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ラストゲーム・内田篤人

内田篤人にスポットを当てるJ's GOALの田中滋氏である。
これまでの篤人を簡潔に、そして深く伝える。
また、「コロナ禍でなければカシマスタジアムは満員になったことだろう」と全くもって無念の事実も伝えられる。
チケットは完売。
スタジアムに集える者だけでも熱く篤人を見送りたい。
勝ち点3が必須である。

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【鹿島 vs G大阪】ラストゲーム・内田篤人
2020年8月22日(土)



まだあどけない表情が残る痩身の美少年が、まるで羽が生えたかのように軽やかにサイドを駆け上がる。その姿はあっという間にサポーターの心を掴み鹿島のアイドルになった。しかし、アイドル的な外見だけだったらここまで愛される存在にはならなかっただろう。もともとニコニコしながら相手の急所をズブリと刺しにいく図太さを持っていた少年は、勝つことに徹する先輩たちに囲まれてサッカーの本質に触れていく。

その経験は鹿島だけでなくドイツでも成功をもたらし、ワールドカップの舞台でも唯一無二の輝きを放った。しかし、己の理想や願望になびくことなく、あくまで勝負の本質と真正面からにらみ合ったことで大きな代償を払うことになる。ワールドカップブラジル大会のあとは怪我に泣かされる6年だった。
その間に、ぴょんぴょん跳ねまわる子鹿のようだった姿は、アゴに少し髭が生え、背中の筋肉が盛り上がる大人の風貌へと変わった。“鹿島の子ども”は、いつしか若い世代の憧れとなり、多くの選手が彼を慕って“鹿島の門”をくぐるようになった。

しかし、8月31日をもって鹿島との契約を満了することが発表された。まだ32歳。惜しまれながらの引退である。鹿島アントラーズだけでなく、日本代表の内田篤人として多くの人に愛された。コロナ禍でなければカシマスタジアムは満員になったことだろう。
鹿島からシャルケに移籍するとき、体調不良もあってピッチに立つことはなかった。しかし、今回は彼の姿を見られそうだ。

前日の囲み取材で、その起用を問われたザーゴ監督は「みなさん、先発でいくのか、後半からいくのか知りたいでしょうが、残念ながら僕はそこまで言うことはできません。何らかの形で参加することはあるだろうと思います」と答えた。その表情はとても柔らかく慈しみに満ちていた。
「こういう結果を出してきた選手は、最後もしっかり結果を出して辞めたいだろうし、みんなもそれを達成するように努力すると思います」
勝って笑顔で送り出す。それは監督のみならず、クラブの誰もが思っていることだ。

文:田中滋(鹿島担当)

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鹿島愛。
狂おしいほどの愛。
深い愛。
我が鹿島アントラーズが正義の名のもとに勝利を重ねますように。

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