四連覇を目指せ
2009年12月10日 水沼貴史[サッカー技論」
鹿島4連覇の可能性
Jリーグは鹿島が3年連続優勝を達成、通算13冠となった。強みはコンセプトしっかりしていることだ。チームもフロントもぶれないために、監督が代わってもサッカーは変わらない。自分たちのチームコンセプトに合った監督を探してくる。鹿島イズムがしっかりしているから何事にも動じない。
各ポジションにレベルの高い競争相手がいることも大きい。例えばFW。マルキーニョスや興梠の控えに田代や大迫がいる。MFも本山や青木が不調なら中田やダニーロがいる。DFも大岩の代わりに伊野波が出てくるなど、力の差がない選手が多い。タイトなスケジュールの中で、補強などのチームマネジメントがうまくできている。早々とACLで負けたこともあるが、質の高い選手が控えにいても不協和音が出ないところがすごい。
3連覇した要因は他チームにもある。川崎Fがどこまでやれるかと期待したが、チームとしての経験値の差が出た。終盤戦で5連敗もすると普通は優勝できない。鹿島に付け入るすきがあったのに優勝させてしまったのは他チームがふがいなかったからだ。川崎Fは過密日程にやられた。勝てば首位キープという試合で負けてショックを受けた。4冠のチャンスがありながら残りのチャンスは1冠だけ、こういうのが精神的に尾を引いた。
清水も首位に立って優勝を狙えると思ったところで気の緩みが出た。経験の差、負けて首位から離されたとたんに選手が「もう駄目だ」と思ってしまった。浦和はある程度こうなることは分かっていたはず。まとまっていないことが周囲にも伝わっていた。フロント、選手、監督がバラバラ。どこかで妥協しないとチームはうまくいかない。個性が強すぎ、それをマネジメントできる人もいないのが現状だった。
ただ鹿島は来年も安泰とは思わない。30歳前後の選手が多いために年齢的な問題が出てくる。26〜28歳の選手が、29〜31歳になると全く違ってくる。フィジカルコンディションは1年の差が大きい。大迫は2年目でそこそこやるだろうが、全体は選手層が薄い。特に守備が懸念材料だ。今年は失点が少なかったが、それは中盤で激しくプレッシャーを懸けてボールを取れていたから。Jリーグは中盤を突破されると最終ラインに1対1が得意な選手がいないこともあって強くない。高さやボールを跳ね返す力はあるからサイドから攻めても難しい。中盤を省略して個人対個人の戦いに持ち込まれると厳しくなってくる。
実績を見れば「来年も」と思うが、ハードルは高く、簡単ではない。Jリーグがいつまでも面白いように鹿島以外のチームも頑張ってほしい。
▼筆者プロフィール 水沼 貴史(みずぬま・たかし)1960年(昭35)5月28日、埼玉県出身。浦和南―法大を経て日産自動車(現横浜M)でMFとして活躍。日本代表の国際Aマッチ32試合で7得点。06年にコーチとして横浜Mに復帰、岡田監督(現日本代表監督)辞任後は監督も務めた。1メートル73、63キロ。
水沼貴史氏のコラムである。
鹿島の三連覇を含む13冠はクラブのコンセプトがしっかりしているためと述べておる。
しかしながら、三連覇を阻止出来なかった他のチームこそ不甲斐ないとも語っておる。
そして、来季は選手の年齢層が上がるため、四連覇は難しいと言う。
我等としてはこのようなコラムを吹き飛ばす強さを来季も見せつけたい。
マルキーニョスのラスト・イヤーを選手が一丸となり目標に向かいたいのだ。
FW陣、DF陣は十分に若い。
MFもヤス・小谷野・修人・大道と若手が揃っておる。
GKは川俣と八木くんが未来を背負う。
鹿島の伝統が、若手を手強き野獣と育てるであろう。
来年は飛躍の年なのである。
鹿島4連覇の可能性
Jリーグは鹿島が3年連続優勝を達成、通算13冠となった。強みはコンセプトしっかりしていることだ。チームもフロントもぶれないために、監督が代わってもサッカーは変わらない。自分たちのチームコンセプトに合った監督を探してくる。鹿島イズムがしっかりしているから何事にも動じない。
各ポジションにレベルの高い競争相手がいることも大きい。例えばFW。マルキーニョスや興梠の控えに田代や大迫がいる。MFも本山や青木が不調なら中田やダニーロがいる。DFも大岩の代わりに伊野波が出てくるなど、力の差がない選手が多い。タイトなスケジュールの中で、補強などのチームマネジメントがうまくできている。早々とACLで負けたこともあるが、質の高い選手が控えにいても不協和音が出ないところがすごい。
3連覇した要因は他チームにもある。川崎Fがどこまでやれるかと期待したが、チームとしての経験値の差が出た。終盤戦で5連敗もすると普通は優勝できない。鹿島に付け入るすきがあったのに優勝させてしまったのは他チームがふがいなかったからだ。川崎Fは過密日程にやられた。勝てば首位キープという試合で負けてショックを受けた。4冠のチャンスがありながら残りのチャンスは1冠だけ、こういうのが精神的に尾を引いた。
清水も首位に立って優勝を狙えると思ったところで気の緩みが出た。経験の差、負けて首位から離されたとたんに選手が「もう駄目だ」と思ってしまった。浦和はある程度こうなることは分かっていたはず。まとまっていないことが周囲にも伝わっていた。フロント、選手、監督がバラバラ。どこかで妥協しないとチームはうまくいかない。個性が強すぎ、それをマネジメントできる人もいないのが現状だった。
ただ鹿島は来年も安泰とは思わない。30歳前後の選手が多いために年齢的な問題が出てくる。26〜28歳の選手が、29〜31歳になると全く違ってくる。フィジカルコンディションは1年の差が大きい。大迫は2年目でそこそこやるだろうが、全体は選手層が薄い。特に守備が懸念材料だ。今年は失点が少なかったが、それは中盤で激しくプレッシャーを懸けてボールを取れていたから。Jリーグは中盤を突破されると最終ラインに1対1が得意な選手がいないこともあって強くない。高さやボールを跳ね返す力はあるからサイドから攻めても難しい。中盤を省略して個人対個人の戦いに持ち込まれると厳しくなってくる。
実績を見れば「来年も」と思うが、ハードルは高く、簡単ではない。Jリーグがいつまでも面白いように鹿島以外のチームも頑張ってほしい。
▼筆者プロフィール 水沼 貴史(みずぬま・たかし)1960年(昭35)5月28日、埼玉県出身。浦和南―法大を経て日産自動車(現横浜M)でMFとして活躍。日本代表の国際Aマッチ32試合で7得点。06年にコーチとして横浜Mに復帰、岡田監督(現日本代表監督)辞任後は監督も務めた。1メートル73、63キロ。
水沼貴史氏のコラムである。
鹿島の三連覇を含む13冠はクラブのコンセプトがしっかりしているためと述べておる。
しかしながら、三連覇を阻止出来なかった他のチームこそ不甲斐ないとも語っておる。
そして、来季は選手の年齢層が上がるため、四連覇は難しいと言う。
我等としてはこのようなコラムを吹き飛ばす強さを来季も見せつけたい。
マルキーニョスのラスト・イヤーを選手が一丸となり目標に向かいたいのだ。
FW陣、DF陣は十分に若い。
MFもヤス・小谷野・修人・大道と若手が揃っておる。
GKは川俣と八木くんが未来を背負う。
鹿島の伝統が、若手を手強き野獣と育てるであろう。
来年は飛躍の年なのである。