三連覇監督コメント
鹿島アントラーズ:オズワルド・オリヴェイラ監督
今日の試合に向けて、選手たちには平常心でチームのバランスを保つことが大事だと言ってきた。平常心がなくなれば、よりよい判断や動きができなくなる。今日は対戦相手が浦和ということで、今シーズンで1番タフな試合になると思っていた。ただ、試合は90分で決着するわけで、早い時間帯で点が取れなくても焦る必要はないと思っていた。チームのバランスを崩さずにやっていれば必ずチャンスがあると思っていたし、それが良い形になった。夢に見ていた国でこういった仕事ができ、さらに3連覇という形で歴史に名を刻むことができ、言葉にできない気持ちでいる。私を支えてくれている全ての人に感謝したい。本当に言葉に表せない気持ちでいっぱいです。
J1:第34節 浦和 vs 鹿島】オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島)記者会見コメント(09.12.05)
●オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島):
「皆さんこんばんは」
Q:本日の試合を振り返って、そして優勝の感想は?
「今日の試合に関してだけではなくて、やっぱりこの3シーズンのなかで起きている現象があったのではないかと思う。今日の対戦相手に関しては、恐らく日本で一番の能力、タレントが揃ったチームだと思う。この試合に当たっての準備のなかで、選手たちによく言ったことというのは、まず平常心とチームとしてのバランス、そういったことが重要になってくると。それは試合をやる上で、一つひとつの動作、判断をする上で、やっぱり平常心でいないと正しい、より良い判断ができないわけであって、より良い動作、動きというものができないので、それが重要になってくると。恐らく今シーズンで一番タフな試合になるだろうと言った。それはやはり、対戦相手の能力、質というものを考えれば、なかなか勝てない相手というのは分かっているわけだから、そういった部分でチームとしての機能、効率、バランスという部分をしっかりと発揮する作業を全員でやらなければならないと言った。
試合をやるなかで、当然ながら試合というのはまず90分で勝負、決着をするんだと。別に早い時間帯に点を取るために焦る必要もないし、最後の方でも焦る必要はない。この試合の展望としては、大まかな想像の上で、もしかしたら立ち上がりに押し込まれる時間帯があって、当然ながら後半の最後の方はこういう展開になって、こういった選手を入れてきて、こういったサッカーをやるだろうという部分で、押し込まれる時間が立ち上がりと最後にあると。その間の部分でうまくバランスを崩さずに安定した守備でやっていけば、チャンスは自ずと出てくると。特に相手はDFラインを上げることを徹底しているわけだから、今度は逆に背後を狙えば、それは相手が嫌がることになる。その嫌がるプレーというものは、サイドで起点を作り、DFの選手を自陣のゴールに向かって走らせることによって、その少しのズレをうまく使って得点することができるんじゃないかということがねらいとしてあったし、それがいい形になった。
この試合に関しては、先制点を取ったチームが最後まで勝利を手にすることができるだろうということを思ったし、そこは焦らずにやっていくと。点を取ったあと、やはりレッズは高原選手であったり、ポンテ選手だったり、エスクデロ選手であったり、あと闘莉王選手も前に押し上げてきて、本当に質の高い攻撃だった。能力のある選手たちが前に来て、恐らく後半の残り30分は守備で耐えるしかなかったんじゃないかなと。ミーティングで指示を出した部分で、選手たちがしっかりと最後まで意識してやることができたんじゃないかなと思う。本当に選手たちがいい形で集中力を保ってくれた」
Q:以前に鹿島アントラーズを率いるのが夢だったと仰っていたが、そのチームで歴史を変える3連覇という結果を出したことについてどう感じているのか?
「今後みなさんが僕の歩んできた歴史を知ることになると思う。本当に夢に見ていた国のサッカーで、こうやって仕事ができて、なおかつこういった歴史に名を刻むような快挙を成し遂げたということは、言葉に言い表せないぐらいの感動と気持ちでいます。自分のキャリアだけじゃなく、人生のなかで携わってきた、関わった人々に、特に僕を支えてくれた人々には今ものすごく感謝の気持ちでいっぱいです。また、プロとして僕の周りにいる素晴らしいスタッフ、選手、フロント、最後にはサポーターですが、全員に感謝の言葉でいっぱいです。本当に言葉に言い表せないほどの感激を今感じています」
Q:ハーフタイムに川崎Fが3−0とリードするなかで、手に汗握る展開だったが、終盤に押し込まれていたときのことを表現すると?
「まず2007年も浦和レッズと横浜FCとの試合、その次の年も相手の状況次第で勝たなければいけないなかで我々が札幌戦という状況で、今回も同じになった。皆さんはハーフタイムに僕が結果を知っているというようなことを言いましたが、僕はフロンターレのことをまったく考えていなくて、後半にどうやろうかということしか考えていなかった。これは本当に正直な部分です。2007年に他会場の結果を知らせないでくれということをお願いして、若干1名スタッフがフライングしてしまったことがあって、僕は去年と今年に関してはスタッフ、選手に目線であろうと、どういう形であろうと、伝えるなということを徹底して禁止した。入った選手が分かっているかは分からないが、僕自身はハーフタイムには何も知らなかった。後半にどういう対策をとるか、どういう戦い方をするかだけしか考えていなかった。
今正直に話をすると、1−0になったあとに、川崎Fが勝っているのか負けているのか、そして川崎Fが勝っているということを聞いていた。ではゲームマネジメントをどういう風にするかを考えなければいけないわけであって、そういった意味でスタッフに聞いて回答を求めた。勝っているか負けているかによって、交代や手を打つところは変わってくるので。最後に闘莉王のヘディングのチャンスがあって同点に追い付くかもしれないということだったが、サッカーというダイナミックなスポーツのなかでは相手の時間帯になるとき、チャンスが生まれる時間帯があるのは当たり前。
逆に僕から言わせてもらえれば、中断したフロンターレ戦の残り21分、開始10秒で得点をして、そのあとにダニーロ選手、増田選手、小笠原選手、もう1回ダニーロ選手と、バーなりポストなりに当たって入らなかった。もしあの試合を同点に追い付いていれば、恐らく今日の試合というのは完全に優勝した形での試合だったと思う。チャンスがあったということだけで言えば、他の試合でもチャンスが多くあるわけであって、我々が勝った試合のなかでも相手にもチャンスがあった。表現をどうするのかというのは僕自身はわかりかねる。サッカーというスポーツの上では、必ずしもすべてワンサイドゲームということではなく、相手がいての戦いであり、相手が押し込む時間、相手が流れをつかむ時間帯というのは存在するのは止むを得ないことだと思う。
サトウキビはご存知だと思う。厳しい表現だが、ブラジルでは『サトウキビを食べながら、口笛を吹くことはできない』という言い回しがある。それは当たり前のことであって、噛みながら口笛を吹こうと思っても難しい。それが今日の試合に適切な表現になると思う。要は、誰かの試合だけを考えて、こちらの試合も考えて、両方考えながら試合運びをしたら、恐らく今日は優勝できなかった。まずは自分が集中するべき部分に取り組んで、それから次の手を打っていくということを考えなければいけなかった。それを僕は一つひとつ順序を踏んでやった。
あとフロンターレの話が出たので、ちょっとコメントしたいと思う。僕が来る前は、アントラーズとフロンターレとの存在がどんな位置付けだったか分かりかねるが、僕が就任してから必ずフロンターレというのは手ごわい相手だったし、素晴らしい監督、スタッフ、選手、サポーターのなかでいい戦いをしてきた。彼らが常に我々に困難な条件、状況を作り出して、時には勝ったり、負けたり、引き分けたり、彼らにはいい刺激を受けている部分が多い。彼らの魅せるサッカーの質、選手の能力、そして彼らがまたこうして優勝争いのなかに入ってくる、我々の3連覇の意味だけじゃなく、その価値を高めてくれた相手だと思う。感謝と同時に敬意を表したい。本当に素晴らしい対戦相手で、フロント含めて素晴らしいクラブだと思う。彼らがあっての我々の成長、向上があると思う」
Q:今季終盤に持ち直した一番の要因は?
「諦めない姿勢です。短くと言われたので(笑)。もう少し加えると、小笠原選手が2010年W杯南アフリカ大会をテレビ観戦することはさせてはいけない。本当に今代表にいる選手も素晴らしい力を持っているが、彼は彼らを下回る能力ではない」
以上
小笠原満男というすばらしいサッカー選手が日本代表ではないことに疑問を持つ。
今日の試合に向けて、選手たちには平常心でチームのバランスを保つことが大事だと言ってきた。平常心がなくなれば、よりよい判断や動きができなくなる。今日は対戦相手が浦和ということで、今シーズンで1番タフな試合になると思っていた。ただ、試合は90分で決着するわけで、早い時間帯で点が取れなくても焦る必要はないと思っていた。チームのバランスを崩さずにやっていれば必ずチャンスがあると思っていたし、それが良い形になった。夢に見ていた国でこういった仕事ができ、さらに3連覇という形で歴史に名を刻むことができ、言葉にできない気持ちでいる。私を支えてくれている全ての人に感謝したい。本当に言葉に表せない気持ちでいっぱいです。
J1:第34節 浦和 vs 鹿島】オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島)記者会見コメント(09.12.05)
●オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島):
「皆さんこんばんは」
Q:本日の試合を振り返って、そして優勝の感想は?
「今日の試合に関してだけではなくて、やっぱりこの3シーズンのなかで起きている現象があったのではないかと思う。今日の対戦相手に関しては、恐らく日本で一番の能力、タレントが揃ったチームだと思う。この試合に当たっての準備のなかで、選手たちによく言ったことというのは、まず平常心とチームとしてのバランス、そういったことが重要になってくると。それは試合をやる上で、一つひとつの動作、判断をする上で、やっぱり平常心でいないと正しい、より良い判断ができないわけであって、より良い動作、動きというものができないので、それが重要になってくると。恐らく今シーズンで一番タフな試合になるだろうと言った。それはやはり、対戦相手の能力、質というものを考えれば、なかなか勝てない相手というのは分かっているわけだから、そういった部分でチームとしての機能、効率、バランスという部分をしっかりと発揮する作業を全員でやらなければならないと言った。
試合をやるなかで、当然ながら試合というのはまず90分で勝負、決着をするんだと。別に早い時間帯に点を取るために焦る必要もないし、最後の方でも焦る必要はない。この試合の展望としては、大まかな想像の上で、もしかしたら立ち上がりに押し込まれる時間帯があって、当然ながら後半の最後の方はこういう展開になって、こういった選手を入れてきて、こういったサッカーをやるだろうという部分で、押し込まれる時間が立ち上がりと最後にあると。その間の部分でうまくバランスを崩さずに安定した守備でやっていけば、チャンスは自ずと出てくると。特に相手はDFラインを上げることを徹底しているわけだから、今度は逆に背後を狙えば、それは相手が嫌がることになる。その嫌がるプレーというものは、サイドで起点を作り、DFの選手を自陣のゴールに向かって走らせることによって、その少しのズレをうまく使って得点することができるんじゃないかということがねらいとしてあったし、それがいい形になった。
この試合に関しては、先制点を取ったチームが最後まで勝利を手にすることができるだろうということを思ったし、そこは焦らずにやっていくと。点を取ったあと、やはりレッズは高原選手であったり、ポンテ選手だったり、エスクデロ選手であったり、あと闘莉王選手も前に押し上げてきて、本当に質の高い攻撃だった。能力のある選手たちが前に来て、恐らく後半の残り30分は守備で耐えるしかなかったんじゃないかなと。ミーティングで指示を出した部分で、選手たちがしっかりと最後まで意識してやることができたんじゃないかなと思う。本当に選手たちがいい形で集中力を保ってくれた」
Q:以前に鹿島アントラーズを率いるのが夢だったと仰っていたが、そのチームで歴史を変える3連覇という結果を出したことについてどう感じているのか?
「今後みなさんが僕の歩んできた歴史を知ることになると思う。本当に夢に見ていた国のサッカーで、こうやって仕事ができて、なおかつこういった歴史に名を刻むような快挙を成し遂げたということは、言葉に言い表せないぐらいの感動と気持ちでいます。自分のキャリアだけじゃなく、人生のなかで携わってきた、関わった人々に、特に僕を支えてくれた人々には今ものすごく感謝の気持ちでいっぱいです。また、プロとして僕の周りにいる素晴らしいスタッフ、選手、フロント、最後にはサポーターですが、全員に感謝の言葉でいっぱいです。本当に言葉に言い表せないほどの感激を今感じています」
Q:ハーフタイムに川崎Fが3−0とリードするなかで、手に汗握る展開だったが、終盤に押し込まれていたときのことを表現すると?
「まず2007年も浦和レッズと横浜FCとの試合、その次の年も相手の状況次第で勝たなければいけないなかで我々が札幌戦という状況で、今回も同じになった。皆さんはハーフタイムに僕が結果を知っているというようなことを言いましたが、僕はフロンターレのことをまったく考えていなくて、後半にどうやろうかということしか考えていなかった。これは本当に正直な部分です。2007年に他会場の結果を知らせないでくれということをお願いして、若干1名スタッフがフライングしてしまったことがあって、僕は去年と今年に関してはスタッフ、選手に目線であろうと、どういう形であろうと、伝えるなということを徹底して禁止した。入った選手が分かっているかは分からないが、僕自身はハーフタイムには何も知らなかった。後半にどういう対策をとるか、どういう戦い方をするかだけしか考えていなかった。
今正直に話をすると、1−0になったあとに、川崎Fが勝っているのか負けているのか、そして川崎Fが勝っているということを聞いていた。ではゲームマネジメントをどういう風にするかを考えなければいけないわけであって、そういった意味でスタッフに聞いて回答を求めた。勝っているか負けているかによって、交代や手を打つところは変わってくるので。最後に闘莉王のヘディングのチャンスがあって同点に追い付くかもしれないということだったが、サッカーというダイナミックなスポーツのなかでは相手の時間帯になるとき、チャンスが生まれる時間帯があるのは当たり前。
逆に僕から言わせてもらえれば、中断したフロンターレ戦の残り21分、開始10秒で得点をして、そのあとにダニーロ選手、増田選手、小笠原選手、もう1回ダニーロ選手と、バーなりポストなりに当たって入らなかった。もしあの試合を同点に追い付いていれば、恐らく今日の試合というのは完全に優勝した形での試合だったと思う。チャンスがあったということだけで言えば、他の試合でもチャンスが多くあるわけであって、我々が勝った試合のなかでも相手にもチャンスがあった。表現をどうするのかというのは僕自身はわかりかねる。サッカーというスポーツの上では、必ずしもすべてワンサイドゲームということではなく、相手がいての戦いであり、相手が押し込む時間、相手が流れをつかむ時間帯というのは存在するのは止むを得ないことだと思う。
サトウキビはご存知だと思う。厳しい表現だが、ブラジルでは『サトウキビを食べながら、口笛を吹くことはできない』という言い回しがある。それは当たり前のことであって、噛みながら口笛を吹こうと思っても難しい。それが今日の試合に適切な表現になると思う。要は、誰かの試合だけを考えて、こちらの試合も考えて、両方考えながら試合運びをしたら、恐らく今日は優勝できなかった。まずは自分が集中するべき部分に取り組んで、それから次の手を打っていくということを考えなければいけなかった。それを僕は一つひとつ順序を踏んでやった。
あとフロンターレの話が出たので、ちょっとコメントしたいと思う。僕が来る前は、アントラーズとフロンターレとの存在がどんな位置付けだったか分かりかねるが、僕が就任してから必ずフロンターレというのは手ごわい相手だったし、素晴らしい監督、スタッフ、選手、サポーターのなかでいい戦いをしてきた。彼らが常に我々に困難な条件、状況を作り出して、時には勝ったり、負けたり、引き分けたり、彼らにはいい刺激を受けている部分が多い。彼らの魅せるサッカーの質、選手の能力、そして彼らがまたこうして優勝争いのなかに入ってくる、我々の3連覇の意味だけじゃなく、その価値を高めてくれた相手だと思う。感謝と同時に敬意を表したい。本当に素晴らしい対戦相手で、フロント含めて素晴らしいクラブだと思う。彼らがあっての我々の成長、向上があると思う」
Q:今季終盤に持ち直した一番の要因は?
「諦めない姿勢です。短くと言われたので(笑)。もう少し加えると、小笠原選手が2010年W杯南アフリカ大会をテレビ観戦することはさせてはいけない。本当に今代表にいる選手も素晴らしい力を持っているが、彼は彼らを下回る能力ではない」
以上
小笠原満男というすばらしいサッカー選手が日本代表ではないことに疑問を持つ。