重要な局面で、背番号1は過ちを繰り返さなかった

【鹿島】絶体絶命のピンチを救ったクォン・スンテ。特筆すべきは“PKを止めた後”
広島由寛(サッカーダイジェスト)
2017年03月05日


守護神の頭をよぎったのは「ACLのアディショナルタイム」。


名手・曽ケ端をベンチに追いやり、ゴールマウスに立ち続けるクォン・スンテ。甲府戦のビッグセーブで、その地位をさらに確固たるものにした。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ2節]甲府0-1鹿島/3月4日/中銀スタ

 絶体絶命のピンチだった。

 1-0で迎えたアディショナルタイム、自陣エリア内で山本が甲府の道渕を倒してPKを献上してしまう。

 公式戦2連敗中の鹿島にとって、甲府戦は悪い流れを断ち切りたい試合だった。あと少しの辛抱で勝点3を手にできるのだが、今節もそれが叶わないのか……。

 結果的に、鹿島は1-0で久々の勝利を喜んだ。殊勲者はGKのクォン・スンテだ。ウイルソンのPKを完璧に読み切った守護神は、クラブの公式HPで次のように振り返る。

「ウイルソン選手のプレースタイルやパフォーマンスを90分間見て、飛ぶ方向を決めた。いろいろな駆け引きをしていたし、PKを蹴るまでに相手を混乱させるようなことを考えていた。ACLのアディショナルタイムが頭をよぎったので、絶対に止めてやろうと思った」

 4日前のACL2節のムアントン・ユナイテッド戦は、1-2の敗戦。1-1で迎えた90+4分に痛恨の失点を喫して悔しい想いをしたが、今回は最高の笑顔を試合後に見せていた。

 特筆すべきは、シュートをストップした後だ。

 両手で弾き、前方に転がるボールに誰よりも素早く反応して蹴り出したのは、クォン・スンテだった。

 思い出されるのは、FC東京との開幕戦だ。中島のミドルをセーブしたが、セカンドボールを味方の三竿雄がクリアし切れずに、オウンゴール。この1失点で敗北を喫した。2月21日のACL初戦・蔚山現代戦では、決定的なシュートを防ぎはしたが、キャッチできなかったボールが自陣ゴールに転がる。幸いにもポストに当たって事なきを得たが、「弾くところでミスがあった」と本人は反省を口にしている。

「もっとしっかりと弾いて、セカンドボールを詰められないような止め方をしなければ」

 重要な局面で、背番号1は過ちを繰り返さなかった。優れた反射神経や鋭い読みはさることながら、横に倒れながらのセーブからすぐに起き上がり、即座に次の動作に移るその運動能力の高さも、この守護神の凄さだ。

「試合をやればやるほど、身体もでき上がってくる。これからが本当に楽しみ。もっともっといける」

 蔚山現代戦後に語っていた言葉は本当だった。

文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)


クォン・スンテについて取材したサッカーダイジェストの広島氏である。
「両手で弾き、前方に転がるボールに誰よりも素早く反応して蹴り出したのは、クォン・スンテだった」と記す。
セーブだけで終わらず、蹴り出したからこその無失点である。
素晴らしいプレイであった。
「横に倒れながらのセーブからすぐに起き上がり、即座に次の動作に移るその運動能力の高さも、この守護神の凄さ」と広島氏が述べるように、アジアきってのGKが本領を発揮した。
連勝街道へのきっかけとなろう。
クリーンシートを続け、更に名を上げるのだ。
期待しておる。

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サッカー記者なら、起こったことをキチンと書いて欲しい。山本が道渕を倒したのではなく、道渕が山本に当たって倒れたと。
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