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名古屋戦レビュー

【J1:第33節 名古屋 vs 鹿島】レポート:軽率なミスからの2失点で名古屋が鹿島に惜敗し、名門のJ1残留を”アシスト”。6位に後退して迎える最終節は、3位を5チームで争うデッドヒートに発展した。(12.11.25)
11月24日(土) 2012 J1リーグ戦 第33節
名古屋 1 - 2 鹿島 (14:33/豊田ス/23,892人)
得点者:7' ドゥトラ(鹿島)、25' 増川隆洋(名古屋)、35' ドゥトラ(鹿島)


「1つ1つのプレーに明確な意志を込めろ。狙いのないアクションほど危険なものはない」
ハーフタイムに鹿島のジョルジーニョ監督が選手たちにかけた一言こそが、名古屋の敗因だった。想定外のケアレスミスで2失点。名門・鹿島のJ1残留を手助けする勝点3を、名古屋はホーム最終戦で献上する羽目になった。

両者の立場の違いもまた、ゲーム展開に影響を及ぼしたのかもしれない。AFCチャンピオンズリーグ出場権獲得のため、同勝点で3位浦和を追う名古屋に対して、鹿島は残留争いのまっただ中。その上、小笠原満男を累積警告で、さらには興梠慎三を体調不良で欠くなど主力も不在。名古屋も阿部翔平を負傷で欠いたが、キックオフのピッチに立った11人は前節で磐田に快勝を収めたメンバーである。メンバー表を見れば、名古屋がやや優位。しかし追い詰められた名門は、その勝負強さをここ一番で発揮してきたのだ。

試合開始から鹿島は1トップの大迫勇也が激しくフォアチェックを繰り返し、後方の味方にプレッシングを要求する。DFラインを高く保つ分、攻め込まれた時のリスクは高まったが、すぐさまペースを奪い返し、早々に先制点を手にした。7分、名古屋のCBダニエルがゴール前にこぼれたボールをクリアせずにコントロールしようとしたところをドゥトラが易々とカット。そのままゴールに突進し、GK楢崎正剛の股下を抜く冷静なシュートを流し込んだ。「我々のボックスに相手が仕掛けてきた時、守備が一番すべきことはクリアすることだ」。試合後にストイコビッチ監督が苦言を呈した軽率なプレーで、名古屋はいきなりビハインドを背負って戦うことになった。

さらには18分に三都主アレサンドロが負傷退場し、石櫃洋祐を予定外に投入することになった名古屋だったが、この交代から同点に追いついたのだからわからないものだ。本職は逆サイドの石櫃だが、「入った時から上げていった」とアグレッシブなオーバーラップで左サイドを活性化。25分のドリブル突破で得たFKが、同点弾へとつながった。キッカーは今や司令塔の座を完全に手中に収めた田口泰士。鋭く落ちるFKはニアサイドの田中マルクス闘莉王をオトリとし、ファーサイドに走りこんだ増川隆洋の低空ヘッドを呼び込んだ。これで試合に振り出しに戻り、流れは名古屋に傾いた、はずだった。

同点にした後も左サイドを起点に攻め立てた名古屋だったが、またも安易なミスで失点を招いて自滅した。35分、ダニエルがオーバーラップし前線に預けようとしたパスは味方ではなく本田拓也のもとに。すぐさま対角線上の前線にいた大迫のもとにロングボールを送ると、大迫はDF3人を相手にドリブルからシュートまで持ちこんでみせる。これは楢崎がセーブしたが、弾いたボールは走りこんだドゥトラが詰め、難なく2点目。指揮官曰く興梠が健在ならばベンチスタートだったというブラジル人MFだったが、決定機をきっちり沈めるあたりは助っ人の面目躍如。背番号11の活躍で再び鹿島がリードを奪った。

前半を終えて1−2。とにかく得点が欲しい名古屋のストイコビッチ監督は、前節でのジョルジーニョ監督さながらに早めの交代策で挽回を目論んだ。小川佳純と藤本淳吾に代えて、永井謙佑と金崎夢生を投入。45分で交代枠を使い切る思い切った一手からは、指揮官の強い気持ちが伝わってくる。その思いに応えるように、名古屋は後半開始直後の鹿島のセットプレーを水際でしのぐと、51分には永井が際どいヘディングシュートを放って反撃開始。しかし、その後が続かなかった。鹿島はコンパクトな守備から大迫のキープ力とジュニーニョ、ドゥトラのスピードを生かしたカウンターをチラつかせ、名古屋の攻撃をけん制。「カウンターを食らってロングボールを蹴って、跳ね返される。その繰り返し」と田口が苦々しく振り返ったように、名古屋はビルドアップもままならなくなり、26分の金崎の決定機を最後に攻撃を形作ることもできなくなってしまった。試合はそのまま1−2のまま終了。名古屋にとって今季のホーム最終戦、あるいは楢崎の501試合目という節目の一戦は、点差以上に内容に差をつけられた、何とも悔しい敗戦となった。

この結果を受け、鹿島はJ1残留を決定させた。「自分たちの力で残留を決められたのは大きい」(遠藤康)、「今日は結果がすべて、でも残留で喜ぶというのはどうか」(新井場徹)と選手たちの反応はまちまちだったが、これで肩の荷が降りたのは間違いない。次なる狙いである天皇杯とのカップ2冠へと照準を定めた。

名古屋はどうか。情勢は厳しくなった。同勝点だった浦和も負けたために勝点差は開かなかったが、その浦和に勝利した鳥栖が勝点差1の3位となり、さらには柏が同勝点の得失点差により4位に浮上。名古屋は一気に6位にまで後退し、ACL出場圏内の3位を最終節で鳥栖、柏、浦和、そして横浜FMの4チームと争うことになった。名古屋は浦和からの勝利がまずは絶対条件。その上で鳥栖と柏が引き分け以下の場合に3位の座を手に入れることができる。「我々にはまだ希望が残っている」とストイコビッチ監督は語った。キャプテン楢崎も「望みある限りは最後まで戦う」と決意をにじませた。敵地・浦和での一戦は、出場すれば闘莉王の300試合目でもある。この巡り合わせが意味するものは吉兆か。因縁渦巻く最終節に、何かが起こる可能性が満ち満ちてきた。


以上
2012.11.25 Reported by 今井雄一朗


「メンバー表を見れば、名古屋がやや優位」と評する名古屋目線のレポートである。
これには異論を唱えたい。
小笠原満男の代役となったのは、ヒゲくんこと本田拓也であり、日本代表キャップを持つ実力者である。
興梠の代わりに出場したドゥトラはシステム変更以降、水を得た魚のように躍動しておる。
曽ケ端、岩政、青木、大伍、岳、大迫も日本代表招集経験があり、ジュニーニョに至ってはJリーグ得点王の実績を誇る。
これだけの選手に匹敵する陣容を名古屋が持っておったようには思えぬ。
それを「優位」と言い切ってしまう気持ちが、筆者だけでなく名古屋全体にあったのでは無かろうか。
結果的に手負いの鹿島が優位に試合を進め、シュート数も名古屋が13に対し20本も浴びせかけて勝利を掴んだ。
プレイの精度がもう少し高ければもっと大差の結果であったであろう。
ここは反省点として、記憶しておきたい。
鹿島としては最終節、そして天皇杯へと繋がる力強い勝利をアウェイの地で掴んだことは大きい。
今季はこの先、無敗にて終えようでは無いか。
楽しみにしてスタジアムに向かいたい。

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鹿島愛。
狂おしいほどの愛。
深い愛。
我が鹿島アントラーズが正義の名のもとに勝利を重ねますように。

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