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復活を遂げたチームリーダーとともに、アントラーズが加速する

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「見ての通り、チームに迷惑をかけてしまった。後半の入りから押し込まれた中で3失点をしたことは反省しなければいけない。自分のところからも失点をしているし、個人的な反省点も多い」

 待望の帰還を遂げたチームリーダーは、己の不甲斐なさから目を背けようとはしなかった。10月24日、水原三星との死闘。8分間で立て続けに喫した3失点は、腕章とともに戦いの場へと足を踏み入れた背番号3にとって心底悔しいものだった。CKのマークを外されて逆転のヘディングシュートを突き刺され、その7分後には百戦錬磨のエース・デヤン ダミヤノヴィッチに置き去りにされてしまう。「前に出て、奪い切る守備ができなかった」。イメージと現実の乖離、まだ埋めきれていない心身のギャップから突破を許した事実――。それに気付かされた時には、3つ目のスコアが刻まれていた。

 スタジアムDJまでもが絶叫し、ホームチームが歓喜を爆発させた。四方から迫りくる青い急流に抗うがごとく、ビクトリーホワイトが円陣を作る。互いが互いを守るかのように、防波堤を築くかのように。「まずは1点を返そうと。3失点はよくないけど、時間帯が早かったことだけはよかった。取られたものは仕方がない。ここから、どう戦うか」。揺るぎなく統一された意志、そして始まった猛攻撃。反撃への希望を前線に託し、背番号3も必死に体を張り続けた。これ以上の得点は、絶対に許さない――。果たして、アントラーズは突破を遂げる。3-3、2試合合計6-5。熱を帯びるピッチで、昌子源は仲間たちとともに決勝進出を告げるホイッスルを聞いた。「こえる」ための歩みを、また一つ先へと進めた瞬間だった。

「スローガンを聞いて、最初にイメージしたのは昨季のこと。無冠に終わってしまったので、最低でも1冠、そこから積み上げていって昨季の自分たちを超えたい」

 昨季の最終戦、磐田のピッチで流した涙。その1週間後、初めて託されたサムライブルーのキャプテンマーク。2年連続でベストイレブンに名を連ね、今やリーグを代表するセンターバックへと進化を遂げた昌子は、タイトルへの渇望を胸に宿して2018年の開幕を迎えた。だが、その道のりには幾多もの起伏が待ち受けていた。シーズン序盤、低空飛行を続けるチームにあって、最後尾から忸怩たる思いを募らせ続ける。それでも5月末、W杯メンバー選出の報せを聞くと、新指揮官の下で定位置を獲得。「最終候補に残っていた健斗の分も、アントラーズを代表して頑張る」という意志を体現し続けたサムライブルーの3番は、アントラーズファミリーの誇りだった。7月2日、決勝トーナメント1回戦。赤い悪魔に繰り出された電光石火のカウンター、届かなかったあと一歩――。ロシアのピッチを叩いて悔しがる姿に、誰もが心を揺さぶられた。

「選手である以上、やらないわけにはいかない。チームにプラスになるように、自分に与えられたミッションをしっかりやっていきたい」

 人々の感情を大きく揺さぶった激闘は、当事者の心身にも爪痕を残すものだった。昌子はつかの間の充電期間を与えられ、コンディション調整に努めることとなる。そして、7月22日。「彼の存在感は大きいし、影響力も持っている。選手はもちろん、サポーターの皆さんも期待をしていると思う。本人もそういう気持ちでいるだろうし、守備をしっかりと締めてほしい」。大岩監督から信頼を託され、聖地のピッチへと帰還する。ベルギーとの激闘から3週間、アントラーズレッドとともに紡ぐ物語が再び始まった。

 だが、わずか3日後。アクシデントが昌子を襲う。長居のピッチで体を投げ出し、必死のシュートブロックを敢行。アントラーズを救った渾身のプレーはしかし、背番号3を戦いの場から遠ざけるものだった。C大阪戦、無念の途中交代。松葉杖姿でスタジアムを後にした昌子は、その翌日に大阪遠征を離脱した。物語の第2章は、わずか1試合半で終幕してしまった。

 下された診断は、左足関節捻挫。だが、「もともと足首が柔らかいから、捻挫で済んだようなもので」と本人が明かしたように、その症状は重いものだった。再発阻止へ細心の注意を施しながら、リハビリメニューに取り組む日々。責任感と焦燥感の狭間で「思うことはいっぱいあった」。息つく間もない連戦を突き進むチーム、そこに貢献できない自分――。昌子にとって、鹿嶋で迎えた8度目の夏は険しく苦しい時間だった。「それでも、子どもを見ると頑張れるよね」と、父親としての顔を覗かせつつ、来たるべき復活の時を今か今かと待ちわびていた。

 待望の復活は10月14日、満員の三ツ沢だった。ルヴァンカップ準決勝第2戦、あと1点を奪い取るべく猛攻を仕掛けた最終盤。ピッチへと送り出された背番号3は両手を振り上げ、アントラーズファミリーを鼓舞した。それがチームリーダーの責務であると示すかのように、最後尾からアントラーズレッドの熱量をさらに高めていった。「試合勘自体は、なまってはいなかったと思う。90分の試合勘はまだわからないけど」。最低限の手応え、突破を果たせなかった悔しさとともに、昌子にとっての2018年、第3章が幕を開けた。



「3ヶ月休んだ後の(先発)2試合目で、フィーリングは徐々に合ってきている。状態を100%に持っていかないと。そのためにできることをやっていきたい」

 復活の横浜FM戦、そして先発復帰を遂げた20日の浦和戦と、追い求めた結果を掴むことはできなかった。そして、冒頭の水原三星戦。3失点を喫した悔しさと不甲斐なさが胸に去来する中、それでも昌子は前向きのベクトルを放ってみせた。「迷惑をかけてしまったけど、試合を重ねるごとにフィーリングを合わせていけるのは大事なこと」。強がりでも、もちろん過信でもない。勝負のシーズン終盤、自身の力がチームに不可欠だと自負しているからこそ。アントラーズの3番を纏う責務の重さを、己の背中で受け止め続けてきたからこそ――。

 「目の前の試合に集中することで、次につながる。これからもずっと、総力戦」。昌子はそう言って、目前の勝利を掴み取ることを誓う。今夜は10月最終戦にして、5試合ぶりに帰還するカシマスタジアムでの90分だ。背番号3がピッチに立てば、それは3ヶ月ぶりの聖地への帰還を意味する。慣れ親しんだ戦いの舞台で、復帰後初勝利を――。復活を遂げたチームリーダーとともに、アントラーズが加速する。


源をピックアップするFreaks+である。
「迷惑をかけてしまったけど、試合を重ねるごとにフィーリングを合わせていけるのは大事なこと」というコメントが引き出される。
長期の離脱、痛みを抱えながらの復帰、大量失点と多くのことが起こった。
ここは試合を重ねフィーリングを掴んでいくところ。
明日のセレッソ戦、大きくメンバーを替える中でレギュラー組としてピッチに立つ。
試合勘を取り戻し、チームの総合力を上げるのだ。
源を信じておる。

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深い愛。
我が鹿島アントラーズが正義の名のもとに勝利を重ねますように。

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