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超大型ルーキー松村優太は、すでに「アントラーズらしい選手」だ

松村優太を取材したSportivaの原田氏である。
特に気になったのは、「アントラーズに加入できた理由を聞けば、持ち前のスピードやテクニックではなかった。
『負けたくないんですよね。すごく負けず嫌いなんです。静学でも最初は1年生のチームでも試合に出られなくて。トップチームに上がったのも、同じ学年のなかでは4、5番目くらいだったんです。
 ずっと周りに負けたくないという思いが強かったですし、試合にも負けたくなくて。負けたくない、負けたくない……という思いが続いていて、そうなったら練習しますよね。その積み重ねで今、ここにいることができているんだと思います』」という部分であろうか。
このあたりのメンタリティが重視されたと松村自身も感じておることが伝わる。
これはプロに入り即効果を発しておる。
高校時代と嵌まった違うプレイスピードと強度に戸惑ったと聞くが、それに心が折れることなく、前向きにトライし、公式戦出場を掴み取っておる。
素晴らしい。
同期4人で切磋琢磨し、より高いレベルを目指すのだ。
また、「もちろん、海外でプレイしたいとか、日本代表になりたいとか、ワールドカップに出たいという思いはありますけど、最終的には、誰かに憧れられる選手になれたらいいなと思っています。小学生でも、中学生でも、自分のプレーを見て『ああいう選手になりたい』って思ってもらえたらうれしいなって」という言葉に松村のサッカー観・パーソナリティが表れておる。
いずれ松村の背中を追って鹿島に入団する選手が現れよう。
それを目指し、鹿島にて長くプレイして欲しい。
楽しみにしておる。

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超大型ルーキー松村優太は、
すでに「アントラーズらしい選手」だ

原田大輔●取材・文・撮影 text & photo by Harada Daisuke

鹿島アントラーズ・松村優太インタビュー@前編

 1月に行なわれた全国高校サッカー選手権大会では、静岡学園高校の主力として優勝に貢献した。松村優太は高校最後の大会で「全国制覇」というタイトルを獲得し、満を持して鹿島アントラーズへと加入した。


今季から鹿島アントラーズの一員となった松村優太

 J1開幕を前に行なわれたルヴァンカップでは、高卒ルーキーながらメンバー入り。その名古屋グランパス戦では、81分に途中出場を飾った。

 ところがわずか9分後、ペナルティエリア内で相手GKに足の裏を見せる危険なスライディングをしたとして、一発退場。チームも0−1で敗戦し、松村にとってはホロ苦いどころか、大きな痛みを伴うデビュー戦となった。

 だからこそ、この話題を避けるわけにはいかなかった。

 インタビュー開始早々、いきなりデビュー戦について質問をぶつけた。18歳の若者からしてみれば、避けたい話題だったかもしれない。だが、松村は真っ直ぐにこちらを見ると、しっかりと言葉を紡いだ。

「自分自身にとってはデビュー戦ということ、加えて0−1で負けていた状況だったので、試合に勝ちたいという思いも強く、気持ちが空回りしてしまいました。試合後、(名古屋GKミチェル・)ランゲラク選手には直接、謝罪しました。自分自身に対しても悔しかったですし、勝ちたい気持ちが強かったとはいえ、ああいうことをしてしまったことについては猛省しました」

 聞けば、人生初のレッドカードだったという。自身と入れ替わる形でベンチに下がった土居聖真がわざわざ迎えに来て、「恥ずかしがることじゃない。顔を上げて胸を張れ」とかけてくれた言葉が心に突き刺さった。それでも悔しさは拭えず、自然と涙があふれた。

「くくりでいえば、悔し涙になるんですかね。試合に負けて泣いたことはありますけど、自分のプレーに対して泣いたのは初めてかもしれません。イエローカードをもらった経験も、これまで一度か二度くらいしかないんです」

 そのプレー以上に悔やんでいたのが、試合結果についてだった。

「自分が退場したのは90分くらい。アディショナルタイムも含めれば時間はまだあったので、11人だったら追いつける可能性があったわけじゃないですか。ひとり少なくなったことで、相手にボールを回されたり、ボールを奪えない状況になったと考えると、チームには本当に迷惑をかけてしまったなと。ただ、今はその悔しさをプラスに変えて、ここから上がっていければと思っています」

 松村の言葉と表情からは、過ちを認められる素直さと、勝利にこだわる芯の強さが同時に感じられた。何より、結果について言及するところが、すでに「鹿島アントラーズらしい選手だな」とも思った。松村は現実をしっかりと見つめていた。

「まだまだ足りないところばっかりなんですけど、徐々に自分の特徴というものを、ほかの選手にもわかってもらってきているので、最初に比べたら自分のよさは出せていると思います。

 ただ、プロになって感じるのは、判断のスピードが格段に違う。言葉で表現すれば、今までなら足もとで受けて考えてからプレーしても大丈夫だった。でも、今はワンタッチで処理しなければ間に合わないというか。

 判断だけでなく、寄せてくるプレッシャーのスピードも早いので、ふたつ先、3つ先が見えていないとダメなのかなと感じています。ドリブルやシュートだけでなく、もっとプレーの選択肢を増やしたうえで、自分の特徴を活かさなければいけないんだなって」

 急激に判断力を向上させる魔法は存在しない。それは、松村も十二分に理解している。

「ジュニア、ジュニアユース、高校とプレーしてきて、おそらくここまでは6、3、3という学年が示すように、全員が全員、同じ階段を登ってきた。でも、ここから先は一気にガラッと変わる。これまで6、3、3と一歩ずつだったものを、グンって上げるのは簡単じゃないですよね」

 振り幅をイメージしやすいように、松村は思い切り片手を上へと持ち上げた。だからこそ、日々の練習が重要になると力説してくれたが、興味深かったのはその考え方だ。

「まずは『できないこと』のほうが多いので、逆に『できること』に目を向けたんです。できないことばかりを意識してしまうと、自分がアントラーズに加入させてもらった特徴も活かせなくなってしまうので。自分はスピードだったり、ドリブルだったりを評価してもらえたから、アントラーズに加わることができたと思うんです。

 だから、まずはそこを出していくことが重要かなと。よさを見せていくなかで、周りから『今のはこうしたほうがよかったんじゃないか』『こうだったんじゃないか』と言われることで、新たな視点も見えてくると思う」

 できないことがあれば、そこに目が向いてしまうのが人間というものだ。コンプレックスという言葉や劣等感という意識があるように、それは人間の性(さが)とも言えるだろう。だが、松村はできることに着目することで、自分の魅力を最大限に発揮しようとしている。

「もちろん、できないことを考えはするんですけど、そこばかりを見ていると、できることもできなくなってしまうというか。実際、足りないところは多いですけど、練習試合ではドリブルで仕掛けたり、アシストできることもある。アントラーズには経験豊富な選手がたくさんいるので、その人たちの中で揉まれることで、できないところも磨かれてくるんじゃないかなと思っています」

 自分の武器は「スピードとドリブル」と認識している。ただ、高校時代と比べてすべてのスピードが格段に上がったプロの世界では、武器だと思っていた自分の特徴すらかき消されてしまう可能性もある。

「だから、迷わないようにしています。仕掛けようと思ったら、まずは仕掛ける。それが先ほども言った判断力を上げていくことにもつながるのかなと」

 松村ならば、デビュー戦の苦い経験もプラスに変えることができるだろう。思い切りのいいドリブルと縦に仕掛ける強気なプレー以上に、その思考に惹かれた。

 彼の原点はどこにあるのだろうか。それは、武器であるドリブルが武器になり得る前の幼少期にあった。

静学のアザール・松村優太。
「18歳でも若いとは言っていられない」

原田大輔●取材・文 text by Harada Daisukephoto by Getty Images

 鹿島アントラーズに加入した松村優太は、先の全国高校サッカー選手権大会で優勝した静岡学園高校の10番として、たびたび得意のドリブルで決定機を作り出した。

「ボールを持ったら放さない」と言わんばかりのドリブルは、試合を重ねるたびに注目を集め、同校初の単独優勝という快挙の立役者にもなった。


ドリブルの得意な松村優太は「静学のアザール」と称された

 自身も武器と認識する「スピードとドリブル」は、どのように磨いてきたのだろうか。

「もともと、子どもの頃から足は速かったんです。だから、ドリブルにも自信はありました。でも、ジュニアユースの頃までは、ひとり目をかわしても、ふたり目でボールを取られたりと、そこで終わってしまうことのほうが多かったんです。

 スピードのある選手特有の速さに頼っていただけ、だったかもしれません。でも、静学(静岡学園)で足もとの技術が身についたことによって、何人来てもボールを取られないようなボールタッチの感覚が養われたんだと思います」

 大阪で生まれ育った松村は、日本国内でも個のスキルを磨くことに長けた静岡学園高校に進学。そこで得意のドリブルに磨きがかかった。ただ、”静学”を選んだのは、足もとの技術を学びたいと思っていたからではなかったようだ。

「大阪から外に出たいと思っていたんですよね。中学時代は大阪府の選抜に入っていたわけでもなく、ほかから声がかかるような選手ではなかったんです。

 ただ、アントラーズでも先輩の名古(新太郎)くんが自分と同じ大阪東淀川FCでプレーしていて、自分よりも先に静学に進学していたことが大きかったんです。そうした縁もあって、声をかけてもらって。

 当時の自分はあまり高校サッカーを見る機会もなくて、正直、静学のこともあまり知らなかったくらい。でも、調べてみたら個の能力を主体としたサッカーをしているということがわかった。県外に出たいという思いも強かったので、それもあって静学に行くことにしたんです」

 武器を武器と呼べるまでに飛躍させるのに”静学”という土壌はぴったりだった。

 高校3年間で技術を磨いた松村は、鹿島アントラーズから声をかけられるまでの存在へと成長した。ただ、自身がアントラーズに加入できた理由を聞けば、持ち前のスピードやテクニックではなかった。

「負けたくないんですよね。すごく負けず嫌いなんです。静学でも最初は1年生のチームでも試合に出られなくて。トップチームに上がったのも、同じ学年のなかでは4、5番目くらいだったんです。

 ずっと周りに負けたくないという思いが強かったですし、試合にも負けたくなくて。負けたくない、負けたくない……という思いが続いていて、そうなったら練習しますよね。その積み重ねで今、ここにいることができているんだと思います」

 その思いは、鹿島アントラーズに加入した今も変わらないという。18歳だから、ルーキーだから、試合に出られなくても仕方がない、という考えには至らない。

「18歳だからといって、若いとは言っていられないと思っています。世界を見渡せば、16歳で注目されている選手もいる。それに1カ月後には19歳になるので、10代でいられるのもあと1年しかないんです。

 サッカー選手のひとつの区切りを30歳だと考えたら、あと10年しかない。その期間でどれだけ自分がトップレベルでやっていけるのか。だから、18歳だからといって、若いとは言っていらないですよね。

 それに、ルヴァンカップで退場してしまった関係で、J1の開幕戦は出場停止でしたけど、同期の荒木(遼太郎)はルヴァンカップもJ1の開幕戦も出ている。あいつはプレシーズンマッチでも点を獲っていますし、結果を残しているという意味では、まだまだ自分は劣っていると思います。もちろん、同期に負けたくないという思いもあります。だから、やるしかないんです」

 今シーズンの鹿島アントラーズには松村のほか、東福岡高校からMFの荒木、尚志高校からFWの染野唯月(いつき)、そしてユースからGKの山田大樹が高卒ルーキーとして加入した。

 それぞれユース年代では、名を馳せた選手たちである。鹿島アントラーズのサポーターからは、時代を築いた小笠原満男、中田浩二、本山雅志、曽ケ端準の4人になぞらえ、今後の成長と活躍を期待する声もある。

「同い年なので仲もいいですし、お互いに切磋琢磨していければいいなとは思っていますけど、負けたくないという思いはありますよね。どれくらいの時間がかかるかはわからないですけど、いずれはこの4人でチームを支えていけるくらいになりたい。

 自分が海外に飛び出していくかもしれないですし、誰かが移籍するかもしれないですけど、同じ世代を代表する選手にそれぞれがなっていければと思います」

「海外」というキーワードが出たので、思い描く将来像はあるかと聞いてみた。松村の答えは、こちらの想像とはちょっと違っていた。

「もちろん、海外でプレーしたいとか、日本代表になりたいとか、ワールドカップに出たいという思いはありますけど、最終的には、誰かに憧れられる選手になれたらいいなと思っています。小学生でも、中学生でも、自分のプレーを見て『ああいう選手になりたい』って思ってもらえたらうれしいなって」

 自分もそうした存在がいるのかと聞けば、首を振る。

「自分には、そうした憧れの選手がいなかったので、自分が誰かの憧れになれたらいいなって、なおさら思うんですよね。よく、『誰か目標にしている選手はいますか?』って聞かれるので、そういう時は(エデン・)アザール(レアル・マドリード)って答えていたんですけどね(笑)」

 プレースタイルが似ていることから、高校時代は「静学のアザール」なんてニックネームを拝していた。

「でも、実はそんなにアザールのプレーを見たことがないんです。だから、なんとなくイメージでそう答えていたんです(笑)」

 急に18歳の一面をのぞかせて微笑ましく見ていると、再びプロの顔に戻ってこう言った。

「ただ、憧れてもらうには、プレーの結果ももちろん、サポーターに対しての姿勢も身につけなければいけないと思っています。私生活も見られると思うので、そういったところでも一流にならないといけないと思っています。僕がプレーしていた東淀川FCでプレーしたいとか、静学に入りたいとか思ってもらえるような、そんな選手になりたいんです」

 今シーズンの目標を聞けば、こうも言う。

「ポジション奪取はもちろんですけど、アントラーズは昨季、タイトルを獲れていないので、自分がタイトル獲得に貢献できるような影響力のある選手になりたいと思っています。

 具体的に挙げれば、得点とアシストでともに、ふたケタくらいは目指してやりたい。まだリーグ戦だけで達成できる選手ではないと思っているので、ルヴァンカップ、天皇杯とすべての公式戦を併せて、それくらいの結果が残せたらいいなと」

 自ら具体的な数字を挙げたので、いたずらっぽく「記事に書いてしまうよ」と笑うと、松村は自分に言い聞かせるように強くうなずいた。

「高校時代は個人技で打開することが多く、アントラーズに来てからポゼッション主体というか、システマチックなサッカーに挑戦しているところもあります。守備も攻撃も組織的ではありますけど、ザーゴ監督からは、試合に出た時には仕掛けていいと言ってもらっている。

 監督にも仕掛けるプレーを求められていると思うので、チームのことはやりつつ、やっぱり自分の特徴を出していければと。ひとりで打開することができれば、その分、どこかが空くと思いますし、ボールをつなぐことも大事ですけど、緩急で違いを出せればと思います」

 選手権という大舞台でも席巻したドリブルで勝負する。その武器は、自分自身が研ぎ澄ませてきたものである。アントラーズに加わったスペシャリストが、サイドを駆け上がる光景が待ち遠しい。

【profile】
松村優太(まつむら・ゆうた)

2001年4月13日生まれ、大阪府出身。大阪東淀川FCから静岡学園高校に進学。背番号10番を背負い、チームを同校初の単独優勝に導く。今季から鹿島アントラーズに加入。ポジション=MF。173cm、63kg。

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もともと鹿島の闘い方って、
個人単位で見れば粗があっても
尖った能力があって、それの調和で
勝ってきたチームだと思う。

代表に選ばれないケースもあるけど、
ここは確実に凄いって言えるポイント
が、確信を持って言えたし、
そう言えるような尖った選手で
あってほしい。

2010に小笠原、2018に西なんて、
召集されてよかったはず。

記事の小話を広げます。
松村に似てる選手はユーベの方のDコスタとウィリアンかなぁと。
(負けず嫌い、静学ときたらブラジル人ですよね笑)

利き足のサイドからゴリゴリ仕掛けて隙間を縫って高速クロス。
囲まれる前提でボールを受けて仕掛け続けられるメンタル。

なかなか得点アシストには現れないですけどね、
単独で相手ディフェンスにヒビを入れる貴重なタイプです。
プロフィール

Fundamentalism

Author:Fundamentalism
鹿島愛。
狂おしいほどの愛。
深い愛。
我が鹿島アントラーズが正義の名のもとに勝利を重ねますように。

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