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広島戦レビュー

【J1:第19節 鹿島 vs 広島】レポート:厳しい気候条件のなかでも死力を尽くした好ゲーム。2度のリードを奪われた鹿島は、大迫の2得点で引き分けに持ち込む(12.07.29)

7月28日(土) 2012 J1リーグ戦 第19節
鹿島 2 - 2 広島 (18:34/カシマ/15,496人)
得点者:39' 佐藤寿人(広島)、45'+2 大迫勇也(鹿島)、48' 森脇良太(広島)、74' 大迫勇也(鹿島)


2度リードされながらも2度とも追い付く粘り強さと、追い付かれたあと流れを奪われながらも逃げ切る粘り強さ。互いに一歩も譲らない戦いは、引き分けという決着に終わったが、手に汗握る好ゲームとなった。

好調同士の戦いは静かな展開から始まった。この日も厳しい暑さと湿度が選手を襲い運動量の多さが望めない部分はあったが、それ以上に鹿島の守備がよく機能していた。
この日、センターバックに入った青木剛は「うちもしっかり広島に対するやり方をしようとしていました」と言う通り、5人が前線に並ぶ独特な広島の攻め方に対し、中盤の選手たちと一体になって遺漏ない守備を見せたのである。普段であれば千葉和彦や森崎和幸、青山敏弘らからくさびのパスが入る広島が、フリーの選手を見つけられない。下手にパスを出せば速攻を招く怖れがあるため、じっくりと構える展開が多くなった。
この時間帯、どちらかと言えば鹿島の方がチャンスを見出しそうな雰囲気が漂っていた。しかし、時間の経過とともに広島も糸口を見出す。石原直樹や高萩洋次郎が中に絞ると西大伍がマークに付かざるを得ない弱点を見透かし、左サイドから攻略しようとしてきた。そして、そこから先制点が生まれる。
39分、左サイドからゴール前に走り込んだ石原へパスが出ると、岩政大樹がカバーして頭でカットしようとする。しかし、それが西の足に当たってしまい、こぼれたところを佐藤寿人がすばやく詰めてシュート。それまでの展開が嘘のようにあっさり得点が決まってしまった。
痛いミスからの失点だったが、広島にもアンラッキーな失点が生まれてしまう。西のクロスに西川周作が飛び出すと、手前で千葉が頭でそらしてしまう。その先にいたのは大迫勇也。無人のゴールへ流し込み同点に追い付いた。

勝負の後半。「後半の方がよりボールを取りに行く守備に変えた部分があった」(青木)というように、ボールを積極的に奪いにいく。ジョルジーニョ監督からも「後半の入り方が肝心となる。立ち上がりの10分で勝利への意欲を表現しろ!」と指示が出た。しかし、前半終了間際の失点にも広島の選手たちは集中力を失っていなかった。48分に、CKで森脇良太が自らの競り合いからこぼれたボールをゴールへ叩き込み、再びリードを奪う。
「前半の終了間際に追い付かれたことでダメージを受けていることもなく、しっかり切り替えて後半に臨めた」
森保一監督は選手のメンタルの強さを称賛していた。

ただし、鹿島の選手たちも負けていない。60分に、レナト・本山雅志がピッチに入り再び攻勢を強める。すると74分に、小笠原満男と本山の連携から右サイドを崩し、折り返しに大迫が飛び込む美しいゴールで同点に追い付くのだった。暑さの影響で広島の足がピタリと止まりさらに押し込んだが、相手も粘る。「ハットトリックとれましたね」と大迫は悔しがったが3つめのゴールは許してはもらえなかった。

互いに死力を尽くした戦いだったが、次に繋がる試合だったことは間違いない。「まだ首位なので」と佐藤寿人が話したとおり、広島は首位でホームに戻ることができた。また、鹿島も地力が付いてきたことを示す試合展開だったと言えるだろう。得たものは勝点1だけではなかったはずだ。


以上
2012.07.29 Reported by 田中滋


ドローという結果で得たものは勝ち点1だけではないと綴る田中氏のレポートである。
ミスからの失点は残念であったが、特殊な攻めをする広島への守備、そして前後半での戦術変更に対応した選手、機能した攻撃、そして何よりも新戦力のフィットと新布陣による攻勢であろう。
授業料は安くはなかったが、今後に積み上げられるであろう勝ち点とタイトルがその成果と考えれば、悪くはないはず。
今後の試合に注目である。

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狂おしいほどの愛。
深い愛。
我が鹿島アントラーズが正義の名のもとに勝利を重ねますように。

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