神戸戦レビュー
【J1:第31節 神戸 vs 鹿島】レポート:死力を尽くした一戦はスコアレスドローで終わる。(10.11.21)
11月20日(土) 2010 J1リーグ戦 第31節
神戸 0 - 0 鹿島 (14:02/ホームズ/11,462人)
J1リーグも残り4試合。それぞれの『目標』を達成するため、共に『勝点3』に照準を定めて迎えた一戦。神戸のサポーターも、そして鹿島のサポーターも、それぞれの思い、願いを届けようと、キックオフ前から熱い応援を繰り広げ、選手たちを後押しする。
そうしたサポーターの声に応えようと、立ち上がりから集中力の感じられるパフォーマンスを魅せた両者。神戸は立ち上がりから鹿島DF陣の背後をつくボールで鹿島DFに揺さぶりをかけながら、ゴールににじり寄っていく。そんな中で5分に得た右コーナーキックのチャンスでは、ゴール前中央でDF北本久仁衛が頭で合わせるも、バーに嫌われてゴールならず。こぼれ球につめて放ったボレーシュートもバーを大きく越えてしまう。更に14分にも左サイドのMFポポからの絶妙なクロスボールにMF朴康造が頭であわせるがこれもバーの上。なかなかフィニッシュこそとれないものの、ゴールへの意識を全面的に押し出した神戸の攻撃力が輝きをみせる。25分には、カウンターからチャンスを見出すと、MFポポがゴール前中央へ絶妙のクロス。MF小川慶治朗が足から滑り込みなんとかボールに触ろうとしたがわずかに届かず、GK曽ヶ端準に落ち着いてキャッチされてしまう。
対する鹿島は、そうした神戸の攻撃を受けるシーンも何度か見られたとはいえ、全体的には攻守にバランスよく試合を運び好機をうかがう前半。21分にはMF遠藤康が強烈なミドルを放つも、GK徳重健太が好セーブ。こぼれ球を拾った中での再三の仕掛けもゴールには結びつけられない。その後も神戸のひたすら前へ、という勢いとは違って、緩急をつけながらの落ち着いた展開でゴールを狙うが、神戸の守備意識も途切れず、得点をこじ開けられない時間帯が続く。そんな中、40分には左サイドでボールを奪ったDFジウトンからFW興梠慎三と繋ぎ、最後はMF遠藤がGKと1対1の状況でシュートを放つが、これも神戸のGK徳重のファインセーブに阻まれてしまう。
共にビッグチャンスをものにできないまま、0−0で折り返した後半立ち上がり。いきなり両者がビッグチャンスを見出す。先に仕掛けたのは神戸。46分、右サイドのMF朴のクロスにMFポポが飛び込むも、相手DFクリア。そのセカンドボールを拾ったMF田中英雄が拾い狙いをすませて放ったシュートも、相手DFに身体で弾き返されてしまう。そこからカウンターのチャンスを得た鹿島は、同じく46分に、FW興梠がフリーで絶好機を得るが、GKの位置を見定め、コースを狙ったシュートは、わずかに右に逸れ、チャンスをものにできない。そして50分にはまたしても神戸。相手のボールを奪ったMF田中が左サイドを攻め上がったMFポポに絶妙のパスを流し込み「今度こそ!」というシーンを作り出すも、MFポポの放ったシュートは左のサイドネットを揺らすだけ。共に立ち上がりからわずか10分の間に、カウンターから勢いをみせ、決定機を見出したものの決定力不足に泣く。
それでも『勝点3』への思いは途切れることなく、その後も集中力の感じられるパフォーマンスを展開した両者。特にこの日の神戸は最後まで勢いが途切れない。チームとしての運動量をしっかりと保ちながら果敢に攻撃を仕掛けるが、今季最小失点を誇る鹿島の守備陣を打ち破るのは決して容易ではなく。球際の強さやセカンドボールへの対応ということも含め、2位鹿島を上回る執念をみせ続けた神戸だったが、均衡は破れず、スコアレスで試合終了となった。
この結果を受け、『残留争い』を続ける神戸は15位・F東京との勝点を1縮め、『優勝争い』を続けていた鹿島は、名古屋が湘南に勝利して優勝を決めたたため、4連覇の夢は潰えることとなった。さぁ、残すところ3試合。神戸にとっては厳しい戦いが続くが「内容と結果を悲観する必要はない。ガンバ戦から神戸らしいサッカーができている」と田中英雄が言う通り、今は前を向いてしぶとく戦いを続けるのみ。その先に喜びを分かち合える瞬間があると信じて。
以上
2010.11.21 Reported by 高村美砂
残留への貴重な勝ち点1を報じる神戸視点のマッチ・レポートである。
鹿島的に論じれば、前半のどフリーでGKと1対1になったヤスと後半開始早々のヤスのスルーパスに反応してGKと1対1になった慎三の場面が重要と言えよう。
どちらかが決まっておれば、何の問題もない試合であった。
とはいえ、決定力不足を嘆いたところで過去は変えられぬ。
慎三とヤスの成長に期待して次節を迎えたい。
11月20日(土) 2010 J1リーグ戦 第31節
神戸 0 - 0 鹿島 (14:02/ホームズ/11,462人)
J1リーグも残り4試合。それぞれの『目標』を達成するため、共に『勝点3』に照準を定めて迎えた一戦。神戸のサポーターも、そして鹿島のサポーターも、それぞれの思い、願いを届けようと、キックオフ前から熱い応援を繰り広げ、選手たちを後押しする。
そうしたサポーターの声に応えようと、立ち上がりから集中力の感じられるパフォーマンスを魅せた両者。神戸は立ち上がりから鹿島DF陣の背後をつくボールで鹿島DFに揺さぶりをかけながら、ゴールににじり寄っていく。そんな中で5分に得た右コーナーキックのチャンスでは、ゴール前中央でDF北本久仁衛が頭で合わせるも、バーに嫌われてゴールならず。こぼれ球につめて放ったボレーシュートもバーを大きく越えてしまう。更に14分にも左サイドのMFポポからの絶妙なクロスボールにMF朴康造が頭であわせるがこれもバーの上。なかなかフィニッシュこそとれないものの、ゴールへの意識を全面的に押し出した神戸の攻撃力が輝きをみせる。25分には、カウンターからチャンスを見出すと、MFポポがゴール前中央へ絶妙のクロス。MF小川慶治朗が足から滑り込みなんとかボールに触ろうとしたがわずかに届かず、GK曽ヶ端準に落ち着いてキャッチされてしまう。
対する鹿島は、そうした神戸の攻撃を受けるシーンも何度か見られたとはいえ、全体的には攻守にバランスよく試合を運び好機をうかがう前半。21分にはMF遠藤康が強烈なミドルを放つも、GK徳重健太が好セーブ。こぼれ球を拾った中での再三の仕掛けもゴールには結びつけられない。その後も神戸のひたすら前へ、という勢いとは違って、緩急をつけながらの落ち着いた展開でゴールを狙うが、神戸の守備意識も途切れず、得点をこじ開けられない時間帯が続く。そんな中、40分には左サイドでボールを奪ったDFジウトンからFW興梠慎三と繋ぎ、最後はMF遠藤がGKと1対1の状況でシュートを放つが、これも神戸のGK徳重のファインセーブに阻まれてしまう。
共にビッグチャンスをものにできないまま、0−0で折り返した後半立ち上がり。いきなり両者がビッグチャンスを見出す。先に仕掛けたのは神戸。46分、右サイドのMF朴のクロスにMFポポが飛び込むも、相手DFクリア。そのセカンドボールを拾ったMF田中英雄が拾い狙いをすませて放ったシュートも、相手DFに身体で弾き返されてしまう。そこからカウンターのチャンスを得た鹿島は、同じく46分に、FW興梠がフリーで絶好機を得るが、GKの位置を見定め、コースを狙ったシュートは、わずかに右に逸れ、チャンスをものにできない。そして50分にはまたしても神戸。相手のボールを奪ったMF田中が左サイドを攻め上がったMFポポに絶妙のパスを流し込み「今度こそ!」というシーンを作り出すも、MFポポの放ったシュートは左のサイドネットを揺らすだけ。共に立ち上がりからわずか10分の間に、カウンターから勢いをみせ、決定機を見出したものの決定力不足に泣く。
それでも『勝点3』への思いは途切れることなく、その後も集中力の感じられるパフォーマンスを展開した両者。特にこの日の神戸は最後まで勢いが途切れない。チームとしての運動量をしっかりと保ちながら果敢に攻撃を仕掛けるが、今季最小失点を誇る鹿島の守備陣を打ち破るのは決して容易ではなく。球際の強さやセカンドボールへの対応ということも含め、2位鹿島を上回る執念をみせ続けた神戸だったが、均衡は破れず、スコアレスで試合終了となった。
この結果を受け、『残留争い』を続ける神戸は15位・F東京との勝点を1縮め、『優勝争い』を続けていた鹿島は、名古屋が湘南に勝利して優勝を決めたたため、4連覇の夢は潰えることとなった。さぁ、残すところ3試合。神戸にとっては厳しい戦いが続くが「内容と結果を悲観する必要はない。ガンバ戦から神戸らしいサッカーができている」と田中英雄が言う通り、今は前を向いてしぶとく戦いを続けるのみ。その先に喜びを分かち合える瞬間があると信じて。
以上
2010.11.21 Reported by 高村美砂
残留への貴重な勝ち点1を報じる神戸視点のマッチ・レポートである。
鹿島的に論じれば、前半のどフリーでGKと1対1になったヤスと後半開始早々のヤスのスルーパスに反応してGKと1対1になった慎三の場面が重要と言えよう。
どちらかが決まっておれば、何の問題もない試合であった。
とはいえ、決定力不足を嘆いたところで過去は変えられぬ。
慎三とヤスの成長に期待して次節を迎えたい。