大宮戦プレビュー
【J1:第4節 大宮 vs 鹿島】プレビュー:8年間のデータの重み。対鹿島戦4年ぶりの勝利を目指す大宮(13.03.29)
大宮の鹿島に対するリーグ戦の通算成績は1勝5分10敗。唯一の勝利は4年前まで遡らなければならない。大宮にとっては天敵ともいえる相手であり、ベルデニック監督も「鹿島は最も警戒する相手の一つ」と認めている。とはいえ選手個々の戦力差は今や圧倒的なものではないし、昨季の順位は大宮が13位で鹿島が11位、ここまでの戦績はともに1勝2分の勝点5で6位タイ。「自分たちの力を最大限に発揮し、相手の弱点を徹底的に突く」(ベルデニック監督)ことができれば、今季ホーム初勝利を天敵からの2勝目で飾ることができるだろう。
互いに前線に懸念材料がある。大宮の2トップは不動のノヴァコヴィッチとズラタンのスロヴェニア代表コンビだが、この2トップに今季いまだ公式戦ゴールはなく、ノヴァコヴィッチは代表招集された22日のアイスランド戦でゴールを決めたものの、今週帰国したばかりで二人ともコンディションは「まだ完全ではない」(ベルデニック監督)。
鹿島は23日のヤマザキナビスコカップF東京戦で大迫勇也が負傷し、今節は出場できそうもない。前線で起点となり、また自ら「急な(タイミングでの)シュートを撃つ」(北野貴之)ことで相手守備陣に脅威を与える大迫の不在は、鹿島にとっては痛いところだろう。まして鹿島にはカップ戦でさえベンチに入れる控えFWがいない状況であり、ベルデニック監督も「優れたFWが出られないのは残念だが、FWの交代が一人いなくなるという意味で、我々が勝つ確率を高める材料になるかもしれない」と、控えめな表現でその影響を語った。
ポイントは鹿島が大迫の穴をどう埋めてくるかにある。もちろんダヴィが一人いるだけで十分に怖い。昨年J2で対戦した高橋祥平も、「強烈なFW。パワーとシュート力、ドリブル、ずば抜けてる選手」と、その存在感を認めないわけに行かない。ダヴィとジュニーニョの2トップか、野沢拓也を下がり目のFWとして入れてくるか。ダヴィの得点力を生かすため、野沢を選択してきそうだ。「トリッキーなパス、考えづらい攻めが出てくるし、攻撃の脅威は落ちない」と北野も警戒を強める。野沢の本来のポジションである右サイドハーフには遠藤 康の起用が濃厚で、左のジュニーニョと同じくスペースを与えるとドリブルが厄介だ。
大宮は練習では鹿島対策として、まずFWにボールが入ったらセンターバックとボランチで挟みに行くことと、ボランチからのサイドチェンジへの対応を徹底して植え付けていた。守備において「自分たちの力を最大限に発揮」し、攻撃では「相手の弱点を徹底的に突く」。岩政大樹と青木 剛のセンターバックは長いボールには強いが、スピード対応には難がある。スピードのあるズラタン、一瞬でマークを外す駆け引きに長けたノヴァコヴィッチとのマッチアップはスリリングなものになるだろう。
鹿島を相手に1勝もできなかった2008年までを知る選手も少なくなり、データほどの苦手意識は大宮の選手たちにはない。22歳の高橋はそのデータを知らなかったし、「アントラーズという名前にビビるような感覚はない」と言い切った。ただ、たかがデータとはいえ、今後も鹿島と対戦するたびに「○回しか勝ててない相手ですが…」と言われるのは選手も嫌だろうし、そのことが潜在的な意識に作用している可能性もある。それだけ積み上げてきたデータは重く、負の連鎖を断ち切るには、一つ一つ勝つことで通算成績を上げていくしかない。過去を変えることはできないが、未来を変えていく勝利をサポーターも望んでいる。
以上
2013.03.29 Reported by 芥川和久
「FWの交代が一人いなくなるという意味で、我々が勝つ確率を高める材料になるかもしれない」と大迫不在に勝機を見出す大宮のベルデニック監督である。
確かに、大迫の負傷欠場は痛い。
とはいえ、長いシーズン、大迫だけでなくダヴィが欠ける試合もやってこよう。
そこを乗り越えてこそ良い成績へと繋がるものである。
この危機を救うべく、野沢をひとつ上げる施策を打つと大宮版の芥川氏は予想しておる。
先日のナビスコ杯の後半に於いても、大迫の代役は野沢であり、順当な考えと言えよう。
野沢が潤滑油となりボールを回しながらゴールを狙っていくこととなる。
そこで新車を購入し、気持ちが高ぶるダヴィが決定力を発揮してくれよう。
問題は守備であろうか。
芥川氏は岩政と青木の二人がスピードに弱いと指摘しておる。
そこには異を唱えさせてもらおう。
岩政はともかく、青木のスピードはJリーグ屈指である。
多少のことでは突破されまい。
実際に昨季の対戦でもこの二人で完封しておる。
データほどの苦手意識はないという大宮の選手に苦手意識を植え付けるためにも、勝利を掴み取りたいところ。
今季初のアウェイ勝利を願ってスタジアムに向かいたい。
大宮の鹿島に対するリーグ戦の通算成績は1勝5分10敗。唯一の勝利は4年前まで遡らなければならない。大宮にとっては天敵ともいえる相手であり、ベルデニック監督も「鹿島は最も警戒する相手の一つ」と認めている。とはいえ選手個々の戦力差は今や圧倒的なものではないし、昨季の順位は大宮が13位で鹿島が11位、ここまでの戦績はともに1勝2分の勝点5で6位タイ。「自分たちの力を最大限に発揮し、相手の弱点を徹底的に突く」(ベルデニック監督)ことができれば、今季ホーム初勝利を天敵からの2勝目で飾ることができるだろう。
互いに前線に懸念材料がある。大宮の2トップは不動のノヴァコヴィッチとズラタンのスロヴェニア代表コンビだが、この2トップに今季いまだ公式戦ゴールはなく、ノヴァコヴィッチは代表招集された22日のアイスランド戦でゴールを決めたものの、今週帰国したばかりで二人ともコンディションは「まだ完全ではない」(ベルデニック監督)。
鹿島は23日のヤマザキナビスコカップF東京戦で大迫勇也が負傷し、今節は出場できそうもない。前線で起点となり、また自ら「急な(タイミングでの)シュートを撃つ」(北野貴之)ことで相手守備陣に脅威を与える大迫の不在は、鹿島にとっては痛いところだろう。まして鹿島にはカップ戦でさえベンチに入れる控えFWがいない状況であり、ベルデニック監督も「優れたFWが出られないのは残念だが、FWの交代が一人いなくなるという意味で、我々が勝つ確率を高める材料になるかもしれない」と、控えめな表現でその影響を語った。
ポイントは鹿島が大迫の穴をどう埋めてくるかにある。もちろんダヴィが一人いるだけで十分に怖い。昨年J2で対戦した高橋祥平も、「強烈なFW。パワーとシュート力、ドリブル、ずば抜けてる選手」と、その存在感を認めないわけに行かない。ダヴィとジュニーニョの2トップか、野沢拓也を下がり目のFWとして入れてくるか。ダヴィの得点力を生かすため、野沢を選択してきそうだ。「トリッキーなパス、考えづらい攻めが出てくるし、攻撃の脅威は落ちない」と北野も警戒を強める。野沢の本来のポジションである右サイドハーフには遠藤 康の起用が濃厚で、左のジュニーニョと同じくスペースを与えるとドリブルが厄介だ。
大宮は練習では鹿島対策として、まずFWにボールが入ったらセンターバックとボランチで挟みに行くことと、ボランチからのサイドチェンジへの対応を徹底して植え付けていた。守備において「自分たちの力を最大限に発揮」し、攻撃では「相手の弱点を徹底的に突く」。岩政大樹と青木 剛のセンターバックは長いボールには強いが、スピード対応には難がある。スピードのあるズラタン、一瞬でマークを外す駆け引きに長けたノヴァコヴィッチとのマッチアップはスリリングなものになるだろう。
鹿島を相手に1勝もできなかった2008年までを知る選手も少なくなり、データほどの苦手意識は大宮の選手たちにはない。22歳の高橋はそのデータを知らなかったし、「アントラーズという名前にビビるような感覚はない」と言い切った。ただ、たかがデータとはいえ、今後も鹿島と対戦するたびに「○回しか勝ててない相手ですが…」と言われるのは選手も嫌だろうし、そのことが潜在的な意識に作用している可能性もある。それだけ積み上げてきたデータは重く、負の連鎖を断ち切るには、一つ一つ勝つことで通算成績を上げていくしかない。過去を変えることはできないが、未来を変えていく勝利をサポーターも望んでいる。
以上
2013.03.29 Reported by 芥川和久
「FWの交代が一人いなくなるという意味で、我々が勝つ確率を高める材料になるかもしれない」と大迫不在に勝機を見出す大宮のベルデニック監督である。
確かに、大迫の負傷欠場は痛い。
とはいえ、長いシーズン、大迫だけでなくダヴィが欠ける試合もやってこよう。
そこを乗り越えてこそ良い成績へと繋がるものである。
この危機を救うべく、野沢をひとつ上げる施策を打つと大宮版の芥川氏は予想しておる。
先日のナビスコ杯の後半に於いても、大迫の代役は野沢であり、順当な考えと言えよう。
野沢が潤滑油となりボールを回しながらゴールを狙っていくこととなる。
そこで新車を購入し、気持ちが高ぶるダヴィが決定力を発揮してくれよう。
問題は守備であろうか。
芥川氏は岩政と青木の二人がスピードに弱いと指摘しておる。
そこには異を唱えさせてもらおう。
岩政はともかく、青木のスピードはJリーグ屈指である。
多少のことでは突破されまい。
実際に昨季の対戦でもこの二人で完封しておる。
データほどの苦手意識はないという大宮の選手に苦手意識を植え付けるためにも、勝利を掴み取りたいところ。
今季初のアウェイ勝利を願ってスタジアムに向かいたい。