ゼロックス・スーパー杯プレビュー
【FUJI XEROX SUPER CUP 名古屋 vs 鹿島】鹿島プレビュー:今季最大のライバルとなることが予想される名古屋。激化したポジション争いを勝ち抜いた選手が、リーグ王者に襲いかかる(11.02.25)
2011年の鹿島がいよいよお目見えする。今季は、リーグタイトルを奪還すべく大型補強を敢行。これまで生え抜き選手で固めてきた陣容を改め、他チームから積極的に選手を補強、清水から日本代表の本田拓也を獲得したことを始め、西大伍、アレックス、カルロンが新たに加わった。それにより、選手同士の競争意識が倍加。やる気に満ちた新加入選手だけでなく、従来から在籍している選手たちにも好影響を与えた。
「79年組の気迫がスゴイ」
鈴木満強化部長が感嘆するほど、チーム最年長になった小笠原満男や本山雅志、中田浩二、曽ヶ端準、新井場徹ら79年組が、宮崎合宿のときから気を吐き、簡単にはポジションを譲らない意志を見せつけた。プラチナ世代と呼ばれる柴崎岳、昌子源、梅鉢貴秀、土居聖真が新卒選手として加入、次世代を担う若手選手たちが揃ってきた。チームとしても今季が「世代交代の元年」と明言しており、徐々にそうした移行が進んでいくのだろうが、79年組はまだまだチームの中心を譲る様子は無い。結果として、チームの競争は例年になく激化している。
昨季、最終節で勝ちきることができず、2位から4位に転落してしまった。終わり方としては最悪だっただけに、そのままシーズンの幕を閉じていればこうした上向きの雰囲気は生まれていなかっただろう。
「天皇杯の優勝が大きかった。あれがなければ雰囲気も下向きのままだったと思う。もしかしたら最悪のサイクルに転がり落ちていたかもしれない」
鈴木強化部長がそう分析するほど、天皇杯の優勝はチーム全体にプラスの影響を与え、チーム一丸となってのタイトル獲得は失われたプライドを取り戻すものとなった。もしあの優勝がなければACLへの出場権も逃すこととなり、チーム内でのポジション争いも狭いパイの奪い合いとなったことだろう。
あの優勝を経験したことは、若い選手たちの自信となった。主力選手として試合に出場し、初めてタイトル獲得に貢献した経験した大迫勇也は、自信に満ち溢れたプレーを見せている。同じポジションにマルキーニョスの後釜としてエース級の活躍が期待されているブラジル人FWのカルロンや、山形でリーグ戦10得点という十分な実績を残して鹿島に復帰したかつての「9番」田代有三など、興梠慎三を含めた4人のポジション争いは、非常に激しい。それにも関わらず、一歩も譲る様子もなく、互いに切磋琢磨する姿勢はチーム力の向上にダイレクトに貢献している。
昨季、名古屋には3戦3勝し、相性の良さを示した。しかし、鹿島だけでなく名古屋も的確な補強を施し、チーム力を向上させている。昨季の戦績は参考にならないだろう
「今年のスタートになる試合。僕たちが目指していたリーグ優勝を果たしたチーム。負けたくないし、勢いを付けるためにもしっかりやりたい」
キャンプから好調を維持し、この試合のスタメンが濃厚な青木剛は、そう試合を位置づけた。このピッチに立つのは激しい紅白戦を戦い、ポジションを勝ち取った選手たちとなる。今季の鹿島が、どれだけの力をもつのか、この一戦で明らかになるはずだ。
以上
2011.02.25 Reported by 田中滋
気迫が凄いと鈴木満強化部長が感嘆するほど79年組が充実しておる。
外部からは「世代交代」と叫ばれ、隠居して欲しいような声ばかりが聞かれるが、当の本人達は心身共に充実しており、まだまだそのポジションを明け渡すつもりはない。
その気迫は新人にも伝播しておろう。
彼らがポジションを奪い、上に立った時にこの経験は活きてくる。
これが鹿島の伝統なのである。
そして、常にチャレンジャーであることも、伝統の一つと言えよう。
今季のスタートにリーグ王者に挑み、そして倒したい。
楽しみな一戦である。
2011年の鹿島がいよいよお目見えする。今季は、リーグタイトルを奪還すべく大型補強を敢行。これまで生え抜き選手で固めてきた陣容を改め、他チームから積極的に選手を補強、清水から日本代表の本田拓也を獲得したことを始め、西大伍、アレックス、カルロンが新たに加わった。それにより、選手同士の競争意識が倍加。やる気に満ちた新加入選手だけでなく、従来から在籍している選手たちにも好影響を与えた。
「79年組の気迫がスゴイ」
鈴木満強化部長が感嘆するほど、チーム最年長になった小笠原満男や本山雅志、中田浩二、曽ヶ端準、新井場徹ら79年組が、宮崎合宿のときから気を吐き、簡単にはポジションを譲らない意志を見せつけた。プラチナ世代と呼ばれる柴崎岳、昌子源、梅鉢貴秀、土居聖真が新卒選手として加入、次世代を担う若手選手たちが揃ってきた。チームとしても今季が「世代交代の元年」と明言しており、徐々にそうした移行が進んでいくのだろうが、79年組はまだまだチームの中心を譲る様子は無い。結果として、チームの競争は例年になく激化している。
昨季、最終節で勝ちきることができず、2位から4位に転落してしまった。終わり方としては最悪だっただけに、そのままシーズンの幕を閉じていればこうした上向きの雰囲気は生まれていなかっただろう。
「天皇杯の優勝が大きかった。あれがなければ雰囲気も下向きのままだったと思う。もしかしたら最悪のサイクルに転がり落ちていたかもしれない」
鈴木強化部長がそう分析するほど、天皇杯の優勝はチーム全体にプラスの影響を与え、チーム一丸となってのタイトル獲得は失われたプライドを取り戻すものとなった。もしあの優勝がなければACLへの出場権も逃すこととなり、チーム内でのポジション争いも狭いパイの奪い合いとなったことだろう。
あの優勝を経験したことは、若い選手たちの自信となった。主力選手として試合に出場し、初めてタイトル獲得に貢献した経験した大迫勇也は、自信に満ち溢れたプレーを見せている。同じポジションにマルキーニョスの後釜としてエース級の活躍が期待されているブラジル人FWのカルロンや、山形でリーグ戦10得点という十分な実績を残して鹿島に復帰したかつての「9番」田代有三など、興梠慎三を含めた4人のポジション争いは、非常に激しい。それにも関わらず、一歩も譲る様子もなく、互いに切磋琢磨する姿勢はチーム力の向上にダイレクトに貢献している。
昨季、名古屋には3戦3勝し、相性の良さを示した。しかし、鹿島だけでなく名古屋も的確な補強を施し、チーム力を向上させている。昨季の戦績は参考にならないだろう
「今年のスタートになる試合。僕たちが目指していたリーグ優勝を果たしたチーム。負けたくないし、勢いを付けるためにもしっかりやりたい」
キャンプから好調を維持し、この試合のスタメンが濃厚な青木剛は、そう試合を位置づけた。このピッチに立つのは激しい紅白戦を戦い、ポジションを勝ち取った選手たちとなる。今季の鹿島が、どれだけの力をもつのか、この一戦で明らかになるはずだ。
以上
2011.02.25 Reported by 田中滋
気迫が凄いと鈴木満強化部長が感嘆するほど79年組が充実しておる。
外部からは「世代交代」と叫ばれ、隠居して欲しいような声ばかりが聞かれるが、当の本人達は心身共に充実しており、まだまだそのポジションを明け渡すつもりはない。
その気迫は新人にも伝播しておろう。
彼らがポジションを奪い、上に立った時にこの経験は活きてくる。
これが鹿島の伝統なのである。
そして、常にチャレンジャーであることも、伝統の一つと言えよう。
今季のスタートにリーグ王者に挑み、そして倒したい。
楽しみな一戦である。