Jリーグは自らの首を絞めた

徹底的な排除は必要
差別に対する毅然としたリードとガイドライン

 浦和レッズ対鹿島アントラーズ戦で起こった差別発言疑惑騒動は、Jリーグ規律委員会によってビデオ検証に加え、浦和から嫌疑をかけられた本人の森脇、鹿島から小笠原が聴取を受けたが、「臭い」発言は認められたものの、その対象がレオ・シルバとは特定できなかったそうだ。結局、森脇選手には「侮辱」による2試合の出場停止処分の裁定が下され、幕が引かれようとしている。

 しかし、これで一件落着などとは到底言えたものではない。むしろ、この決着は多岐にわたって尾を引くのではなかろうか。もっと言えば、Jリーグは大きなミスを犯したと考えている。

 まず、規律委員会の検証の曖昧さを知らしめてしまった。ビデオでは確かに音声までは確認できず、だからこそ「臭い」という言葉が誰に向けられたかは分からないという判断に繋がったのだろうが、鼻を覆う動作は明らかにレオ・シルバに向けられていた。動作は時として言葉以上に雄弁である。まさか見落としたのだろうか。また、森脇、小笠原両選手だけの聴取も納得できない。レオ・シルバはもちろんのこと、森脇を必死に止めた那須や、騒動の輪にいた複数の選手から話を聞かなくては、真剣に事実を確認しようとする意識が欠如していると言われても仕方ない。なかでも那須はもっとも近くで当事者間の言動に接していた。呼んではマズい理由でもあったのか、と勘ぐりたくもなる不可解さである。

 規律委員会は、つまりJリーグは自らの首を絞めた。多くの人が万全とは思えない検証をし、灰色と感じる裁定を下したことで、信頼性と権威を欠いた。なかでも侮辱と差別の線を引くどころか、さらに不明確にしたのは罪深い。相手に言わなければ差別ではない。でも、騒動になったから侮辱。そんな線引きはやはりおかしい。

 さらには、「臭い」が侮辱なら、「クソったれ」や「チビ」はどうなのか。今後はそれらの言葉でも訴えられたら検証し、すべからず2試合出場停止になるのか。それとも「臭い」という言葉が特別に侮辱なのか。侮辱の定義もまた曖昧になってしまった。

 筆者は森脇に差別の意識があったとは思っていない。それは本人の言葉を信じるしかない。ただ、意識の如何に関係なく、今回の行為は差別的なものであるという裁定が必要であったと考える。小笠原に言ったにせよ、「臭い」という言葉を吐き、少しでもレオ・シルバに向く形で鼻を覆えば、それは差別と捉えられる事案ではないか。レオ・シルバが差別意識を感じ、傷ついたことが問題であり、不適切な言葉と行動は時として弁解できないことになると強く心に留めておく必要がある。そんなつもりじゃなかった、はもう効かない。Jリーグが真剣に差別と戦おうとするなら、徹底的に排除する姿勢を貫かなければならないはずだ。

 選手には受け入れられない意見かもしれない。ただ、“甘い”と見られる処分は長い目でみて選手にも良くないのでは、と思う。「灰色決着で助けられた選手」「運のいいヤツ」とずっと言われるかもしれない。いつまでも疑惑の目でみられ、レッテルを貼られてしまう。リーグが「意識の有無に関係なく、差別に該当する行為」と定義づけて処分し、選手もそれが差別に当たると肝に銘じ反省を誓ったうえで、その後の行動で意識がなかったことを証明していく流れを作らなければ、選手も救われないような気がする。

 誤解してもらいたくないのは、決して森脇はアウト、などと論点にしているわけではないということ。差別を語るには勉強不足だし、実際とても難しい問題だ。誰もが被害者にも加害者になる可能性もある。だからこそ、Jリーグには、また日本サッカー協会には毅然としたリードとガイドラインを求めるものである。

 Jリーグも森脇も、今回はミスを犯した。しかし、ミスはこれから挽回できる。一番いけないのは、一件落着と胸をなで下ろすことだ。根深い問題だけに、常に戦っていかなければならない。(山内雄司=スポーツライター)
[ 2017年5月12日 15:00 ]


浦和・森脇の差別発言問題について記すスポニチの山内氏である。
「Jリーグは大きなミスを犯した」と言う。
この問題は、侮辱として処理され、森脇の2試合出場停止という処分のみで沈静化が図られた。
「これで良かったのか?」という多大な声を聞くも、浦和というクラブには特に処分は下されず、グレーな判断がなされた。
山内氏は、「規律委員会は、つまりJリーグは自らの首を絞めた。多くの人が万全とは思えない検証をし、灰色と感じる裁定を下したことで、信頼性と権威を欠いた。なかでも侮辱と差別の線を引くどころか、さらに不明確にしたのは罪深い」と綴る。
このJリーグの犯した罪は大きい。
そして、「Jリーグが真剣に差別と戦おうとするなら、徹底的に排除する姿勢を貫かなければならない」と山内氏は続ける。
この判定で後退した日本サッカーを前に進めるために、Jリーグは変わらねばならぬ。
今後の良識を期待したい。

にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村


鹿島アントラーズ ブログランキングへ

コメントの投稿

非公開コメント

誰も浮かばれない結果になってしまったと思います。
クラブと小笠原選手が求めたのは処罰ではなく、差別行為の実態把握と再発防止にもかかわらず処罰で有耶無耶にしてしまった。
しかもレオシルバ選手は蚊帳の外
なんの為にわざわざ訴えたのか・・・

これだけ映像で残っていて素人でも確認出来ることをあえて検証しなかった
最初から結論ありきの裁定でしょう

カイオの時も何も動かなかった
どこまで人種差別集団をのさばらせるつもりなのか…

自分と同じ思いを持っている記者が、こういった記事を書いてくれて良かったです。
Jリーグは間違いなく今回の対応によって悪しき事例を作ったといえるでしょう。
Jリーグと事実を隠蔽したチーム、46番は同罪です。いずれ彼らは特大のしっぺ返しを食らうでしょう。自業自得です。

No title

差別行為といい、審判の資質といい、Jリーグは問題に対して真剣に向き合い、対策を講じる姿勢が見られない。幹部を一掃して出直すべき。

人種差別も特定チームの判定を優遇するのも、根本のマインドセットは一緒。今のJリーグに自浄作用を期待するのは無理かな。どんな組織も上がアホだとどうしようもない。

No title

きっとリーグは小笠原のヤツが余計なことを言いやがって、と迷惑がっているのでしょう。

今後は似た事例を訴えても調査しないし無駄だぞ、と回答をもらったようなものです。

腐っているのは浦和46だけでなく、浦和というクラブとJリーグも同類と証明されました。

偏った判定は審判団が原因でなくリーグ方針だったんですね。

こうなったら勝ちまくってやりましょう。
まずは明日、マチのリーグ戦デビュー濃厚な聖地に集合です。

No title

今になっても、森脇の処分を発表しただけで、Jリーグからは同様な事件の防止に関するコメントや措置が公表されていない。差別と判定しなかったからJリーグとしての対応は必要ないと判断したのか?
真摯に差別等の解消に取り組む姿勢はかけらもありません、と自ら言っているようだ。このままじっとしていれば、人の噂も何とやらで、騒ぎが沈静化すると思っているのだろう。
しかし、森脇事件は一旦は沈静化するとしても、今のようなJリーグや浦和の対応であれば、再び似たような事件が起きるだろう。そのときには、森脇事件が再度クローズアップされ、検証し直され如何に今回の対応が杜撰なものであったかと証明されるはずだ。

No title

そもそも浦和のサポに池沼が多すぎるからだろ

それが選手にも伝染するわけ()
プロフィール

Fundamentalism

Author:Fundamentalism
鹿島愛。
狂おしいほどの愛。
深い愛。
我が鹿島アントラーズが正義の名のもとに勝利を重ねますように。

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブログ内検索
RSSフィード
リンク