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円熟のプロフェッショナルが、アジアの頂へ続く道を疾走する

PICK UP PLAYER


「シーズン前半戦のようなパフォーマンスでは、それは自分ではないのだと思っています。“違いを見せなければいけない”という意識を持って試合に臨んだら、自然と自分のプレーができるようになっていました」

 真夏の連戦、高温多湿をものともせずに所狭しとピッチを駆け続ける背番号4。長いリーチを活かした対人戦、鋭いタックルで相手の矛を無力化すると同時に、攻撃の起点としてアントラーズのスイッチを入れる。8月に入り、1日のFC東京戦から6試合連続フル出場。レオ シルバは今、己の存在価値を改めて証明するがごとくミドルゾーンに君臨し、輝きを放っている。

 「得点の場面は、理想通りの位置にボールをコントロールすることができたので迷いなくシュートを打ちました」。8月15日、長崎戦。思いがけない形で先制を許し、未経験の高湿度に苦しめられていたアントラーズを救ったのは、レオのファインゴールだった。曽ケ端のキックに右サイドの遠藤が反応して前を向く。ゲームキャプテンのドリブルから、伊東のオーバーラップで攻撃が加速。ファーサイドへ飛んだクロス、ペナルティーエリア左奥でボールに追いついたのがレオだった。遠藤がボールを持った瞬間には自陣中央に位置していた背番号4が、機を見た疾走でスペースを突いていたのだった。右足を一閃、そしてサイドネットに突き刺したコントロールショット。「あの得点で、多くの人の目を覚ますことができていればと願っています」。無尽蔵のスタミナ、そして高水準の技術――。笑顔と冗談で振り返った同点弾こそ、レオの真骨頂だった。

 「優磨はうちの得点王で、絶対の信頼を置いています。彼に預ければ、得点が決まる。そう信じてプレーしています。今日はチャンスを活かせませんでしたが、相手の守備も称えないといけない。今後の試合では点を取ってくれるはずです」。8月24日、磐田戦。失意の結末を迎えた聖地で、そのタフネスは抜群の存在感を誇っていた。パスカットを連発し、サックスブルーの攻撃を寸断。1点リードで迎えた80分、中盤でのインターセプトから一気にスピードを上げ、敵陣を切り裂く。願いを乗せた背番号9へのラストパスはため息へと変わってしまったが、改めてその存在感を刻み込んだプレーだった。レオは鈴木を気遣いながら、新エースの奮起を促していた。

「シンプルなことで、このクラブに在籍することが非常に嬉しいんです。心が満たされています。自分がやろうとしているプレーはある程度は表現できたと思いますが、シーズンの終わり方は誰もが望んでいないものでした。このクラブにいられることは本当に幸せです。来季の最後にはみんなで笑いあえたらと思っています」

 2017年。鹿のエンブレムを纏った1年目のシーズンは、忘れ得ぬ光景とともに幕を閉じることとなった。最終節での首位陥落。レオはJリーグ優秀選手賞の栄誉を得たものの、「二度と味わいたくない」思いだけが胸に刻まれた。「素晴らしい歴史があり、数々のタイトルを獲っている偉大なクラブ。その歴史にたくさんのタイトルを残したいと思います」。その言葉を現実のものとするために、今季に懸ける思いは並々ならぬものだった。

 だが、低空飛行を続けたアントラーズにあって、背番号4もまた苦しんでいた。リーグ開幕10試合で、先発はわずか3回のみ。コンディション不良と負傷の影響で、輝きを放つことができなかった。5月20日のJ1中断後、6月下旬の静岡キャンプも別メニューでの調整が続く。虎視眈々と、しかし来たるべき時に向けて準備を進めていた。

 そして迎えた、復活の夏。「幸いと言ったらおかしな話ですけど、ケガをしたことによってしっかりとフィジカルを強化する時間を確保できたんです」とレオは言う。「“違いを見せなければいけない”という意識」を体現するためのコンディションを整え、背番号4は躍動を続けている。ともにミドルゾーンを制圧する永木は「レオが何度も何度もボールを取ってくれる。その良さを出させてあげたい」と、揺るぎない信頼を語っていた。「この暑さや湿度の高さは非常に好きなので、夏がもっと続いたらいいのに」と笑いつつ、レオは勝利だけを目指してピッチを駆け続けている。

「運をもたらしてくれる存在と思うので、ずっといてくれればと思います」

 そして、もう一つ。ピッチでの躍動、その理由を探る報道陣から必ず問われることがある。ジーコTDの来日と、その影響について――。流暢な日本語を操る32歳は通訳を介す前に笑顔を見せつつ、しかし多くを語ろうとはしない。“そんなに単純なことではない”という、プロフェッショナルとしての矜持ももちろんあるだろう。しかし何より、憧れの存在であるからこそ、この上ない敬意を抱いているからこそ、自身のパフォーマンス向上と直接的に結びつけることなどできない。そんな思いもまた、言葉に滲んでいる。「このユニフォームに袖を通してきた偉大なブラジル人たちである、ジーコ、レオナルド、ジョルジーニョのように成功できるように頑張ります」。アントラーズでの歩みを始める前に刻み込んだ決意を改めて思い返した時、フットボールの神様とともに勝利を目指す日々がどれほどの喜びをもたらしているか。だからこそ、今季こそ。アントラーズとともに、ジーコとともに、タイトルを――。

「ホームでアドバンテージを持って、第2戦に臨めるようにしないといけません。一つひとつの試合を大事にして、結果を出したいです」



 中国の雄を聖地へ迎え撃つ、前半90分。アントラーズのミドルゾーンには、王国のDNAを継承するスーパーボランチがいる。レオ シルバ、32歳。円熟のプロフェッショナルが、アジアの頂へ続く道を疾走する。


レオ・シルバをピックアップするFreaks+である。
「優磨はうちの得点王で、絶対の信頼を置いています。彼に預ければ、得点が決まる。そう信じてプレーしています。今日はチャンスを活かせませんでしたが、相手の守備も称えないといけない。今後の試合では点を取ってくれるはずです」とジュビロ戦後にコメントし、優磨を奮い立たせる。
そして天津権健戦に向けて、「ホームでアドバンテージを持って、第2戦に臨めるようにしないといけません。一つひとつの試合を大事にして、結果を出したいです」と語る。
明日の試合を託した。
中盤のキーマンの躍動を拝みにスタジアムに向かう。
勝利を信じておる。

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レオ、いい人だ🍀

昔のサントスをみたいな感じ^_^
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我が鹿島アントラーズが正義の名のもとに勝利を重ねますように。

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