは2017年のスタートを迎える。
ベースになるのは昨季7年ぶりにリーグ制覇を果たした日本人選手たちだ。チームキャプテンであるMF小笠原満男に引っ張られていた選手たちは、少しずつ自覚とプライドを備えるようになり、シーズン終盤にはチームのために献身性を持ちながら自分の持ち味を発揮できる大人の選手へと成長を遂げていった。
リーグ戦を制した後も、FIFAクラブワールドカップで決勝に進出してレアル・マドリーと激闘を演じ、世界一のタイトルこそ逃したものの、さらにその自信を深めていく。その後の天皇杯全日本サッカー選手権大会は貫禄さえ漂わせ、国内タイトル2冠でシーズンを締めくくったのである。
シーズンオフに中心選手の1人であるMF柴崎岳が海外移籍を果たしたものの、そのほかの主力選手は全て残留させることに成功。その確固としたベースの上に適材適所の補強がなされたのだから期待感は自然と高まる。
FWには自らの得点だけでなくチャンスメイクに優れるペドロ・ジュニオールをヴィッセル神戸から獲得。前戦にカウンターの推進力と迫力を加えた。
中盤にはJリーグ屈指のボールハンターであるレオ・シルバがアルビレックス新潟から加入。石井正忠監督が志向する主導権を握る戦いには欠かせないキーマンとして、加入直後から抜群の存在感を示している。すでに、柴崎が抜けた穴を感じさせない。
2列目には技術に優れた元ブラジル代表のレアンドロを加え、層が薄かった2列目を分厚く変えた。また、長年補強の必要性が訴えられていたGKにも昨季アジアチャンピオンの全北現代からクォン・スンテを獲得。韓国代表GKの実力は高く、曽ヶ端準と激しいポジション争いが期待される。
さらに日本人選手でも的確な補強を実施。山本脩斗しかいなかった左サイドバックには左利きのスペシャリスト・三竿雄斗を湘南ベルマーレから獲得し、アタッカーとして福岡の金森健志を前線に加えた。
こうした補強により各ポジションに実力が伯仲する選手を2人以上そろえることに成功した。連戦となっても戦力を落とさず戦いきることが現実的に可能なメンバーがそろったと言える。
ただし、充実した戦力の起用法は難しい。出場選手が固定されていけば、そうでない選手の不満は強くなっていく。そうしたメンタル面をケアしながらクラブ全体が一致団結して戦えるかどうかが重要になるだろう。
また、オフが異例の短さだったことが1年間の中でどう影響してくるかが未知数だ。夏場の戦いで調子を落とすようなことがあると連覇は厳しくなる。リーグ連覇は安定した戦いができるかどうかに懸かっている。
文=田中滋
2017年シーズン鹿島の戦力分析を行うGOAL.comの田中滋氏である。
「補強により各ポジションに実力が伯仲する選手を2人以上そろえることに成功した」と評する。
しかしながら、「充実した戦力の起用法は難しい。出場選手が固定されていけば、そうでない選手の不満は強くなっていく」と懸念材料を挙げる。
メンタル面のケアは、監督に一任ではなくクラブ全体で行っていくこととなろう。
タイトルの為に、どのようなタスクも惜しむことなく献身的に行うことが求められる。
その先には大きな喜びが待っておろう。
また、短かったオフの影響がどのように出るのか。
そこに関しては心配しても始まらぬ。
強い気持ちで連覇を狙う。
楽しみである。

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