チームも、サポーターも“アジア№1”に。初のACLファイナルが楽しみでならない
【鹿島担当コラム】スンテへのブーイングも消えた「悪夢の8分間」に考えさせられたこと
広島由寛(サッカーダイジェスト) 2018年10月25日
電光石火の3失点に、ただただ圧倒させられた
水原三星のサポーターの迫力ある声援は、圧巻の“ホーム感”を作り出していた。(C)Getty Images
【ACL準決勝②】水原三星3-3鹿島/10月24日/水原
これは決められても仕方がないかも、と不覚にも思ってしまった。
53分、1-1で迎えた水原三星のCKの場面だ。
その1分前には、水原三星が同点弾を決めていた。さあ、これから反撃開始とばかりに、会場はヒートアップ。韓国語は分からないので、何を言っているのか理解できなかったが、おそらくスコアラーの名前がアナウンスされ、さらにスタジアムDJの野太い声と大音量のサポーターたちの“コール&レスポンス”には、思わず圧倒された。大きな声では言えないが、ちょっと鳥肌が立った。
そんな雰囲気の中で得たCKである。前半とエンドが代わって、鹿島ゴールの裏には水原三星のサポーターが陣取る。試合を振り出しに戻し、スタジアムは大盛り上がりで、しかもすぐさま逆転のチャンスとなるCK。実際、水原三星はこの絶好機をモノにする。ヨム・ギフンの蹴ったボールを、昌子源を振り切ったチョ・ソンジンが豪快なヘッドを叩き込んだ。
こうなると、もう手がつけられない。「ああいう展開になると、韓国勢や中国勢は相当な勢いになるから、なかなか止めるのは難しかった」と昌子が語るように、60分には3点目を奪ってみせる。52分の同点弾から、わずか8分間で3ゴールを奪取。試合のペースは完全に水原三星のものだった。
気づけば、試合開始時はガラガラだった二階席も、少しずつ埋まり始めていた。序盤から、ことあるごとに鹿島の守護神クォン・スンテに大ブーイングを浴びせていた水原三星のサポーターたちも、もはや目の前にいる敵GKがボールに触れても何の反応も示さず、肩を抱き合い、飛び跳ね、自分たちが応援するチームの奮闘に歓喜していた。
鹿島サイドからすれば、記者も含め、悪夢のような8分間だった。いや、悪夢を感じる暇もないほどの電光石火の3失点。ただただ、水原三星の迫力と、彼らに声援を送るサポーターたちが醸し出す雰囲気に圧倒させられた。
もっとも、そんな劣勢の状況を、ひっくり返すまでにはいかなかったが、同点に追いついてみせた鹿島の反発力と粘り強さもまた、素晴らしかった。1-3の状況から、西大伍とセルジーニョのゴールで3-3に。この結果、2戦合計スコア6-5とした鹿島がファイナルに駒を進めた。
もちろん、鹿島サポーターだって引けを取らないと思う。あの小気味良い太鼓のリズムと「オーオオーオオー」を聞くと、自然とテンションが高まるから不思議だ。試合中の選手個人のチャントのタイミングも、名前を叫ばれる選手にあまり脈略がないように見えても、「そうそう、この流れなら聖真に点を取ってほしいんだよ」と、妙に納得させられることが多い。
昌子もサポーターの後押しを頼りにしている。
「(決勝は)うちが先にホームで迎えられるわけですから。ホームで与える威圧感というものを、ホームの雰囲気作りを、みなさんにお願いしたいと思っています。なんていうのかな、気持ち、魂みたいな。今季最大のパワーを送ってほしい。相手が背中を丸めて、縮こまるぐらいの威圧感を与えたい」
チームも、サポーターも“アジア№1”に。初のACLファイナルが楽しみでならない。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
ACL準決勝 アウェイの水原戦について記すサッカーダイジェストの広島記者である。
サポーターの力について伝えておる。
水原のサポの勢いに、「これは決められても仕方がないかも、と不覚にも思ってしまった」と綴っておる。
これがアジアのアウェイと肌で感じた体験を伝えてくれて嬉しい。
これを乗り越えて鹿島は決勝戦に駒を進めた。
また、鹿島のサポーターについても「引けを取らない」という。
大きく選手を鼓舞しておる。
次は未経験の中東のアウェイを体感することとなる。
サポーターも更に大きな声援が必要となろう。
“アジア№1”に。
挑戦である。

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広島由寛(サッカーダイジェスト) 2018年10月25日
電光石火の3失点に、ただただ圧倒させられた

【ACL準決勝②】水原三星3-3鹿島/10月24日/水原
これは決められても仕方がないかも、と不覚にも思ってしまった。
53分、1-1で迎えた水原三星のCKの場面だ。
その1分前には、水原三星が同点弾を決めていた。さあ、これから反撃開始とばかりに、会場はヒートアップ。韓国語は分からないので、何を言っているのか理解できなかったが、おそらくスコアラーの名前がアナウンスされ、さらにスタジアムDJの野太い声と大音量のサポーターたちの“コール&レスポンス”には、思わず圧倒された。大きな声では言えないが、ちょっと鳥肌が立った。
そんな雰囲気の中で得たCKである。前半とエンドが代わって、鹿島ゴールの裏には水原三星のサポーターが陣取る。試合を振り出しに戻し、スタジアムは大盛り上がりで、しかもすぐさま逆転のチャンスとなるCK。実際、水原三星はこの絶好機をモノにする。ヨム・ギフンの蹴ったボールを、昌子源を振り切ったチョ・ソンジンが豪快なヘッドを叩き込んだ。
こうなると、もう手がつけられない。「ああいう展開になると、韓国勢や中国勢は相当な勢いになるから、なかなか止めるのは難しかった」と昌子が語るように、60分には3点目を奪ってみせる。52分の同点弾から、わずか8分間で3ゴールを奪取。試合のペースは完全に水原三星のものだった。
気づけば、試合開始時はガラガラだった二階席も、少しずつ埋まり始めていた。序盤から、ことあるごとに鹿島の守護神クォン・スンテに大ブーイングを浴びせていた水原三星のサポーターたちも、もはや目の前にいる敵GKがボールに触れても何の反応も示さず、肩を抱き合い、飛び跳ね、自分たちが応援するチームの奮闘に歓喜していた。
鹿島サイドからすれば、記者も含め、悪夢のような8分間だった。いや、悪夢を感じる暇もないほどの電光石火の3失点。ただただ、水原三星の迫力と、彼らに声援を送るサポーターたちが醸し出す雰囲気に圧倒させられた。
もっとも、そんな劣勢の状況を、ひっくり返すまでにはいかなかったが、同点に追いついてみせた鹿島の反発力と粘り強さもまた、素晴らしかった。1-3の状況から、西大伍とセルジーニョのゴールで3-3に。この結果、2戦合計スコア6-5とした鹿島がファイナルに駒を進めた。
もちろん、鹿島サポーターだって引けを取らないと思う。あの小気味良い太鼓のリズムと「オーオオーオオー」を聞くと、自然とテンションが高まるから不思議だ。試合中の選手個人のチャントのタイミングも、名前を叫ばれる選手にあまり脈略がないように見えても、「そうそう、この流れなら聖真に点を取ってほしいんだよ」と、妙に納得させられることが多い。
昌子もサポーターの後押しを頼りにしている。
「(決勝は)うちが先にホームで迎えられるわけですから。ホームで与える威圧感というものを、ホームの雰囲気作りを、みなさんにお願いしたいと思っています。なんていうのかな、気持ち、魂みたいな。今季最大のパワーを送ってほしい。相手が背中を丸めて、縮こまるぐらいの威圧感を与えたい」
チームも、サポーターも“アジア№1”に。初のACLファイナルが楽しみでならない。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
ACL準決勝 アウェイの水原戦について記すサッカーダイジェストの広島記者である。
サポーターの力について伝えておる。
水原のサポの勢いに、「これは決められても仕方がないかも、と不覚にも思ってしまった」と綴っておる。
これがアジアのアウェイと肌で感じた体験を伝えてくれて嬉しい。
これを乗り越えて鹿島は決勝戦に駒を進めた。
また、鹿島のサポーターについても「引けを取らない」という。
大きく選手を鼓舞しておる。
次は未経験の中東のアウェイを体感することとなる。
サポーターも更に大きな声援が必要となろう。
“アジア№1”に。
挑戦である。

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