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攻撃の突破口をこじ開けた「ボディブロー」と「ジャブ」

【鹿島|戦評】攻撃の突破口をこじ開けた「ボディブロー」と「ジャブ」
広島由寛(サッカーダイジェスト)
2018年08月29日


「点は取れなかったけど、焦れずに」(山本)


天津権健との準々決勝第1戦は2-0の勝利。悲願のACL初制覇に向け、勢いをつけられる勝ち方だった。写真:徳原隆元

[ACL準々決勝①]鹿島2-0天津権健/8月28日/カシマ

 奇しくも、鹿島の両SBは勝因をボクシングにたとえた。

「ボディブローじゃないけど、じわりじわりと」(内田篤人)
「ジャブでどんどん相手を追い詰めて」(山本脩斗)

 前半から主導権を握ったのは鹿島だった。いくつかの決定機も作ったが、ゴールをこじ開けられず、0-0で前半を折り返す。

 こういった試合展開を指して、内田は「点が取れそうで取れないゲームって、よく負けたりする。それかな、と思っていた」。だが、最終的に勝利を掴めたのは、確実に相手のダメージを蓄積させるように、「点は取れなかったけど、焦れずに」(山本)ボディブローとジャブを繰り出す手を止めなかったからだ。

 辛抱強く、攻撃の突破口を探り続けた。強引に前に急がず、無理だと思えば、サイドを変えるなど割り切って“やり直す”。そうすることで、「相手が多少、ずれてずれて、ゴール前にポッと空くシーンもあった」(内田)。その隙をレオ・シルバとセルジーニョが見逃さず、しっかりとゴールに結びつけてみせる。

 60分、遠藤康のヘッドでの折り返しをL・シルバが右足でねじ込んだ先制点でダウンを奪うと、72分にはセルジーニョが放った鮮烈ミドルの“左ストレート”で勝負あり。実に力強い勝ち方だった。

 終了間際には守護神クォン・スンテのファインセーブもあり、相手にとって有利となるアウェーゴールを与えず、ゼロで抑えることもできた。4日前のリーグ24節・磐田戦では、1点リードで迎えた後半アディショナルタイムにPKで追いつかれて、勝点3を逃している。その教訓が生かされたのだろう。こうした修正力も、鹿島の強さのひとつだ。

ここにきて反転攻勢の気配を漂わせつつある


待望の来日初ゴールを決めたセルジーニョは、試合を重ねるごとにフィット感を高めている。巻き返しの起爆剤となれるか。写真:徳原隆元

 悲願のアジア制覇に向け、弾みをつけられるような一戦だった。何よりも、「自分たちらしい」(山本)戦い方で結果を出せたのは大きい。いまだ少なくない怪我人に悩まされてはいるものの、ポジティブな要素がないわけではない。

 久々の実戦復帰となった内田が、「やっと動ける気がしてきた」と“完全復活”に向けて確かな手応えを口にすれば、新戦力セルジーニョも着実にフィットしてきた感がある。この試合で待望の来日初ゴールを決め、さらに勢いづきそうだ。最大の得点源である鈴木優磨はここ最近、ゴールから見放されているが、チャンスには顔を出している。今は“パワーゲージ”を貯めている段階と考えれば、今後の爆発が楽しみでもある。

 現在は負傷離脱中の不動のディフェンスリーダー、昌子源が戻ってくれば、守備の強度はさらに高まるはず。レアンドロや安部裕葵、中村充孝らタイプの異なるアタッカーが復帰することで、間違いなく攻撃面のレパートリーは増える。

 今季はどこか不安定な戦いぶりが目に付いたが、ここにきて反転攻勢の気配を漂わせつつある。週末のリーグ戦で首位・広島を叩ければ、巻き返しも本格化しそうだ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)


サッカーダイジェストの広島記者による天津権健戦の戦評である。
天津権健戦をボクシングに例えた篤人と脩人のコメントを引き出しておる。
「ボディブローじゃないけど、じわりじわりと」(内田篤人)
「ジャブでどんどん相手を追い詰めて」(山本脩斗)
と試合後に語った。
これは面白い。
個人戦術の部分ではなく、チームとして1試合をフルに考えてマネージメントされておることが伝わってくる。
これがサッカーを知るということなのであろう。
ジワジワと追い詰め、蜂のように刺した二発は強烈なストレートであった。
特に試合を決定づけたセルジーニョのミドルは、重く急所に入る必殺パンチであった。
このような戦いが出来るようなったのも、自分たちを信じ、真摯に練習に取り組んだ結果である。
何事も急いてはならぬ。
今季の鹿島が完成形を見せつつある。
負傷離脱中の源、レアンドロ、裕葵、アツが戻れば、更に魅惑的なゲームを魅せてくれよう。
アジアだけでなく来週から始まるルヴァン杯、過密日程の中で戦う天皇杯でも結果を出してくれるのではなかろうか。
これからの攻勢が楽しみである。

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