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言い訳を振り払って向き合う敗北の理由

ACL敗退を喫した内田篤人を取材したフットボールチャンネルの藤江氏である。
悔しさを伝えてくれる。
「内容は良かった」は鹿島では通用しない。
しかしながら、多くの決定的チャンスを作り出し、枠内にシュートを収めながらもゴールに至らなかった。
これもサッカーと言いたくもなる。
場内も試合後のブーイングが沸き起こらなかったことにも、サポとしては納得出来る。
ただ、選手を湧き立てる言葉が欲しかったのは篤人側の方にあった様子。
「燃え尽き症候群」を払拭させるのだ。
そすて、今年は国内の戦いに集中することとなったが、我らは大きな声援をチームに送る。
お互いに盛り上げて勝利を積み重ねていこうではないか。
重要なシーズンである。

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内田篤人はACL敗退に何を思う。「一発勝負に強かった」鹿島アントラーズが恐れているのは…【この男、Jリーグにあり/前編】
鹿島アントラーズは28日、AFCチャンピオンズリーグ・プレーオフでメルボルン・ビクトリーと対戦した。54分に失点した鹿島は0-1で敗れ、グループステージ出場を逃している。元日に天皇杯決勝を戦ったチームとザーゴ新監督に与えられた準備期間はあまりにも短かった。それでも、戦況をベンチで見守ったDF内田篤人は常勝チームで戦う矜持と、久々に本戦出場を逃した無念さを露わにした。(取材・文:藤江直人)

2020年01月31日(Fri)10時35分配信
text by 藤江直人 photo Getty Images

内田篤人が露わにした喪失感


【写真:Getty Images】

 セピア色になりかけている記憶を必死に検索した。自分が在籍したシーズンで、鹿島アントラーズがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の本大会に出られなかったことはあったのか。フィールドプレーヤーでは最古参となる31歳、内田篤人が弾き出した答えは残念ながらちょっとだけ違っていた。

「ACLに出ていない年、オレ、知らんもん。一回あるぐらい、かな。ほとんど出ているからね」

 正確には内田が清水東高から加入した2006シーズンと、いま現在も背負う「2番」を元日本代表の名良橋晃から引き継いだ2007シーズンに、アントラーズはACLを戦っていない。いずれも前年のリーグ戦における成績が振るわず、上位に与えられる出場権を手にできなかったからだ。

 一転して2007シーズンからは、前人未踏のリーグ戦3連覇を達成。必然的に内田も2008シーズンから3年連続でアジアの舞台にも立ち、ブンデスリーガでプレーした約7年半の歳月をへて復帰した2018シーズンに、アントラーズは悲願のアジア王者を獲得。昨シーズンもベスト8へ進出した。

 特に直近となる過去2シーズンの残像が、強烈に焼きついているからこそ喪失感も大きい。本大会へストレートインすることができず、プレーオフに回った今シーズン。ホームにメルボルン・ビクトリー(オーストラリア)を迎えた28日の一発勝負で、アントラーズはまさかの苦杯をなめさせられた。

「いままでもそうしたなかで勝ってきた」

 相手の約3倍となる17本ものシュートを放ち、そのうち13本を枠内に飛ばしながらゴールネットを揺らすことができない。相手ゴールキーパーの美技に防がれるたびにMF土居聖真が、名古屋グランパスから加入したMF和泉竜司が、新外国人のFWエヴェラウドが天を仰いだ。

 54分にはまさかの形から失点を喫した。昨夏まで浦和レッズでプレーしたFWアンドリュー・ナバウトが放ったシュートが、ブロックへ飛び込んだ新加入のDF奈良竜樹の足にヒット。コースを変えた一撃は、守護神クォン・スンテの頭上を越えてゴールに吸い込まれた。

「(次へ向けて)気持ちを切り替える、というものじゃない。そんなに簡単なものじゃないから」

 冷たい雨が間断なく降り続くなかで、失点を挽回できないまま終えた90分間をベンチで見届けた内田が振り返る。ややぶっきらぼうな口調が悔しさと、本大会の舞台に立つことなくACLを制覇する可能性を失った無念さを際立たせる。昨シーズンに小笠原満男から引き継いだキャプテンを、今シーズンからは23歳のMF三竿健斗へ託した内田はさらに言葉を紡いでいる。

「先に点を取りたかったよね。しかも、早いうちに。みなさんも感じたかもしれないけど、試合が始まって15分、20分で、レベル的には負けるような相手ではないと思った。ただ、よく言っていることだけど、チャンスがいっぱいあるのに点が入らない試合は負けちゃう。それでも、そういう試合だった、では片付けられないんだよね。新チームが立ち上げられた直後と言っても、いままでもそうしたなかで勝ってきたわけだからね。特にウチは一発勝負に強い、と言われてきたチームなので」

新指揮官に与えられた時間はわずか12日間

 ヴィッセル神戸の前に一敗地にまみれ、ACLのプレーオフへ回ることが決まった元日の天皇杯全日本サッカー選手権大会決勝をもって、2017シーズンの途中から指揮を執ってきた大岩剛監督が退任。現役時代は柏レイソルでプレーした経験をもつ、ザーゴ監督にバトンが引き継がれた。

 もっとも、初陣となるACLプレーオフへ向けて、50歳のブラジル人指揮官に与えられた時間は20日間だった。天皇杯決勝から中6日という異例のスケジュールで新体制をスタートさせたが、初日に汗を流したのは昨シーズンのプレー時間が少なかった選手と、新加入選手だけだった。

 天皇杯決勝までフル稼働した主力選手たちと故障がちだった内田には、選手統一契約書に「最低限の期間」として明記されている2週間のオフが与えられた。合流したのは宮崎市内での合宿が大詰めを迎えていた16日。全員がそろってからわずか12日間で、実戦形式の練習をほとんど行っていない状況を踏まえれば、準備期間が十分だったとはさすがに言えない。

 初さい配を振るったザーゴ監督はメルボルン戦へ、6人の新加入選手を先発として送り出した。前出の和泉、奈良、エヴェラウドに、永戸勝也と広瀬陸斗の両サイドバックとMFファン・アラーノ。新戦力のパフォーマンスが決して悪かったわけではない。

 昨年12月7日の明治安田生命J1リーグ最終節をもって、オフに入っていた日本人選手たちは、再三にわたって右サイドからクロスを供給した広瀬を筆頭に新たな可能性を示した。28歳のエヴェラウドは高さと強さを、23歳のアラーノは後方の広瀬らと決して悪くはない連携を見せた。

「一番恐れているのは…」

「勝っていれば評価は全然違っていたと思うけど、自分としては昨シーズンの後半戦よりはよかったと思っている」

 一時は4冠独占の可能性を膨らませながら、勝負どころの秋以降に失速。天皇杯決勝を含めて不甲斐ない戦いを演じ、結局は無冠に終わった昨シーズンの終盤戦よりも可能性を感じさせたと、1996年から強化の最高責任者を務める鈴木満取締役フットボールダイレクターは努めて前を向く。

 ただ、他のJクラブの追随を許さない20個ものタイトルを獲得し、いつしか常勝軍団と呼ばれたアントラーズを縁の下で支えてきた鈴木ダイレクターは、こんな言葉をつけ加えることも忘れなかった。

「やっぱりメンタルもフィジカルも選手間でバラつきがある点が、チーム全体の集中力みたいなところにつながっていかない」

 昨シーズンだけでなく、リーグ戦と天皇杯の二冠を獲得した2016シーズンからアントラーズはフル稼働してきた。2017シーズンは最終節で連覇を逃して精神的なショックを長く引きずり、2018シーズンもFIFAクラブワールドカップを戦った関係で最も遅くオフに入ったチームとなった。

「一番恐れているのが、ずっと主力で出場してきた選手たちの気持ちが燃え尽き症候群というか、なかなか高ぶってこないような状態に少しなってきていること。何年もこういう状況になっていると必ずどこかにしわ寄せがくるし、昨シーズンもけが人が続出した時期があったので」

 チーム全体での始動を遅らせてまでも、主力選手たちにあえて2週間のオフを取らせた理由を、鈴木ダイレクターはこう説明する。半ばぶっつけ本番でもACLプレーオフで勝てれば、と抱いていた淡い期待は脆くも崩れ去ってしまったが、準備期間の短さを問われた内田はおもむろに首を横に振った。

(取材・文:藤江直人)

内田篤人は「準備期間が短かった」とは思わない。言い訳を振り払って向き合う敗北の理由【この男、Jリーグにあり/後編】
鹿島アントラーズは28日、AFCチャンピオンズリーグ・プレーオフでメルボルン・ビクトリーと対戦した。54分に失点した鹿島は0-1で敗れ、グループステージ出場を逃している。前編で鈴木満取締役フットボールダイレクターは「昨季の後半戦よりはよかった」と前を向いたが、DF内田篤人は準備期間の短さを否定した。そして、敗北の理由に向き合い、自身の不甲斐なさを悔いた。(取材・文:藤江直人)

2020年01月31日(Fri)10時36分配信
text by 藤江直人 photo Getty Images

「最後の精度」で片づけてはいけない


【写真:Getty Images】

「準備したから勝てるか、と言われたらわからない。勝負ごとだし、勝てる確率は上がるかもしれないけど。それに、監督が代われば戦術とかも変わるし、使いたいタイプの選手も変わる。それでも、準備期間が短かったとはオレは思わない。キャンプもしているわけだからね。それに主力選手と言っても、シーズンが終わるころにはウチには主力なんていないわけだからね」

 言葉を補足すれば、主力なんていないとは、イコール、所属する全員がアントラーズイズムを体現できる――を意味する。黎明期から受け継がれてきた、言い訳が許されない常勝軍団の掟を誰よりも理解しているからこそ、日本サッカー界でよく言われる、負けたときの理由づけにも難色を示した。

「チャンスはあったよ。それはあるよ。(相手が)オーストラリア(のチーム)だもの。そう思いませんか? そこをやっぱり最後の精度、という言葉で片づけちゃうのかな、と。日本代表でもよく言われるじゃない。最後(のところ)が、とか」

 再び言葉を補足すれば、決してメルボルンへのリスペクトを欠いていたわけではない。たとえ新戦力が数多く起用された状況でも、クラブとして積み重ねてきたものを出せば負ける相手ではなかったと、ピッチの上でその役割を果たせなかった不甲斐なさを含めて内田は伝えたかったのだろう。

「ザックが来たときは…」

「オレは試合に出ていないから、どうこう言うつもりはないけど。でも、自分たちが今後どのようなリアクションを見せていかなければいけないのかを、オレたち出ていない選手がやらなきゃいけない」

 リードを許しながらも、交代枠をひとつ残してアントラーズは敗れている。FW伊藤翔とMF白崎凌兵の他に、攻撃的な選手がリザーブにいなかったという事情もある。それでも、自分や永木亮太、最年長の曽ヶ端準、ベンチに入らなかった遠藤康らが常日頃から背中を、どんな状況でも敗北の二文字を拒絶するアントラーズの伝統を、ザーゴ監督が掲げる戦術に融合させていかなければいけない。

 指揮官が代わったばかりという事情もあり、夏場までは何とかやり繰りしながら、秋以降に勝負をかけられるチームになればと、鈴木ダイレクターも今シーズンに対してはある意味で覚悟を決めている。確かに手探りで戸惑いもあるが、そうした状況に甘えてはいけないと内田は力を込める。

「特に外国人の監督だし、そこは(要求を)守らなきゃというか、思い切りがなくなることが日本人選手にはあると思う。だから(日本代表に)ザックが来たときなんかは、最初はやっぱり、という感じだったから。オレは海外に出ていたから、そこはわかっているけど」

 日本代表の指揮官が岡田武史監督から、イタリア人のアルベルト・ザッケローニ監督に代わった2010年の秋以降もチーム内に戸惑いが生じたと、内田はおもむろに思い出した。海外で外国人監督のもとでプレーしている選手たちのように、新監督の戦術をいち早く理解した上で、失敗を恐れることなく実戦のピッチで体現していく勇気と覚悟がいまこそ必要になってくる。

「ブーイングじゃないというのが悲しい」

 あまりにも短いオフ。監督を含めた首脳陣の刷新。そして、過渡期にあるチームを物語るように12人もの選手が放出され、新たに11人が加わった陣容。昨夏に安部裕葵(FCバルセロナ)ら、3人の主力がヨーロッパへ移籍した状況を含めて、難しい時期にあると察したからか。4冠独占の可能性が早くも潰えたアントラーズに対して、サポーターはブーイングを浴びせなかった。

 批判されるのを覚悟の上で試合後の挨拶へ向かった内田は、降り注いできた拍手と声援に「ブーイングじゃない、というのが悲しいね。あれっ、という感じで」と神妙な表情を浮かべた。

「厳しい目であってほしいというか。いままでもそうやって見られて育ってきたからね。オレもそうだったし、他の選手も。負けて頑張れよと言われるチームじゃなかったよな、というのがちょっとね。それを今日、そういうふうになっちゃったのが本当に申し訳なくて」

 大雨のなかを駆けつけたサポーターへ逆に気を使わせてしまった結果に、内田は心のなかで頭を下げた。ACL本大会出場を逃したことでグループリーグから登場する、来月16日の名古屋グランパスとのYBCルヴァンカップへ。そして、敵地でサンフレッチェ広島と対峙する同23日のリーグ開幕戦へ。クラブとサポーターが一体となって妥協を許すことなく勝利を、そして捲土重来を期す戦いが始まる。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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Author:Fundamentalism
鹿島愛。
狂おしいほどの愛。
深い愛。
我が鹿島アントラーズが正義の名のもとに勝利を重ねますように。

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