岩政MIPインタビュー
【ひかりTV連動企画】J1 11月度MIP受賞インタビュー 岩政大樹選手(鹿島):「磐田戦の劇的ゴールは、サポーターが作り出してくれた雰囲気のおかげかも」(08.12.27)
鮮やかに記憶に残った磐田戦のロスタイム弾はもちろん、11月の3試合を無失点に抑えた守備面でも、優勝への貢献度が高く評価され、今回のMIP選出となった岩政選手。普段はあまり表情を変えない印象ですが、僅差の勝点で続いた優勝争いのプレッシャーはかなり厳しかった様子…。今回は、いつもよりも早いシーズンオフを迎えているところにお邪魔して、厳しかった11月の戦いを振り返っていただきました。
■優勝優勝争いのプレッシャーを感じ続けた1ヶ月間
Q:11月の月間MIP受賞おめでとうございます。
「ありがとうございます」
Q:11月は、アルビレックス新潟、大分トリニータ、ジュビロ磐田との3試合でしたが、どれも苦しい試合だったと思います。今、振り返ってみてどうですか?
「試合の日だけでなく、1ヶ月間ずっと精神的に辛いというのは選手冥利に尽きることだとは思いますけど、優勝争いのプレッシャーを感じた毎日でした」
Q:他のチームを突き放すチャンスもあったと思うのですが?
「僕個人としては、あまりそういう考えは持ってないです。それを僕たちが言うのであれば、他のチームから見れば、うちを追い越すチャンスがあったと思ってるでしょうし、そういうものを含めて1シーズン戦った結果なんだと思います。あそこで引き離していれば次の試合で負けたかもしれないし、大事なのはずっと首位にいたことで、引き離せなかったということはそういう力だったんだと思います」
Q:首位を守れていたことで、次の試合、次の試合と前向きに行けていたのですか?
「そうですね。もちろん勝てない時期というのは次の試合への不安もどんどん大きくなるということはありますけど、ただ残り試合も少なかったですし、1回波に乗れればいけるとは思っていたんで…。それがいつ来るかということだったんですけど、大分戦(32節)に来た。そこまでなんとか1位をキープできていたんで、そういう意味では『まだ大丈夫』と思っていましたね」
Q:その大分戦ですが、会心の試合ができたと思いますが、それにはどういった要因があったんでしょうか?
「うーん。もちろん試合前には同じように不安がありました。負ければさすがに首位陥落すると思ってましたから。一番大きな試合だったし、試合前は緊張していたと思います。なにか1つの要素ではなくて、でも一番大きいのは僕たちを取り巻く家族だったり、応援してくれるサポーターだったり、いろんな人の思いを感じることができたこと。それが乗り移ったんだと思います」
Q:監督も特製のビデオをつくったそうですね。
「それも含めてですけど。僕個人は、そういう試合の前にいろいろな人のことを考えるということはなかなかできないんですけど。でも、そういうビデオがあって、スタジアムに向かうバスの中とか、アップをしていると時とかにも、『今日の試合、みんなが僕たちを応援してくれているんだな』というのを感じて、それを受け止めて、それを信じてみようという気持ちになりました」
Q:すごく力になったんですね。
「今だから言えるんでしょう。負ければ、それがプレッシャーになったと言われるでしょうし(笑)。結果が出て良かったと思います」
Q:大分戦の勝利で乗ることができて、次は磐田戦(33節)でした。Jリーグの歴史の中で強豪としてお互いにしのぎを削ってきた仲で、一方の磐田は残留争いというすごく苦しい試合でした。最後の最後に劇的な勝ち方になりましたね。
「今シーズンの日程が発表された時点で、33節がジュビロ戦というのはわかっていましたから。シーズンが進むに連れて、ジュビロが残留争いをしている、うちが優勝争いするようになった、そのあたりから、こういう状況で試合を迎えるのかなというのはある程度予想がついていました。伝統のある戦いというのは、得てしてドラマを演出するようなシーンで迎えるようなことが多いので。予想したとおりの状況で試合を迎えることになって、展開もやはりドラマチックな展開になって、それはこの世の中の不思議だなと思いましたね」
Q:得点が決まる前のシーンで、一度右サイドでFKがあったと思います。そこで増田誓志選手に近寄って声をかけていたと思うのですが、あれは何をおっしゃっていたんですか?
「練習中でも誓志以外の選手にもよく言うんですけど、キッカーがあのポジションから中に合わせるとき、どうしてもゴールから離れるボールを蹴る。そうするとゴールから遠い位置で合わせるシーンが増えるんです。あの場面では、思い切ってゴールに向かうようなボールを蹴ってほしいと伝えました」
Q:ロスタイムも終盤になったところで得点が決まりましたが、もう時間がないということはプレーされていて感じていたんですか?
「僕は最後のプレーだとは思ってなかったんだけど、最後のチャンスかなとは思ってました。あの試合に関してもかなりプレッシャーがかかっていたし、個人的には疲れているところがあって、チームも飛ばして試合に入ったので、あまり頭がクリアな状態ではなかったかなと思います」
Q:試合を見ていて、サポーターの方の応援もあって、スタジアムの雰囲気がサッと変わった感じがしました。
「今思うとそうかもしれないんですけど、個人的には冷静に周りが見えるほど体力が残ってなかったと思います。結果的には、そうなって自分もボールに集中していけたんで、作り出してくれた雰囲気のおかげかなと…終わってから、そう思いました」
Q:伊野波(雅彦)選手も「入りそうな雰囲気があった」と試合後におっしゃっていました。
「もしかしたら…ということは考えますけど、そういうものをたまに感じても、すべてがすべて入るわけじゃない。どちらかというと、そういう予感は外れることが多いので、あまり期待もしてなかったんです。そんなことを考える暇もなくボールが来たという部分もあります」
Q:増田選手とは目が合ったんですか?
「いや、ぜんぜん合ってないです。ただ、誓志は練習でFKをやるようになってから僕の要求に応えてくれるんです。あの場面も速いボールを入れることもできたと思うんですけど、僕はすべての場面で速いボールを入れる必要はないと思っているので、誓志はよく僕の意見を取り入れてくれた。あの場面、キックはクイックにスタートしましたけど、ボール自体は少し緩めに蹴ってくれたんで、僕も合わせることができたと思います。速いボールだとちょっと間に合わなかったかな。誓志が状況を冷静に判断して蹴ってくれたということです」
■オフに結婚。プロポーズの言葉は…
Q:ではここからは、サポーターの方からの質問が届いていますのでお答えください。
ももかさんからいただきました。「33節のジュビロ戦に行きました。後半ロスタイムに入れたゴールはすごいなと思いました。ヘディングでゴールするコツ教えてください」とのことです。
「コツということもないですけど、あまり頭でコツだなんだと考えたり、シュートコースを考えたりしてる時はあまり入らないですね。体が自然にボールにミートすることに集中して、体が自然にコースを選ぶような、そういう瞬間でボールを捉えられれば入るんですけどね。僕はあまり頭で考えようとすると入らないですね」
Q:もともとヘディングにはこだわって練習されていたんですか?
「特に大学生になってからですかね。大学レベルのヘディングが強いと言われてるような方たち相手にやれる自信がついてからは、これが自分の持ち味としてやっていけるのかなと思いました。そこから負けないように強く意識を持ち始めたと思います」
Q:りーくんからいただきました。「こんにちは。この前のやべっちFC見ました!!!お母さんにだいちゃんって呼ばれているそうですが、奥さんにはなんて呼ばれてるんですか?」とのことです。
「まだ奥さんじゃないんですけども(笑)<09年1月に挙式予定>。なんですかね『だいき』とか。母もいつも『だいちゃん』と呼んでるわけじゃないですよ。小さい頃の名残りで、たまに呼んだりするだけで…あれは、言わされたんだと思いますよ」
Q:では続いてアントンさんから「ご結婚おめでとうございます! プロポーズの言葉を教えてください」
「いや、それはここでは言わないです。もう結構前なんで覚えてないです。あまり珍しい言葉じゃないですけど、僕の正直な気持ちを伝えました」
Q:奥様は即答ですか?
「そうですね」
Q:ありがとうございました。来季も期待しています。
以上
取材日:12月23日
取材・構成:田中滋
[ ひかりTV連動企画 J1 11月度MIP受賞インタビュー ]

11月の3試合はいずれも無失点。優勝を大きく手繰り寄せる活躍を見せた岩政大樹選手が11月のJ1月間MIPに輝きました。
11月を振り返り、「優勝争いのプレッシャーを感じる毎日でした」と語ってくれました。
岩政大樹のMIPインタビューである。
11月ということでジュビロ戦の印象が大きい。
やはりあのヘディングは優勝へ向けてい大きな一発であったことは事実であり、オリヴェイラ監督の歓喜の涙を誘ったのもあのゴールであろう。
来季は新婚となり新たな一歩を踏み出す。
まだまだ、挑戦は続くのである。
鮮やかに記憶に残った磐田戦のロスタイム弾はもちろん、11月の3試合を無失点に抑えた守備面でも、優勝への貢献度が高く評価され、今回のMIP選出となった岩政選手。普段はあまり表情を変えない印象ですが、僅差の勝点で続いた優勝争いのプレッシャーはかなり厳しかった様子…。今回は、いつもよりも早いシーズンオフを迎えているところにお邪魔して、厳しかった11月の戦いを振り返っていただきました。
■優勝優勝争いのプレッシャーを感じ続けた1ヶ月間
Q:11月の月間MIP受賞おめでとうございます。
「ありがとうございます」
Q:11月は、アルビレックス新潟、大分トリニータ、ジュビロ磐田との3試合でしたが、どれも苦しい試合だったと思います。今、振り返ってみてどうですか?
「試合の日だけでなく、1ヶ月間ずっと精神的に辛いというのは選手冥利に尽きることだとは思いますけど、優勝争いのプレッシャーを感じた毎日でした」
Q:他のチームを突き放すチャンスもあったと思うのですが?
「僕個人としては、あまりそういう考えは持ってないです。それを僕たちが言うのであれば、他のチームから見れば、うちを追い越すチャンスがあったと思ってるでしょうし、そういうものを含めて1シーズン戦った結果なんだと思います。あそこで引き離していれば次の試合で負けたかもしれないし、大事なのはずっと首位にいたことで、引き離せなかったということはそういう力だったんだと思います」
Q:首位を守れていたことで、次の試合、次の試合と前向きに行けていたのですか?
「そうですね。もちろん勝てない時期というのは次の試合への不安もどんどん大きくなるということはありますけど、ただ残り試合も少なかったですし、1回波に乗れればいけるとは思っていたんで…。それがいつ来るかということだったんですけど、大分戦(32節)に来た。そこまでなんとか1位をキープできていたんで、そういう意味では『まだ大丈夫』と思っていましたね」
Q:その大分戦ですが、会心の試合ができたと思いますが、それにはどういった要因があったんでしょうか?
「うーん。もちろん試合前には同じように不安がありました。負ければさすがに首位陥落すると思ってましたから。一番大きな試合だったし、試合前は緊張していたと思います。なにか1つの要素ではなくて、でも一番大きいのは僕たちを取り巻く家族だったり、応援してくれるサポーターだったり、いろんな人の思いを感じることができたこと。それが乗り移ったんだと思います」
Q:監督も特製のビデオをつくったそうですね。
「それも含めてですけど。僕個人は、そういう試合の前にいろいろな人のことを考えるということはなかなかできないんですけど。でも、そういうビデオがあって、スタジアムに向かうバスの中とか、アップをしていると時とかにも、『今日の試合、みんなが僕たちを応援してくれているんだな』というのを感じて、それを受け止めて、それを信じてみようという気持ちになりました」
Q:すごく力になったんですね。
「今だから言えるんでしょう。負ければ、それがプレッシャーになったと言われるでしょうし(笑)。結果が出て良かったと思います」
Q:大分戦の勝利で乗ることができて、次は磐田戦(33節)でした。Jリーグの歴史の中で強豪としてお互いにしのぎを削ってきた仲で、一方の磐田は残留争いというすごく苦しい試合でした。最後の最後に劇的な勝ち方になりましたね。
「今シーズンの日程が発表された時点で、33節がジュビロ戦というのはわかっていましたから。シーズンが進むに連れて、ジュビロが残留争いをしている、うちが優勝争いするようになった、そのあたりから、こういう状況で試合を迎えるのかなというのはある程度予想がついていました。伝統のある戦いというのは、得てしてドラマを演出するようなシーンで迎えるようなことが多いので。予想したとおりの状況で試合を迎えることになって、展開もやはりドラマチックな展開になって、それはこの世の中の不思議だなと思いましたね」
Q:得点が決まる前のシーンで、一度右サイドでFKがあったと思います。そこで増田誓志選手に近寄って声をかけていたと思うのですが、あれは何をおっしゃっていたんですか?
「練習中でも誓志以外の選手にもよく言うんですけど、キッカーがあのポジションから中に合わせるとき、どうしてもゴールから離れるボールを蹴る。そうするとゴールから遠い位置で合わせるシーンが増えるんです。あの場面では、思い切ってゴールに向かうようなボールを蹴ってほしいと伝えました」
Q:ロスタイムも終盤になったところで得点が決まりましたが、もう時間がないということはプレーされていて感じていたんですか?
「僕は最後のプレーだとは思ってなかったんだけど、最後のチャンスかなとは思ってました。あの試合に関してもかなりプレッシャーがかかっていたし、個人的には疲れているところがあって、チームも飛ばして試合に入ったので、あまり頭がクリアな状態ではなかったかなと思います」
Q:試合を見ていて、サポーターの方の応援もあって、スタジアムの雰囲気がサッと変わった感じがしました。
「今思うとそうかもしれないんですけど、個人的には冷静に周りが見えるほど体力が残ってなかったと思います。結果的には、そうなって自分もボールに集中していけたんで、作り出してくれた雰囲気のおかげかなと…終わってから、そう思いました」
Q:伊野波(雅彦)選手も「入りそうな雰囲気があった」と試合後におっしゃっていました。
「もしかしたら…ということは考えますけど、そういうものをたまに感じても、すべてがすべて入るわけじゃない。どちらかというと、そういう予感は外れることが多いので、あまり期待もしてなかったんです。そんなことを考える暇もなくボールが来たという部分もあります」
Q:増田選手とは目が合ったんですか?
「いや、ぜんぜん合ってないです。ただ、誓志は練習でFKをやるようになってから僕の要求に応えてくれるんです。あの場面も速いボールを入れることもできたと思うんですけど、僕はすべての場面で速いボールを入れる必要はないと思っているので、誓志はよく僕の意見を取り入れてくれた。あの場面、キックはクイックにスタートしましたけど、ボール自体は少し緩めに蹴ってくれたんで、僕も合わせることができたと思います。速いボールだとちょっと間に合わなかったかな。誓志が状況を冷静に判断して蹴ってくれたということです」
■オフに結婚。プロポーズの言葉は…
Q:ではここからは、サポーターの方からの質問が届いていますのでお答えください。
ももかさんからいただきました。「33節のジュビロ戦に行きました。後半ロスタイムに入れたゴールはすごいなと思いました。ヘディングでゴールするコツ教えてください」とのことです。
「コツということもないですけど、あまり頭でコツだなんだと考えたり、シュートコースを考えたりしてる時はあまり入らないですね。体が自然にボールにミートすることに集中して、体が自然にコースを選ぶような、そういう瞬間でボールを捉えられれば入るんですけどね。僕はあまり頭で考えようとすると入らないですね」
Q:もともとヘディングにはこだわって練習されていたんですか?
「特に大学生になってからですかね。大学レベルのヘディングが強いと言われてるような方たち相手にやれる自信がついてからは、これが自分の持ち味としてやっていけるのかなと思いました。そこから負けないように強く意識を持ち始めたと思います」
Q:りーくんからいただきました。「こんにちは。この前のやべっちFC見ました!!!お母さんにだいちゃんって呼ばれているそうですが、奥さんにはなんて呼ばれてるんですか?」とのことです。
「まだ奥さんじゃないんですけども(笑)<09年1月に挙式予定>。なんですかね『だいき』とか。母もいつも『だいちゃん』と呼んでるわけじゃないですよ。小さい頃の名残りで、たまに呼んだりするだけで…あれは、言わされたんだと思いますよ」
Q:では続いてアントンさんから「ご結婚おめでとうございます! プロポーズの言葉を教えてください」
「いや、それはここでは言わないです。もう結構前なんで覚えてないです。あまり珍しい言葉じゃないですけど、僕の正直な気持ちを伝えました」
Q:奥様は即答ですか?
「そうですね」
Q:ありがとうございました。来季も期待しています。
以上
取材日:12月23日
取材・構成:田中滋
[ ひかりTV連動企画 J1 11月度MIP受賞インタビュー ]

11月の3試合はいずれも無失点。優勝を大きく手繰り寄せる活躍を見せた岩政大樹選手が11月のJ1月間MIPに輝きました。
11月を振り返り、「優勝争いのプレッシャーを感じる毎日でした」と語ってくれました。
岩政大樹のMIPインタビューである。
11月ということでジュビロ戦の印象が大きい。
やはりあのヘディングは優勝へ向けてい大きな一発であったことは事実であり、オリヴェイラ監督の歓喜の涙を誘ったのもあのゴールであろう。
来季は新婚となり新たな一歩を踏み出す。
まだまだ、挑戦は続くのである。