選手を入れ替えて戦う中で、今回はどちらが上回るのか注目したい
困難極めるメンバー選び。したたかに戦うのはどっち?
天皇杯はラウンド16を迎え、鹿島と広島の対戦となった。両者とも天皇杯を制した経験を持つ名門クラブである。鹿島は1997年の初制覇から数えて5回の優勝経験を持ち、広島は前身の東洋工業サッカー部時代に3回の経験を持つ。広島になってからは優勝がなく、5回決勝戦に進出したが、いずれも準優勝に終わっている。そのジンクスを破る戦いと言えるかもしれない。
今季は明治安田J1の2試合を終えており、広島が2勝している。内容的にも広島が堅い守備と鋭い攻撃を見せた完勝であり、特に今月1日に行われた第25節の試合は鹿島の選手たちに強い印象を植えつけていた。若きエースストライカーである鈴木 優磨は「普段、対戦相手と差を感じることはあまりないんだけど、単純にウチにパトリックがいたらと考えると完敗だった」と完敗を認めていた。
しかし、鹿島にとってはその試合が転機となった。そこから大きく舵を切り、守備から試合を作ることをチームとして共有するようになると、それ以降の公式戦5試合で4勝1分と結果を残せるように。選手を入れ替えながらも同じような戦い方ができており、連戦の厳しさこそあるものの、勝つことで勢いが生まれ疲労も軽減できている。良い流れの中にチームが入っていると言えるだろう。
4つの大会を同時並行で戦う難しさも良い方向に転じることができている。負ければ終わりのカップ戦がリーグ戦の間に挟まることで、選手たちは1点の重みを意識しながらピッチに立つことができている。良い守備から良い攻撃を狙う上で、そうした意識の変化がプラスに働いている。ただし、日程はかつてないほど厳しい。第27節のアウェイ札幌戦から中2日でホームに広島を迎えなければならない。さらにこの試合のあとも中2日で第28節のアウェイ神戸戦が待っている。メンバー構成は今まで以上に困難を極めるだろう。監督の判断が注目される。
選手を選ぶ難しさは広島も同様だ。ホームで戦った第27節・FC東京戦から中3日でこの試合を迎え、さらに中2日で第28節・G大阪戦が待っている。広島にとってはアウェイの2連戦。3年ぶりのリーグ優勝を狙い首位をひた走ってきたが、ここに来て川崎Fに勝点4差まで迫られており、残り7試合となったリーグ戦は一つも落とせない状況だ。それだけに天皇杯の戦い方は難しい。とはいえ3回戦では名古屋と戦い、リーグ戦から大きくメンバーを入れ替えて臨んだが、4-1で相手を粉砕している。こちらも戦い方はチーム全体に浸透している。
リーグ戦では中盤で激しくぶつかり合う中で次第に広島がペースを握り、相手のファウルを誘うと、そこで得たFKから得点を重ねていった。試合巧者ぶりは広島のほうが上回っていた。選手を入れ替えて戦う中で、今回はどちらが上回るのか注目したい。
[ 文:田中 滋 ]
「良い流れの中にチームが入っていると言えるだろう」と記すJリーグ公式の田中滋氏による天皇杯・広島戦のプレビューである。
リーグ戦に於けるアウェイ広島戦での敗戦からチームの戦い方の舵を切ってチームに勢いをもたらせておると伝える。
敗戦からも学ぶことがある例と言えよう。
あの試合は、パトリックにやられた。
強力なセンターFWはその存在感がチームに勝利をもたらせることを教えてくれた。
今回は、優磨とセルジーニョにその役目を担って貰うところ。
この短期間に大きく成長したところを示すのだ。
楽しみにしておる。

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天皇杯はラウンド16を迎え、鹿島と広島の対戦となった。両者とも天皇杯を制した経験を持つ名門クラブである。鹿島は1997年の初制覇から数えて5回の優勝経験を持ち、広島は前身の東洋工業サッカー部時代に3回の経験を持つ。広島になってからは優勝がなく、5回決勝戦に進出したが、いずれも準優勝に終わっている。そのジンクスを破る戦いと言えるかもしれない。
今季は明治安田J1の2試合を終えており、広島が2勝している。内容的にも広島が堅い守備と鋭い攻撃を見せた完勝であり、特に今月1日に行われた第25節の試合は鹿島の選手たちに強い印象を植えつけていた。若きエースストライカーである鈴木 優磨は「普段、対戦相手と差を感じることはあまりないんだけど、単純にウチにパトリックがいたらと考えると完敗だった」と完敗を認めていた。
しかし、鹿島にとってはその試合が転機となった。そこから大きく舵を切り、守備から試合を作ることをチームとして共有するようになると、それ以降の公式戦5試合で4勝1分と結果を残せるように。選手を入れ替えながらも同じような戦い方ができており、連戦の厳しさこそあるものの、勝つことで勢いが生まれ疲労も軽減できている。良い流れの中にチームが入っていると言えるだろう。
4つの大会を同時並行で戦う難しさも良い方向に転じることができている。負ければ終わりのカップ戦がリーグ戦の間に挟まることで、選手たちは1点の重みを意識しながらピッチに立つことができている。良い守備から良い攻撃を狙う上で、そうした意識の変化がプラスに働いている。ただし、日程はかつてないほど厳しい。第27節のアウェイ札幌戦から中2日でホームに広島を迎えなければならない。さらにこの試合のあとも中2日で第28節のアウェイ神戸戦が待っている。メンバー構成は今まで以上に困難を極めるだろう。監督の判断が注目される。
選手を選ぶ難しさは広島も同様だ。ホームで戦った第27節・FC東京戦から中3日でこの試合を迎え、さらに中2日で第28節・G大阪戦が待っている。広島にとってはアウェイの2連戦。3年ぶりのリーグ優勝を狙い首位をひた走ってきたが、ここに来て川崎Fに勝点4差まで迫られており、残り7試合となったリーグ戦は一つも落とせない状況だ。それだけに天皇杯の戦い方は難しい。とはいえ3回戦では名古屋と戦い、リーグ戦から大きくメンバーを入れ替えて臨んだが、4-1で相手を粉砕している。こちらも戦い方はチーム全体に浸透している。
リーグ戦では中盤で激しくぶつかり合う中で次第に広島がペースを握り、相手のファウルを誘うと、そこで得たFKから得点を重ねていった。試合巧者ぶりは広島のほうが上回っていた。選手を入れ替えて戦う中で、今回はどちらが上回るのか注目したい。
[ 文:田中 滋 ]
「良い流れの中にチームが入っていると言えるだろう」と記すJリーグ公式の田中滋氏による天皇杯・広島戦のプレビューである。
リーグ戦に於けるアウェイ広島戦での敗戦からチームの戦い方の舵を切ってチームに勢いをもたらせておると伝える。
敗戦からも学ぶことがある例と言えよう。
あの試合は、パトリックにやられた。
強力なセンターFWはその存在感がチームに勝利をもたらせることを教えてくれた。
今回は、優磨とセルジーニョにその役目を担って貰うところ。
この短期間に大きく成長したところを示すのだ。
楽しみにしておる。

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