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前線でボールを収めることが重要

U-22日本代表:大津という「勝負強いフィニッシャー」を得た関塚ジャパン
「レイソルの時はあんなに点取ってなかったですけどね。2試合で2点っていうのは持ってると思う。点を取るってところは海外に行ってすごく変わったところですね」。7月まで柏のチームメートだった酒井宏樹がしみじみとこう語った。もちろん27日のU-22シリア戦(東京・国立)で値千金の決勝点を奪った大津祐樹(ボルシアMG)のことである。

前半終了間際に濱田水輝(浦和)のショートコーナーからのヘッドで先制しながら、残り15分でシリアの長身FWオマル・アルスマ(10番)の個人技で同点に追いつかれた時、選手もサポーターもホームで勝ち点1という最悪の結果を覚悟しただろう。2月5日のロンドン五輪アジア最終予選第4戦はシリアのアウェー戦。敵地・日本に来て、関塚ジャパンより試合間隔が1日短いのにここまでの底力を見せるのだから、ホームに戻った彼らは相当強いはず。日本が27日の試合をドローで終わっていたら、ロンドン五輪出場に黄信号が点るかもしれなかった。だからこそ、大津が残り4分という追い詰められた状況で決めたダイビングヘッドは大きかった。

22日のバーレーン戦(マナマ)でも先制点を挙げているが、彼のフィニッシュへの意識はドイツに渡った4ヶ月間で劇的に変わった。日本では2008年から3年半プレーしたが、リーグ戦の得点数はわずか7点。「大津はケガばっかりだった」と国立で試合を観戦した柏の小見幸隆統括ダイレクターが苦笑いしていたが、試合に出ていた時もタッチライン際を突破するばかりで、自ら強引にゴールを奪いに行く印象は薄かった。そんな彼が大化けたしたのは「結果を出さなければ振り落とされる」というピリピリした環境に身を投じたことがやはり大きい。

「一番変わったのは貪欲さというか、自分を押し出さないといけない世界がある。日本にいた時よりもっともっと自分らしさを出して、ちゃんとプレーしなきゃいけないって感じた」と本人も力説する。自分の存在を認識してもらうためにも、ゴールを奪うことは不可欠。シリア戦の決勝点も思い切って体を投げ出し、ワクにぶつかってもいいくらいの勢いで前線に飛び込んでいる。「相手に激突しても怖くない」という岡崎慎司(シュツットガルト)のような得点への泥臭さが、この場面から強く感じられた。

もし今回の2連戦に大津がいなかったらと考えると恐ろしい。というのも、今の関塚ジャパンには「絶対的な点取屋」が皆無に等しいからだ。

最終予選に入って2試合連続スタメンの1トップ・大迫勇也(鹿島)はいまだノーゴール。「大迫のよさというのは前線でしっかりとボールを収めて、2列目やサイドバックの攻撃参加を促せるところ」と関塚監督も指摘する通り、確かに前線のターゲットマンとしてはよくやっている。だが、背負った相手をかわしてゴール前へ突っ込んでいくような強引さに欠ける。シリア戦の前半26分もせっかく絶妙のタイミングでDFの裏を取りながら、ボールを受けた途端、ゴールを目指すのをやめて味方の上がりを待ってしまった。大事な試合ゆえ、リスクを冒してカウンターを食らいたくないもの分かるが、そのまま行けば決定的なカウンターになる場面で躊躇してしまうのはFWとしては不完全燃焼だ。シュート4本というのも、シリアのオマル・アルスマの7本に比べると少なかった。

その大迫と交代した永井謙佑(名古屋)もシュート0本に終わった。出場時間が15分程度と短かったこともあるが、昨年11月のアジア大会(広州)で得点王に輝いた頃の得点感覚、前線での嗅覚がやや鈍っているようにも見受けられる。永井は今、名古屋で完全にスーパーサブとして位置づけられており、試合出場時間も20分前後が多い。それしか公式戦のピッチに立たないのでは、どうしてもFWとしての成長曲線が緩やかにならざるを得ない。彼の恩師である福岡大学の乾真寛監督も「このままでは大事な20代前半の時期を生かしきれない」と心配していた。以前の関塚ジャパンは永井のゴールに救われた試合が多かったが、今の彼はそこまで脅威を与えられていない。

加えて、点の取れそうな清武弘嗣(C大阪)、原口元気(浦和)という2枚のアタッカーがいないのだから、関塚ジャパンは一体誰がゴールすればいいのか…。その悩みを大津が解決してくれた部分は大きい。もちろん濱田水輝(浦和)が奪ったリスタートからの得点も1つの武器ではあるが、流れの中からのゴールがあってこそ、日本は本当に強いチームがある。今回の2連戦で大津祐樹という「勝負強いフィニッシャー」を得たことは非常に大きな収穫だった。

ただ、その大津が2〜3月の最終予選後半戦に合流できるかどうかは全くの未定だ。ボルシアMGで試合に出るようになれば、ルシアン・ファブレ監督も快くU-22代表に協力してくれなくなるだろう。そういうシナリオも想定し、アタッカー陣は短期間はできる限りの決定力アップを図る必要がある。最終予選の本当の戦いはこれから。フィニッシュの課題を肝に銘じつつ、彼らには一層の飛躍を期してほしいものだ。

元川 悦子
もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。


大迫に不満を持つ元川女史である。
彼女の申すこともわからぬではない。
しかしながら、前線に一人で残り、サポートのない中で強引な突破を強いるのはいかがなものかと思う。
スタジアムで確認すればわかることを、ゴールという結果だけで語ってしまうのは素人のすること。
もう少し、掘り下げたコラムを望みたいと願う。

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