安西幸輝×鈴木優磨 海外移籍した2人の決意
鈴木優磨と安西幸輝の対談を伝えるVictorySportsNews編集部の川原氏である。
二人が欧州1年を終え、今の気持ちが伝わってくる。
良い経験をしておるように思う。
二人が残っておれば、昨季のタイトルが手中に収まったと思うと悔しさもあるが、こうして成長した様子が伝わってくると我が子のように嬉しい。
いずれこの経験をクラブに還元してくれれば良いと思う。
来季は更に活躍し、ステップアップしていって欲しい。
移籍の報を待っておる。

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安西幸輝×鈴木優磨「ここでの競争に勝てなかったらどこに行ってもダメ」海外移籍した2人の決意

2019年まで鹿島アントラーズに所属した安西幸輝と鈴木優磨は、次世代における日本代表の中核を担うべくヨーロッパに活躍の場を求めた。彼らが初の海外移籍で感じたこと、日本との環境の違い、そして「ここでの競争に勝てなかったらどこに行ってもダメ」とまで語る彼らの決意とは――(構成=川原宏樹)
グリーン車からバス移動に―― 海外で培うハングリー精神
――今季は初の海外移籍となった2人ですが、今季を振り返ってみてください。
安西 ざっと1年が経ちました。2人でよく話していることなのですが、海外のリーグはJリーグとはサッカーの種類が全く違います。日本で良い選手がこっちで活躍できるかというと、それは違う。こっちのサッカーに順応することが大事と、よく話しています。僕は7月にこっちに来て開幕から順調で、クラブでも試合に出られて日本代表での活動もさせてもらっていました。しかし、今年2月に監督が代わってからは、試合に絡めなくなることが多くなりました。なので、難しいシーズンになりましたが最初のほうはうまくいっていたので、良いことも悪いことも半々くらいかなって思っています。
鈴木 今季の1年は、いろいろとサッカーで考えるタイミングがありました。ふたを開けてみると、5大リーグとは違ってベルギーリーグはどこまでいっても結果でしか見られない。今シーズンを振り返ってみて、改めて重要だなって思ったのが結果でしたね。これまでの鹿島アントラーズにいた自分だったら、なるべく時間を作って攻撃の始まりになりたいとか、自分がいることによってチームをうまく回したいというような思いでプレーしていました。だけど極端な話ですが、自分のなかでそういった起点となるようなプレーよりも、こっちに来てからは「まずは点を取りたい」という気持ちが強くなり、それが大事だと思っています。チームとして勝つということも大事ですけど、それにプラスして得点という数字で見られますし、その得点が勝利につながります。こっちは結果でしか認めてくれません。それは知っていましたけど、改めて思っていた以上に結果が大事だなって感じましたね。
――プレー以外の環境に適応するのに、苦労はしませんでしたか?
鈴木 僕は移籍が初めてで、食事は苦労しましたね。やっぱり主食が米でははないですし、こっちは油を使った料理が多い。ちょっと離れたところで日本食のお店があるとかって、こっちのことを知るまでの時間が必要で慣れるまでに時間は掛かりましたね。
安西 僕は権田(修一)選手もいましたからね。ポルトガルは気候も暖かくポルティモンの街は海が近くにあって、環境面では問題なく過ごせています。食事の面では日本食というものが全くないのですが、ポルトガルの料理はすごく美味しいので、そこまで問題にはなっていませんね。
鈴木 問題ないんじゃないか(笑)。
安西 でも、日本食は食べたいだろ(笑)。
――自炊はしなかったのですか?
安西 優磨はしていたでしょ?
鈴木 数えられる程度しかしてない。シント=トロイデンVVにいる日本人選手は仲が良いのでリフティングのゲームなどをして、負けた人が自炊してみんなに振る舞うというのが流行っているんですよ。だから、一人ではあんまり自炊してないですよ。
安西 僕は全くしないですが、権田さんの家でよくご馳走になっています。優磨がベルギーで自炊を始めたと聞いたときは、さすがに本気でびびって僕もやらないとまずいなって思ったんですけど、やっぱりダメでしたね(笑)。
鈴木 安西のところは、クラブから朝昼晩の食事が出るんですよ。だから、自炊する必要はないんですけど、僕らは朝と昼しか出ないので夜はどうしてもしなければならないんです。
安西 確かに、そうだね。
鈴木 こっちは大変ですよ。サッカーではない部分での戦いも多いですからね。
安西 確かに、それはあるね。
――シント=トロイデンVVは日本企業のDMMが経営しているので、日本人選手にとってもっと良い環境が用意されているのかと思っていました。
鈴木 そんなことないですよ。むしろ、いろいろな意味で這い上がってやろうと思える環境かもしれないですね。恵まれているわけでもありません。こっちよりもJリーグのほうが恵まれていますね。やっぱり日本はすごいですよ。こっちのように活躍してステップアップしなければならないと言われているリーグでは、すべてに対して良い意味でハングリー精神が出てきます。
安西 Jリーグでは鹿島という日本を代表するようなチームにいました。優磨ともよく話していることなんですけど、ポルティモネンセやシント=トロイデンVVは海外のなかではステップアップに利用するようなチームだと思います。Jリーグのときは、飛行機や新幹線での移動が主でした。ポルトガルにも新幹線はありますが、主要な交通手段がバス移動なんです。ポルティモンはポルトガルの端にあるので、アウェイの試合ではだいたい7時間くらいのバス移動になります。日本ではグリーン車とかでの移動が当たり前だったんですけど、バスで7時間なんてプロになってから初めての経験でした。そういったところで、こっちに来てからハングリー精神が鍛えられました。チームメートを見ていても練習から「今日しかない」って感じで挑んでいるので、僕自身もハングリーになれていると思います。

※オンライン取材時のキャプチャ画像
「0からの戦い」となった海外移籍
――海外移籍をしてみて、日本で得た経験は生きていますか?
鈴木 海外で活躍した日本人選手たちが、よく「早く海外に出たほうが良い」って言うじゃないですか。僕も安西もそうですけど、ある程度Jリーグで実績を積んでこっちに来ました。ですが、こっちの選手は日本での実績を知りません。どうせ知られていないなら、できるだけ若くして来るのは良いことだと思いましたね。僕らは24歳と25歳で、選手としての時間がそれほどないというのもあります。シント=トロイデンVVにせよ、ポルティモネンセにせよ、長くいるクラブではないというは、みんなもわかっていること。それに対して、得点できない、途中で代えられる、スタメンで出られないってなると、何のために行ったんだという思いが非常に強くのしかかってきます。日本で多くを学んで移籍しましたが、それを生かすというよりまた違ったものを学んでいるという感じですね。
――1からのスタートというイメージですか?
鈴木 どちらかというと、そうですね。日本で培ったものをこっちでそのまま伸ばすというよりは、0からの戦いになりました。シント=トロイデンVVもポルティモネンセも、日本人に優しいクラブと言われているなかでこのように感じています。次に移籍したら、もっと強く感じるんだろうって覚悟していますよ。
安西 本当に的を射ている話だね。あんまり共感はしたくないけど、本気でそうだなって話を聞いて思いました。
鈴木 海外で厳しい状況になる選手とかいるじゃないですか。たとえば今だと、ニューカッスルで武藤(嘉紀)選手が出ていないとか、でも僕らはそういうレベルではないんですよ。武藤選手は出られなかったら次に行くクラブは、(実績のある)ドイツに環境を変えられるんです。僕らの場合は日本人に優しいと言われるクラブに来ていて、ここでの競走に勝てなかったらどこに行ってもダメで次のクラブに行っても勝てるわけがないんですよ。その焦りで、ときどきすごくネガティブになります。僕らは守られていると思います。
安西 うん、わかる。そうそう。
――海外に出て、改めて日本に対して思うことはありますか?
鈴木 サッカーを抜きにして言えば……やっぱり日本は素晴らしいですね(笑)。
安西 それは間違いないわ(笑)。
鈴木 たとえば、外食のときに日本人の礼儀正しさを感じますね。こっちは対等か、それ以上で接客してきます。あと、日本人は時間にきっちりしていますし、仕事に対して真面目ですね。こっちの人は、仕事より自分の時間を優先したいと思う人が多いような気がします。でも、ちゃんと想像どおりですね。そのように聞いていたので、そこだけは想像どおりに進んでいますますね。
安西 こっちの人たちは、時間にすごくルーズなんですよ。10時に集合だったら、「10時にいれば良いんでしょ」という感覚なんですよね。5分前行動とかは全くなくて「グラウンドに10時集合ね」と言ったら、ロッカールームに10時に来て動き出せば良いという感覚。最初は本気で腹が立ちましたね。なんで時間どおりに来ないだろうって思っていたんですけど、権田さんからもアドバイスをもらいました。そういう細かいストレスを溜めていったら海外で生活できなくなるから、僕も海外に合わせてルーズにするようにしました。
鈴木 Jリーグでも、海外でプレーした経験のある選手は器が大きい。そういうことに慣れているから、ちょっとしたことで動じないんですよ。日本はちょっとしたことでも騒ぐ傾向がありますが、海外を経験している選手は大したことないと言います。今はそれが実感できていますね。

※オンライン取材時のキャプチャ画像
コロナ禍で苦しむ子どもたちにサッカーボールを贈りたい
安西幸輝と鈴木優磨が参加する「PasYou」では、ファンやサポーターから届いたリクエストに応じて参加アスリートがひとりひとりに向けたビデオメッセージを個別に送るサービスを展開しています。
「ファンやサポーターにプレーを見せる以外で何かできることはないだろうか」という共通の課題を感じていた2人は、新型コロナウイルス感染拡大によって苦しんでいる状況のなかで「元気にしたい、笑顔を届けたい」と思い、「PasYou」のサービスを通したプロジェクトを立ち上げました。以前のようにサッカーをできなくなってしまった地元の子どもたちに、「PasYou」のサービスで得た利益を還元してサッカーボールをプレゼントするという。
千葉県銚子市で生まれた鈴木優磨は、「地元はもともと静かな街でしたが、年々と人が減っているように感じています。さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で店を閉めなくてはいけなかったりと、厳しい状態にあると聞きました。全国でも厳しい状況にあることは理解していますが、まずは地元を少しでも活気づけたいと考えています」と、地元への愛を語っている。
また安西幸輝は、「小学生の頃の経験はすごく大切で、初めてサッカーを好きになる期間だと思います。その期間に外で友だちと遊んだり、練習したりできないのはつらい。それが影響して、サッカーから離れて欲しくないなと思っています」と、コロナ禍による子どもたちへの影響を懸念している。
そんな2人が「今できること」を考えて実行するのが、今回の「PasYou」を使ったサッカーボールのプレゼント企画。2人の思いに賛同する人は、「PasYou」を使って個別のメッセージをリクエストしてみてください。
安西幸輝×鈴木優磨「こんなにも何もできなくなるのかという無力感」コロナ禍に直面した2人の思い

安西幸輝と鈴木優磨は飛躍を誓って、昨年に鹿島から海外クラブへ移籍。海外生活1年目で、新型コロナウイルスが世界的に流行する未曾有の事態に巻き込まれる。プレーできない日々が続いた2人が改めて感じた日本へ思いを語る。(構成=川原宏樹)
コロナ禍でリーグが中断 ヨーロッパの状況とその徹底ぶり
――新型コロナウイルスの世界的な流行するなかで、どのように過ごしていましたか?
鈴木 僕はリーグが中止になって、帰国していました。帰国前はヨーロッパほどの影響はないって聞いていましたが、帰ってみたら全然人も歩いていなくて深刻なのは伝わってきて、思っていた以上にショックでした。
――対応にベルギーとの違いは感じましたか?
鈴木 まずベルギーは、マスクをつけるという文化がないんですよね。マスクをつけて歩いている人がいない。練習も早めになくなり早い段階で外出禁止になったので、僕はほぼ外出していません。その他にも複数人で家にいないようにとか、いろいろな対策がありました。数カ月前に警察が家に来て、複数人でいないかを確認していきました。日本では法律的にそこまで縛ることができないじゃないですか。本当はそうしたいんだろうけど、できないのも仕方ないなって思っていました。
――警察が一軒一軒を見回るくらい厳しかったんですね。
鈴木 徹底はすごいですよ。ヨーロッパのコロナに対する徹底ぶりは強かった。こっちは法律的な拘束力も強いですからね。
安西 先にポルトガルのリーグが延期になって、ベルギーもすぐその後に中断になったんだよな。ポルトガルも早く対処していて、すぐに街から人がいなくなりスーパー以外の外出は禁止になりました。市町村間の移動も禁止され、検問していましたね。日本の状況は親であったりニュースであったり、帰国した優磨であったりから聞いていました。流行はヨーロッパのほうがすごかったせいか、比較的に早く対応していましたね。
――海外にいた立場から日本の状況を見て、どんなことを感じましたか?
安西 3月くらいに、花見をしている人がいるというのを知りました。こっちに住んでいたら、そんなことは考えられないことでびっくりしましたね。とはいえ、日本の対応も早かったように感じます。それに全員の意識が高いから、特別に日本を心配するようなことはありませんでした。
鈴木 日本人は、やっぱり状況を理解するのが早いよね。こっちは拘束力がないと、絶対にできない。日本人のほうが、自分で判断して考えられる能力が高いと思います。それでも怖さはありましたね。こっちがどれだけ深刻かを知っていたので、日本もこうなるのかという怖さがありました。ヨーロッパでは練習もなくなっているのに、日本ではまだ無観客で練習試合をしているような状況でした。それはまずいんじゃないかって不安になりました。当時、日本にいる家族とかはそこまで深刻に思っていなくて気持ちも緩んでいたので、こっちの状況を伝えてちゃんとしたほうが良いとは言っていましたね。
――リーグが中断になった後、トレーニングはどうしていましたか?
鈴木 チームから毎日メニューが渡されて、個人で走ったりしていました。スーパー以外はレストランとかもやっていなかったので、スーパーで食料を買って食事をしていました。ストレスが溜まる状況でしたね。
安西 チームから家でできるフィットネスバイクをひとり1台支給され、ZOOMを使ってチームのメニューをやっていました。食事に関しては、ホテルの人が朝昼晩と部屋まで持ってきてくれて食べていました。本当にサッカーがなかったら、ただのニートになってしまうところでした(笑)。
――コロナ禍のなかで、日本のファンに対して何かしたいと思いましたか?
鈴木 この状況になって、サッカーでみんなを元気にできていたんだなって気がつきました。そのサッカーができなくなってしまったとき、自分がこんなにも何もできなくなるのかという無力感のようなものを感じました。そこから、改めてみんなを元気にしたいと思ったのが「PasYou」のプロジェクトに参加するきっかけになりました。
安西 僕もサッカーをとられてしまうと何もできない。権田さんは毎日インスタライブをやって、ポルトガルの状況と日本の状況を話したりしていました。僕は性格的に毎日インスタライブをできないので、すごいなって思いました。そこは人間力の差を感じますね。それでも、この期間でサッカーに対する熱がなくなってしまったという人の声も聞こえてきています。「PasYou」には前から参加していたんですけど、そのように悩んでいる子どもたちを助けたいですね。

※オンライン取材時のキャプチャ画像
「元気にしたい」「子どもたちを助けたい」 コロナ禍で湧き上がるファンへの思い
――改めてビデオレターを活用したプロジェクトを始めた理由を教えてください。
鈴木 思うように試合ができなくなった今、どうやったら日本を元気にできるか、ちょっとでも苦しんでいる人を救えるかと考えて、このプロジェクトに賛同しました。日本に看護師の友人がいて、新型コロナウイルスの感染拡大状況を聞いていました。そういった厳しい状況を聞いて、僕を応援してくれる人たちに恩返しができたら良いなと思っています。
安西 この話を持ちかけてきたのはヴェルディ下部組織時代の後輩で、ジュニアの頃からずっと一緒にやってきました。まず、彼の熱意がすごく伝わってきたんですよ。最初はその内容よりは「やるよ、やるよ」という感じで、付き合いを優先した感覚でした。ですが、プロジェクトの話を深く聞くと、その後輩が中学生時代に心臓病を患ったとき、ケガの悩みを抱えていたとき、長友さんや長谷部さんの本を読んで感化され「また頑張ろう」と思えたと言っていました。今、自分はプロとしてサッカー選手をやっていて、運良く日本代表にも選ばれて海外でプレーできるようになりました。こんな僕でも、後輩のように悩みを抱えていた子どもたちの手助けができるではないかと思って始めました。
――ビデオレターに加えて、地元への支援も実施されると聞きました。
鈴木 地元はもともと静かな街でしたが、年々と人が減っているように感じています。さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で店を閉めなくてはいけなかったりと、厳しい状態にあると聞きました。育った街なので何か貢献したい、小さくても明るいニュースを届けたいと常に思っています。
安西 地元には、ずっと特別な感情があります。僕を育ててくれて、今も支えになっている場所です。そして、少年団は特にお世話になった場所のひとつです。小学生の頃の経験ってすごく大切だと思っていて、サッカーを初めて好きになる期間だと思うんですよね。その期間に外で友だちと遊べなかったり、練習できなかったりするのはつらいと思います。それがきっかけになってしまい、サッカーから離れて欲しくない。ひとつの楽しみだったり、家で触る用のボールとして使ってもらったりすることで、何かしらの形で力になりたいなと思いました。
鈴木 少しでもサッカー選手、プロの存在を感じてもらいたいですね。僕は鹿島アントラーズのアカデミーのときに、プロ選手とふれ合ったり、身近に感じたりすることがすごくモチベーションになっていました。 ただ、僕が銚子で過ごしていた頃は、身近でプロの存在を感じることができなかったので、僕が少しずつそういう機会を作っていければ良いですね。
「お互いの活躍している姿を見て刺激」 切磋琢磨し合って上を目指す
――最後に、今後の目標を聞かせてください。
鈴木 近いところで言えば、UEFAチャンピオンズリーグとプレミアリーグでやりたいというが大きな目標です。その2つだけは、ヨーロッパにいる間に何とかしたいですね。
プレー以外では、サッカーだけに限らず何かを追いかけている子どもたちに何か伝えることができたら良いなって思っているので、まだまだ途中ですけど今までに話したビデオレターのサービスやSNSを通じて何か考えてやっていきたいなとは思っています。
安西 僕はワールドカップに出たくて海外に来ました。ワールドカップで日本代表のスタメンとして出るには、もっともっと上のチームで試合に出なければいけないと思っているので、時間は少ないですけど今はそれに向かって頑張っています。
選手としての活動以外では、夢を追っている子どもたちに僕がしてきた経験を伝えられたら良いと思います。
――お互いの目標を聞いて、アドバイスすることはありますか?
安西 優磨に対するアドバイスはないですよ。優磨はたぶん行くと思います。僕もそれに負けないようにしないといけないので、アドバイスというより優磨が行くんだったら僕もやるしかないなって感じですね。
鈴木 僕も、特にアドバイスはないですね。お互いがお互いの活躍している姿を見て、刺激し合えるというのは良い関係だと思います。それは僕たちに限らず、ヨーロッパにいる選手みんなで刺激し合って、もっともっと日本人の良さをわかってもらえるように頑張っていきたいですね。

※オンライン取材時のキャプチャ画像
コロナ禍で苦しむ子どもたちにサッカーボールを贈りたい
安西幸輝と鈴木優磨が参加する「PasYou」では、ファンやサポーターから届いたリクエストに応じて参加アスリートがひとりひとりに向けたビデオメッセージを個別に送るサービスを展開しています。
「ファンやサポーターにプレーを見せる以外で何かできることはないだろうか」という共通の課題を感じていた2人は、新型コロナウイルス感染拡大によって苦しんでいる状況のなかで「元気にしたい、笑顔を届けたい」と思い、「PasYou」のサービスを通したプロジェクトを立ち上げました。以前のようにサッカーをできなくなってしまった地元の子どもたちに、「PasYou」のサービスで得た利益を還元してサッカーボールをプレゼントするという。
千葉県銚子市で生まれた鈴木優磨は、「地元はもともと静かな街でしたが、年々と人が減っているように感じています。さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で店を閉めなくてはいけなかったりと、厳しい状態にあると聞きました。全国でも厳しい状況にあることは理解していますが、まずは地元を少しでも活気づけたいと考えています」と、地元への愛を語っている。
また安西幸輝は、「小学生の頃の経験はすごく大切で、初めてサッカーを好きになる期間だと思います。その期間に外で友だちと遊んだり、練習したりできないのはつらい。それが影響して、サッカーから離れて欲しくないなと思っています」と、コロナ禍による子どもたちへの影響を懸念している。
そんな2人が「今できること」を考えて実行するのが、今回の「PasYou」を使ったサッカーボールのプレゼント企画。2人の思いに賛同する人は、「PasYou」を使って個別のメッセージをリクエストしてみてください。
二人が欧州1年を終え、今の気持ちが伝わってくる。
良い経験をしておるように思う。
二人が残っておれば、昨季のタイトルが手中に収まったと思うと悔しさもあるが、こうして成長した様子が伝わってくると我が子のように嬉しい。
いずれこの経験をクラブに還元してくれれば良いと思う。
来季は更に活躍し、ステップアップしていって欲しい。
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安西幸輝×鈴木優磨「ここでの競争に勝てなかったらどこに行ってもダメ」海外移籍した2人の決意

2019年まで鹿島アントラーズに所属した安西幸輝と鈴木優磨は、次世代における日本代表の中核を担うべくヨーロッパに活躍の場を求めた。彼らが初の海外移籍で感じたこと、日本との環境の違い、そして「ここでの競争に勝てなかったらどこに行ってもダメ」とまで語る彼らの決意とは――(構成=川原宏樹)
グリーン車からバス移動に―― 海外で培うハングリー精神
――今季は初の海外移籍となった2人ですが、今季を振り返ってみてください。
安西 ざっと1年が経ちました。2人でよく話していることなのですが、海外のリーグはJリーグとはサッカーの種類が全く違います。日本で良い選手がこっちで活躍できるかというと、それは違う。こっちのサッカーに順応することが大事と、よく話しています。僕は7月にこっちに来て開幕から順調で、クラブでも試合に出られて日本代表での活動もさせてもらっていました。しかし、今年2月に監督が代わってからは、試合に絡めなくなることが多くなりました。なので、難しいシーズンになりましたが最初のほうはうまくいっていたので、良いことも悪いことも半々くらいかなって思っています。
鈴木 今季の1年は、いろいろとサッカーで考えるタイミングがありました。ふたを開けてみると、5大リーグとは違ってベルギーリーグはどこまでいっても結果でしか見られない。今シーズンを振り返ってみて、改めて重要だなって思ったのが結果でしたね。これまでの鹿島アントラーズにいた自分だったら、なるべく時間を作って攻撃の始まりになりたいとか、自分がいることによってチームをうまく回したいというような思いでプレーしていました。だけど極端な話ですが、自分のなかでそういった起点となるようなプレーよりも、こっちに来てからは「まずは点を取りたい」という気持ちが強くなり、それが大事だと思っています。チームとして勝つということも大事ですけど、それにプラスして得点という数字で見られますし、その得点が勝利につながります。こっちは結果でしか認めてくれません。それは知っていましたけど、改めて思っていた以上に結果が大事だなって感じましたね。
――プレー以外の環境に適応するのに、苦労はしませんでしたか?
鈴木 僕は移籍が初めてで、食事は苦労しましたね。やっぱり主食が米でははないですし、こっちは油を使った料理が多い。ちょっと離れたところで日本食のお店があるとかって、こっちのことを知るまでの時間が必要で慣れるまでに時間は掛かりましたね。
安西 僕は権田(修一)選手もいましたからね。ポルトガルは気候も暖かくポルティモンの街は海が近くにあって、環境面では問題なく過ごせています。食事の面では日本食というものが全くないのですが、ポルトガルの料理はすごく美味しいので、そこまで問題にはなっていませんね。
鈴木 問題ないんじゃないか(笑)。
安西 でも、日本食は食べたいだろ(笑)。
――自炊はしなかったのですか?
安西 優磨はしていたでしょ?
鈴木 数えられる程度しかしてない。シント=トロイデンVVにいる日本人選手は仲が良いのでリフティングのゲームなどをして、負けた人が自炊してみんなに振る舞うというのが流行っているんですよ。だから、一人ではあんまり自炊してないですよ。
安西 僕は全くしないですが、権田さんの家でよくご馳走になっています。優磨がベルギーで自炊を始めたと聞いたときは、さすがに本気でびびって僕もやらないとまずいなって思ったんですけど、やっぱりダメでしたね(笑)。
鈴木 安西のところは、クラブから朝昼晩の食事が出るんですよ。だから、自炊する必要はないんですけど、僕らは朝と昼しか出ないので夜はどうしてもしなければならないんです。
安西 確かに、そうだね。
鈴木 こっちは大変ですよ。サッカーではない部分での戦いも多いですからね。
安西 確かに、それはあるね。
――シント=トロイデンVVは日本企業のDMMが経営しているので、日本人選手にとってもっと良い環境が用意されているのかと思っていました。
鈴木 そんなことないですよ。むしろ、いろいろな意味で這い上がってやろうと思える環境かもしれないですね。恵まれているわけでもありません。こっちよりもJリーグのほうが恵まれていますね。やっぱり日本はすごいですよ。こっちのように活躍してステップアップしなければならないと言われているリーグでは、すべてに対して良い意味でハングリー精神が出てきます。
安西 Jリーグでは鹿島という日本を代表するようなチームにいました。優磨ともよく話していることなんですけど、ポルティモネンセやシント=トロイデンVVは海外のなかではステップアップに利用するようなチームだと思います。Jリーグのときは、飛行機や新幹線での移動が主でした。ポルトガルにも新幹線はありますが、主要な交通手段がバス移動なんです。ポルティモンはポルトガルの端にあるので、アウェイの試合ではだいたい7時間くらいのバス移動になります。日本ではグリーン車とかでの移動が当たり前だったんですけど、バスで7時間なんてプロになってから初めての経験でした。そういったところで、こっちに来てからハングリー精神が鍛えられました。チームメートを見ていても練習から「今日しかない」って感じで挑んでいるので、僕自身もハングリーになれていると思います。

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「0からの戦い」となった海外移籍
――海外移籍をしてみて、日本で得た経験は生きていますか?
鈴木 海外で活躍した日本人選手たちが、よく「早く海外に出たほうが良い」って言うじゃないですか。僕も安西もそうですけど、ある程度Jリーグで実績を積んでこっちに来ました。ですが、こっちの選手は日本での実績を知りません。どうせ知られていないなら、できるだけ若くして来るのは良いことだと思いましたね。僕らは24歳と25歳で、選手としての時間がそれほどないというのもあります。シント=トロイデンVVにせよ、ポルティモネンセにせよ、長くいるクラブではないというは、みんなもわかっていること。それに対して、得点できない、途中で代えられる、スタメンで出られないってなると、何のために行ったんだという思いが非常に強くのしかかってきます。日本で多くを学んで移籍しましたが、それを生かすというよりまた違ったものを学んでいるという感じですね。
――1からのスタートというイメージですか?
鈴木 どちらかというと、そうですね。日本で培ったものをこっちでそのまま伸ばすというよりは、0からの戦いになりました。シント=トロイデンVVもポルティモネンセも、日本人に優しいクラブと言われているなかでこのように感じています。次に移籍したら、もっと強く感じるんだろうって覚悟していますよ。
安西 本当に的を射ている話だね。あんまり共感はしたくないけど、本気でそうだなって話を聞いて思いました。
鈴木 海外で厳しい状況になる選手とかいるじゃないですか。たとえば今だと、ニューカッスルで武藤(嘉紀)選手が出ていないとか、でも僕らはそういうレベルではないんですよ。武藤選手は出られなかったら次に行くクラブは、(実績のある)ドイツに環境を変えられるんです。僕らの場合は日本人に優しいと言われるクラブに来ていて、ここでの競走に勝てなかったらどこに行ってもダメで次のクラブに行っても勝てるわけがないんですよ。その焦りで、ときどきすごくネガティブになります。僕らは守られていると思います。
安西 うん、わかる。そうそう。
――海外に出て、改めて日本に対して思うことはありますか?
鈴木 サッカーを抜きにして言えば……やっぱり日本は素晴らしいですね(笑)。
安西 それは間違いないわ(笑)。
鈴木 たとえば、外食のときに日本人の礼儀正しさを感じますね。こっちは対等か、それ以上で接客してきます。あと、日本人は時間にきっちりしていますし、仕事に対して真面目ですね。こっちの人は、仕事より自分の時間を優先したいと思う人が多いような気がします。でも、ちゃんと想像どおりですね。そのように聞いていたので、そこだけは想像どおりに進んでいますますね。
安西 こっちの人たちは、時間にすごくルーズなんですよ。10時に集合だったら、「10時にいれば良いんでしょ」という感覚なんですよね。5分前行動とかは全くなくて「グラウンドに10時集合ね」と言ったら、ロッカールームに10時に来て動き出せば良いという感覚。最初は本気で腹が立ちましたね。なんで時間どおりに来ないだろうって思っていたんですけど、権田さんからもアドバイスをもらいました。そういう細かいストレスを溜めていったら海外で生活できなくなるから、僕も海外に合わせてルーズにするようにしました。
鈴木 Jリーグでも、海外でプレーした経験のある選手は器が大きい。そういうことに慣れているから、ちょっとしたことで動じないんですよ。日本はちょっとしたことでも騒ぐ傾向がありますが、海外を経験している選手は大したことないと言います。今はそれが実感できていますね。

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コロナ禍で苦しむ子どもたちにサッカーボールを贈りたい
安西幸輝と鈴木優磨が参加する「PasYou」では、ファンやサポーターから届いたリクエストに応じて参加アスリートがひとりひとりに向けたビデオメッセージを個別に送るサービスを展開しています。
「ファンやサポーターにプレーを見せる以外で何かできることはないだろうか」という共通の課題を感じていた2人は、新型コロナウイルス感染拡大によって苦しんでいる状況のなかで「元気にしたい、笑顔を届けたい」と思い、「PasYou」のサービスを通したプロジェクトを立ち上げました。以前のようにサッカーをできなくなってしまった地元の子どもたちに、「PasYou」のサービスで得た利益を還元してサッカーボールをプレゼントするという。
千葉県銚子市で生まれた鈴木優磨は、「地元はもともと静かな街でしたが、年々と人が減っているように感じています。さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で店を閉めなくてはいけなかったりと、厳しい状態にあると聞きました。全国でも厳しい状況にあることは理解していますが、まずは地元を少しでも活気づけたいと考えています」と、地元への愛を語っている。
また安西幸輝は、「小学生の頃の経験はすごく大切で、初めてサッカーを好きになる期間だと思います。その期間に外で友だちと遊んだり、練習したりできないのはつらい。それが影響して、サッカーから離れて欲しくないなと思っています」と、コロナ禍による子どもたちへの影響を懸念している。
そんな2人が「今できること」を考えて実行するのが、今回の「PasYou」を使ったサッカーボールのプレゼント企画。2人の思いに賛同する人は、「PasYou」を使って個別のメッセージをリクエストしてみてください。
安西幸輝×鈴木優磨「こんなにも何もできなくなるのかという無力感」コロナ禍に直面した2人の思い

安西幸輝と鈴木優磨は飛躍を誓って、昨年に鹿島から海外クラブへ移籍。海外生活1年目で、新型コロナウイルスが世界的に流行する未曾有の事態に巻き込まれる。プレーできない日々が続いた2人が改めて感じた日本へ思いを語る。(構成=川原宏樹)
コロナ禍でリーグが中断 ヨーロッパの状況とその徹底ぶり
――新型コロナウイルスの世界的な流行するなかで、どのように過ごしていましたか?
鈴木 僕はリーグが中止になって、帰国していました。帰国前はヨーロッパほどの影響はないって聞いていましたが、帰ってみたら全然人も歩いていなくて深刻なのは伝わってきて、思っていた以上にショックでした。
――対応にベルギーとの違いは感じましたか?
鈴木 まずベルギーは、マスクをつけるという文化がないんですよね。マスクをつけて歩いている人がいない。練習も早めになくなり早い段階で外出禁止になったので、僕はほぼ外出していません。その他にも複数人で家にいないようにとか、いろいろな対策がありました。数カ月前に警察が家に来て、複数人でいないかを確認していきました。日本では法律的にそこまで縛ることができないじゃないですか。本当はそうしたいんだろうけど、できないのも仕方ないなって思っていました。
――警察が一軒一軒を見回るくらい厳しかったんですね。
鈴木 徹底はすごいですよ。ヨーロッパのコロナに対する徹底ぶりは強かった。こっちは法律的な拘束力も強いですからね。
安西 先にポルトガルのリーグが延期になって、ベルギーもすぐその後に中断になったんだよな。ポルトガルも早く対処していて、すぐに街から人がいなくなりスーパー以外の外出は禁止になりました。市町村間の移動も禁止され、検問していましたね。日本の状況は親であったりニュースであったり、帰国した優磨であったりから聞いていました。流行はヨーロッパのほうがすごかったせいか、比較的に早く対応していましたね。
――海外にいた立場から日本の状況を見て、どんなことを感じましたか?
安西 3月くらいに、花見をしている人がいるというのを知りました。こっちに住んでいたら、そんなことは考えられないことでびっくりしましたね。とはいえ、日本の対応も早かったように感じます。それに全員の意識が高いから、特別に日本を心配するようなことはありませんでした。
鈴木 日本人は、やっぱり状況を理解するのが早いよね。こっちは拘束力がないと、絶対にできない。日本人のほうが、自分で判断して考えられる能力が高いと思います。それでも怖さはありましたね。こっちがどれだけ深刻かを知っていたので、日本もこうなるのかという怖さがありました。ヨーロッパでは練習もなくなっているのに、日本ではまだ無観客で練習試合をしているような状況でした。それはまずいんじゃないかって不安になりました。当時、日本にいる家族とかはそこまで深刻に思っていなくて気持ちも緩んでいたので、こっちの状況を伝えてちゃんとしたほうが良いとは言っていましたね。
――リーグが中断になった後、トレーニングはどうしていましたか?
鈴木 チームから毎日メニューが渡されて、個人で走ったりしていました。スーパー以外はレストランとかもやっていなかったので、スーパーで食料を買って食事をしていました。ストレスが溜まる状況でしたね。
安西 チームから家でできるフィットネスバイクをひとり1台支給され、ZOOMを使ってチームのメニューをやっていました。食事に関しては、ホテルの人が朝昼晩と部屋まで持ってきてくれて食べていました。本当にサッカーがなかったら、ただのニートになってしまうところでした(笑)。
――コロナ禍のなかで、日本のファンに対して何かしたいと思いましたか?
鈴木 この状況になって、サッカーでみんなを元気にできていたんだなって気がつきました。そのサッカーができなくなってしまったとき、自分がこんなにも何もできなくなるのかという無力感のようなものを感じました。そこから、改めてみんなを元気にしたいと思ったのが「PasYou」のプロジェクトに参加するきっかけになりました。
安西 僕もサッカーをとられてしまうと何もできない。権田さんは毎日インスタライブをやって、ポルトガルの状況と日本の状況を話したりしていました。僕は性格的に毎日インスタライブをできないので、すごいなって思いました。そこは人間力の差を感じますね。それでも、この期間でサッカーに対する熱がなくなってしまったという人の声も聞こえてきています。「PasYou」には前から参加していたんですけど、そのように悩んでいる子どもたちを助けたいですね。

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「元気にしたい」「子どもたちを助けたい」 コロナ禍で湧き上がるファンへの思い
――改めてビデオレターを活用したプロジェクトを始めた理由を教えてください。
鈴木 思うように試合ができなくなった今、どうやったら日本を元気にできるか、ちょっとでも苦しんでいる人を救えるかと考えて、このプロジェクトに賛同しました。日本に看護師の友人がいて、新型コロナウイルスの感染拡大状況を聞いていました。そういった厳しい状況を聞いて、僕を応援してくれる人たちに恩返しができたら良いなと思っています。
安西 この話を持ちかけてきたのはヴェルディ下部組織時代の後輩で、ジュニアの頃からずっと一緒にやってきました。まず、彼の熱意がすごく伝わってきたんですよ。最初はその内容よりは「やるよ、やるよ」という感じで、付き合いを優先した感覚でした。ですが、プロジェクトの話を深く聞くと、その後輩が中学生時代に心臓病を患ったとき、ケガの悩みを抱えていたとき、長友さんや長谷部さんの本を読んで感化され「また頑張ろう」と思えたと言っていました。今、自分はプロとしてサッカー選手をやっていて、運良く日本代表にも選ばれて海外でプレーできるようになりました。こんな僕でも、後輩のように悩みを抱えていた子どもたちの手助けができるではないかと思って始めました。
――ビデオレターに加えて、地元への支援も実施されると聞きました。
鈴木 地元はもともと静かな街でしたが、年々と人が減っているように感じています。さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で店を閉めなくてはいけなかったりと、厳しい状態にあると聞きました。育った街なので何か貢献したい、小さくても明るいニュースを届けたいと常に思っています。
安西 地元には、ずっと特別な感情があります。僕を育ててくれて、今も支えになっている場所です。そして、少年団は特にお世話になった場所のひとつです。小学生の頃の経験ってすごく大切だと思っていて、サッカーを初めて好きになる期間だと思うんですよね。その期間に外で友だちと遊べなかったり、練習できなかったりするのはつらいと思います。それがきっかけになってしまい、サッカーから離れて欲しくない。ひとつの楽しみだったり、家で触る用のボールとして使ってもらったりすることで、何かしらの形で力になりたいなと思いました。
鈴木 少しでもサッカー選手、プロの存在を感じてもらいたいですね。僕は鹿島アントラーズのアカデミーのときに、プロ選手とふれ合ったり、身近に感じたりすることがすごくモチベーションになっていました。 ただ、僕が銚子で過ごしていた頃は、身近でプロの存在を感じることができなかったので、僕が少しずつそういう機会を作っていければ良いですね。
「お互いの活躍している姿を見て刺激」 切磋琢磨し合って上を目指す
――最後に、今後の目標を聞かせてください。
鈴木 近いところで言えば、UEFAチャンピオンズリーグとプレミアリーグでやりたいというが大きな目標です。その2つだけは、ヨーロッパにいる間に何とかしたいですね。
プレー以外では、サッカーだけに限らず何かを追いかけている子どもたちに何か伝えることができたら良いなって思っているので、まだまだ途中ですけど今までに話したビデオレターのサービスやSNSを通じて何か考えてやっていきたいなとは思っています。
安西 僕はワールドカップに出たくて海外に来ました。ワールドカップで日本代表のスタメンとして出るには、もっともっと上のチームで試合に出なければいけないと思っているので、時間は少ないですけど今はそれに向かって頑張っています。
選手としての活動以外では、夢を追っている子どもたちに僕がしてきた経験を伝えられたら良いと思います。
――お互いの目標を聞いて、アドバイスすることはありますか?
安西 優磨に対するアドバイスはないですよ。優磨はたぶん行くと思います。僕もそれに負けないようにしないといけないので、アドバイスというより優磨が行くんだったら僕もやるしかないなって感じですね。
鈴木 僕も、特にアドバイスはないですね。お互いがお互いの活躍している姿を見て、刺激し合えるというのは良い関係だと思います。それは僕たちに限らず、ヨーロッパにいる選手みんなで刺激し合って、もっともっと日本人の良さをわかってもらえるように頑張っていきたいですね。

※オンライン取材時のキャプチャ画像
コロナ禍で苦しむ子どもたちにサッカーボールを贈りたい
安西幸輝と鈴木優磨が参加する「PasYou」では、ファンやサポーターから届いたリクエストに応じて参加アスリートがひとりひとりに向けたビデオメッセージを個別に送るサービスを展開しています。
「ファンやサポーターにプレーを見せる以外で何かできることはないだろうか」という共通の課題を感じていた2人は、新型コロナウイルス感染拡大によって苦しんでいる状況のなかで「元気にしたい、笑顔を届けたい」と思い、「PasYou」のサービスを通したプロジェクトを立ち上げました。以前のようにサッカーをできなくなってしまった地元の子どもたちに、「PasYou」のサービスで得た利益を還元してサッカーボールをプレゼントするという。
千葉県銚子市で生まれた鈴木優磨は、「地元はもともと静かな街でしたが、年々と人が減っているように感じています。さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で店を閉めなくてはいけなかったりと、厳しい状態にあると聞きました。全国でも厳しい状況にあることは理解していますが、まずは地元を少しでも活気づけたいと考えています」と、地元への愛を語っている。
また安西幸輝は、「小学生の頃の経験はすごく大切で、初めてサッカーを好きになる期間だと思います。その期間に外で友だちと遊んだり、練習したりできないのはつらい。それが影響して、サッカーから離れて欲しくないなと思っています」と、コロナ禍による子どもたちへの影響を懸念している。
そんな2人が「今できること」を考えて実行するのが、今回の「PasYou」を使ったサッカーボールのプレゼント企画。2人の思いに賛同する人は、「PasYou」を使って個別のメッセージをリクエストしてみてください。