“ケチャドバ”をもたらしたザーゴ監督の起死回生の一手
Fマリノス戦の大量得点について記すサッカーダイジェストの小室氏である。
「クラブ伝統の4-4-2から4-2-3-1にシステムを変え、ボランチより前の4人のスタメンと並びもいじった」とこの試合での変化について小室氏の意見を書く。
これには異論を述べたい。
そもそも、この試合もその前に試合と同様に4-4-2であった。
明らかにヤスはFWとしてプレイして追った。
守備時の戻りが大きかったことは認めるが、だとすれば以前の試合でのファン・アラーノも聖真も同様にプレイしており、システムには変化はなかったと言い切れる。
それよりも、エヴェラウドの突破と綺世の決定力がこの試合の行方を決め、また特殊な戦術を採るFマリノスの弱点を突き続けたことが大量得点に繋がったと推察しておる。
サッカーに於いて先制点の重要性が改めて証明された試合と言えよう。
川崎戦では誤審のオフサイドゴールがなければ、札幌戦でのスンテのミスがなければ、浦和戦にて橋岡のハンドが認められPKが与えられておれば、と再開後の試合にはそれぞれ不運があった。
これも受け入れ、結果は結果である。
そして、ども試合でも鹿島は攻撃的なサッカーをしており、相手が先制点を得たこともあって守備的になっておった。
ここをこじ開けられなかったこととは異なりFマリノスは攻撃的に向かってきたことがこの結果に繋がったと言えよう。
そのあたりは普通に観る能力があれば理解出来るもの。
この大量得点で、鹿島が変わったと思うのは思慮の浅さを感じる。
単に先制点を得たかどうかという見解だけだと思われる。
その答えは次節の湘南戦にてどちらがどのような先制点をゲットするのかで出るであろう。
明後日の試合が楽しみである。

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【鹿島】大不振が嘘のような大量4ゴール! “ケチャドバ”をもたらしたザーゴ監督の起死回生の一手
小室功
2020年07月20日
「どのチームよりもチャンスは作っている。あとは決めるだけだ」

泥沼の公式戦6連敗。ザーゴ監督が打った大胆な手が横浜戦で吉と出た。写真:田中研治
“ケチャドバ”とは、まさにこういう現象を言うのだろう。
シーズンインから6戦全敗でわずか1ゴール。しかもその1点はオウンゴールと、暗闇のなかにいた鹿島がここまでの不振が嘘のような大量4得点で、昨季のJリーグ覇者である横浜を粉砕したのだ。
2得点を挙げて、“ケチャドバ”の口火を切った今季初先発のFW上田綺世は「何かを変えてやろうというより点を取ること。その一択しか考えていなかった」と、ゴールへの執着心を打ち明ける。
決まるときは決まる。決まらないときは決まらない。根拠があるようで、すべては後付けのような決定力という領域。強いから勝つのではなく、勝ったから強い。サッカー界に伝わる、その話にどこか似ているが、厳しさを増す周囲の評価を覆すには勝利のためのゴールが必要だった。
「どのチームよりもチャンスは作っている。あとは決めるだけだ」
ゴール欠乏症について問われるたび、指揮官は強気の姿勢を崩さなかったものの、第4節の浦和戦に負けたあとのオンライン会見では、どこか目がうつろだった。長年、勝負の世界で生き、酸いも甘いもかみ分ける、さすがのザーゴ監督も「これだけ得点を決められないのは現役時代を含め、初めての経験」と、想定外の事態に胸中は穏やかではなかったはずだ。
ゴールを決めるために、何を、どうすべきか。「みんなで頑張ろう。今やっていることを続けよう」といった類の話だけではなく、横浜戦に向けての1週間の準備期間のなかで、ザーゴ監督が打った手は大胆な“変化”だった。
クラブ伝統の4-4-2から4-2-3-1にシステムを変え、ボランチより前の4人のスタメンと並びもいじった。中断明けの2トップはエヴェラウドとファン・アラーノ、右MFが土居聖真もしくは染野唯月、左MFが和泉竜司だったが、上田綺世を1トップに置き、その後ろに左からエヴェラウド、遠藤康、ファン・アラーノを並べた。
今季初めての布陣だけに「よくいえば臨機応変、悪くいえば行き当たりばったり」と、批判される可能性も無きにしも非ずだが、終わってみれば吉と出た。
チームスタイルの完成形はまだまだ道半ば

戦術を変更し待望の今季初勝利を挙げた。写真:田中研治
「前に出ていた選手たちのプレーが良くなかったわけじゃない。今、重要なのはチームとして勝つことだった」(ザーゴ監督)
ゴールを決めるためのより良い組み合わせ。その模索を続けているが、ここに一筋の光を見出したかもしれない。
ただ、ひとつ皮肉を許してもらうならば、得点の形はカウンターと相手のミスに付け込んだもの。大量4得点は、横浜が自ら墓穴を掘るかのように不安定なハイラインを続けてくれたおかげといった側面も見え隠れする。
ザーゴ監督は「ボールを握って攻めきるサッカー」を掲げてスタートしているだけに、完成形まではまだまだ道半ばだ。横浜戦からわずか4日後の湘南戦で、どんな姿を披露できるか。新戦術の進捗状況を図るうえで、毎試合が査定対象になる。
取材・文●小室 功(オフィスプリマベーラ)
「クラブ伝統の4-4-2から4-2-3-1にシステムを変え、ボランチより前の4人のスタメンと並びもいじった」とこの試合での変化について小室氏の意見を書く。
これには異論を述べたい。
そもそも、この試合もその前に試合と同様に4-4-2であった。
明らかにヤスはFWとしてプレイして追った。
守備時の戻りが大きかったことは認めるが、だとすれば以前の試合でのファン・アラーノも聖真も同様にプレイしており、システムには変化はなかったと言い切れる。
それよりも、エヴェラウドの突破と綺世の決定力がこの試合の行方を決め、また特殊な戦術を採るFマリノスの弱点を突き続けたことが大量得点に繋がったと推察しておる。
サッカーに於いて先制点の重要性が改めて証明された試合と言えよう。
川崎戦では誤審のオフサイドゴールがなければ、札幌戦でのスンテのミスがなければ、浦和戦にて橋岡のハンドが認められPKが与えられておれば、と再開後の試合にはそれぞれ不運があった。
これも受け入れ、結果は結果である。
そして、ども試合でも鹿島は攻撃的なサッカーをしており、相手が先制点を得たこともあって守備的になっておった。
ここをこじ開けられなかったこととは異なりFマリノスは攻撃的に向かってきたことがこの結果に繋がったと言えよう。
そのあたりは普通に観る能力があれば理解出来るもの。
この大量得点で、鹿島が変わったと思うのは思慮の浅さを感じる。
単に先制点を得たかどうかという見解だけだと思われる。
その答えは次節の湘南戦にてどちらがどのような先制点をゲットするのかで出るであろう。
明後日の試合が楽しみである。

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【鹿島】大不振が嘘のような大量4ゴール! “ケチャドバ”をもたらしたザーゴ監督の起死回生の一手
小室功
2020年07月20日
「どのチームよりもチャンスは作っている。あとは決めるだけだ」

泥沼の公式戦6連敗。ザーゴ監督が打った大胆な手が横浜戦で吉と出た。写真:田中研治
“ケチャドバ”とは、まさにこういう現象を言うのだろう。
シーズンインから6戦全敗でわずか1ゴール。しかもその1点はオウンゴールと、暗闇のなかにいた鹿島がここまでの不振が嘘のような大量4得点で、昨季のJリーグ覇者である横浜を粉砕したのだ。
2得点を挙げて、“ケチャドバ”の口火を切った今季初先発のFW上田綺世は「何かを変えてやろうというより点を取ること。その一択しか考えていなかった」と、ゴールへの執着心を打ち明ける。
決まるときは決まる。決まらないときは決まらない。根拠があるようで、すべては後付けのような決定力という領域。強いから勝つのではなく、勝ったから強い。サッカー界に伝わる、その話にどこか似ているが、厳しさを増す周囲の評価を覆すには勝利のためのゴールが必要だった。
「どのチームよりもチャンスは作っている。あとは決めるだけだ」
ゴール欠乏症について問われるたび、指揮官は強気の姿勢を崩さなかったものの、第4節の浦和戦に負けたあとのオンライン会見では、どこか目がうつろだった。長年、勝負の世界で生き、酸いも甘いもかみ分ける、さすがのザーゴ監督も「これだけ得点を決められないのは現役時代を含め、初めての経験」と、想定外の事態に胸中は穏やかではなかったはずだ。
ゴールを決めるために、何を、どうすべきか。「みんなで頑張ろう。今やっていることを続けよう」といった類の話だけではなく、横浜戦に向けての1週間の準備期間のなかで、ザーゴ監督が打った手は大胆な“変化”だった。
クラブ伝統の4-4-2から4-2-3-1にシステムを変え、ボランチより前の4人のスタメンと並びもいじった。中断明けの2トップはエヴェラウドとファン・アラーノ、右MFが土居聖真もしくは染野唯月、左MFが和泉竜司だったが、上田綺世を1トップに置き、その後ろに左からエヴェラウド、遠藤康、ファン・アラーノを並べた。
今季初めての布陣だけに「よくいえば臨機応変、悪くいえば行き当たりばったり」と、批判される可能性も無きにしも非ずだが、終わってみれば吉と出た。
チームスタイルの完成形はまだまだ道半ば

戦術を変更し待望の今季初勝利を挙げた。写真:田中研治
「前に出ていた選手たちのプレーが良くなかったわけじゃない。今、重要なのはチームとして勝つことだった」(ザーゴ監督)
ゴールを決めるためのより良い組み合わせ。その模索を続けているが、ここに一筋の光を見出したかもしれない。
ただ、ひとつ皮肉を許してもらうならば、得点の形はカウンターと相手のミスに付け込んだもの。大量4得点は、横浜が自ら墓穴を掘るかのように不安定なハイラインを続けてくれたおかげといった側面も見え隠れする。
ザーゴ監督は「ボールを握って攻めきるサッカー」を掲げてスタートしているだけに、完成形まではまだまだ道半ばだ。横浜戦からわずか4日後の湘南戦で、どんな姿を披露できるか。新戦術の進捗状況を図るうえで、毎試合が査定対象になる。
取材・文●小室 功(オフィスプリマベーラ)
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No title
鹿島に不利な誤審はつきもの。
今節はオフサイド見逃しが絡む2失点があっても勝てた。
これぞ鹿島。
今節はオフサイド見逃しが絡む2失点があっても勝てた。
これぞ鹿島。
多分、アントラーズは結果を求めて当初掲げていた方針(ボールを握って相手をコントロールする)から逆行気味な(相手の出方に合わせたり選手の個性を活かす)サッカーをした。
そして見事にカウンターと相手のミスを突いて4得点の大勝を収めた。
しかし勝てれば戻っていいのか?安定しなくても理想を追うべきでは?という問題が際立ってしまった。
クラブが何処を目指しているのか観ている側は判別出来なくなってしまった。今後は1試合1試合の細かい所からその状況を察していくしかない。次の湘南戦はとても興味深い試合になる。
という旨の記事ですね。
私も似たような感想です。
ただ、以前に戻っているように見えてエヴェラウドのドリブルはアクションサッカーに1歩近づいた気がします。
ハイプレスで粘り強い湘南相手にどんなサッカーを見せてくれるのかクラブの現在地を測る意味でも楽しみです。
そして見事にカウンターと相手のミスを突いて4得点の大勝を収めた。
しかし勝てれば戻っていいのか?安定しなくても理想を追うべきでは?という問題が際立ってしまった。
クラブが何処を目指しているのか観ている側は判別出来なくなってしまった。今後は1試合1試合の細かい所からその状況を察していくしかない。次の湘南戦はとても興味深い試合になる。
という旨の記事ですね。
私も似たような感想です。
ただ、以前に戻っているように見えてエヴェラウドのドリブルはアクションサッカーに1歩近づいた気がします。
ハイプレスで粘り強い湘南相手にどんなサッカーを見せてくれるのかクラブの現在地を測る意味でも楽しみです。
No title
ポゼッション最優先なんてザーゴ監督は言ってません。
自分たちで主導権を握るサッカーです。
主導権を握る方法はポゼッションだけじゃありません。
高い位置から相手を嵌めて奪ったら一気に攻め切る、極端に言うとリバプールのサッカーに近い感じだと思います。
マリノスは殴り合いに来てくれたので特徴が出しやすかったですが、自分たちで崩す形も見られたと思います。
まだ最後のひとつ前のパスがズレて決定機までは行きませんでしたが、これから楽しみですね。
自分たちで主導権を握るサッカーです。
主導権を握る方法はポゼッションだけじゃありません。
高い位置から相手を嵌めて奪ったら一気に攻め切る、極端に言うとリバプールのサッカーに近い感じだと思います。
マリノスは殴り合いに来てくれたので特徴が出しやすかったですが、自分たちで崩す形も見られたと思います。
まだ最後のひとつ前のパスがズレて決定機までは行きませんでしたが、これから楽しみですね。
今シーズン取り組んでいるサッカーについてポゼッションを重視したサッカーと形容されるのをよく見ますが、その説明に疑問を感じます。
「主導権を握る」サッカーですが必ずしもポゼッションではなく、マリノス戦のサッカーは目指す形の1つだったのではないでしょうか。
ビルドアップの他に、前線からの守備の仕方やボールを奪った直後の判断にも変化を感じます。
チーム戦術にも色々な側面があると思いますが、マリノス戦はうまくハマり狙った戦いができていたと思います。
湘南戦も楽しみです。
「主導権を握る」サッカーですが必ずしもポゼッションではなく、マリノス戦のサッカーは目指す形の1つだったのではないでしょうか。
ビルドアップの他に、前線からの守備の仕方やボールを奪った直後の判断にも変化を感じます。
チーム戦術にも色々な側面があると思いますが、マリノス戦はうまくハマり狙った戦いができていたと思います。
湘南戦も楽しみです。
就任当初のザーゴ監督の所信表明です
「理想のサッカーはシンプル。ボールを握りながらゲームコントロールし、自分たちのタイミングで攻撃、守備をしたい」
マリノス戦は勝利の為に自分たちのコンセプトとは違うサッカーをしたとも語ってますね
次節はよりボールを保持して相手の隙を伺いたいと言ってます
「理想のサッカーはシンプル。ボールを握りながらゲームコントロールし、自分たちのタイミングで攻撃、守備をしたい」
マリノス戦は勝利の為に自分たちのコンセプトとは違うサッカーをしたとも語ってますね
次節はよりボールを保持して相手の隙を伺いたいと言ってます