サッカーダイジェスト 甲府戦寸評
【J1採点&寸評】鹿島3-0甲府|エースの貫録を見せた金崎がMOM!キャプテンマークを巻いた昌子だったが…
志水麗鑑(サッカーダイジェスト)
2017年07月29日
鹿島――昌子はどこか浮足立っていた。

【警告】鹿島=西 甲府=小椋
【退場】鹿島=なし 甲府=なし
【MAN OF THE MATCH】金崎夢生(鹿島)
[J1リーグ19節]鹿島3-0甲府/7月29日/カシマ
【チーム採点・寸評】
鹿島 6.5
前半は相手の守備ブロックを崩せず苦戦した。しかし、後半開始早々に先制点を挙げると、相手が前がかりになったところを突いて2得点。満足できる内容ではなくても、3-0快勝は評価できる。
【鹿島|採点・寸評】
GK
21 曽ケ端準 6
相手の決定的なシュートは少なかった。昌子のミスにより最大のピンチになった、ドゥドゥとの1対1のセーブは評価できる。
DF
22 西 大伍 6
攻守で最低限のことはこなした。守備では巧みなポジショニングでピンチを未然に防ぐ。攻撃では中央寄りにポジションを取り、ボランチをサポートする場面も。
5 植田直通 5.5
鋭い読みでボールを奪うこともあったが、相手に入れ変わられるシーンも散見。少々粗さが残り、自信を持つ空中戦でも目測を誤ることがあった。
3 昌子 源 5
どこか浮足立っている印象で、集中力に欠いていた。77分には安易なボールロストでこの日最大の決定機を与え、評価は低調。
16 山本脩斗 6
徐々にポジションを上げて攻撃に関与すると、42分に土居のクロスにヘッドで合わせる。前半、最大のチャンスは惜しくもクロスバーに嫌われた。
MF
4 レオ・シルバ 6
中盤低い位置でボールを受けてゲームをコントロール。この男が持つとゲームが落ち着く。スルーパスやミドルシュートも見せたが、ゴールには繋がらず。
20 三竿健斗 6
目立った働きはないが、要所でのボール奪取は冴えていた。46分、金崎に縦パスを供給し、先制点の起点に。
11 レアンドロ 6.5
序盤から積極的にシュートを放つ。ドリブルでチームに推進力を与えるだけでなく、少ないタッチでシンプルに味方を使いながら相手ゴールに迫る姿も良かった。金崎と安部のゴールをどちらも絶妙なパスでアシスト。
13 中村充孝 5.5
相手の徹底マークに苦しみ、ボールタッチ数が少なかった。ボールを持てば高い技術を見せるが、決定的な役割は果たせず存在感は薄かった。
鹿島――金崎がエースに相応しい働き。
FW
8 土居聖真 6(57分OUT)
攻守に渡って献身的なプレーを見せる。高い技術とオフ・ザ・ボールの動きが光り、前半は彼を経由した時が最もチャンスになっていた。しかし、ケガを抱えていたことが影響し、途中交代。
MAN OF THE MATCH
33 金崎夢生 7(76分IN)
縦横無尽に前線を走り回り、精力的にボールを引き出す。後半開始早々、レアンドロとのワンツーから先取点を奪った。さらに、62分にはクロスで鈴木のゴールをアシスト。まさに、エースと呼ぶにふさわしい働きぶりだった。
交代出場
FW
9 鈴木優磨 6.5(57分IN)
ポストプレーで左に展開すると、そのままゴール前に走り出し、金崎のクロスに合わせて出場から5分でネットを揺らした。わずかに空いたゴール前のスペースを見つけ出すあたりにストライカーとしての嗅覚を感じた。
MF
30 安部裕葵 6.5(76分 IN)
少ないタッチで簡単に味方を使いながら、積極的に攻撃に関与。試合終盤にはレアンドロのスルーパスに反応し、GKを抜く落ち着きも見せてダメ押し弾を挙げた。
監督
大岩 剛 6.5
後半開始早々に先制点を奪い、相手が布陣を変えて前がかりになったところで鈴木を投入。素早い攻撃から鈴木が追加点を挙げると、その後に交代出場した安部もダメ押し点を挙げ、采配が的中した。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
甲府――5-4-1の布陣で前半は健闘したが…。
【チーム採点・寸評】
甲府 4.5
5-4-1の布陣で前半は健闘した。しかし、後半は開始早々に先制点を許すと、3失点で守備が崩壊。攻撃面でもプレーの精度は低く、またしても無得点に終わる。
【甲府|採点・寸評】
GK
23 岡 大生 4.5
後半開始早々に股を射抜かれて失点。その後もセービングでチームを救うことが出来ずに3失点を許した。
DF
16 松橋 優 5
前半はマッチアップした相手に自由を与えなかった。しかし、後半から中央寄りにプレーされたことで失点を重ねただけに、味方との連係を図りたかった。
5 新里 亮 4.5
後半開始早々、マークをしていた金崎にワンツーで簡単に打開され失点。前半は守備で奮闘していたこともあり、悔しい被弾だった。
4 山本英臣 4.5(74分OUT)
前半は周囲に指示を出し、堅固なブロックを築いた。しかし、カバーリングが遅れて先制点を許す。また、2失点目のシーンでは鈴木へのチャレンジがあまりにも安易すぎた。
6 エデル・リマ 5
守備における対人の強さはあった。攻撃でもアグレッシブな姿勢を感じた。だが、ひとつひとつのプレーは雑だった。
27 阿部翔平 5(54分OUT)
相手のサイドハーフを懸命にマークした。それに気を取られたか、攻撃では積極性が見られず。
MF
8 新井涼平 5
豊富な運動量を発揮し、攻守で懸命に走った。奪った後のパスを正確にできればチャンスは増えたかもしれない。
15 兵働昭弘 4.5
オフェンス面における精度の高いパスは光った。守備では強さを見せられず、貢献度は低い。
14 田中佑昌 5
積極的に裏へ抜け出す試みは感じられたが、味方と合わず。何度か届いたボールはチャンスにできず。
甲府――またしてもノーゴール、助っ人の評価は低調。
MF
11 堀米勇輝 5.5(63分OUT)
持ち前の技術で攻撃の起点になったが、決定的な役割は果たせず。徐々にトーンダウンし、途中交代した。
FW
9 ウイルソン 4.5
前線の基準点としての働きはほぼない。72分の決定機もゴールポストに嫌われ、またしてもノーゴールに終わる。
交代出場
MF
40 小椋祥平 5(54分IN)
阿部との交代でチームも5-3-2へシステムチェンジ。積極的にボールに関与し、チームとしてボールを保持する時間が増えたが、守備のケアが足りず失点を重ねた。
FW
10 ドゥドゥ 4.5(63分IN)
裏への抜け出しなど積極性は感じられたが、72分のクロスは雑でゴールに繋がらず。昌子からボールを奪った決定機もモノにできなかった。
FW
13 河本明人 5(74分IN)
精力的なプレッシングでチームに活力を与えようと試みた。だが、攻撃面では何もできず。
監督
吉田達磨 4.5
後半開始早々に先制点を許す。反撃を試みようとシステムチェンジし、前がかりになったところを突かれて、さらに2失点。相手にゲームをコントロールされていたと言えるだろう。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文:志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
サッカーダイジェストの志水記者による甲府戦の寸評である。
大量得点という結果に、特に攻撃陣に高評価が与えられておる。
その中で先制点の夢生に最大評点とMOMが与えられた。
1G1Aという結果に、「まさに、エースと呼ぶにふさわしい働きぶりだった」という寸評が物語っておる。
また、レアンドロ、優磨、裕葵にも高い評価が与えられておる。
レアンドロは先制点と裕葵のゴールをアシスト、また微妙なジャッジで惜しくもPK判定にならなかったが、ゲーム序盤に良い飛び出しをし、相手GKに倒されておる。
攻撃の核として機能しておることがよく分かる。
優磨は途中出場で結果を出した。
「ストライカーとしての嗅覚を感じた」と評される。
惜しむらくは、夢生に出したラストパスがカットされたシーンと言えよう。
あの場面は自らシュートを選択すべきだったのではなかろうか。
そしてルーキーの裕葵である。
ボールに良く絡み、活躍の臭いをプンプンさせておった89分にレアンドロのスルーパスに飛び出して冷静に決めた。
この落ち着きもルーキーとは思えぬ裕葵の素晴らしさの一つであろう。
ゴールラッシュのトリを務めたのも伊達ではない。
甲府の堅守をこじ開けた攻撃陣の奮闘を讃えようではないか。
後半戦が楽しみである。

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志水麗鑑(サッカーダイジェスト)
2017年07月29日
鹿島――昌子はどこか浮足立っていた。

【警告】鹿島=西 甲府=小椋
【退場】鹿島=なし 甲府=なし
【MAN OF THE MATCH】金崎夢生(鹿島)
[J1リーグ19節]鹿島3-0甲府/7月29日/カシマ
【チーム採点・寸評】
鹿島 6.5
前半は相手の守備ブロックを崩せず苦戦した。しかし、後半開始早々に先制点を挙げると、相手が前がかりになったところを突いて2得点。満足できる内容ではなくても、3-0快勝は評価できる。
【鹿島|採点・寸評】
GK
21 曽ケ端準 6
相手の決定的なシュートは少なかった。昌子のミスにより最大のピンチになった、ドゥドゥとの1対1のセーブは評価できる。
DF
22 西 大伍 6
攻守で最低限のことはこなした。守備では巧みなポジショニングでピンチを未然に防ぐ。攻撃では中央寄りにポジションを取り、ボランチをサポートする場面も。
5 植田直通 5.5
鋭い読みでボールを奪うこともあったが、相手に入れ変わられるシーンも散見。少々粗さが残り、自信を持つ空中戦でも目測を誤ることがあった。
3 昌子 源 5
どこか浮足立っている印象で、集中力に欠いていた。77分には安易なボールロストでこの日最大の決定機を与え、評価は低調。
16 山本脩斗 6
徐々にポジションを上げて攻撃に関与すると、42分に土居のクロスにヘッドで合わせる。前半、最大のチャンスは惜しくもクロスバーに嫌われた。
MF
4 レオ・シルバ 6
中盤低い位置でボールを受けてゲームをコントロール。この男が持つとゲームが落ち着く。スルーパスやミドルシュートも見せたが、ゴールには繋がらず。
20 三竿健斗 6
目立った働きはないが、要所でのボール奪取は冴えていた。46分、金崎に縦パスを供給し、先制点の起点に。
11 レアンドロ 6.5
序盤から積極的にシュートを放つ。ドリブルでチームに推進力を与えるだけでなく、少ないタッチでシンプルに味方を使いながら相手ゴールに迫る姿も良かった。金崎と安部のゴールをどちらも絶妙なパスでアシスト。
13 中村充孝 5.5
相手の徹底マークに苦しみ、ボールタッチ数が少なかった。ボールを持てば高い技術を見せるが、決定的な役割は果たせず存在感は薄かった。
鹿島――金崎がエースに相応しい働き。
FW
8 土居聖真 6(57分OUT)
攻守に渡って献身的なプレーを見せる。高い技術とオフ・ザ・ボールの動きが光り、前半は彼を経由した時が最もチャンスになっていた。しかし、ケガを抱えていたことが影響し、途中交代。
MAN OF THE MATCH
33 金崎夢生 7(76分IN)
縦横無尽に前線を走り回り、精力的にボールを引き出す。後半開始早々、レアンドロとのワンツーから先取点を奪った。さらに、62分にはクロスで鈴木のゴールをアシスト。まさに、エースと呼ぶにふさわしい働きぶりだった。
交代出場
FW
9 鈴木優磨 6.5(57分IN)
ポストプレーで左に展開すると、そのままゴール前に走り出し、金崎のクロスに合わせて出場から5分でネットを揺らした。わずかに空いたゴール前のスペースを見つけ出すあたりにストライカーとしての嗅覚を感じた。
MF
30 安部裕葵 6.5(76分 IN)
少ないタッチで簡単に味方を使いながら、積極的に攻撃に関与。試合終盤にはレアンドロのスルーパスに反応し、GKを抜く落ち着きも見せてダメ押し弾を挙げた。
監督
大岩 剛 6.5
後半開始早々に先制点を奪い、相手が布陣を変えて前がかりになったところで鈴木を投入。素早い攻撃から鈴木が追加点を挙げると、その後に交代出場した安部もダメ押し点を挙げ、采配が的中した。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
甲府――5-4-1の布陣で前半は健闘したが…。
【チーム採点・寸評】
甲府 4.5
5-4-1の布陣で前半は健闘した。しかし、後半は開始早々に先制点を許すと、3失点で守備が崩壊。攻撃面でもプレーの精度は低く、またしても無得点に終わる。
【甲府|採点・寸評】
GK
23 岡 大生 4.5
後半開始早々に股を射抜かれて失点。その後もセービングでチームを救うことが出来ずに3失点を許した。
DF
16 松橋 優 5
前半はマッチアップした相手に自由を与えなかった。しかし、後半から中央寄りにプレーされたことで失点を重ねただけに、味方との連係を図りたかった。
5 新里 亮 4.5
後半開始早々、マークをしていた金崎にワンツーで簡単に打開され失点。前半は守備で奮闘していたこともあり、悔しい被弾だった。
4 山本英臣 4.5(74分OUT)
前半は周囲に指示を出し、堅固なブロックを築いた。しかし、カバーリングが遅れて先制点を許す。また、2失点目のシーンでは鈴木へのチャレンジがあまりにも安易すぎた。
6 エデル・リマ 5
守備における対人の強さはあった。攻撃でもアグレッシブな姿勢を感じた。だが、ひとつひとつのプレーは雑だった。
27 阿部翔平 5(54分OUT)
相手のサイドハーフを懸命にマークした。それに気を取られたか、攻撃では積極性が見られず。
MF
8 新井涼平 5
豊富な運動量を発揮し、攻守で懸命に走った。奪った後のパスを正確にできればチャンスは増えたかもしれない。
15 兵働昭弘 4.5
オフェンス面における精度の高いパスは光った。守備では強さを見せられず、貢献度は低い。
14 田中佑昌 5
積極的に裏へ抜け出す試みは感じられたが、味方と合わず。何度か届いたボールはチャンスにできず。
甲府――またしてもノーゴール、助っ人の評価は低調。
MF
11 堀米勇輝 5.5(63分OUT)
持ち前の技術で攻撃の起点になったが、決定的な役割は果たせず。徐々にトーンダウンし、途中交代した。
FW
9 ウイルソン 4.5
前線の基準点としての働きはほぼない。72分の決定機もゴールポストに嫌われ、またしてもノーゴールに終わる。
交代出場
MF
40 小椋祥平 5(54分IN)
阿部との交代でチームも5-3-2へシステムチェンジ。積極的にボールに関与し、チームとしてボールを保持する時間が増えたが、守備のケアが足りず失点を重ねた。
FW
10 ドゥドゥ 4.5(63分IN)
裏への抜け出しなど積極性は感じられたが、72分のクロスは雑でゴールに繋がらず。昌子からボールを奪った決定機もモノにできなかった。
FW
13 河本明人 5(74分IN)
精力的なプレッシングでチームに活力を与えようと試みた。だが、攻撃面では何もできず。
監督
吉田達磨 4.5
後半開始早々に先制点を許す。反撃を試みようとシステムチェンジし、前がかりになったところを突かれて、さらに2失点。相手にゲームをコントロールされていたと言えるだろう。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文:志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
サッカーダイジェストの志水記者による甲府戦の寸評である。
大量得点という結果に、特に攻撃陣に高評価が与えられておる。
その中で先制点の夢生に最大評点とMOMが与えられた。
1G1Aという結果に、「まさに、エースと呼ぶにふさわしい働きぶりだった」という寸評が物語っておる。
また、レアンドロ、優磨、裕葵にも高い評価が与えられておる。
レアンドロは先制点と裕葵のゴールをアシスト、また微妙なジャッジで惜しくもPK判定にならなかったが、ゲーム序盤に良い飛び出しをし、相手GKに倒されておる。
攻撃の核として機能しておることがよく分かる。
優磨は途中出場で結果を出した。
「ストライカーとしての嗅覚を感じた」と評される。
惜しむらくは、夢生に出したラストパスがカットされたシーンと言えよう。
あの場面は自らシュートを選択すべきだったのではなかろうか。
そしてルーキーの裕葵である。
ボールに良く絡み、活躍の臭いをプンプンさせておった89分にレアンドロのスルーパスに飛び出して冷静に決めた。
この落ち着きもルーキーとは思えぬ裕葵の素晴らしさの一つであろう。
ゴールラッシュのトリを務めたのも伊達ではない。
甲府の堅守をこじ開けた攻撃陣の奮闘を讃えようではないか。
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