ガンバ戦レポート
【J1:第10節 鹿島 vs G大阪】レポート:膠着した試合を一変させたラフィーニャ。西野監督の期待に応えG大阪を勝利へ導く(11.07.28)
7月27日(水) 2011 J1リーグ戦 第10節
鹿島 1 - 4 G大阪 (19:04/カシマ/13,298人)
得点者:7' 武井択也(G大阪)、19' 増田誓志(鹿島)、80' イグノ(G大阪)、83' ラフィーニャ(G大阪)、88' イグノ(G大阪)
鹿島が2点目を失うと、試合途中にも関わらず席を立つ人が後を絶たない。それはまるで、その後の惨憺たる光景を予期していたかのようだった。試合後、1-4という大敗に、オリヴェイラ監督は選手たちと共にスタンドへ挨拶へ向かう。激しいブーイングのなか、不甲斐ない試合を演じてしまった中田浩二は深々と頭を下げるしかできなかった。
試合は鹿島ペースで始まったはずだった。開始直後、いきなり左サイドを野沢拓也がフェリペ ガブリエルとのコンビネーションで突破し、鋭いクロスをゴール前に送る。しかし、これに走り込んだ田代有三はうまく足を合わせられない。シュートは左サイドのタッチラインを割っていったが、幸先の良いスタートを感じさせた。
しかし、先にゴールを割ったのはG大阪。7分、鹿島が右サイドで相手ボールを奪い、バックパスから攻撃に転じようとしたところをキム スンヨンがカット。ドリブルで突っかけながら右サイドにはたくと、武井択也がフリー。豪快に相手ゴールを揺らす先制点を叩き込む。
嫌な雰囲気が流れ始めたスタジアムだったが、鹿島の選手たちは動じなかった。高いラインを保ち、コンパクトな陣形を保とうとする。すると19分、野沢のフリーキックのこぼれ球を増田誓志が左足で流し込み、同点に追い付いて見せた。
しかし、ここから試合は膠着する。G大阪は遠藤保仁をボランチに置き、攻撃の組み立てを託すが、周囲の動きは重く、パスは回るものの横方向ばかり。縦に入れてもイ グノ、キム スンヨンが激しいマークあい、攻撃の形をつくれない。鹿島も田代の高さを生かそうとするが、そこまで優位に立てないことから、大迫勇也を左サイドに張らせ、[4-2-3-1]に布陣を変更して状況を変えようと模索した。
後半になり、両サイドバックからのクロスも増えてきた鹿島はさらに攻撃に厚みを増す。しかし、60分あたりから両チームともに足が止まり始めた。それを見た西野朗監督は先に動く。65分に、佐々木勇人とラフィーニャを同時に投入し、鹿島陣に生まれていたスペースをスピードで攻略しようとする。この積極策が当たった。80分、83分、88分とわずかな時間で鹿島ゴールを攻略。すべての得点にラフィーニャが絡む活躍をみせ、一気に勝負をつけたのである。
「勝ち切りたいというところで思い切ってラフィーニャを出したが、しっかりと期待に応えてくれた。押し込まれたからあのキャスティングだった、というのも正解だった」(G大阪・西野監督)
チャンスを決めきれず、連敗を喫した鹿島はこれで8敗目。シーズンの折り返しを迎えたが、いまだに勝点は19に留まる。このままのペースでは本当に残留争いに巻き込まれてしまうだろう。この事態を招いている一因が、試合終盤の失点数の多さだ。75分からの失点はリーグワーストの12。2位の福岡でさえ9。鹿島より1試合多く、さらに総失点は37(鹿島は27)と、より多くの失点を喫しているにも関わらず、だ。
「個人的には勝点1を取りに行くことを頭に入れながら試合をするのもありだと思う。勝ちたいですけど勝ちにいきすぎてしまうところがある」
岩政大樹は、悔しげにチーム状態を分析した。いま一度、王者として復権するためにも、そのプライドをかなぐり捨てる覚悟が必要かも知れない。
以上
2011.07.28 Reported by 田中滋
終盤の失点を問題点に上げる田中氏である。
データ的にはそのように思える。
しかしながら、決定機を確実にゴールに結び付けられぬところが最大の問題であることは誰もが感じておるところであろう。
ここを改善できぬことには安定した成績は望めぬ。
その起爆剤としてタルタが加入した。
期待したい。
7月27日(水) 2011 J1リーグ戦 第10節
鹿島 1 - 4 G大阪 (19:04/カシマ/13,298人)
得点者:7' 武井択也(G大阪)、19' 増田誓志(鹿島)、80' イグノ(G大阪)、83' ラフィーニャ(G大阪)、88' イグノ(G大阪)
鹿島が2点目を失うと、試合途中にも関わらず席を立つ人が後を絶たない。それはまるで、その後の惨憺たる光景を予期していたかのようだった。試合後、1-4という大敗に、オリヴェイラ監督は選手たちと共にスタンドへ挨拶へ向かう。激しいブーイングのなか、不甲斐ない試合を演じてしまった中田浩二は深々と頭を下げるしかできなかった。
試合は鹿島ペースで始まったはずだった。開始直後、いきなり左サイドを野沢拓也がフェリペ ガブリエルとのコンビネーションで突破し、鋭いクロスをゴール前に送る。しかし、これに走り込んだ田代有三はうまく足を合わせられない。シュートは左サイドのタッチラインを割っていったが、幸先の良いスタートを感じさせた。
しかし、先にゴールを割ったのはG大阪。7分、鹿島が右サイドで相手ボールを奪い、バックパスから攻撃に転じようとしたところをキム スンヨンがカット。ドリブルで突っかけながら右サイドにはたくと、武井択也がフリー。豪快に相手ゴールを揺らす先制点を叩き込む。
嫌な雰囲気が流れ始めたスタジアムだったが、鹿島の選手たちは動じなかった。高いラインを保ち、コンパクトな陣形を保とうとする。すると19分、野沢のフリーキックのこぼれ球を増田誓志が左足で流し込み、同点に追い付いて見せた。
しかし、ここから試合は膠着する。G大阪は遠藤保仁をボランチに置き、攻撃の組み立てを託すが、周囲の動きは重く、パスは回るものの横方向ばかり。縦に入れてもイ グノ、キム スンヨンが激しいマークあい、攻撃の形をつくれない。鹿島も田代の高さを生かそうとするが、そこまで優位に立てないことから、大迫勇也を左サイドに張らせ、[4-2-3-1]に布陣を変更して状況を変えようと模索した。
後半になり、両サイドバックからのクロスも増えてきた鹿島はさらに攻撃に厚みを増す。しかし、60分あたりから両チームともに足が止まり始めた。それを見た西野朗監督は先に動く。65分に、佐々木勇人とラフィーニャを同時に投入し、鹿島陣に生まれていたスペースをスピードで攻略しようとする。この積極策が当たった。80分、83分、88分とわずかな時間で鹿島ゴールを攻略。すべての得点にラフィーニャが絡む活躍をみせ、一気に勝負をつけたのである。
「勝ち切りたいというところで思い切ってラフィーニャを出したが、しっかりと期待に応えてくれた。押し込まれたからあのキャスティングだった、というのも正解だった」(G大阪・西野監督)
チャンスを決めきれず、連敗を喫した鹿島はこれで8敗目。シーズンの折り返しを迎えたが、いまだに勝点は19に留まる。このままのペースでは本当に残留争いに巻き込まれてしまうだろう。この事態を招いている一因が、試合終盤の失点数の多さだ。75分からの失点はリーグワーストの12。2位の福岡でさえ9。鹿島より1試合多く、さらに総失点は37(鹿島は27)と、より多くの失点を喫しているにも関わらず、だ。
「個人的には勝点1を取りに行くことを頭に入れながら試合をするのもありだと思う。勝ちたいですけど勝ちにいきすぎてしまうところがある」
岩政大樹は、悔しげにチーム状態を分析した。いま一度、王者として復権するためにも、そのプライドをかなぐり捨てる覚悟が必要かも知れない。
以上
2011.07.28 Reported by 田中滋
終盤の失点を問題点に上げる田中氏である。
データ的にはそのように思える。
しかしながら、決定機を確実にゴールに結び付けられぬところが最大の問題であることは誰もが感じておるところであろう。
ここを改善できぬことには安定した成績は望めぬ。
その起爆剤としてタルタが加入した。
期待したい。