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すでに休む間もなく、小笠原は次のステージへ走り出していた

年明け早々の小笠原満男氏を取材したSportivaの佐野美樹女史である。
引退公表直後の気持ちを上手に引き出しておる。
また、様々な人と会い「だんだん道が見えてきた」と言う。
これからはっきりと、そして強く次の行動が開始されるであろう。
小笠原のセカンドキャリアが楽しみである。

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小笠原満男が引退して発見したこと。
サッカー、東北人魂、アントラーズ

佐野美樹●取材・文・撮影 text & photo by Sano Miki

 2019年1月4日、岩手県花巻市――。朝の冷えきった体育館の温度計はマイナス2度を示していた。底冷えする寒さのなか、きちんと並び座った子どもたちは、プロサッカー選手が来るのを今か今かと待ちわびていた。そんな子どもたちの前に姿を見せると、小笠原はマイクを持ち、こう自己紹介した。

「みなさん、おはようございます。元、鹿島アントラーズの小笠原満男です」


東北人魂としての復興支援・サッカー普及活動を続ける小笠原満男

 2018年12月27日、突然引退の発表をした小笠原は、翌28日にはカシマスタジアムで引退会見を行ない、21シーズンもの長い間駆け抜けたプロ生活の幕を、こちらに悲しむ時間も与えないまま、スッパリと閉じてしまった。

 そして年が明けると、例年と変わらず、「東北人魂」の活動の場に小笠原の姿はあった。

 東北人魂としての、年始に行なわれる東北での復興支援およびサッカーの普及活動も、東日本大震災から今年で8度目となった。当初からずっと、この活動における理念や信念は変わらず、その先頭に立つのが小笠原であることも変わりはない。しかし、ひとつだけ大きく今年で変わったことは、その小笠原が現役選手ではなくなったことだった。

 現役を退いて、初めて迎えた年末年始を小笠原はどんな気持ちで過ごしていたのだろうか。これからの彼の描くビジョンも含め、話を聞いた。

―― まず、引退会見を終えて、今はどんな気持ちですか?

「言ったらスッキリしたなぁ、というのが正直な気持ちです。今までたくさんの方々にお世話になって現役生活を続けてきたわけですけど、引退を決めてからはいろいろな事情もあり、そのすべての人にすぐに自ら報告できない状況だったので。会見まではみんなに言えない申し訳なさがずっとありました」

―― 以前、もし引退をするときはスパッと辞めたいと話してくれました。未練などは感じていませんか?

「それはしょうがない。もう覚悟はしていましたから。やめるって、決めたので。もちろん、会見を行なうまでは自分のなかですごいモヤモヤがあったし、いろんな感情があったけど、会見を終えてからは全然スッキリして、次に向かうって気持ちになっていますね。楽しみなことが多いから。さぁ、次、何しよう、あるいはこれしてみたいっていうのが出てきたので。引きずるとか、そういう気持ちはないですね」

―― この年末年始は、今までにない時間になったのではないですか?

「たしかに、大変でした(笑)。いろんなところに『引退しました』と挨拶にいかなければいけないのもありましたし、いろんな人から『ご飯行こう』って誘われて。みんなと行きたい気持ちは山々だけど、時間が全然足りない(笑)」

―― そんななか、今年も年始から東北人魂の活動もされていました。ハードだったのではないですか?

「でも、辞めて一発目がこの東北人魂だっていうのも、なんか巡り合わせというか。感じるものがありますよね。だから、むしろ年明けからこういう活動ができてよかったなって思っています」

―― 気になるのは、小笠原さんの今後ですが、どんな絵を描いていますか?

「こういう活動は今後も続けていきたいと思っていて、これからは新たなものも盛り込んだりして、大船渡、岩手、東北に恩返ししていくというのは常に考えていきたいと思っています。一方で、アントラーズについても、これから関わっていけたらいいなと思っています。やらなきゃいけない、やりたいこともいっぱいあるので」

―― たとえば、どのようなことを考えていますか?

「今回、いろんな人にお世話になりましたって言いに行って話をしていくうちに、たくさんの発見がありました。いろんな人と話をしていくと、だんだん道が見えてきたというか。それをもっと続けていって、これは面白い、こんなことも面白そうだ、これはやれそうかな、これは違うかな……とか、そういう見聞をどんどん広めていきたい。だから、まずはいろんな人に会って、いろんな人と話していきたいと思っています」

―― その見聞を広める一環として、今回東北人魂カップに参加した鹿島アントラーズのスクール選抜チームに帯同されたのですか?

「そうですね。ちょうど大船渡にチームが来るということで、いい機会なので帯同させてもらって、勉強させていただきました。今までは、子どもたちを見るときは、選手目線だけで『あの子、うまいなぁ』『いいプレーしているな』と思っていただけでした。

 だけど今回は、子どもたちがどういう声をかけ合っているのか、コーチがどうアプローチしているのか、コーチたちがどういう試合の準備をさせているのか、そういうものを間近で体験して、注意深く見させてもらいました。

 とくに指導者になりたいってわけではないけれど、そういう目線で見るようにしてみると、またいろんな発見がありました。子どもたちの成長も楽しみだし、見ていて面白いから、育成年代からもいろんなものを学びたいですね」

―― それらもすべて、やはりアントラーズに還元していきたい気持ちが根底にはあるわけですね。

「はい。アントラーズをもっと強くしたいって気持ちはこれからも変わらないので」

―― では今は、いろんなことに対する好奇心や、これから先への意欲が大きいのですか?

「休んでいる暇はないですからね。時間はどんどん進んでいきますから。ただ、自分にどういうものが向いていそうか、また、チームに欠けている部分はどこなのか。俺がやりたいものとチームが必要としているものは違うかもしれないし、チームが必要なことは俺がやりたいことじゃないかもしれない。何をするのがチームにとっていいのか、それをこれから見つけていきたいと思っています」

 東北人魂の活動最終日。2017年に大船渡に完成した前面人工芝のグラウンドで、小笠原は第2回東北人魂カップの試合を終えた子どもたちに向かって、最後にこんな話をした。

「寝て、朝起きて、突然サッカーがうまくなっていることは絶対にありません。毎日毎日、一生懸命に練習しないと、サッカーはうまくはなりません。今、みんなの目の前にいるサッカー選手たちは、全員あきらめないで一生懸命に練習したから、こうしてプロになっています。だからみんなも、これからも一生懸命、練習してください。解散!」

 出場機会が減ろうとも、プロ生活の最後まで練習を休まなかった、小笠原の想いのこもったエールだった。

 現役であろうが、引退しようが、今までも、これからも、小笠原は変わらない。被災地のために、東北のために、そしてアントラーズのために、すでに休む間もなく、小笠原は次のステージへ走り出していた。

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非公開コメント

いつか別れが訪れるトップチームの監督などではなく、育成年代の指導者としてずっと鹿島の強化に携わっていて欲しいです。

ユースの監督はいいポジションですね!
個人的には高校生のスカウトとかも見てみたい気がします。鹿島で成長する人材をみる目は誰よりもありそうです。

育成世代に関わってもらいたい。
育成世代に経験を伝え目標を与える。
小笠原さんなら1番説得力があると思います。
監督とかじゃなくて
ずーっと鹿島に関わって
ずーっと強くなきゃいけない鹿島を作り続けて欲しい。

No title

育成世代の指導者として凄く良さそうですね。
あわよくば鹿島もU23チームを設定して、満男にはユースからトップチームへの橋渡しの役割を果たしてほしいなと、個人的に思ってます。

いつか闘将小笠原監督が見たいと思っていたけど、監督だとずっとやれる訳じゃないですもんね。
そう考えると、もう少しアントラーズ全体を見渡せる位置のほうが良いのかな。
ま、小笠原が選択する道なら、応援するのは間違いないんですが。
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狂おしいほどの愛。
深い愛。
我が鹿島アントラーズが正義の名のもとに勝利を重ねますように。

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