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日本サッカーに向上に物申したい

[鹿島]甲府戦の試合後会見でオリヴェイラ監督がJリーグの判定基準に苦言。「血を流してもがんばれと言うことと、 タフさとは違うと思います」
GELマガvol.19では、鹿島のオリヴェイラ監督が甲府戦の試合後会見の全文を配信いたしました。
ブロゴラでは、今回の会見の全文を無料で配信いたします。
■オズワルド・オリヴェイラ監督


――名古屋とガンバが勝って勝点差が12に開きました。この引き分けの価値は?
「1-0になっていましたし、自分たちがボールを保持しており、あの時間帯は2点目を取れる匂いがしていました。そのあと、自分たちのミスという部分を含め、相手が献身的に諦めない姿勢を見せて戦ったことでボールを奪い返し、カウンターを仕掛けて得点をしたわけです。自分たちが勝てた試合を、自分たちから手放してしまったことは明らかです。ただ、相手のメリットは讃えなくてはいけないし、自分たちも2点目を取れる時間帯は何度もチャンスがあったわけですから、それを決めていれば問題ありませんでした。いままではそれが入っていたのに、今日は入らなかったということに尽きます。あとは相手が努力をし続けたことに敬意を表さないといけないと思います」

――大迫選手の怪我の具合については?
「正直、いままでサッカーを長くやっていますが、こういう怪我を見たことがありません。初めて見る怪我です。ただ、不思議なのはフェアプレーということを訴えているわけですが、うちの選手は毎回怪我をしています。今回も縫う
ような怪我をしましたし、前節も縫うほどの怪我をしています。他の試合でも、鼻を骨折したり、フェリペ選手なんかはあばらのところにスパイクの跡がついています。それほどのことをされているにも関わらず、それを見ていない人が
いるというのが不思議で仕方ありません。このスタジアムの中でも、あるいは他のスタジアムでも、誰一人見ていないのかな、と。そういう報道、そういう指摘がないというのは不思議に思うところです。うちの選手が相手に悪質な怪
我を負わせたということは、5年間監督をやっていますけどたぶんないと思います。逆に、相手の悪質な姿勢を誰も言わない。見て見ぬ振りをしているということが、不思議で仕方ありません。今日の試合でも、前半10分までにサイドチェンジをするたびにアフターチャージに来ているのに、アフターチャージという認識を持ったのは後半の最後の方、もしくは中盤くらいからです。そういった悪質な、反スポーツ的な部分が随所にあって、それを誰も指摘せず、負けた、引き分けた、勝ったという結果しか見ていないのは寂しいことです。建設的な報道や伝え方があると思います。どういう怪我なのか、写真はありますけど、あとで個人的にお見せすることはできます。監督を長くやっていますけど、こんなところを怪我するのかとビックリするような場所です。接触が多いスポーツですので、接触から打撲をすることもあります。ただ、これが毎試合続いているということに関しては、皆さんも疑問に思いませんか。それがもう一つ不思議に思うことです。また、当然ながらその判定を下すものもいます。彼らが不思議に思わないことが、逆に僕は不思議です。考え難い怪我が今日起こってしまい、ビックリしています」

「2007年から監督に就任してやってきておりますが、日本サッカー全体はものすごいスピードで成長していると感じております。技術的な部分でも、だいぶ向上していますし、選手たちの能力もあがってきています。僕はサッカーの指導者をしています。ただ、日本の場合は、ラグビーというスポーツが、あるいはラグビーが混じっているような状況になっています。タフな選手を育てるということは一つのテーマとしてあることはわかります。ただ、タフな選手を育てるということと、悪質なやり方や蹴り方、アフターチャージ、後ろからの接触に関して、そうしたファウルを受けて血を流してもがんばれと言うことと、タフさとは違うと思います。ですので、立ち上がりの10分を見てもらえばわかると思いますが、うちの選手が負傷退場しなければいけない場面が何度もあります。サッカーのルールで、僕が知っている限り、立ち上がりの10分でイエローカードを出してはいけないというルールは無いと思います。逆に反紳士的な行為について撲滅しなければいけないと訴えているにも関わらず、それを見て見ぬ振りをしているということは、いったいどこにその姿勢は消えてしまったのでしょう。僕は批判をしているわけではなく、そういった部分を建設的に報道できないのか、と訴えたいと思います。タフさを持った選手を育てるのなら、どういった選手がタフなのか。相手にぶつけられ、肘打ちをされ、膝蹴りをされ、それで痛みを我慢することなのか。それは違うと思います。その違いの教育をもう少し改善していかないと、サッカーラグビーという新たなスポーツの誕生に繋がってしまうと思います」

――今年、レフリングの柱として、フットボールコンタクト、つまりサッカーにあっておかしくないコンタクトは流す、という方針でやっていると思いますが、そのレフリングの方針がこうしたラフなプレーと関連があると思いますか?
「サッカーというのは球技である。足でやる球技である、と。多少、足以外にも頭を使いますし、キーパーは手を使えますが、基本的には足でやるスポーツです。そこに丸いボールがあって、転がるという使い方があるわけです。しかし、どういう風にタフさを身につけるのかを間違ってはいけない。いちばんわかりやすいのは、アウェイのヴィッセル戦で柴崎選手が、ボールに対していこうとして、もう間に合わないという思いでスライディングをしにいった。そのときのヴィッセルの選手の動きを見てもらえればわかると思うのですが、一旦、スピードを出していく、でも、やっぱり間に合わないと思ってゆるめる。ただ、うちの柴崎選手がスライディングをしたところで、もう一回ものすごいスピードをあげて両足でタックルしにいく。で、うちの柴崎を骨折させているわけです。その悪質な行為というものが映像を通して見えているわけですし、試合を通しても見えているわけです。それを見えてないというのなら、技術的なものに達すると思うわけです。ただ、彼らも一生懸命向上しようと、研修会を開いて勉強しようとしていることは聞いています。なにがタフさなのか。ただ、倒れない。撲られても、蹴られても、ずっと立ち続けてボールに行けというのは、なにかおかしいと思います。いまの教育、いまの方針であれば、つねに毎試合怪我人が出るような荒い内容になってしまうと思います。そのまま代表選手となれば、他国と試合をしたとき、そうした行為は重い罰則を受けますし、長期の出場停止に繋がると思います。僕は、サッカーというのは、足技のテクニックを発揮して相手ゴールに到るスポーツだと思いますし、それがサッカーの美しさだと思います。選手たちには積極的にシュート、ドリブル、いろんなアイデアを出してみるということを言い続けています。球際のアグレッシブさは要求してますけど、上から悪質にやるようなやり方(スパイクするなどの行為)はまったく指示していません。どういう方向性で選手を育てるのか、全体で見直すべきだと思います。それが日本サッカーをもっと進歩させることに繋がるはずです。ですので、判定を下す者が、より良い方針や指導や勉強会で考えるべき部分があると思います。

最近、日本対アルゼンチン、日本対韓国の試合を観ましたけど、試合は勝ちましたし、特に韓国戦なんかは悪質なやり方でボールを奪ったりということもなく、サッカーという部分で3-0で勝ったわけです。アルゼンチン戦のときもそうでした。相手に怪我をさせて、血を流させるという行為は代表のなかにはまったく見られず、あれがサッカーの美しさであり、戦いながらゴールにむかっていくことです。それをJリーグのなかでも目指さなくてはいけないと思います。
悪質な、反紳士的な行為というものを罰するべきだし、撲滅するようにみんなで取り組まないといけないと思います。

僕は80年代からアジアで仕事をしていますが、正直、日本が韓国に対してあれだけ圧勝した試合は観たことがありません。あのときは本当にサッカーの美しさがありましたし、悪質な接触プレーもありませんでした。サッカーの美しさ
と醍醐味があり、相手陣内でプレスをかけ続けることを実践していました。サッカーをして勝ったという美しさがありました。では、タフな選手を育てるということで、なぜ怪我人が続出するような判定基準だったり、教育をしているのでしょうか。確かに、サッカーは男らしくとか、タフといったことを求められます。ただ、ひとつは選手生命に関わらない程度の接触というものを考えなければなりません。いまはなにをやってもいい状況にあります。そこを考え直すというか、見直すべきだと思います。今後の日本のサッカーにも影響を与えますし、みんなで良くしていく方向があると思います」


甲府戦後の監督インタビューである。
GELマガにて配信されておったが、田中氏・ブロゴラの厚意で公表されることとなった。
甲府戦で起こったことに関しては、まさにオリヴェイラ監督の申す通りと言えよう。
Jリーグをレベルの低いリーグと切り捨てることは簡単である。
しかしながら、日本代表がW杯に於いてベスト16に入り、アジア杯で優勝するような国のリーグとして考えるのであれば、もっともっと上を目指さねばならぬ。
ジャッジもプレイも高いレベルに上がってこそ、国を代表するナショナルチームの格も上がるというもの。
日本全体としてこの問題について考えて欲しい。

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