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「ブラック日程」に鹿島散る

鹿島のACL敗退について筆を執った日経新聞の武智編集委員である。
日程についての苦言を呈する。
今回の事件を受け、日程について考慮する必要があると提唱する。
天皇杯決勝を前倒しにするのか、はたまたJリーグの日程辞退を秋春制に移行するのか、いくつかの検討することも費つゆ尾なのではなかろうか。
しかしながら、サッカーというスポーツをお正月に楽しむということは、ろくな番組を作れぬ日本のテレビ局にとっては大きな意味があろう。
観る側の民も楽しみにしておる。
また、シーズン制の以降は、降雪のある日本に於いては難しい問題と言えよう。
ウィンターブレイクやアウェイ連戦で対応という意見もあろうが、そう単純なものではない。
実際にシミュレーションした例では、秋-春と言いつつも、夏-夏制となり、逆に選手への負荷が高くなる日程が出たとも聞いておる。
スタジアムだけでなく練習場や練習メニューなども考慮する必要がある。
そう簡単なものではないのである。
ただ、天皇杯を権威ある大会であることを維持するためにも、またACLにて日本のクラブが躍進するためにも何かしら考える必要があることは、誰の目にも明らかである。
また、武智氏は「鹿島は、国内の戦いに全てのリソースを振り向けることができるようになった」と記す。
「塞翁が馬」の故事を挙げ、悪いことばかりではないと考えるところ。
Jリーグ優勝を第一目標とし、新旧の戦力を融合させて、新監督の戦術を浸透させるのだ。
今季が楽しみである。

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ACLは罰ゲーム? 「ブラック日程」に鹿島散る
編集委員 武智幸徳
2020/1/30 3:00日本経済新聞 電子版

2020年のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に日本は横浜M(19年J1王者)、FC東京(同2位)、神戸(19年度天皇杯王者)の3クラブで臨むことが決まった。昨季J1で3位の鹿島は28日のホームのプレーオフで、オーストラリアのメルボルン・ビクトリーに0-1で敗れ、本戦出場の道を断たれた。

JクラブがACLのプレーオフで敗れるのは大会史上初。鹿島のふがいなさを責めることは簡単だが、同情の余地はかなりある。鹿島は19年度の天皇杯決勝を神戸と元日に争ったばかり。天皇杯に勝った神戸はACL本戦にストレートインとなり、初戦はマレーシアのジョホールと2月12日に設定された。この勝ち負けが天と地ほどの差を生むことになったわけである。

■新戦力11人でカバー狙うが…

28日のプレーオフに回ることになった鹿島は天皇杯決勝から1週間後の8日にチームを始動させた。一番遅くまで残業したチームが一番早い出社を命じられたようなもので"ブラック勤務"といわれても仕方ない。そんな就業を強いる日程がブラックというべきか。とにかく、栄えあるACLに参加することが鹿島には、ほとんど罰ゲームと化していた。

そういう状況を見越して、鹿島は今季開幕前に11人もの選手を獲得していた。3年連続でACLを戦った昨季までの主力組は"勤続疲労"のかたまりになっている。彼らがリカバリーする時間を、フレッシュな新戦力を使って何とか稼ぐ算段だったのだろう。

しかし、補強した選手の中には湘南から来た杉岡大暉のように1月は23歳以下のアジア選手権(タイ)で奮闘した者もいる。本来なら即戦力として計算できる杉岡にも休養が必要だったわけで、ザーゴ新監督の下、たった3週間で「勝てるチーム」をつくるのは、いろいろな面でハードルが高すぎたといえる。

鹿島の鈴木満・強化部長はメルボルンに敗れた後、嘆くことしきりだったらしい。

「メンタル的にもフィジカル的にも、選手によって、ばらつきがあるところが、どうしてもチームの集中力みたいなところにつながっていかなかった。燃え尽き症候群じゃないけれど、ずっと主力で出てきた連中は(まだメンタルが)なかなか高揚してこないものだし」

「やっぱりね、どこかでしわ寄せが来る。こう何年も(過密日程にさらされるというのを)やると。どこかで(チーム全体を)休ませないといけないんだよね」

「いろんなことを考えないといけないね。クラブだけじゃなくて、サッカー界全体で。やって、休んで、というちゃんとしたサイクルでやっていくようにしないと、というのはあるよなあ」

いろんなこと、という中には元日の天皇杯決勝の日程を前倒しすることも含まれよう。12月中旬までにすべての日程を終えれば、代表等の日程に関わらない選手はクリスマスから正月にかけて休ませることができる。

■小手先ではない対応が必要に

もっと巨視的に捉えて、Jリーグ全体のシーズンを欧州と同一歩調にするのも手だ。あるいは、アジアサッカー連盟(AFC)も交えて外国人枠の定義を見直し、資金力とやる気のあるクラブには、大量に外国人選手を抱えてターンオーバーを可能にするチームづくりを促すようなことも。いずれにしても、小手先ではない対応が必要な段階にきているのだろう。

ACLの離陸に失敗した鹿島は、国内の戦いに全てのリソースを振り向けることができるようになったともいえる。「塞翁(さいおう)が馬」の故事ではないが、新監督の下でチーム改造に取り組む鹿島としては、じっくり腰を据えて新旧戦力の融合に取り組めると前向きになるしかない。

実際、ACLとJ1の成績には相関関係がある。02年シーズンにチャンピオンズリーグと呼ばれるようになってからACL王座とJ1のリーグタイトルの「ダブル」を達成したクラブはない。ここ10年を振り返っても、J1を制したのはACLに絡まなかった7クラブ(10年名古屋、11年柏、12年広島、14年G大阪、15年広島、16年鹿島、19年横浜M)と圧倒的に多い。残りの3クラブも13年広島、18年川崎は1次リーグ、17年川崎はベスト8で敗退したことで、振り向けるエネルギーを残していた。

要するに、J1のクラブには「ダブル」という二兎(にと)を追う力はないのだろう。その殻を今季、横浜Mや神戸、FC東京が、それぞれどんな戦略を用いて砕いていくかは注目に値する。

今季のACLは中国・武漢を震源とする新型肺炎が及ぼす影響も心配される。

F組のFC東京は上海申花、G組の神戸は広州恒大、H組の横浜Mは上海上港と同じ組に入った。28日に上海で行われた上海上港とブリーラム(タイ)のプレーオフは新型肺炎の影響で無観客試合となったが、2月11日から始まる本戦の先行きは不透明だ。

日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「次のラウンド(本戦)になれば、中国から試合の場所を移すことも考えられる。ワールドカップ(W杯)の2次予選も3月から再開になる。最も大事なのは人々の健康と安全。それを最優先で考えていきたい」と話す。

武漢は15年の東アジアE-1選手権の開催地。ハリルホジッチ監督(当時)に率いられたチームとともに筆者も訪れたことがある。一刻も早い収束を祈りたいと思う。

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No title

物理的に移動不可能で、チームを2つに分けて戦った時代よりは改善されている。
と、皮肉を言いたくなる。

残念な日程は、今年を最後にして欲しい。
これは全クラブオーナー、とくに発言力のある三木谷さんに期待したい。

TV局への辛辣なコメントに驚きましたが、お正月のTVなんて再放送や長ったらしい生中継ばかりでごもっともだと感じます。

原さんもYouTubeのJリーグTVで日程問題に触れていましたが、CWCが隔年開催に変わったことも含めて難しいと話していたのと、天皇杯はJFAの管轄ということもあり、リーグや我々が訴えてもそう簡単にはいかないのでしょうね…
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