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安部裕葵、無限の可能性を秘めたホープの挑戦は続く

本田圭佑の“スピリット”を継ぐ19歳次世代ホープ安部裕葵の可能性
2018.07.12 05:00


本田の遺伝子を継ぐ鹿島の安部裕葵は19歳のホープだ(写真・アフロ)

 ワールドカップ・ロシア大会を戦った西野ジャパンに同行し、ベースキャンプ地のカザンで練習パートナーを務めたU-19日本代表に名前を連ねた23人のなかに、ユニークな経歴をもつホープがいる。

 今回のロシア遠征で「10番」を背負った攻撃的MFの安部裕葵(19、鹿島アントラーズ)は、ロシア大会を含めて3度のワールドカップに出場した本田圭佑(32)が経営に関わる、S.T. FOOTBALL CLUBが初めて輩出したプロサッカー選手となる。

 本田との接点は運命的だ。東京都出身の安部は、中学校へ進学した2011年春に帝京FCジュニアユース(東京都清瀬市)へ加入。3年生へ進級する直前にチームは本田のマネジメント事務所HONDA ESTILOの傘下となり、名称もS.T. FOOTBALL CLUBへ変わったのである

 もっとも、帝京FCジュニアユースの指導者が本田と懇意にしていたこともあり、間接的ながらも本田の生き様や人生哲学を何度も聞かされてきた。そのなかで最も印象に残っているフレーズを、安部は笑顔で明かしてくれた。
「とにかく夢をもって、それを人に言って、逃げ道をなくす。素晴らしいことだと思いましたし、同時に強い人間じゃなければできないことだと思いました」

 本田自身が練習場に足を運び、「夢をもて」と檄を飛ばしたこともあった。迎えた2014年春。卒団を控えた安部は、全国的にはほぼ無名の広島県瀬戸内高校に越境入学する。

 チームを強くすれば自分への評価も上がる。なおかつ、3年生になる2016年には広島県でインターハイが開催される。未来を見越して描いた青写真を、実際に地元開催のインターハイ代表に導き、3ゴールをあげてベスト8へ進出させた軌跡で具現化させた。

 大会優秀選手の一人にも選出された安部のもとには、アントラーズから真っ先にオファーが届いた。ただ、他にどのクラブから声をかけられたかはわらないと、屈託なく笑ったことがある。
「アントラーズさんから声をかけられた時点で、もう即決だったので」
 Jリーグ屈指の常勝軍団ならば、自身の体に宿る可能性をさらに大きく花開かせることができる。こう信じて入団を決めた後もJ1と天皇杯を制し、FIFAクラブワールドカップでは準優勝したアントラーズの日々は、想像以上に刺激と興奮に満ちていた。

「毎日が本当に充実しています。一日一日の練習が新鮮で、自分の立場的には目立たないとメンバー入りができないので、毎日がセレクションのような気持ちで練習しています。正直、練習のほうが試合よりも難しいんじゃないかと思っているくらいなので」

 こんな言葉とともに瞳を輝かせたルーキーイヤーの紅白戦では、リザーブ組のFWとして得意のドリブルをこれでもかと披露。ロシア大会で西野ジャパンの最終ラインを支えた昌子源をして、「他の選手とはちょっと違うドリブルをしてくる」と言わしめたこともあった。

 迎えた昨年4月1日。敵地で行われた大宮アルディージャ戦の後半29分から、安部は初めて公式戦のピッチに立った。18歳2ヵ月4日でのJ1デビューはクラブ史上で3位の若さであり、しかも試合状況は0‐0で、さらに最初の交代カードだった。

 幾重ものプレッシャーがかかるなかで安部を送り出した理由を、石井正忠監督(現アルディージャ監督)は後にこう明かしてくれた。

「ちょっと早いんじゃないか、という思いもありました。ただ、能力のある選手は、早く高いレベルの試合に早く出したほうがいい。それだけのレベルにすでに達していたので」

 指揮官の期待通りに安部は決勝点に絡む。縦パスを蹴ろうとした相手へ果敢にプレスをかけ、必死に伸ばした右足のつま先をかすらせてコースを変える。こぼれ球を拾った味方が素早くパスをつなぎ、最後はFW土居聖真がゴールネットを揺らした。

 もっとも、試合後に先輩たちやスタッフからかけられた声で、安部は常勝軍団のなかでポジションを勝ち取っていく厳しさを実感している。

「ナイスプレーではなく『とりあえずデビューおめでとう』とだけ言われたんです。今日はいい経験で終わったということ。常に得点に絡めて、前を向いてボールをもっただけで相手が嫌がる選手にならないと」

 1年目は最終的にJ1で先発1回を含めた13試合、計272分間プレーして1得点をあげた。そして、2年目の始動日に「今シーズンは本気を出します」と自ら逃げ道を閉ざすかのように、本田をほうふつとさせるビッグマウスを放っている。

「去年が本気じゃなかったわけじゃないけど、マジで自分がエースになるくらいの勢いでやりたい。去年あれだけ試合に使ってもらって、先輩たちにもかなり気を使ってもらって、僕のやりやすい環境でやらせてもらったので。期待もされていると思うし、プレッシャーもほどよく感じながらタイトル獲得に貢献したい」

 チームが始動した1月9日は、約7年半ぶりに復帰したDF内田篤人が合流した日でもあった。慣れ親しんだグラウンドでの初練習を終えた内田は、「若手がかなりオレにビビっているみたいだね」と苦笑いしている。ドイツで長くプレーしてきた大先輩へ、実は真っ先に話しかけたのが安部だった。

「自分から吸収しようという意欲を感じるよね。注文としては、ボールをこねる部分と速く動かす部分をもうちょっとはっきりできればいいんだけど、まだ若いし、技術や能力をもっているから、どんどんチャレンジしていってほしいよね」

 目を細めながらこう語った内田は、ヨーロッパ移籍および日本代表の先輩として、19歳の成長株へ熱いエールを送ることも忘れなかった。

「彼の性格的にもこのチームで収まる選手ではないと個人的には感じているし、後々には日本代表も背負うべきだとも思う。若手にはいい選手がたくさんいるけど、彼のように上手くてガッツのある選手は大事なので」

 4月に入って第二腰椎横突起を骨折し、約1ヵ月間の戦線離脱を強いられた今シーズンは、それでも3度の先発を含めてJ1で6試合に出場。プレー時間は305分間と昨シーズンをすでに超えている。

 そこへ、ロシアの地で得た刺激が加わった。金星をあげたコロンビア戦、本田の3大会連続ゴールで引き分けたセネガル戦を現地のスタジアムで観戦した安部は、新たな夢を胸中に抱いている。

「ずっと日本のなかにしかいなかった自分がワールドカップを見て思ったのは、サッカーというスポーツは自分が思っていたよりもはるかに偉大で、影響力があるということでした。いろいろな人に見られてて、素晴らしい影響を与えられる立場にいることをものすごく自覚しました」

 FC町田ゼルビアに5対1で大勝した、11日の天皇杯3回戦でも左MFで先発。無得点に終わったものの、後半8分にはバーを直撃する惜しい一撃を放った。代表引退を表明した本田のように、大きな影響力を放つ選手になるために。171cm、65kgの体に無限の可能性を秘めたホープの挑戦は続く。

(文責・藤江直人/スポーツライター)


安部裕葵について記すTHE PAGEの藤江氏である。
鹿島入団のいきさつなどに交えて、デビュー戦となった2017年の大宮戦での石井監督のコメントを伝える。
「ちょっと早いんじゃないか、という思いもありました。ただ、能力のある選手は、早く高いレベルの試合に早く出したほうがいい。それだけのレベルにすでに達していたので」と当時語っておったとのこと。
能力を評価されておったことが伝わる。
裕葵は指揮官が替わって、更に信頼が置かれておる。
中断明けの天皇杯・町田戦でも先発に名を連ね、惜しいバー直撃のシュートを放っておる。
後半戦は主軸として活躍してくれよう。
楽しみな逸材である。

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惜しいシュートが多い印象があります。それだけコースを狙えてるということだと思いますが、ねじ込む力が出てくるとなお良いですね!
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