浦和戦報道
ニッカン
鹿島柳沢技あり弾、得点への飢え/J1
<J1:鹿島2−2浦和>◇第18節◇19日◇カシマ
古い井戸は、枯れてなどいない。鹿島のW杯日本代表FW柳沢敦(29)が、公式戦5カ月ぶりの得点で復活した。ホームに強豪浦和を迎えた後半24分、ワンタッチパスから相手DF陣の裏に抜け出し、技ありのループシュートを決めた。無得点に終わったW杯ドイツ大会のショックから立ち直るゴールだった。浦和が鹿島と2−2引き分け、G大阪が首位に浮上した。
待ち焦がれていた。緩やかな放物線を描いてゴールに吸い込まれていくボールを、柳沢は最後まで目で追った。3万4000人観衆から拍手と歓声がわき上がると、思い切り右腕を突き上げた。3月5日の開幕広島戦以来、5カ月ぶりの得点。「久しぶりだった。点を取りたい気持ちが強かったし、うれしかった」と笑みがこぼれた。
得点への飢えが体を突き動かした。後半24分に左サイドでパスを受けた。前線の味方はアレックス・ミネイロ1人だけ。浦和の守備網がジワリと狭まったが、味方の援護を待たず「数的不利でもチャンスはつくれる」と勝負を選んだ。アレックスにパスを出して猛然とゴール前へ駆け込むと、折り返されたボールを左足の「内側」で確実にとらえた。GKの頭上を超えるループシュートで決めた。
右足骨折から復帰して臨んだ2大会連続のW杯ドイツ大会。エースとして期待されながら、6月18日のクロアチア戦で楽々入る決定機を外し、非難の矢面に立った。味方の右クロスに右足の「外側」で合わせる自分でも信じられないミス。J再開後は、鹿島ファンが柳沢の応援歌を奏でるたびに、相手サポーターから激しいブーイングを受けた。
鹿島の同僚たちは柳沢の前ではW杯の話題をタブーにしてきた。自分自身に「どんなときも力を抜かずに前向きにやるしかない」と言い聞かせたが、W杯後は5試合無得点。眠れない日々が続いた。そんなエースを、アウトゥオリ監督は「ここで先発から外すと2度と立ち直れなくなる」と起用し続けた。「監督の信頼に応えたかった」という柳沢の思いがゴールにつながった。
オシム監督の就任後は日本代表に招集されていないが「やってみたいという気持ちはあります」とあきらめていない。坪井や闘莉王ら現代表メンバーで固める浦和DF陣に果敢に挑み、ゴールを奪った。視察に訪れた日本代表の大熊コーチは「オシム監督もテレビで(録画を)見ると思います。ベテランでも関係ない。すべてにチャンスがある」と評価した。傷心のエースが意地のゴールでよみがえった。【山下健二郎】
[2006年8月20日8時54分 紙面から]
サンスポ
“古井戸組”の逆襲だ!柳沢、開幕戦以来の公式戦ゴール
J1第18節第1日(19日、鹿島2−2浦和、カシマスタジアム)ドイツW杯に出場した鹿島FW柳沢敦(29)が1141日ぶりの本拠地ゴールを決めた。公式戦での得点自体も今季開幕3月5日の広島戦以来。試合は浦和MF小野伸二(26)の2戦連発弾など“古井戸組”の競演となり2−2で引き分けたが、オシム・ジャパンで代表勢が不在となった王者・鹿島の意地を込めた。浦和は2位に後退、G大阪が単独首位に立った。
◇
目の前のモヤがパーッと開けた。1点リードの後半25分だ。柳沢がペナルティーエリア内に走り込み、相手GKの飛び出しをかわして左足を一閃。開幕戦以来の公式戦ゴールに、汗にぬれたほおを思いっきり緩めた。
「久々って感じがしました。しばらく点を取ってなかったので、取りたいっていう気持ちもありました。これを機につなげていきたいです」
2点リードを奪ったものの、試合は追いつかれて痛恨のドロー。それでも言葉の端々に本音がもれた。本拠地ゴールは実に1141日ぶりで、セリエA移籍前の最終戦となった03年7月5日の磐田戦以来だった。
右足甲骨折明けで出場したドイツW杯では、クロアチア戦で決定機を外すなど無得点。オシム・ジャパンのメンバーから外れ、いつしか“古井戸組”となったが、あきらめてはいない。10年南アフリカW杯は33歳で迎えるが「チャンスをもらえるように頑張る」と自分自身に言い聞かせている。
「ホッとしてはいられない。もっともっと、やってやろうという気持ちにさせられました」。柳沢が体を張り続けることで後輩たちへの道が開けていく。夏の夜の復活弾が、新たな目標の始まりとなる。
(佐久間賢治)
スポニチ
屈辱から2カ月…柳沢 再起の一発
“古井戸”も忘れるな!J1第18節第1日は19日、各地で7試合を行い、鹿島はホームで浦和と対戦し、2―2で引き分けた。W杯日本代表のFW柳沢敦(29)は後半24分、ワンツーから左足で浮かした技ありのシュートで、3月5日の開幕戦(広島)でハットトリックを決めて以来となる5カ月ぶりのゴールを奪った。また、名古屋のU―21代表MF本田圭佑(20)が磐田戦で2ゴールをマークしA代表入りをアピールした。G大阪が大宮を下して首位に立った。
熱帯夜を超える“熱さ”だった。5カ月ぶりの、そしてカシマスタジアムでは3年ぶりの一発。柳沢は右腕を突き上げ、体を震わせながら喜びを爆発させた。
「しばらく点が取れていなかったんで、取りたいという気持ちはあった」。柳沢らしいゴールだった。カウンターから左サイドに開いてボールをキープすると、駆け上がってくるアレックス・ミネイロを待つ。相棒とのワンツーで日本代表DF闘莉王を置き去りにして、前に出てくる山岸の動きを見て左足でふわりと浮かせた。
W杯ドイツ大会のクロアチア戦(6月18日)で、得点機にミスキックしチャンスを逃したプレーが批判の的になった。精神的なダメージは計り知れず、チームへの合流時期の延期を自ら申し出るほどだった。鹿島に戻ってからも対戦相手のサポーターから激しいブーイングを何度も受けた。それはこの日の浦和戦も同じだった。「常に努力していかないといけない」。そう自分に言い聞かせ練習に取り組んできた。
練習後のクラブハウスでは誰よりも体のケアに時間をかけている。3月に右足第5中足骨を骨折し、急ピッチのリハリビでW杯本番に間に合わせたため反動で調子を崩した。メッシーナ時代に痛めた左足首痛も完治していなかった。それでも自分自身を信じて努力を重ねようやくコンディションが上がってきた。
「ホッとしたというよりも、もっともっとやろうという気持ちにさせられた」。
ジーコジャパンの古井戸組だが、オシム監督は「古い井戸にもまだ水は残っている」と代表の門戸を閉ざしたわけではない。ピッチでの悔いは、ピッチで晴らす。柳沢が誇りの青いユニホームを取り戻す。
≪小笠原先制アシスト≫MF小笠原は先制点をアシストする活躍を見せた。前半40分、右CKでニアに飛び込んでくるアレックス・ミネイロの頭にピタリと合わせた。献身的な守備も披露したが「2―0になってもっと楽な展開で勝たなければならなかったのに」と悔やんだ。メッシーナのオファーに対して前向きな姿勢を見せており、セリエA残留が決まれば移籍を決断する可能性が高い。新たな動きが出るまでは鹿島でのプレーに集中する構えだ。
[ 2006年08月20日付 紙面記事 ]
報知
小笠原アシスト柳沢弾!オシム日本中東遠征 欧州組招集前に猛デモ…J1第18節
◆J1第18節 鹿島2―2浦和(19日・カシマスタジアム) 「古井戸」は枯れてない! 鹿島はドイツW杯に出場した元日本代表FW柳沢敦(29)が後半24分に左足ループで復活弾。MF小笠原満男(27)も1アシストでオシム・ジャパン初招集へアピール。またMF小野伸二(26)=浦和=が2試合連続ゴール。アジア杯予選中東遠征(9月3日・サウジアラビア戦、同6日・イエメン戦)入りへ3人が結果を出した。オシム監督は国内組の調子を判断した上で、20日、中東遠征に向け欧州組を招集するかどうかを決める。
ためらいはなかった。左サイドでA・ミネイロのサポートが見えるとはたいてすぐさま前へ。素早い動きだしでワンツーを受け、DF闘莉王らを置き去りに。飛び出したGKをあざ笑うかのような左足ループでゴール。後半24分。2対3の数的不利という“難解なパズル”を一気に解いた。「(ゴールを)しばらく取ってなかったし、取りたい気持ちがあった」。頼れるストライカーが復活した。
ハットトリックした3月5日・広島戦(広島ビ)以来167日ぶりのゴール。満面の笑みで右手ガッツポーズ。ホームスタジアムでのゴールはサンプドリア移籍前のラストゲームとなった03年7月5日・磐田戦以来約3年1か月ぶり。「久々な感じ。常に努力してやっていかないといけない」。超満員の観衆の中でまばゆい光を浴びた。
もう1人の主役は柳沢とともにドイツW杯を戦ったMF小笠原だった。前半40分。右CKから速いクロスでニアに飛び込んだA・ミネイロのゴールを演出した。攻守に豊富な運動量を見せ、背番号8のユニホームのワインレッドは汗で一層濃さを増した。「2―0になってもっと楽な展開で勝たなきゃいけないのに…。残念です」とうつむいた。
2人ともにオシム・ジャパンでは招集なし。16日のアジア杯予選・イエメン戦の予備登録メンバー40人に入っただけだった。13日の代表メンバー発表前にチーム関係者は「よっぽどのことがない限りは呼ばれないと思います」と代表関係者から伝えられていた。代表復帰のためには、Jリーグで結果を出し続ける以外に道はないことは本人たちが一番分かっている。
観戦した大熊清コーチ(42)は「あの動き出しはいい。どの選手にもチャンスはあるし、いい競争になっている」と評価した。中東遠征に欧州組を招集するかどうかは、20日に決まるが、オシム監督のハートをつかむことはできるのか? 「(点を取って)ホッとするよりも、もっともっとやろうという気持ちになる」と背番号13。オシム監督が「古い井戸」と形容する「ドイツ組」もまだまだ負けない。
(2006年8月20日06時04分 スポーツ報知)
柳沢敦が開幕戦以来のゴールを決めた。
これは明らかにニュースである。
聖地カシマスタジアムではイタリア移籍直前のジュビロ磐田戦から数えて1141日ぶりとなる。
この男の復調の兆しはアルビレックス新潟戦あたりから見えていた。
セレッソ大阪戦ではシュートが枠に飛ぶようになり、ジュビロ磐田戦では豪快なヘッドを誤審で無効にされている。
後は決めるだけだったのである。
そして結果が出た。
しかし報道はW杯ドイツと代表選出に絡む話題ばかりである。
この男が代表に呼ばれようと、代表で得点を重ねようと、我らには何一つ興味がない。
むしろ、この得点を勝利に結びつけられなかった「何か」についてを知りたいし、調べて報道して欲しいのである。
その「何か」とは簡単なことである。
「未熟なレフェリー」
我等の最大な敵は邪悪なる相手チームではなく、強権を勘違いしている不勉強な審判団とそれを放置している日本サッカー協会である。
鹿島柳沢技あり弾、得点への飢え/J1
<J1:鹿島2−2浦和>◇第18節◇19日◇カシマ
古い井戸は、枯れてなどいない。鹿島のW杯日本代表FW柳沢敦(29)が、公式戦5カ月ぶりの得点で復活した。ホームに強豪浦和を迎えた後半24分、ワンタッチパスから相手DF陣の裏に抜け出し、技ありのループシュートを決めた。無得点に終わったW杯ドイツ大会のショックから立ち直るゴールだった。浦和が鹿島と2−2引き分け、G大阪が首位に浮上した。
待ち焦がれていた。緩やかな放物線を描いてゴールに吸い込まれていくボールを、柳沢は最後まで目で追った。3万4000人観衆から拍手と歓声がわき上がると、思い切り右腕を突き上げた。3月5日の開幕広島戦以来、5カ月ぶりの得点。「久しぶりだった。点を取りたい気持ちが強かったし、うれしかった」と笑みがこぼれた。
得点への飢えが体を突き動かした。後半24分に左サイドでパスを受けた。前線の味方はアレックス・ミネイロ1人だけ。浦和の守備網がジワリと狭まったが、味方の援護を待たず「数的不利でもチャンスはつくれる」と勝負を選んだ。アレックスにパスを出して猛然とゴール前へ駆け込むと、折り返されたボールを左足の「内側」で確実にとらえた。GKの頭上を超えるループシュートで決めた。
右足骨折から復帰して臨んだ2大会連続のW杯ドイツ大会。エースとして期待されながら、6月18日のクロアチア戦で楽々入る決定機を外し、非難の矢面に立った。味方の右クロスに右足の「外側」で合わせる自分でも信じられないミス。J再開後は、鹿島ファンが柳沢の応援歌を奏でるたびに、相手サポーターから激しいブーイングを受けた。
鹿島の同僚たちは柳沢の前ではW杯の話題をタブーにしてきた。自分自身に「どんなときも力を抜かずに前向きにやるしかない」と言い聞かせたが、W杯後は5試合無得点。眠れない日々が続いた。そんなエースを、アウトゥオリ監督は「ここで先発から外すと2度と立ち直れなくなる」と起用し続けた。「監督の信頼に応えたかった」という柳沢の思いがゴールにつながった。
オシム監督の就任後は日本代表に招集されていないが「やってみたいという気持ちはあります」とあきらめていない。坪井や闘莉王ら現代表メンバーで固める浦和DF陣に果敢に挑み、ゴールを奪った。視察に訪れた日本代表の大熊コーチは「オシム監督もテレビで(録画を)見ると思います。ベテランでも関係ない。すべてにチャンスがある」と評価した。傷心のエースが意地のゴールでよみがえった。【山下健二郎】
[2006年8月20日8時54分 紙面から]
サンスポ
“古井戸組”の逆襲だ!柳沢、開幕戦以来の公式戦ゴール
J1第18節第1日(19日、鹿島2−2浦和、カシマスタジアム)ドイツW杯に出場した鹿島FW柳沢敦(29)が1141日ぶりの本拠地ゴールを決めた。公式戦での得点自体も今季開幕3月5日の広島戦以来。試合は浦和MF小野伸二(26)の2戦連発弾など“古井戸組”の競演となり2−2で引き分けたが、オシム・ジャパンで代表勢が不在となった王者・鹿島の意地を込めた。浦和は2位に後退、G大阪が単独首位に立った。
◇
目の前のモヤがパーッと開けた。1点リードの後半25分だ。柳沢がペナルティーエリア内に走り込み、相手GKの飛び出しをかわして左足を一閃。開幕戦以来の公式戦ゴールに、汗にぬれたほおを思いっきり緩めた。
「久々って感じがしました。しばらく点を取ってなかったので、取りたいっていう気持ちもありました。これを機につなげていきたいです」
2点リードを奪ったものの、試合は追いつかれて痛恨のドロー。それでも言葉の端々に本音がもれた。本拠地ゴールは実に1141日ぶりで、セリエA移籍前の最終戦となった03年7月5日の磐田戦以来だった。
右足甲骨折明けで出場したドイツW杯では、クロアチア戦で決定機を外すなど無得点。オシム・ジャパンのメンバーから外れ、いつしか“古井戸組”となったが、あきらめてはいない。10年南アフリカW杯は33歳で迎えるが「チャンスをもらえるように頑張る」と自分自身に言い聞かせている。
「ホッとしてはいられない。もっともっと、やってやろうという気持ちにさせられました」。柳沢が体を張り続けることで後輩たちへの道が開けていく。夏の夜の復活弾が、新たな目標の始まりとなる。
(佐久間賢治)
スポニチ
屈辱から2カ月…柳沢 再起の一発
“古井戸”も忘れるな!J1第18節第1日は19日、各地で7試合を行い、鹿島はホームで浦和と対戦し、2―2で引き分けた。W杯日本代表のFW柳沢敦(29)は後半24分、ワンツーから左足で浮かした技ありのシュートで、3月5日の開幕戦(広島)でハットトリックを決めて以来となる5カ月ぶりのゴールを奪った。また、名古屋のU―21代表MF本田圭佑(20)が磐田戦で2ゴールをマークしA代表入りをアピールした。G大阪が大宮を下して首位に立った。
熱帯夜を超える“熱さ”だった。5カ月ぶりの、そしてカシマスタジアムでは3年ぶりの一発。柳沢は右腕を突き上げ、体を震わせながら喜びを爆発させた。
「しばらく点が取れていなかったんで、取りたいという気持ちはあった」。柳沢らしいゴールだった。カウンターから左サイドに開いてボールをキープすると、駆け上がってくるアレックス・ミネイロを待つ。相棒とのワンツーで日本代表DF闘莉王を置き去りにして、前に出てくる山岸の動きを見て左足でふわりと浮かせた。
W杯ドイツ大会のクロアチア戦(6月18日)で、得点機にミスキックしチャンスを逃したプレーが批判の的になった。精神的なダメージは計り知れず、チームへの合流時期の延期を自ら申し出るほどだった。鹿島に戻ってからも対戦相手のサポーターから激しいブーイングを何度も受けた。それはこの日の浦和戦も同じだった。「常に努力していかないといけない」。そう自分に言い聞かせ練習に取り組んできた。
練習後のクラブハウスでは誰よりも体のケアに時間をかけている。3月に右足第5中足骨を骨折し、急ピッチのリハリビでW杯本番に間に合わせたため反動で調子を崩した。メッシーナ時代に痛めた左足首痛も完治していなかった。それでも自分自身を信じて努力を重ねようやくコンディションが上がってきた。
「ホッとしたというよりも、もっともっとやろうという気持ちにさせられた」。
ジーコジャパンの古井戸組だが、オシム監督は「古い井戸にもまだ水は残っている」と代表の門戸を閉ざしたわけではない。ピッチでの悔いは、ピッチで晴らす。柳沢が誇りの青いユニホームを取り戻す。
≪小笠原先制アシスト≫MF小笠原は先制点をアシストする活躍を見せた。前半40分、右CKでニアに飛び込んでくるアレックス・ミネイロの頭にピタリと合わせた。献身的な守備も披露したが「2―0になってもっと楽な展開で勝たなければならなかったのに」と悔やんだ。メッシーナのオファーに対して前向きな姿勢を見せており、セリエA残留が決まれば移籍を決断する可能性が高い。新たな動きが出るまでは鹿島でのプレーに集中する構えだ。
[ 2006年08月20日付 紙面記事 ]
報知
小笠原アシスト柳沢弾!オシム日本中東遠征 欧州組招集前に猛デモ…J1第18節
◆J1第18節 鹿島2―2浦和(19日・カシマスタジアム) 「古井戸」は枯れてない! 鹿島はドイツW杯に出場した元日本代表FW柳沢敦(29)が後半24分に左足ループで復活弾。MF小笠原満男(27)も1アシストでオシム・ジャパン初招集へアピール。またMF小野伸二(26)=浦和=が2試合連続ゴール。アジア杯予選中東遠征(9月3日・サウジアラビア戦、同6日・イエメン戦)入りへ3人が結果を出した。オシム監督は国内組の調子を判断した上で、20日、中東遠征に向け欧州組を招集するかどうかを決める。
ためらいはなかった。左サイドでA・ミネイロのサポートが見えるとはたいてすぐさま前へ。素早い動きだしでワンツーを受け、DF闘莉王らを置き去りに。飛び出したGKをあざ笑うかのような左足ループでゴール。後半24分。2対3の数的不利という“難解なパズル”を一気に解いた。「(ゴールを)しばらく取ってなかったし、取りたい気持ちがあった」。頼れるストライカーが復活した。
ハットトリックした3月5日・広島戦(広島ビ)以来167日ぶりのゴール。満面の笑みで右手ガッツポーズ。ホームスタジアムでのゴールはサンプドリア移籍前のラストゲームとなった03年7月5日・磐田戦以来約3年1か月ぶり。「久々な感じ。常に努力してやっていかないといけない」。超満員の観衆の中でまばゆい光を浴びた。
もう1人の主役は柳沢とともにドイツW杯を戦ったMF小笠原だった。前半40分。右CKから速いクロスでニアに飛び込んだA・ミネイロのゴールを演出した。攻守に豊富な運動量を見せ、背番号8のユニホームのワインレッドは汗で一層濃さを増した。「2―0になってもっと楽な展開で勝たなきゃいけないのに…。残念です」とうつむいた。
2人ともにオシム・ジャパンでは招集なし。16日のアジア杯予選・イエメン戦の予備登録メンバー40人に入っただけだった。13日の代表メンバー発表前にチーム関係者は「よっぽどのことがない限りは呼ばれないと思います」と代表関係者から伝えられていた。代表復帰のためには、Jリーグで結果を出し続ける以外に道はないことは本人たちが一番分かっている。
観戦した大熊清コーチ(42)は「あの動き出しはいい。どの選手にもチャンスはあるし、いい競争になっている」と評価した。中東遠征に欧州組を招集するかどうかは、20日に決まるが、オシム監督のハートをつかむことはできるのか? 「(点を取って)ホッとするよりも、もっともっとやろうという気持ちになる」と背番号13。オシム監督が「古い井戸」と形容する「ドイツ組」もまだまだ負けない。
(2006年8月20日06時04分 スポーツ報知)
柳沢敦が開幕戦以来のゴールを決めた。
これは明らかにニュースである。
聖地カシマスタジアムではイタリア移籍直前のジュビロ磐田戦から数えて1141日ぶりとなる。
この男の復調の兆しはアルビレックス新潟戦あたりから見えていた。
セレッソ大阪戦ではシュートが枠に飛ぶようになり、ジュビロ磐田戦では豪快なヘッドを誤審で無効にされている。
後は決めるだけだったのである。
そして結果が出た。
しかし報道はW杯ドイツと代表選出に絡む話題ばかりである。
この男が代表に呼ばれようと、代表で得点を重ねようと、我らには何一つ興味がない。
むしろ、この得点を勝利に結びつけられなかった「何か」についてを知りたいし、調べて報道して欲しいのである。
その「何か」とは簡単なことである。
「未熟なレフェリー」
我等の最大な敵は邪悪なる相手チームではなく、強権を勘違いしている不勉強な審判団とそれを放置している日本サッカー協会である。